二○〇六年一月二十六日
日本共産党新潟県委員会委員長
小日向 昭一
新潟県知事
泉田 裕彦様
雪対策に対する要望書

 災害救助法の速やかな発動、集落内の除排雪のための機械等の貸与など、今冬の豪雪に対する積極的なとりくみに敬意を表します。
 新年度予算編成は、最終段階をむかえています。今冬の豪雪の経験をふまえ、雪対策の前進と予算増をつよくもとめます。あわせて、今冬の豪雪で「これ以上の死傷者をださない」という立場で、いま発動されている災害救助法の弾力運用をもとめ、以下の事項について要請いたします。



一、 災害救助法の実態に即した弾力的運用について
 一月十一日の「緊急申し入れ」では、「要援護世帯に限らず、高齢者世帯や一人暮らしの女性など、自力での除排雪作業が困難な住民にも支援を拡大すること」「『災害にかかった者の救出』などの措置をとること」をもとめました。
 「災害救助の実務」では、「障害物の除去」は、「自分の資力をもってしては障害物の除去を実施し得ないもの」に限るとして、生活保護者及び要保護者、特定の資産のない者などの事例があげられています。これは、住宅の応急修理などでも同じになっています。中越大震災の際、「応急修理」の対象は、年収五百万円以下の世帯(世帯主が四十五歳以上は七百万円以下、六十歳以上は人百万円以下)とされました(県単独事業は所得制限なし)。これは、災害救助法は災害の実態に即して柔軟に活用できるものだからです。
 異常な豪雪のときは、たとえ資力があつてもマンパワーや機械力がなければ、屋根雪や家屋周辺の除排雪ができません。それは、家屋の倒壊や生命の危険に直結することです。「豪雪はそれ自体災害」という立場で、自力での除排雪作業溺困難な住民が広く支援対象とするよう、災害救助法の実施主体である県として、応急救助の実施を委託した市町村に対し、適切な周知徹底をはかつてください。あわせて、厳冬期をこえるまで災害救助法の継続をお願いします。
 公共交通機関がストップし、人工透析患者が病院に行けなくなり、市町村がその送迎措置などをとった場合、その経費を災害救助法の対象にしてください。
二、 屋根雪の除排雪中や屋根からの雪の落下などの雪による犠牲者について、災害弔慰金あるいは障害見舞金の制度が広く対象になるようにしてくだい。災害救助法の適用市町村かどうかを問わずに対象にしてください。
三、 冬期集落保安要員設置事業について、「『要領(3)運用ウ』の廃止」を主な内容とした平成十七年十一月十一日制定の「実施要領」と「運用」は、見直しの前提が大きく崩れたことから再見直しを行うこと。平成十八年度においては、旧の「実施要領」と「運用」にもとづいて冬期保安要員を配置してください。
@ 「要領(3)運用ウ」廃止の理由は、「国庫補助制度(介護予防・生活支援事業)が創設され、高齢者世帯等に対する除雪支援の福祉制度が充実した」というものでした。確かに、介護予防・生活支援事業はソフト、ハードの両面で活用でき、除排雪機械などの購入もできるものでした。しかし、この国庫補助制度は、平成十七年度に一般財源化され、平成十八年度からは介護保険制度に組み込まれました。
A 介護保険に組み込まれた「地域支援事業」は、新年度からスタートとなっていますが、その主要な「介護予防事業」さえ新年度から始められるかどうかの見通しがたたない状況にあります。このようなときに「要領」および「運用」の重大な改変を行うことは、制度の切りすてになるだけです。
B 日本共産党新潟県委員会は一月十七日、新年度予算要望した際、三項目の「豪雪災害に関する緊急申し入れ」を行いました。そのなかで「今冬の豪雪の教訓を生かし、冬期集落保安要員設置事業を拡充してください。要援護世帯の除排雪費補助事業の創設を国につよくもとめてください。新規だけでなく更新にも適用するなど、小型除雪機導入事業を充実してください」ともとめましたが、知事は「みなさんと全く方向は一致しているという印象を受けた」と答えました。新しい「要領」「運用」により冬期保安要員を削減することは、知事のこの発言とも矛盾します。
四、 豪雪地の中山間地は、高齢化と過疎化がすすんでいます。長野県栄村の「雪害対策救助員設置事業」から学び、「冬期集落保安要員設置事業」の拡充・発展をはじめ、市町村と協力して新たな仕組みづくりをすすめてください。そのために、県政の雪対策が地域政策的対応、福祉的対応、災害対応と個々別々になっていることをあらため、総合的・全体的な支援ができるよう、県としての体制と窓口を構築してください。
五、 社会福祉協議会に委託していた要援護者世帯の屋根雪除雪の補助制度を復活してください。家屋周囲の除排雪も対象にしてください。「介護予防・地域支え合い事業」が介護保険に組み込まれたもとで、要援護世帯に対する国のあらたな財政支援の制度化をもとめてください。融雪屋根の灯油代への助成も、支援メニューに加えてください。
六、 小型除雪機等の購入に対する助成は、新規だけでなく更新も対象にしてください。住民や集落が持つ力を最大限に発揮して、民家周囲や生活道路の除排雪がおこなわれるよう、個人や集落が所有する機械も活用でき支援メニーを創設してください。
七、 上越市高田地域の市街地いっせい雪下ろしについて、除排雪機械やダンプ、安全確保などのための人件費等は、災害救助法の対象にしてください。少なくとも、国・県の財政助成の措置対象としてください。
八、 克雪住宅助成制度を拡充し、予算額を増額してください。
九、 豪雪により消雪パイプの消雪機能が十分に発揮されない場合は、柔軟に機械力による除排雪の措置をとってください。とくに、十字路周辺(例えば、国道291号の上町二丁目)などの対策強化をお願いします。
十、 高層の県営住宅(例えば、旧六日町)の雪ピ落とし、耐雪基準をこえた屋上の除排雪は、設置者および管理者の責任で実施してください。
十一、 自治体立病院や公営住宅など、自治体が管理しているすべての公共施設の除排雪経費について、特別交付税で措置されるよう国にもとめてください。財政力のよわい小規模場福祉施設等(例えば、旧守門村にある「またたびの家」)の除排雪に対して市町村が支援を行った場合も、特別交付税で措置されるよう国に要請してください。
以上