上越民報

2003年7月号 217 6月議会特集

目次
■14市町村合併で財政は大破たん!16年間で318億円超える累積赤字に
■財政難といいながら、75億円もの総合運動公園をつくるんですか
■14市町村が合併すれば、現在の上越市のサービス水準も維持できなくなります
■筆坂セクハラ問題について
■議会を軽視した前議長の辞職は当然のこと
■国保資格証は命にかかわること!!
■高田のまちに総合的な雪対策を
■オンブズパーソン条例
■「いっそうの雇用不安をもたらす労働法制の慎重審議を求める請願」は、不採択
■今年度からの新規事業を紹介します


14市町村合併で
財政は大破たん!
16年間で318億円超える累積赤字に


党地区委の申し入れと議会での追及で

 日本共産党上越地区委員会が申し入れていた14市町村が合併した場合の財政シミュレーション(平成15年度予算ベース)が示されました。
 日本共産党議員団も、「財政的な裏付けのない計画ならだれでも画ける」との立場から、毎回のように議会で追及してきたものです。

市町村合併
市民の意見を聞く会
【高田会場】
 8月4日(月)午後7時〜
 市民プラザ
【直江津会場】
 8月5日(火)午後7時〜
 レインボーセンター
主催 市議会有志議員

年平均約20億円もの財政赤字が

 この財政試算では、職員数を約2300人(14市町村の合計)から1650人程度まで減らす計画です。それでも合併した17年度こそ収支は9億円弱の赤字ですが、その後は年平均で約20億円、多い年では30億円を超える赤字になっています。32年度までの16年間では実に318億円もの累積赤字(歳入不足)になります。
 合併前に蓄えた基金はすぐに底を尽き、この試算で計画した以上の借金をしなければならず、その返済でまた借金と、アリ地獄のような財政破たんが待っています。
 合併しなかった場合も毎年収支は赤字ですが、合併した場合よりも赤字幅が小さいのが特徴です。

サービスの維持は不可能 切り下げと負担増が

 大幅に職員を減らしても財政が赤字になるということは、13町村のサービスと負担の水準を現上越市の水準に合わせることさえできず、現水準を維持できないということです。
 財政破たんをさせないようにするとしたらどうなるでしょうか。行き着く先は決まっています。サービスを切り下げるか、負担を増やすかのどちらかしかありません。
 法定協準備会で検討したグランドデザインが示されていますが、これを実現する財政的な裏付けがまったくありません。「絵に画いた餅」とは、こうしたことをいうのでしょう。
 試算に盛り込まれていない施策は、新たな借金によるしかありません。それは更なる借金地獄を招くことになります。

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財政難といいながら、
75億円もの総合運動公園をつくるんですか

 「戸野目古新田か、飯地区か」との議論が盛んです。
 「どこに造るかよりも、どんな施設をいくらで造るのかが大問題だ。」との杉本敏宏議員の指摘に、市長は、「土地42億円、施設33億円」と答弁しました。
 しかし、施設は、県が造る「ドーム型競技場」と「テニスコート」以外、まったく明らかにされませんでした。「何を造るか分からないけれど33億円かかる。」では、市民の納得は得られません。
 木浦市長は、「上越市は財政難。財政再建の途上だ。」と盛んに強調しています。年間予算の15%75億円もの大金を注ぎ込む余裕はないはずです。
 結局、福祉や教育など身近な暮らしにしわ寄せされることになりかねません。

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14市町村が合併すれば、
現在の上越市のサービス水準も
維持できなくなります

 前ページに示したように、14市町村が合併すると財政破たんが懸念されます。また、地方交付税が合算算定から一本算定になると25%も減ることが明らかになっています。これでは行政サービスを維持できないのではないか心配です。一般質問で樋口良子、杉本敏宏の両議員が追及しました。

