上越民報

1998年10月18日 bP18



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部長廃止、副市長制導入は中堅職員のリストラが目的か


部長廃止、副市長制導入は
中堅職員のリストラが目的か

杉本敏宏議員の一般質問より

市民のみなさんから疑問が寄せられている

 部制廃止と副市長制導入がマスコミで報じられてから、市民の中から様々な問い合わせや意見が寄せられております。このような大問題、市民の方々は、議会に対して報告があったと思って聞いてこられますが、議会には何も話がありません。
 私は、寄せられた疑問などを中心に、いくつかの質問をいたします。

活性化なら部課長に権限委譲を

 9月15日付け新潟日報での、「部が多くその必要性を市長が認めないのならば、部の数を減らすべきであって、5人の副市長を置くという意味がよく分からない。地方自治法上も無理がある」との秋田周・新大教授の論評は、この問題の核心を突いています。
 また9月22日には、「市政の効率化、能率化を図るならば、現在の部長・課長の権限を大きくし、機能を活発化させればよい・・・・現行の八部制を活性化する方策を検討し、生かせば、あえてこれを廃止し、副市長なる珍奇な名称の役職を新設する必要はない」との投書が掲載されました。
 五人の助役の何人かを職員の中から選ぶのであれば、部を統合し、部長に権限を与え、責任を持たせればいいわけで、助役を五人にする必要はありません。

市長に忠実でないと再任されない

 「特別職で四年の任期ごとに力量を問われる分、一般職の部長より責任もはっきりさせられる」とのことですが、その第一の評価者は市長です。再任するかどうかの権限、解職の権限は長にのみあります。 議会は、市長の提案を否認できますが、逆提案はできません。従って、市長の権限がこれまで以上に大きくなります。

部長・助役の役割は明確です

 市長は、「助役、部長では役割、権限がいまひとつ不明確」と述べていますが、自治法第167条で「副知事及び助役は、普通地方公共団体の長を補佐し、その補助機関たる職員の担任する事務を監督し」と、その役割と任務・責任は明確にされています。
 部長の役割、権限を明確にする責任は、市長自身ですが、それを不明確だといっているとすれば、市長自身の怠慢です。部長の役割を明確にせず、必要な権限を与えていないだけのことで、制度上の問題ではなく、運用上の問題です。
 先の22日付投書は、「副市長を五人も設置しなければ改革ではないとする感覚は市民には納得がいかないものである。」と述べていますが、その通りではないでしょうか。

助役一人が原則

 自治法第161条2項は、市長の補助機関として「市町村に助役を一人置く。」と定めており、但し書きで「条例でこれを置かないことができる。」との規定が、また、3項に「副知事及び助役の定数は、条例でこれを増加することができる。」という規定があります。助役を複数置くことじたいが、例外中の例外です。実際、一般市町村では通常助役は一人であり、置かない場合もあります。複数助役は、大都市に限られています。

助役・副知事、役目は同じ長の補助

 首長の補助機関は、都道府県では副知事、市町村は助役と自治法で決められています。条文では「副知事及び助役」と、同じ扱いです。名称は助役でも役割は副知事と同様なのです。

なぜ「助役」でなく、「副市長」なのか

 自治法上、副市長という制度はありません。自治省は、「法に触れる恐れがある」「副市長は置けない。法的にはあくまで助役」といっています。
 自治省にこのような法的な問題を指摘されて、「愛称として使う」ことにしたそうですが、こんな自治法上の初歩的なことは充分わきまえているはずの市長が、「公式には助役だが、副市長の愛称で呼びたい」と、単なる愛称にこだわるのはなぜですか。

市長としての能力欠如か

 最近の報道では、「形式は助役でいいが、実質副市長でいきたい」とも述べています。「副知事及び助役」というのは単なる形式ではなく、第167条の「副知事及び助役の職務」という実質が伴っているのです。「実質副市長」ということは、第167条の「副知事及び助役の職務」の規定を超えて、何か助役以上の役割を担わせようということですが、もし、「市長の職務そのものを助役に分担してもらいたい」ということであれば、それは市長の能力欠如といわれても仕方がありません。

部下の能力引き出すのは市長の責任

 民間でもそうですが、部下の能力を引き出せないのは上司の責任です。上越市の職員はいずれもすばらしい能力を持っています。その職員の能力、とりわけ役職者の能力を十分に引き出せないでいるのは、最高責任者である市長の責任です。問題は、職員の能力、特に役職者の能力を過小評価する市長の姿勢そのものにあるのではないでしょうか。

中堅職員のリストラがねらいか

 6月議会では45歳勧奨退職制度が制定されました。
 市長は以前から「市長の指示がリアルタイムで現場に届き、現場の動きがリアルタイムで市長に届く体制」といっております。
 これらを総合して考えると、それは中間管理職不要論であり、結局の所は、課長、部長など中堅以上の職員のリストラが本当のねらいではありませんか。

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