上越民報

1998年10月11日 bP17



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国立高田病院の存続を  杉本敏宏議員の一般質問から


国立高田病院の存続を
杉本敏宏議員の一般質問から

市長は統廃合に同意したのか

 9月2日に、全医労高田支部などに対し、厚生省が、「国立療養所新潟病院の基本構想(案)について」を発表しました。その際、厚生省側は、「地元同意は得られていると聞いている」と述べております。
 統廃合にあたって、市長、議会、医師会などの「地元同意が必要」というのが国会での厚生省答弁です。市長は、国立高田病院の統廃合に同意したのですか。
【市長答弁】 同意した。

無償移譲にならないのでは

 また、厚生省側は、「職員の雇用については、基本的には新病院で受入れることになる」と述べております。
 2分の1以上の職員を引き継いだ場合が、無償の移譲。3分の1から2分の1の場合は、9割引での特例譲渡。3分の1以下の場合には、7割引であり、国立高田病院職員が基本的に新潟病院に受入れられた場合、7割引の譲渡となります。
 市長は、常に移譲といってきたが、厚生省の言明からすれば、基本的には7割引の譲渡であり、無償の移譲は極めて稀なケースとならざるをえないと思います。
 市長は、7割引でも譲渡を受けるのですか。
【市長答弁】 半分以上の職員を引き継ぐよう努力する。

医療機能が後退する

 市の方針ですと、高田病院は「内科、外科、整形外科」の3科になります。
 国立高田病院には、以前、歯科、産婦人科などがありましたが、呼吸器科の開設にともなって廃止されました。呼吸器科は、国立病院の重要な診療科目ですが、それがなくなります。
 また、国立高田病院には現在、周辺圏域からもたくさんの患者が来院している結核病床があります。これもなくなります。
 さらに外科では、開腹手術は行わないとのことですが、これでは国に整備を要求している医療機器が導入されても有効に活用されません。

機能維持の言明に反する

 市長は、昨年9月議会で、私の一般質問にこたえて、「市民に対してサービスが医療サービス、あるいは福祉サービスが低下してはならないということが一番大事なことでありますから、これは後ろ向きじやなくて、むしろ前向きに考えていくことで対応していこうと、このように実は考えております。」と答弁していました。
 また、「国立病院の医療機能を、これはどんなことがあっても存続するのかというふうに問われれば、私は絶対にこれは存続しようというふうに思っている」とも言明しておりました。
 しかし、発表された方針によれば、上越市への譲渡によって、国立高田病院の医療機能は後退するのではないのか。市長の見解をお聞かせ下さい。
【市長答弁】 福祉施設が併設されるので、後退しない。

国立だからこそ果たせる役割

 このような方針では、現在の国立高田病院がこの地域で果たしている医療機能の重要な部分が
損なわれることになります。
 上越市も参画して策定され、今年1月に公表された「地域保健医療計画」では、医療供給体制の体系的整備の機能整備方針で「C適切な結核病床数の確保に努める」「D慢性呼吸不全、喘息、アレルギー疾患等への対応について、機能の確保を検討する」と述べております。
 このように国立高田病院は、上越保健医療圏において重要な役割を持っており、それは、国立であるからこそ担うことができる重要な機能だといえます。
 国立と市立の間には、大きな機能の違いがあります。わが党が国立での存続を主張する根拠もここにあります。国立でなければ果たせない機能、国立だからこそ担うことのできる機能、それらが上越市への譲渡によってばっさりと切り捨てられようとしているといえます。

だれがするのか赤字の穴埋め

 私は今年の3月議会での一般質問で、千葉県の柏市民病院の例を取り上げました。
 この柏市民病院は、1992年に柏市へ譲渡され、老人保健施設などの福祉施設を併設し、保健、医療、福祉の総合施設として、そして経営も医師会に委託して再出発しました。まさに今上越市がやろうとしていることとうりふたつのものです。それが、3年間で累積赤字が25億円にもなって医師会が経営から撤退、それを全部市がしょい込む、現在でも赤字が続いていて、委託料のほかに年間約8億円の負担金、要するに赤字の穴埋め金を出しております。
 半年前、市長は、「そう遠くないときにまとめていかなきゃならん問題でありますから、まとまり次第皆様方にご提示させていただ」くということでした。すでに、この負担の問題も検討済みのことと思います。
 そこでずばり、「赤字が出た場合の穴埋めは、だれがするのか。」ご答弁下さい。
【市長答弁】 赤字のことは考えていない。

科目へらして採算とれるか

 現国立高田病院の赤字は、年間2億5千万円というが、これには、設備投資の償却が含まれていません。
 呼吸器科と結核で、外来・入院とも全体の五割近くを占め、安定していますが、これが廃止されるわけです。
 落ち込みが激しいのは、外科ですが、開腹手術をしない外科が残されて、どうなるのでしょうか。
 診療科目を減らして、採算を取れるのですか。

国立での存続を

 昭和62年に厚生省が発表した統廃合の対象74の施設のうち、現在までに統廃合が実施されたのは、22施設、50以上、7割もの施設が国立のままで運営されています。地元同意を得られない、市町村長が統廃合に同意せず国立での運営を求めている施設がまだ50以上も残っているということです。
 宮越市長も以前のJトークで、「機会あるたびに国に存続を要望している。・・・存続できるよう全力をあげて対応したい。」と答弁しているように、国立での存続を表明しておられた時期がありました。
 もう一度、この立場に立ち返り、国立での存続に最後まで尽きではないでしょうか。
【市長答弁】 その考えはない。

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