平成13年  6月 定例会(第2回) − 06月12日−02号


◆11番(杉本敏宏議員)
 市職員のサービス残業をなくすことについて質問をしたいと思います。
 市の職員の残業問題については、私はこれまで議員になった最初の年の総務常任委員会を初め、何度か議論をしてまいりました。その結果、時間外労働手当は半減しましたけれども、しかし、手当が減少したということと残業そのものが減少したということとは全く別の問題であります。そのことは、ちょうど1年前の昨年6月議会での私の質問に対して、「課長の命令がない残業は、残業とは認めない。居残りであって手当は払わない」という答弁がありましたけれども、これは、残業手当が支払われない、課長の命令のない残業があるという実態を認めたことでもありました。こうした残業のことを世間では、ごく当たり前に「サービス残業」というふうに言うのであります。そうした論戦を踏まえてきょうの質問をしたいと思います。
 さて、国はことしの4月6日に、昨年11月30日に開かれた中央労働基準審議会の建議を受けて、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」という厚生労働省の通達を発しました。そして「あらゆる機会を通じて本基準の周知を図り、その遵守のための適切な指導を行う」というふうに言っております。
 ちなみにこの通達は、冒頭次のように述べております。
 労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等について規定を設けていることから、使用者は、労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務を有していることは明らかである。
 しかしながら、現状を見ると、労働時間の把握に係る自己申告制(労働者が自己の労働時間を自主的に申告することにより労働時間を把握するもの)というふうになっていまして、この不適正な運用に伴い、割増賃金の未払いや過重な長時間労働といった問題が生じているなど、使用者が労働時間を適切に管理していない状況も見られるところである。
 こうした中で、中央労働基準審議会においても平成12年11月30日に「時間外・休日・深夜労働の割増賃金を含めた賃金を全額支払うなど労働基準法の規定に違反しないようにするため、使用者が始業、終業時刻を把握し、労働時間を管理することを同法が、同法というのは労働基準法でありますが、同法が当然の前提としていることから、この前提を改めて明確にし、始業、終業時刻の把握に関して、事業主が講ずべき措置を明らかにした上で適切な指導を行うなど、現行法の履行を確保する観点から所要の措置を講ずることが適当である。」との建議がなされたところである。
 このため、本基準において、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置を具体的に明らかにすることにより、労働時間の適切な管理の促進を図り、もって労働基準法の遵守に資するものとする。
 こういうことがこの通達の冒頭に書かれております。
 新潟県は、5日の県議会、景気・雇用対策特別委員会で、我が党の五十嵐完二県会議員の質問に答えて、サービス残業の実態調査を検討することを表明いたしました。私は、上越市も同様の実態調査を行う必要があると思いますが、その前におひざ元であります市職員のサービス残業についてその実態調査と解消が急務であると考えるものであります。
 そこで、以下6点にわたって具体的な質問を行います。
 民間企業では、過大なノルマの押しつけがあり、その処理を時間外に行っても、割り増し賃金だけでなく本体賃金も支払わない風潮がありまして、それが過労死の頻発につながっていることから、さきの厚生労働省の通達が出されたわけであります。民間でのこうしたサービス残業もまた名目は「自主残業」とか「居残り」とか言われ、残業手当の不払いの理由づけになっているものであります。
 御承知のように、週40時間労働を定めた労働基準法第32条の規定以上に労働させた場合、あるいは、同法第37条の割り増し賃金を支払わなかった場合は、「6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」と、同法第119条に規定されております。不払い残業は明らかな犯罪であります。
 また、同法121条第2項には、「事業主が違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかった場合、違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかった場合又は違反を教唆した場合においては、事業主も行為者として罰する」こういう罰則条項が設けられているわけであります。
 厚生労働省の通達でも述べておりますが、労働基準法上、使用者には労働時間の管理を適切に行う責務があります。市はこの責務をどのように考え、果たそうとしておられるのでしょうか、答えていただきたいと思います。
 使用者が労働時間の管理をしなければならない対象は、労働基準法のうち労働時間に係る規定が適用されるすべての事業場であり、いわゆる管理監督者及びみなし労働時間制が適用される労働者も含めたすべてであります。厚生労働省は、こうした管理監督及びみなし労働時間制が適用される労働者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者において適正な労働時間管理を行う責務があると強調し、指導しております。管理監督者といいますのは、市の職員でいいますと上越市の場合には課長以上かというふうに思いますが、そういう人たちについても労働時間管理を適正に行う責務が行政にあるということを指導しているわけであります。
 市は、このような厚生労働省の指導をどのように考え、実行しようとしているか、お答えください。
 昨年の一般質問への答弁で、「課長の命令のない残業」は、「居残り」であり、時間外勤務手当は支払わないと言明されました。
 しかし、使用者が労働時間の管理をしなければならない対象が、管理監督者及びみなし労働時間制が適用される労働者をも含んだ全労働者の全労働時間でありますから、「課長の命令のない残業」についても、使用者としての管理責任があるものと言えます。市はどのようにお考えでしょうか。
 残業手当を払わないから、労働時間管理をしないでよいとはならないと思うのであります。
 さて、「課長の命令がない残業」が存在することは、市も認めているところでありますが、それでは、課長がこの「課長の命令のない残業」を現認した場合、どのような措置をとっているのでしょうか。直ちにやめさせて帰宅させるか、追認して続けさせるかのどちらかではないでしょうか。見て見ぬふりをするということが、追認を意味するものであるというのは当然のことであります。市の措置についてお答えください。
