日本共産党上越市議会議員杉本敏宏
市政レポート

2002年12月22日 bQ3

目次
☆12月議会終わる 総務常任委員会で補正予算を審議
☆国が面倒見るのをやめた町村の面倒を上越市が見れるのか
☆地震に安全な学校施設を
☆公明党の厚顔無恥


12月議会終わる
総務常任委員会で
補正予算を審議


 12月2日から開かれていた12月議会は、13日に閉会しました。6日に総務常任委員会が開かれ、9日から11日までの3日間にわたって一般質問が行われました。

 補正予算のうち総務常任委員会所管のものについて、私は次のような指摘をし、改善を求めました。

■ナホトカ号損害補償
 ナホトカ号の重油被害の際に、市が支出した費用を、保険会社が補償するのですが、その保障額が決まったことから、歳入し積立るという補正です。
 「会計上はこれでいいのだが、実際には保障額以上の支出をしている。そのことが解るような工夫が必要ではないか。」と指摘しました。

■情報センター上越の解散
 ずっと赤字決算が続いていた「情報センター上越」が3月末に解散し、清算作業が行われていました。その結果、精算金が支払われることになりました。
 この件でも、精算金が歳入に計上されるだけですが、出資金や配当等と総合的に見て、収支がどうだったのかという総括が必要ではないか、と指摘しました。

■新潟県観光施設の倒産
 妙高高原町赤倉などでリフトを運行している「新潟県観光施設」が倒産し、会社更生法適用を申請しました。この会社は、頸城自動車などの民間と上越市などによる第三セクター会社です。
 創業以来の配当が上越市の出資金の数倍になりますから、「儲かった」ことになります。数年前までは業績も良かったのですが、急激に悪化したものです。観光事業などはこの不景気で「アッという間の倒産」が心配されることから、指摘しておきました。
 この問題は、予算に直接係わりませんが、関連して質問したものです。
 当局はこれらの指摘に、「今後、説明を改善する。決算資料に反映する。」と回答しました。

■議員・職員の賃下げ
 人事院が「賃下げ」の勧告をしたことから、議員・職員・三役の報酬や賃金を引き下げが提案されました。議員は一万円の引き下げです。
 議員と三役の歳費は、引き上げに反対してきた党として賛成しました。職員賃金は職員の生活を守る上では反対しなければならないのですが、職員組合が賃下げに同意しているので反対しませんでした。
 全体で約2億5千万円の削減ですが、これがまた、上越市の経済を冷え込ませるという悪循環にならないかということが心配されます。

■緊急雇用対策
 三役の歳費引き下げで浮いた資金で臨時職員を雇用するというものです。
 採用が二人でそれも短期間だったために、今後の方向性を聞きました。
 状況を見ながら検討するということでした。

■他委員会で
 文教経済常任委員会で審議された「上越学生寮奨学金貸付・研究支援費交付条例」の審議で、「研究支援費を300万円の定額から、100万円以上300万円以下に改めるものだが、どのように研究の評価をするのか。」と聞きました。
 制度を創設して2年間、「該当なし」で、「支援費を引き下げれば」とのようですから、評価が難しいと思うのですが。

 日本共産党議員団は、今議会に提案されたすべての議案に、賛成しました。

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国が面倒見るのをやめた
町村の面倒を
上越市が見れるのか

地方自治破壊あらわ
 地方制度調査会に、小規模町村の事務権限と財源を縮小し、他に肩代わりさせるという「西尾私案」が出された。市町村合併が新潟県など数県でしか進展していないことからの焦りの表れだ。平成の大合併は当初、「地方分権の受け皿」といわれていたが、実は「地方自治の破壊」であるということが、明確になってきた。
 11月27日の「強制するな町村合併・切り捨てるな小規模市町村」などの大会スローガンを掲げた全国町村長大会で、全国町村会山本文男会長(福岡県添田町長)は、「町村自治は存亡の危機にある。」と述べている。

緊縮財政の中で
 平成の合併とは簡単にいえば、国が町村の面倒を見るのをやめるということである。その町村の面倒は近隣の市が見てくれという。市長は「わかりました」と引き受けるようだが、私なら「面倒見れません」と断る。
 「平成15年度予算編成について」の市長通達で、「平成15年度の要求枠は、平成14年度当初予算の85%の範囲内とする」という緊縮財政だ。とても他人の面倒まで見られる状況ではないはずだ。
 財政状況が厳しい上越市が見られるのか。

