日本共産党上越市議会議員杉本敏宏
市政レポート

2002年11月17日 bP9

目次
☆上越火力発電所  操業延期?じゃなくて、撤退でしょう
☆歳入の過大計上などを修正すると赤字財政がつづきます


上越火力発電所
操業延期?
じゃなくて、撤退でしょう

突然、操業延期と
 10月31日突然、直江津の八千浦地区に建設が予定されているLNG火力発電所の建設計画が、大幅に延期されると発表された。このLNG発電所は、中部電力と東北電力が共同出資した上越共同火力発電鰍ェ運営し、LNG(液化天然ガス)を燃料とした「自然にやさしい火力発電所」として、鳴り物入りで誘致されたものである。(私は、膨大な量の無色無臭の炭酸ガスが発生すると批判してきたが。)

延期の理由は
 11月11日、両電力の副社長、上越共同火力の社長などが出席して、上越市議会の全員協議会が開かれた。そこで、延期の理由が概略次のように説明された。
 電気事業を取り巻く経営環境は,電力市場の部分自由化やお客様による入札が実施され,電力需要も,昨年度は販売電力量が前年割れになるなど上越共火の設立時から大きく変化してきている。このような経営環境変化の中で,人員削減などの経営合理化を実施し,電気料金引下げを実施した。今後は全面自由化の論議が進む方向であり,事業環境がより一層激変することが予想される。安価な料金で安定供給し,競争力を確保していくためには,電源開発計画の見直しを含めた経営効率化の実施が必要になってきた。こうしたことから,上越火力発電所の開発計画鋭意検討してきた。

5〜8年の大幅延期
 当初の計画では、05年度に1号系列の運転を開始し、順次3号系列まで操業するというものであったが、その後今回と同様「電力需要の低迷」という理由で、2〜3年着工延期になっていた。今回、1号系列(126.5万kW)が07年度から2012年度に、2号系列(126.5万kW)が09年度から17年度に、3号系列(144万kW)が16年度から23年度に5〜8年という大幅繰り延べとなった。これに伴い、上越共同火力は来夏までに清算し、1、2号系列は中部電力が、3号系列は東北電力が担当するという。

基盤整備は始まっている
 発電所建設用地(70ha)と隣接の公共埠頭用地(70ha)は、上越市土地開発公社が谷浜地区の山を切り開いて土砂を採取し、その土砂を使って新潟県が埋め立て工事を行っており、この埋立地を囲む沖防波堤などは、国が建設を進めていた。説明では、すでに始まっている埋め立て工事、送電線鉄塔の用地取得や移転交渉などは変更なく進めていく予定という。

長野県内では
 この「運転開始延期」が報道された翌日、長野県東部町でこの発電所にかかわる「送電線鉄塔建設」に反対している組織の代表の人から、「中部電力から地元に、送電線鉄塔の建設は『白紙撤回する』との連絡があった。」との電話が入った。

事実上の撤退だ
 長野以北の送電線を建設しないとなると、「1号系列だけ」ということもありうるが、長野での需要を大幅に上回るのでその可能性も少ない。この「運転開始延期」は単なる延期ではなく、事実上「発電所建設からの撤退」ということになる。20年後に着工する東北電力の3号系列などは、その可能性がほとんどない。
 この場合、埋め立てた土地はどうするのだろうか。二つの電力会社が引き取ってくれるのかどうか、大問題である。

税収見通しも不透明に
 上越市は、火力発電所建設による固定資産税の増収や、電源三法交付金に大きな期待をしてきた。私は、「将来どうなるかわからないのだから、それに過度に期待するべきではない。」と主張してきたが、それが現実のものになろうとしている。

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12月定例議会は、
12月2日から始まります

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歳入の過大計上などを修正すると
赤字財政がつづきます
累積赤字はH32年度で350億円にも

