上越民報

2001年4月15日 bP79

目次
■市町村合併は、大型事業の財源確保が目的ではないか
(1)国が財政赤字を地方自治体に押し付けるのは不当では。
(2)なぜ1市3村なのか。
(3)タイムリミット(平成17年度末)の根拠は。
(4)牧、清里では議員が出せなくなる?
(5)役場の廃止、保育園・学校の統合など、住民サービスの切り捨てで職員を削減するのか
(6)財政力が強い上越市が3村を救済するために合併するということにならないか。
(7)普通交付税は、15年後には現在の上越市の交付税額程度まで減らされるのではないか。
(8)国県の財政措置は、「地方債」だが、現在の借金も含め、将来交付税が減っても返済できるのか。
(9)結局は、「財政規模が大きくなる」こと、すなわち、大型公共事業を進めるための財源確保が目的ではないのか。
■ 答弁が持ち時間超過し一般質問、空転 市長、反省の色なし


市町村合併は、大型事業の
財源確保が目的ではないか



三月二十一日に行われた、杉本敏宏議員の三月議会での一般質問を紹介します。

 私は、昨年の9月議会での議論の上に立って、国や県の合併推進政策に対する見解や上越市の取り組み、市町村合併に対する市長の見解をお聞きしたいと思います。

議員1人当たりの人口
市町村 人口 定数 人口
/定数
上越市 133,724 30 4,457
牧村 3,126 14 233
清里村 3,315 14 237
三和村 6,477 18 360
合計 146,642 30 4,888

(1)国が財政赤字を地方自治体に押し付けるのは不当では。
 国地方合わせて666兆円といわれる財政赤字の責任は、国の放漫な財政運営にあります。
 公共事業に650兆円という対米公約、そのためのむだな大型公共事業、銀行救済に70兆円もの投入、上越市の1年分の交付税に匹敵する70億円以上の「機密費」、まさに財政の浪費そのものであります。
 旧自治省主導の市町村合併の主要な動機は、「地方交付税を減らす」ことにあります。国がムダ使いをした結果増大した財政赤字を、地方自治体の固有の財源である交付税を削減するという形で地方自治体に押し付けるのは、不当とは思いませんか。

(2)なぜ1市3村なのか。
 新潟県が2月に全県を21のパターンに分けて合併を推進しようという「新潟県市町村合併促進要綱」を発表しました。日本共産党は上からパターンを示して、枠をはめるやり方には賛成できません。
 牧村、清里村、三和村と勉強会を持ってきた上越市は、1月末に、「市町村合併に関する勉強会調査報告書」「市町村合併に関する提案」も公表し、1市3村の「任意協議会」を提案しています。1市3村なのでしょうか。

合併によりどの部門の
職員が減るか
部門 現在数 合併後 増減
議会 14 10 △4
総務 256 186 △70
税務 62 64 2
民生 314 229 △85
衛生 89 95 6
労働 3 2 △1
農水 69 55 △14
商工 24 20 △4
土木 142 127 △15
教育 270 228 △42
合計 1,243 1,017 △226

(3)タイムリミット(平成17年度末)の根拠は。
 「平成17年度末までに合併しないと」ということの根拠は、合併特例法の期限ですが、この特例法は、昭和40年に5年間の時限立法として制定され、その後数回更新されてきました。しかしその都度「合併がし易くなるような」改定が加えられてきました。この法の性格から、17年度末に廃止されることも、合併条件が今よりも悪くなることも考えられません。それどころか、今よりももっと有利な合併条件に改定されることすら予想されるのであります。タイムリミットを市長は、どのように考えておられるか。

(4)牧、清里では議員が出せなくなる?
 1市3村の合併により、人口は14万6千余人になります。地方自治法上の議員定数は「三十六人」で、40人の議員を削減できるというものです。
 議員は地域代表ではなく、全住民の代表ですが、地域住民の中では、「おらが地域の代表」という意識が強くあります。合併後の議員一人当たりの人口は約4100人で、牧村、清里村では全村結束しても1人の議員も出せません。現在それぞれ14人の議員が行政をチェックしていることを考えると、住民自治の大幅な後退です。合併により、こういう状態が生じることについて市長はどのように考えておられますか。

(5)役場の廃止、保育園・学校の統合など、住民サービスの切り捨てで職員を削減するのか
 市町村合併の効果として、「職員の削減」が目玉商品のように強調されております。現在数と合併後の職員数との比較すると、全体で226人減ですが、1位が民生で85人、2位が総務の70人、そして教育の42人となっています。
 民生部門の職員減は、保育所の統廃合、福祉施設の統合や外部委託により実現します。総務部門の減少は、役場の統合により、窓口職員が減少することによります。職員を削減するというのは、住民サービスを切り捨て、低下させることではないでしょうか。

財政力指数
上越市 0.740
牧村 0.119
清里村 0.146
三和村 0.267

(6)財政力が強い上越市が3村を救済するために合併するということにならないか。
 平成9〜11年度の平均財政力指数を見ますと、上越市に比べ、他の3村は大幅に低いのがわかります。
 3村のみなさんにはたいへん失礼な言い方になりますが、結果として、財政力が強い上越市が財政力の弱い3村を救済するために合併するということになるのではないでしょうか。市長の見解をお示しください。