保健・福祉予算は3割減に

 保健衛生や高齢者福祉は、地方自治体の重要業務です。その費用が合併で「効率化」の名のもとに大幅に減らされることになります。高齢化社会に突入し、これまで以上に諸施策を充実させていかなければならない時期に予算が削られては施策が後退することになります。充実させることができるのですか。
 合併の「スケールメリット」とは、「職員を減らせる」ということです。保健衛生や高齢者福祉は、人手をたくさん必要とします。この部門の職員を減らさなければ、「スケールメリット」は出ません。体制を維持できますか。

職員を削減するには施設の統廃合が必要になる

 「スケールメリット」といっても、各地に支所や学校、保育園があれば、最小限の職員を配置しなければなりません。どうしても減らすとなれば、現在の町村の枠を超えた統廃合や廃止が行われることになります。

消防費大幅減で火は消せるか

 消防費も大幅に減少することになります。その減少した範囲で対応するとなれば、全体の消防体制を手抜きしなければなりません。上越市の現状を維持するとすれば、周辺部の消防体制を縮小しなければならないはずです。これまでの体制を維持するとしたら、その財源をどこから調達するのですか。
 町村の消防団は、町村職員が大きな力を発揮しています。合併で市役所に移動すると消防団も維持できなくなります。既に合併した丹波篠山市で、火事になっても消防が間に合わなかったことから、住民の中では、「火災保険に入ろう」となっているそうです。

農業・商工業の振興はどうなる

 合併で、営農に不利な中山間地をたくさん抱え込むことになり、これまで以上に農業行政を充実させなければならなくなります。ところが、基幹産業である農業行政費も3割近く減る見通しです。これで現在の農業行政を維持できるのでしょうか。
 商工業振興費も大幅に減らされることになっています。長引く不況で、いまこそ振興策を充実させなければならない時に、まったく逆行することになります。

町村の除雪を維持すれば、上越市は手抜きに

 除雪費も減少が予想されます。これまで町村が行ってきたきめ細かな除雪を維持するとすれば、現上越市内の除雪を手抜きしなければならないし、上越市を充実させれば、周辺を手抜きすることになりませんか。

市長答弁は、「人員削減」と「努力する」の一点張り

市長/14市町村合併で、地方交付税が71億円減るが、サービスを低下させないように努力する。
質問/上越市の現在のサービスを維持するためには財源が必要だ。その財源をどこから調達するのか。
市長/合併のスケールメリット(人員削減)で対処する。
質問/71億円も交付税が減るというが、減った分の財源をどこから持ってくるのか。
市長/全体的に行政コストを縮減(人員削減)して対応する。
質問/広すぎてスケールメリットは出ない。広い面積でデメリットばかりではないか。
市長/メリットが出るように努力する。

新市議会で議決すればいつでもサービスは切り下げられる

 合併で財源が減らされれば、現在の上越市のサービスと負担の水準を維持することすら困難になり、サービス切り下げか負担増が必至となります。
 実際この間、「サービスは高い方に、負担は低い方に」といって合併しながら、わずか2〜3年で、「財政が厳しいから」といって、サービスを切り下げたり、負担を高くしたりする所が続出しています。
 新しい議会で議決すれば、約束はいつでもホゴにされるのです。

住民投票で市民の声を聞くべきです

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筆坂セクハラ問題について

 日本共産党が新たな前進を目指そうというその時に、筆坂セクハラ問題が発生しました。
 日本共産党はこの問題に対し、事実関係を明らかにし、議員辞職という処置を決め、公表するというように、社会的道義をもっとも重視して対応してきました。
 同時に、被害を受けた女性の人権とプライバシーを守ること、二次被害を出さないことを何よりも重視しました。
 党の幹部が起こした不祥事であり、たいへん申し訳ありませんでした。市民道徳を守り、国民、市民の皆さんの信頼を得られるよう、力を尽くします。

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議会を軽視した前議長の辞職は当然のこと

 14市町村合併問題での議会対応をめぐって小林章吾前議長が引責辞職しました。辞職は当然のことです。
 合併についての「市民意向調査」は、「全数で」という議員も多く、議会で協議した後実施することになっていました。しかし前議長は、この議会協議をせずに、また議員にも知らせずに勝手に「10%で良い」と行政側に回答していたのです。
 小林前議長のこの行為に多くの議員が憤り、辞職を迫ったのです。杉本敏宏議員が緊急質問を行い、「議長不信任動議」を提出する等、前議長と行政の責任を追及しました。結局、前議長自ら辞職願いを提出し、辞職しました。

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一般質問
樋口良子
議員

国保資格証は命にかかわること!!

