上越民報

2001年9月16日 bP90

目次
■黒字、実は赤字ではないですか。膨大な借金、返せますか
 上越市の一般会計を市民の家計にたとえると
 「十七億円も黒字ですか」という市民の声
 四七一億円の市債は、返せるのか
 返す以上に借りるべきではない
■景気対策特別資金が余っている、対策が不十分ではないのか
■市町村合併は、本当に行財政基盤の強化をはかる有効な手段か
 住民税は増えないのではないか
 地方交付税も減らされるが
■高い国保税を引き下げて、資格証明書は発行するな
■一民間企業のコンビニのために用地を調達する必要があるのか
■厚生南会館
■地方自治法のどの規定に基づいて専決処分したのか

黒字、実は赤字ではないですか
膨大な借金、返せますか

杉本敏宏議員が、総括質疑(6日)で追及

上越市の一般会計を市民の家計にたとえると

 ?546?万円の収入があって?529?万円使ったので、?17?万円余ったということだ。しかし、考えてみたら、?464?万円もの借金があったのに、元金?34?万円返しただけで、新たに?42?万円借金したので、結局借金は7万円増えて?471?万円になった。
 ?546?万円の収入も父ちゃんの稼ぎ―市税だが―は、?187?万円しかなく、前の年よりも4万円も減っていて、奥さんや子供の収入を加えても足りない分を、両親から?79?万円も仕送りしてもらって―地方交付税だが―、何とかやりくりしている。その両親も生活が厳しいので仕送りを減らすぞと言ってきている。
 よくよく見たら、別会計で?500?万円も使っていて、そっちの借金が?692?万円もある。まあ、一般家庭ならば、火の車を通り越して破産寸前というところだ。

「十七億円も黒字ですか」という市民の声

一般会計
市債残高
2000(~12) 471億6千万円
1999(~11) 463億9千万円
1998(~10) 448億2千万円
1997(~9) 435億8千万円
1996(~8) 427億4千万円
1995(~7) 413億2千万円
1994(~6) 401億4千万円
1993(~5) 397億4千万円
1992(~4) 356億7千万円
1991(~3) 362億9千万円
1990(~2) 356億6千万円
1989(~1) 343億5千万円
1988(63) 327億9千万円

 市民からは、「上越市は17億円も黒字で、財政が豊かですね」といわれる。歳入歳出差引?17?億円の黒字というのは、実態を表していないのではないか。実態は、?42?億円借金したので?17?億円余ったということで、実質赤字ではないか。

【市長】市債というのは住宅ローンみたいなものだ。この比較は意味がない。

 市民の疑問に答えたことにならない。

四七一億円の市債は、返せるのか

 一般会計の市債残高は、7億円増えて?471?億円になった。これに特別会計の市債残高も合わせると一一六三億円にもなる。?471?億円というのは一般会計?546?億円の実に?85?%にあたる。平成5年度まではおおよそ?350?億円程度で推移してきたが、宮越市長に替わって毎年?10?億円と急激に増えてきた。借金がここまで増えてくると誰だって心配になるではないか。この借金、本当に返せるのか。

【市長】市が手当てする分は?314?億円だ。増えたのは国が交付税で手当てしてくれる分なので大丈夫だ。

 借金返済分を上乗せしてくれるわけではない。現状の交付税に含まれてくるので、一般財源として自由に使える分が減っていく。その分他の施策にしわ寄せされる。

【市長】交付税が削られるように言うのは違う。

 削られるとは言っていない。満額来ても、その中で借金返済分が増えていくといっているのだ。

返す以上に借りるべきではない

 公債費は?51?億円でいっぱい返したように見えるが、その内元金は?34?億円である。これでは借金残高は膨れるばかりではないか。少しでも借金の額を減らそうとすれば、返す以上には借りないということにするべきだ。

【市長】仕事をすれば借金も増える。

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景気対策特別資金が余っている
対策が不十分ではないのか

 景気低迷が続いている中で、商工費が当初予算比で?14?億5千万円、前年度決算比でも7億2千万円も減少している。景気対策をしているというが、効果的な対策が取れていないのではないか。

【市長】利子補給など対策を取ってきた。

 景気対策資金が使われていない。なぜこんなに余ってしまうのか。それは借りたくても借りられないからだ。銀行の思惑でふるいにかけられてしまう。いわゆる貸し渋りである。市の融資制度なのに、銀行の思惑で借りられないというのはおかしい。