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(7)普通交付税は、15年後には現在の上越市の交付税額程度まで減らされるのではないか。
 市町村が合併しますと、普通交付税は大幅に減少しますが、ここに自治省が合併を推進する真の狙いがあります。しかし、交付税が減るのをそのままにしておいては、誰も好んで合併しません。そこで考え出されたのが、「10年間据え置き、その後の5年間の激変緩和措置」というものです。
 11年度に合併した場合の普通交付税の試算によりますと、12年度から21年度までの10年間は約100億円と試算していますが、15年後の平成27年以降は約34%減の66億3457万円になります。合併して最初の10年間はいいものの、16年後、4年1期として4期あとにはたいへんな財政難が待ち受けていることになります。(この時には、市長をはじめ現在の市の幹部は誰もいないでしょう。)
 普通交付税は、合併15年後に特例措置が廃止されると、1市3村の現在の交付税合計額の3分の2程度、すなわち現在の上越市の交付税額程度になるのではないでしょうか。

普通交付税の推移
(億円)
年度 交付税 減額
11年度 125.9 25.9
内訳 上越 76.8
17.0
清里 15.7
三和 16.4
12〜21年度 100.0 0.0
22年度 96.6 △3.4
23年度 89.9 △10.1
24年度 83.2 △16.8
25年度 76.4 △23.6
26年度 69.7 △30.3
27年度以降 66.3 △33.7

(8)国県の財政措置は、「地方債」だが、現在の借金も含め、将来交付税が減っても返済できるのか。
 今回の合併特例法の改定の目玉の一つは、「合併特例債による財政支援」です。これは「市町村建設計画に基づいて行う事業に要する経費について、合併後11年間、地方債をもって財源とすることができる」というものです。財政支援といっても「建設事業に借金を認める」というに過ぎません。1市3村が合併した場合、借金の上限額が283億円と見積もられ、この内188億円が交付税措置されます。
 上越市はすでに一般会計だけで500億円近くの市債残高があり、これに3村の地方債も加わります。その上、「財政支援だから」と合併特例債を発行したら、財政が急激に悪化することは火を見るよりも明らかです。さらにこの特例債の返済がピークに差し掛かる頃に交付税はどんどん減らされます。市町村固有の財源である交付税の大部分が借金返済の財源とされてしまいます。はたして現在の借金も含め、将来交付税が減っても返済できるのでしょうか。

(9)結局は、「財政規模が大きくなる」こと、すなわち、大型公共事業を進めるための財源確保が目的ではないのか。
 このように見てきますと、住民の側から見ると市町村合併には何のメリットもないだけでなく、デメリットばかりが押しかぶされるようです。
 しかし、上越市のように大型公共事業が目白押しの行政にとって見ますと、財政規模が大きくなることはたいへんな魅力であります。普通交付税も上越市単独では70億円程度ですが、合併すれば10年間は100億円程度になりますし、何よりも283億円もの合併特例債を発行できます。
 今後5年間で土地開発公社から大量の土地を取得することになりますが、その費用やその上に建設される上物に要する費用を捻出するためには、どうしても合併が必要だといえるかもしれません。1市3村の合併は上越市にとって、大型公共事業を進めるための財源確保が目的ではありませんか。市長の見解をお聞きしたいと思います。(合併によって大きくなる財政規模で、上越市の公共事業を進めるとすれば、3村から財政的支援をしてもらうということにならないか。)

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答弁が持ち時間超過し
一般質問、空転
市長、反省の色なし

原則四〇分、六〇分を超えないこと
 このことは、議長が一般質問の最初に毎回確認していることです。宮越馨市長も以前は、自らこのことを強調していましたが、最近は言わなくなっていました。

杉本議員の再質問時間は、一分二〇秒
 二一日、杉本敏宏議員は一般質問で二三分の質問をしました。これに対して市長は延々と答弁。途中からは時計を見ながら、原稿に無いことをしゃべり、結局、再質問時間は一分二〇秒ということになりました。

水沢議員への答弁超過
 その後に登壇した自由クの水沢議員への答弁は、時間内に終わらない事態に。ルール無視に対して議場は抗議の渦。議長権限で延長して答弁を継続しました。
 議会運営委員会では、多数で「議長の判断を了とする」ことにしました。

二度あることは三度
 二二日の小林林一議員(自由ク)の一般質問に対し、市長は、ものすごい勢いで原稿をわき目も振らずに棒読み。それでも時間内に読み終えることができませんでした。再度の時間オーバーに議場は騒然。休憩に。
 「普通に読めば一時間以上かかるような原稿を持ってくること自体、はじめから時間を守る意思が無い。断固とした態度を取るべきだ」。党の主張です。
 「延長の前例がある」との声も。

市長、反省の色なし
 再開後、「六分間の延長」を認められて、再び原稿棒読み。読み終わって、得意げな顔で、「以上。」
 議会を二時間半も空転させたことなどどこ吹く風です。こういうところで人間性が現れるものです。

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