【市長答弁】
 合併で財政力指数も低下するが、「運命共同体」であり、地域が一体となっていく必要がある。あらかじめ町村の方々にも「痛み」を覚悟してもらう。

体質強化財政縮小でできるか
 市の試算では、合併しなければ32年度まで現財政規模の約550億円を維持できる。しかし10市町村合併では、16年度834億円の財政規模が32年度には767億円へと67億円も縮小する。合併で「バラ色」になるのではなく、どんどん縮小し、2つの町村分の財源がなくなることになる。それでも住民サービスは維持できるか。

【市長答弁】
 現行のサービスは維持する。減らすのは、議員と職員だ。合併しなければ職員は減らせない。

借金の上積みかサービス切り下げか
 市は「合併8年後から黒字に転化」というが、市のの財政試算は、特別交付税を28億円と過大に見積もっている。それでも歳入不足になり、32年度までの累積赤字が30億円にもなる。
 30億円超の特別交付税は、6都市(市政レポート19参照)だけだ。合併して30億円ももらえない。特交を適正に見積もると毎年20〜30億円もの歳入不足が生じ、32年度までの累積赤字は350億円にもなる。新たに借金をするか、サービスを計画よりもさらに切り下げなければやっていけなくなるのではないか。

【市長答弁】
 積算内容が公表されていないので、合併前の特別交付税を合算して計上した。これをいただけるものと考えている。高田・直江津が合併したとき、合算額以上に交付された。

公債費負担比率 一人当たり地方債残高 財政力指数
順位 町村名 順位 町村名 万円 順位 町村名 指数
7 安塚町 24.1 2 名立町 176 106 牧村 0.119
10 牧村 23.1 9 安塚町 109 105 大島村 0.122
13 浦川原村 22.3 12 大島村 98 104 名立町 0.134
16 大島村 21.6 13 牧村 93 101 安塚町 0.142
16 名立町 21.6 14 清里村 92 100 清里村 0.145
23 清里村 20.8 16 浦川原村 90 96 吉川町 0.172
33 柿崎町 19.5 22 中郷村 83 88 浦川原村 0.2
34 吉川町 19.3 26 吉川町 78 73 板倉町 0.255
76 上越市 15.0 93 上越市 35 8 上越市 0.712

交付税の再試算を
 合算期間の交付税は、各市町村の交付額の合計だ。各町村で計算して公表しているもので再計算してみる必要がある。浦川原村や三和村の試算では、任意協の資産よりも5億円も少ない。これに合わせると交付税はもっと減る。

【市長答弁】
 必要が生じれば試算する。

市民にとって何がメリットか
 この合併は、広大な中山間地を抱え込むだけで、上越市民にとっては何のメリットもないのではないか。

【市長答弁】
 行政のメリットは住民のメリット。森林資源を活用していく。

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地震に安全な学校施設を

地震確率が高い上越
 平成14年10月31日地震調査研究推進本部地震調査委員会が、「糸魚川〜静岡構造線断層帯(北部、中部)の地震を想定した強震動評価について」を公表した。「本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属する」として、今後30年以内に大地震が起こる確率は14%、50年以内では23%、百年以内では41%としている。この地震が起きた場合、上越地域では震度5強の揺れが予想されている。

全国的な取組状況
 阪神淡路大震災の後、日本共産党は、公共施設が災害時の避難場所になっていることから、その耐震性の確保を追及してきた。特に学校は、避難場所であるだけでなく、子供たちの勉学と生活の場である。学校施設の耐震性の問題は避けて通れない課題だ。
 今年3月の消防庁のまとめでは、全国の公立小中高校の校舎・体育館16万棟のうち約7万棟43.3%が耐震性がないのに未改修と報告している。
 内閣府が7月1日に発表した「地震防災施設の整備状況に関する調査」では、校舎約15万棟のうち現行建築基準法の耐震基準を満たすとされたのは約46%で、残り54%は危険校舎だ。

腰あげた文科省
 文部科学省は、平成14年7月31日付で「公立学校施設の耐震診断実施計画の策定等について」という通達を出し、各都道府県教育委員会に対し、都道府県立学校及び域内市区町村立学校を対象に、学校施設の耐震性能の現状の把握及び今後の事業量の把握を行うための耐震診断実施計画の策定を依頼した。
 その結果が10月4日公表された。それによると新潟県では、4222棟の内、耐震性を有するのは1596棟で約4割。残り6割の2513棟は耐震診断そのものがやられていない。県は17年度までの診断計画を市町村と相談して作成した。