【市長】市の制度とは言っても金融機関に預託し、金融機関の融資の枠内で利用してもらう制度になっている。

 銀行への預託という制度に問題がある。借りる側は、銀行では貸してくれないので市の制度に期待をつないでいるのだ。これでは意味がないではないか。

 預託ではなく、市が直接貸し出す制度にすべきだ。

【市長】市が直貸しできない。税金を投入するのだから、回収できなかったらどうするのか。

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市町村合併は、
本当に行財政基盤の
強化をはかる有効な手段か

 「提案理由」で「行財政基盤の強化を図りつつ、分権時代にふさわしい室の高い行政サービスを安定的に提供していく上で、市町村合併は有効な手法の一つであると考えております。」と述べ、「任意の合併協議会を今年十月に設置することで正式に合意した」として、協議会設置のための補正予算が提案されている。

住民税は増えないのではないか

 財政的には、市町村民税は合併前も合併後も変わらない。一人当たりの税収で見れば、144、631円から137、996円へと減少するのであって、合併しただけでは税収は増えない。増えるとすれば増税をするということである。

地方交付税も減らされるが

 地方交付税は、本来ならば合併すると減少するのであるが、それでは合併が進まないので、特例が設けられた。5市町村が合併した場合、?10?年間は?126?億円程度交付されるが、?15?年後には、現在の上越市の水準と同程度の?70?億円位に減るから、4町村分の交付税がまるまる減ることになる。財政基盤は一つも強化されない。

【市長】人員削減などによって効果が出てくる。合併はどういう自治体をつくるかということだ。

 それなら、吸収される自治体は自分たちでどうするかを考えればいいわけで、任意合併協議会に参加する必要がなくなる。吸収する方の上越市は「合併すればこんなによくなりますよ」と宣伝する必要があるかもしれないが。

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高い国保税を引き下げて
資格証明書は発行するな

 上越市の国保税は新潟県内で一番高い。我々は以前から引き下げを要求している。介護保険の導入が一つのチャンスだった。
 払いたくても払えないでいる滞納者がいっこうに減らない。収納率も伸びていない。不納欠損額は?600?万円増えて四二〇〇万円にもなったし、収入未済額は七〇〇〇万円も増えて6億8500万円にもなっている。その原因は、保険料が高すぎることにある。介護保険料が上乗せされたからなおさらだ。
 歳入歳出差引で4億3154万円の黒字になって、2億円を財政調整基金に積み立てるというが、いまこそ保険税を引き下げて加入者に還元すべきではないか。

【市長】近い将来赤字になることが見えているのでムリだ。

 6月1日現在の新潟県全体での短期保険証の発行数は3179世帯であるが、このうちの約3分の1、?947?世帯が上越市である。資格証明書の発行も?500?通近く出したという。大部分は、収入が少なく払いたくても払えない世帯だ。短期保険証等の発行、とりわけ資格証明書の発行は、払えるのに払わないという悪質な滞納者に限るべきだ。

【市長】全員が悪質とは考えていない。納税相談が進むメリットもある。

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一民間企業のコンビニのために
用地を調達する必要があるのか

 アーバンヴィレッジ第1号地区で、一民間企業であるコンビニの出店のために、用地を調達するというが、こんなことこそ自助努力で行うべきである。

 第1号地区というからには、第2号以下も考えているのだろうが、その都度要望があれば、行政が便宜を図るということにならないか。市内各所で一生懸命に事業展開している一般民間企業との整合性はどうなるのか。

【市長】もともと店舗併用住宅を考えていた。ちょうど出店の希望があったので対応した。今後についてはケースバイケースだ。

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厚生南会館

 高田公園の長期整備計画では、厚生南会館は取り壊すことになっている。いまさら耐震診断調査を行う必要はないのではないか。耐震調査をするということは、今後とも使い続けるということか。耐震診断調査を行うのはなぜか。

【市長】財政状況から音楽堂をすぐ作れないので、厚生南会館の補修をして、もうしばらく使いたい。

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地方自治法の
どの規定に基づいて
専決処分したのか

 七月に3つも専決処分をしているが、地方自治法のどの規定に基づいて行ったのか。

【市長】「普通地方公共団体の長において議会を招集する暇がないと認めるとき」という規定だ。

 七月三十日の専決の一つは「上越地域医療センター病院にリハビリを設ける」というものだが、この日、厚生常任委員協議会が開かれ、この件が報告され協議した。

 七月二三日に2件専決しているが、十九日には定例の議員懇談会があった。議会に打診していないのではないか。まったくの議会軽視だ。

【市長】以前にも杉本議員に指摘された。議会を軽視しているわけではない。以後、気を付ける。

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