特別交付税
20億円以上の市町村
(平成12年度決算資料)
神戸市 178.7億円
北九州市 46.6億円
西宮市 39.1億円
京都市 34.6億円
札幌市 33.6億円
広島市 24.6億円
福岡市 24.6億円
新潟市 22.9億円
仙台市 22.3億円
鹿児島市 21.8億円
大阪市 21.0億円
岡山市 20.6億円
青森市 20.0億円
横浜市 20.0億円

 10市町村任意協が試算した平成32年度までの財政試算では、平成24年度から黒字に転換するとされています。この試算表を調べ、私なりに再計算して見ました。

特別交付税が過大計上
 地方交付税の内、特別交付税が約28億円計上されていました。日本共産党新潟県委員会を通じて調べともらいました。左表のように20億円以上の特別交付税は、671市中14市しかありません。10億円以上でも178市です。

特交の財源は交付税の5%
 特別交付税というのは、災害などで「特別に」資金が必要な市町村に交付されます。そのの財源は、交付税全体の5%と決められています。全国平均で見て特別交付税は、普通交付税の約5%ということになります。
 特別交付税を普通交付税の5%として再計算してみました。

町村長の退職金
 合併で町村長など三役は、16年度中に退職しますが、試算では13年度から16年度までの退職金が同額で計上されています。
 退職金の平均を1千万円として27人分を16年度の退職金に計上してみました。
 この他にも地価下落が続いているのに、固定資産税が平均1.2%程度づつ増収と試算されています。

ずーーっと赤字
 再計算の結果は、下表の通りです。平成32年度まで平均22億円の赤字が続くことになります。

累積赤字は350億円に
 平成16年度までの歳入不足は繰越金や基金からの繰り入れで解消するとして、17年度からの赤字分を累計してみました。私の再計算では32年度までに約350億円にもなります。10市町村の試算でも約30億円になります。

借金かサービス切り下げか
 繰越金もなくなり、基金もない状態ですから、結局、不足分は借金を上積みするか、いっそうのサービスの切り下げをするしかないということになります。

年度 10市町村試算(億円) 杉本試算(億円)
歳入 歳出 差引 累積 歳入 歳出 差引 累積
H13 820.1 851.3 -31.2 0 820.1 851.3 -31.2 0
H14 804.1 829.7 -25.6 0 804.1 829.7 -25.6 0
H15 803.6 831.9 -28.3 0 803.6 831.9 -28.3 0
H16 803 834.2 -31.2 0 803 836.9 -33.9 -2.7
H17 812.7 820.4 -7.6 -7.6 790.6 820.4 -29.7 -32.4
H18 810.4 822.1 -11.7 -19.3 789.6 822.1 -32.5 -64.9
H19 810.3 828.5 -18.2 -37.5 790.2 828.5 -38.3 -103.2
H20 809.4 824.7 -15.4 -52.9 790.7 824.7 -34 -137.2
H21 810 815.3 -5.3 -58.2 791.3 815.3 -24 -161.2
H22 804.8 814 -9.2 -67.4 785.8 814 -28.1 -189.4
H23 803 807 -3.9 -71.3 783.9 807 -23 -212.4
H24 803.7 800.1 3.6 -67.7 784.6 800.1 -15.5 -227.9
H25 804.4 802 2.4 -65.4 785.3 802 -16.7 -244.7
H26 805.1 793.2 12 -53.4 786 793.2 -7.1 -251.8
H27 801.8 791.8 10 -43.4 782.5 791.8 -9.3 -261.1
H28 794.4 787.6 6.8 -36.6 774.7 787.6 -12.9 -274
H29 787.1 783.2 3.9 -32.7 767 783.2 -16.2 -290.2
H30 779.9 779.8 0 -32.7 759.3 779.8 -20.5 -310.7
H31 772.6 771.7 1 -31.7 751.7 771.7 -20 -330.7
H32 769.5 767.3 2.2 -29.5 748.4 767.3 -18.9 -349.6

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