国保は国民の権利、国の責任

 いつ起こるかわからない病気やケガ、その時安心して医療を受けられることを憲法は国民の権利として定め、医療を保障することを国の責任としています。戦後憲法に基づいてだれもが保険証一枚で医療を受けられる世界に誇れる国民皆保険制度が確立されました。

補助金カットで保険税アップ

 政府は国保の補助金カットを断行しそれにより各地で保険税アップにつながり払いたくても払えない滞納者が急増してきました。

滞納者の制裁措置=資格証明書

 一年以上滞納すると保険証でなく資格証明書が発行されます。上越市では2001年737件、2002年415件とかなり多く発行しています。窓口負担は10割となり安心して医療を受けられなくなります。

悪質滞納者以外は発行しない

 払う能力があるのに払わない一部の悪質滞納者以外は発行しないよう強く市長に要求しました。

 前年度より所得が減った時など申請すると国保税が減免される制度があります。滞納して困っている方は是非相談してください。

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一般質問
杉本敏宏
議員

高田のまちに総合的な雪対策を

 四年前にもこの問題を取り上げましたが、現場でトークなどでも雪対策が提起されてるように、あまり進んでいないようです。それで改めて質問しました。

 高齢化社会を迎え、雪対策も抜本的に見直さなければなりません。流雪溝も効果的ですが、高齢者が雪を投入するのは大変です。除雪車が戸口に置き去りにしていった雪の処理もままなりません。

 雪対策の基本は現場対応だと思いますが、それも総合的な雪対策があってこそ、統一した対応が可能になります。この総合的な計画がないので、これを立案する予定がないかということです。

 「降積雪状況、地理的状況、土地利用などをもとにした総合的な計画が必要である。上越市雪対策基本計画を策定することとしている。青田川と関川に挟まれた高田地区の計画は、その中に含める。」との答弁でした。

オンブズパーソン条例

 オンブズパーソン制度は、行政が抱える様々な問題点を抽出し、その改善案を提起し、解決するための独立した行政組織です。

 市民の皆さんからは、「行政に対する苦情はどこに持っていけばいいのかわからない」と言われていました。こうした「苦情処理」もオンブズパーソンの業務の一つで、その窓口ができたということです。オンブズパーソンの事務所は、市民プラザ内に置かれる予定です。

 市政の監視は、議会の重要な権能の一つです。「競合しないか」との質疑に「制限することにはならない」との答弁でした。

 「政党その他の政治団体の役員」の兼職禁止規定が明記されていますが、何が政治的利用なのか、政党役員とはどのレベルの役員なのかは、条例にはかかれていません。私が、「思想信条の自由に関わるので、要綱か規則で定めるべきだ。議会に提示せよ。」と要求したところ、後日、総務常任委員会に提示されました。

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「いっそうの雇用不安をもたらす労働法制の
慎重審議を求める請願」は、不採択

 サービス残業を野放しにするような内容を含む労働基準法等の「改正案」が国会で審議されていますが、その「慎重審議を求める請願」が、県労連などが組織する労働法制新潟連絡会から提出されました。日本共産党議員団、グリーンネット、清風が賛成しましたが、賛成少数で不採択となりました。

 他に3本の意見書が採択され、政府関係機関に送付されました。

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今年度からの新規事業を紹介します

☆外出支援事業

高齢者の足の確保閉じこもり予防を目的として、80歳以上の一人暮らしや高齢者のみ世帯を対象にタクシー券を交付(民生委員を通して)

☆介護者リフレッシュ事業

在宅で要介護1〜5の方を介護している方が対象、くわどり湯ったり村で一日過ごす。自己負担2000円。

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