一般林政予算の
拡充を求める意見書

 近年、森林に対する国民のニーズは、従来からの木材供給や国土保全機能等に対する要請にとどまらず、保健休養や文化・教育的な利用、さらには動植物の生態系維持や地球温暖化防止対策における二酸化炭素吸収源としても持続可能な森林整備が求められるなど、多様化、高度化の一途をたどっています。

 しかし、今日、我が国の森林・林業を取り巻く状況は、外材の大幅輸入や住宅建築様式の変化等の中で木材価格の低迷や、林業労働者の激減・高齢化を招いており、森林の荒廃や木材関連業界の衰退はもとより、農山村の地域振興にも影響を与えることが懸念されています。

 こうした中、昨年6月、第151回通常国会において、改正「森林・林業基本法」が成立し、同年10月には森林・林業基本計画が閣議決定され、森林の有する多面的機能の発揮や林業の持続的かつ健全な発展を前提に、森林の整備や地域材利用計画の推進、林業労働力の確保等に向け必要な対策を進めることとしています。しかし、実質初年度となる平成14年度一般林政予算は不十分な予算措置となっており、このことは「森林・林業基本法」の基本理念の達成が遠のくばかりか、国土の保全や国民生活の安定確保等に支障を及ぼすだけでなく、森林を守り育ててきた地域農山村の切り捨てにもつながるものと考えます。

 よって、政府及び国会におかれては、今こそ森林を公共財・環境財と位置付け、21世紀にふさわしい林政の推進に向け、下記事項について必要な対策を講ずるよう強く要望します。

1 新たな森林・林業基本計画に基づく、望ましい森林資源充実のための森林施業推進に向け、各種補助事業の拡大に加え、森林整備地域支援交付金の充実や地球温暖化対策推進法等に基づく新たな森林整備への支援策を講ずること。

2 公共施設の国産材・地域材の積極的利用に向け、関係省庁の枠を越えてその推進を図ること。また、木材価格の安定に向けて国としての支援策を確立すること。

3 森林整備の推進のためには、担い手となる山村地域の林業労働者の確保が極めて重要となっており、緊急地域雇用特別交付金事業とも併せ、働く環境の整備を図りつつ恒常的な林業労働力確保に向け必要な予算措置を講ずること。

4 緊急間伐5カ年計画における実施期間や対象林分等の見直しを行い、地方財政の軽減を図るため、初回間伐については全額国庫補助により実施すること。また、間伐材の利用については、公共工事への積極的利用等その促進に向け必要な支援策を講ずること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 平成14年6月17日

上 越 市 議 会