上越市の計画は
 そこで次の点を聞きたい。

@幼稚園、小・中学校の施設と棟数、耐震診断完了の施設数と棟数、耐震診断後補強対策を行った施設と棟数はそれぞれいくつか。1971年度以前、1972年度〜1981年度、1982年度以後に建設された施設数に分けて。
A8月末までに文部科学省へ提出した平成17年度末までの診断計画は。この診断計画により耐震診断をした結果、「問題あり」または「要改修・改築」と判定された時の改築・改修・補強計画は、いつ、どのように策定する考えか。
B診断に要する額はどの位か。また補強に要する額はどの位か。
耐震診断の状況――教育長の答弁より
建築年度 総数 13年度実施 14年度実施 未実施 対象外
〜1971年度 13施設 48棟 5施設 5棟 43棟
1972〜1981年度 18施設 55棟 1施設 3棟 52棟
1982年度〜 27施設 70棟 27施設 70棟
合計 40施設173棟 1施設 3棟 5施設 5棟 96棟 27施設 70棟

答弁の主旨
【教育長答弁】
 古い建物から順次、簡易法ではなく、精度の高い耐震診断を実施していく。その結果、補強が必要となれば、工事を実施したい。
 耐震診断の費用は、規模にもよるが250〜500万円。改修費は類似施設で8千万円〜1億円。

【市長答弁】 
 教育委員会の計画に、財政配分を考えながら対応していく。

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公明党の厚顔無恥

◎厚かましくも
 公明党が12月議会に、「児童扶養手当の見直しに関する意見書(案)」を出してきた。国会では、児童扶養手当削減の先頭に立ちながら、地方議会にその「見直し」を求める意見書を提出するとは、常識では考えられないことだ。厚顔無恥としか言いようがない。

◎改悪の内容は
 自公保政権が強行した児童扶養手当削減の内容は、ひどいものである。
 児童扶養手当は、死別や離婚などで母子・父子となった家庭に支給される。その支給に当たっての所得制限が、これまで204万8千円(これだって低い)だったものが130万円にまで引き下げられたのである。母子家庭の年収は、約230万円(所得はさらに低い)といわれている。33万人が受給を減額されてしまった。
 その上、支給期間が5年を超えた場合には、この手当を最大半額にまで減額できるという規定まで盛り込まれているのである。
 さらにこの改悪法は、母子家庭に対して「父親から養育費を取れ」ともいっている。日本社会の現状ではこれがなかなかむずかしい。加えて、父親自身もリストラなどの渦中に置かれ、養育費を払えないという状況も広がっている。
 まさに今こそ国が立ち上がらなければならないという時に、逆の仕打ちをしてきたのである。

◎意見書は
 しかしながら、意見書の内容は、深刻な母子家庭の状況を改善するための要求が少なからず盛られている。これにわが党が反対すれば、ただちに「日本共産党は児童扶養手当の見直しに反対した」という、反共デマ宣伝にでも出てくることも考えられる。
 むろんわが党は、「公明党が提出した意見書だから」などといって葬るようなことは考えない。住民の要求が反映されているものであれば、何党の提案であっても賛成である。「いいものはいい、ダメなものはダメ」なのである。

12月議会での意見書の賛否状況 共産 公明 清風 市政 創政 自由 新政 グリ
総合的な子育て支援策を求める意見書
WTO農業交渉等に関する意見書
地方税源の充実確保に関する意見書 × × × × × ×
地方税源と地方交付税の充実確保に関する意見書 × × × × ×
中小企業に対する支援策の早期拡充を求める意見書 × × ×
児童扶養手当制度の見直しに関する意見書 × × ×
北朝鮮による拉致事件の早期完全解決を求める意見書 × × × × ×

◎賛否の状況
 議会運営委員会での各会派の意思表示は別表のようだった。
 わが党は単に賛成したのではなく、対案を用意しつつ、不十分さを指摘した。
 上越市議会の意見書採択は、全会一致が原則になっているので、この意見書は本会議には上程されないことになった。
 それにしても、グリーンネット(社民党など)、創政クラブ・市政クラブ(共に旧宮越派)が反対したのは、なぜなのだろうか。

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