 冒頭に紹介しました厚生労働省の通達「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」が通達されたのは、労働時間が適正に把握されていない事例が多く見受けられるからであります。そこで厚生労働省は、始業・終業時間を確認する具体的な方法を例示し、使用者に措置を講ずるように求めているのであります。
 その一つは、「労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録すること」を使用者に義務づけております。
 二つ目は、始業・終業時刻を確認し、記録する方法でありますが、二つ例示しておりまして、その一つは、使用者が、みずから現認することにより確認し、記録すること。二つ目は、タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。この二つの方法を原則的方法として例示しております。
 そして三つ目に、例外措置でありますが、自己申告制による場合の措置を示しているのであります。市は、どのような方法でこの労働者の始業・終業時刻を確認し、記録しているのでしょうか。
 ちなみに、この記録は3年間の保存が義務づけられているものであります。
 自己申告による労働時間の把握が、あいまいな労働時間管理の原因の一つとして指摘されておりますが、いま一つ職場単位ごとの割り増し賃金の予算枠とか、時間外労働の目安時間の設定などということが労働時間の適正な把握を阻害する措置であると言われております。この自己申告制と予算枠・目安時間というものが結合されますと、予算枠を超えた申告は認めないとか、最悪の場合は枠を超えた残業時間の申告者に対して賞与を減額するとか、あるいは昇給、昇格で差別するなどという全く不利益な取り扱いをしている場合も指摘されているところであります。
 市は、職場単位ごとの割り増し賃金の予算枠やあるいは時間外労働の目安時間の設定などについて、どう考えておられるかお答えをいただきたいと思います。
 以上であります。


◎宮越馨市長
 お答え申し上げます。
 昨年6月議会に引き続き、市職員のサービス残業についてのお尋ねでありますが、お答えする前に、改めて「サービス残業」についての見解に触れさせていただきます。
 サービス残業とは、職員の労務管理の実質的責任者である課長の命令があるにもかかわらず、実際の時間外労働に対する手当の支払いを受けない残業のことをいうものと考えております。したがいまして、単に職場に残っている時間のすべてを対象に、かつ時間外手当が支給されないことをもって、これをサービス残業と断定することは、いささか短絡的であり、このことは前回の御質問の際にもお答え申し上げているところでありますし、これを踏まえて御質問にお答え申し上げます。
 まず、労働基準法上、使用者に労働時間の管理を適切に行う責務があるが、どのように考えているかというお尋ねでありますが、労働基準法は労働条件の基準を労使に積極的に提示し、健康で文化的な生活を営む権利を実現するため制定された法律であります。同法では、その具体的な労働条件として、労働時間、休日等に関する規定を設けておりますので、労働時間を適切に管理することは使用者として当然の責務であると認識しております。
 これを受け、当市では、時間外勤務は現場責任者の課長が事前に命令をすることとし、職員からの申告に基づく追認は認めておりません。残念ながら、以前には職員が自己管理し、翌日追認を受けるケースがありましたが、現在は、管理も職員個人や係長に任せるのではなく、必ず課長または副課長が直接確認することとし、職員が勤務している場合は管理職のうち1人は必ず監督するよう、課長会議等で指導徹底するなど適切に管理しているものであります。
 次に厚生労働省は、労働基準法適用除外の労働者に対しても、健康確保を図る必要から、使用者に労働時間管理の責務があるとしていることに対して、どのように考えるかとのお尋ねでありますが、厚生労働省は、去る4月6日に厚生労働省労働基準局長名で、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準を示したところであり、この基準が示された背景には、労働時間の把握に係る自己申告制の不適正な運用があり、割り増し賃金の未払いや過重な長時間労働などの問題があったと言われております。
 この厚生労働省が示した基準とは、労働基準法のうち労働時間に係る規定が適用されるすべての事業所が対象となり、対象となる労働者は、いわゆる管理・監督者及びみなし労働時間制いわゆる裁量労働時間制が適用される労働者を除くすべての労働者とされております。そして、この基準が適用されない管理・監督者や裁量労働時間制が適用される労働者についても、健康確保を図る必要があるので、使用者は過重な長時間労働を行わないようにするなど適正な労働時間管理を行う責務があるとしているところであります。
 市職員は労働基準法の適用を受けますので、厚生労働省の示した基準の適用も受けることは御案内のとおりでありますが、対象外の管理職であっても過重な労働をさせてよいということにはなりません。
 したがって、これまでも健康確保のため、毎週水曜日をノー残業デーとし、緊急の用務がある場合を除き、定時に退庁するようにしており、心身をリフレッシュする時間を週の中日に設けたり、あらかじめ夜の会議が予定されている場合などは、出勤時間をおくらせるフレックス勤務を導入したり、土曜日、日曜日のやむを得ない勤務については、週休日の振りかえにより休日を確保するよう指導してまいりました。これはすべて職員の健康を考えてのことであり、管理職を含めて全職員を対象に指導してきたところであります。
 次に、「課長の命令がない残業」についても、使用者としての管理責任があるのではないか、また現場責任者がこのような残業を現認した場合どのような措置をとっているのかとのお尋ねでございますが、一括してお答え申し上げます。
 現場責任者としての課長は、それぞれが担当する事務、業務について、その量や進捗状況を把握しておりますので、突発的に緊急を要する業務が発生したり、あるいは期限に間に合わない業務がある場合などを除いて、基本的には時間外勤務命令をいたしません。したがって、「命令のない勤務」あるいは「命令のない残業」は原則としてあり得ないものと考えております。
 しかしながら、日常的な事務処理の過程において、このようなルールによらず自発的に仕事の整理をしたり、当日処理を予定していた事務のおくれを取り戻すために居残りをする場合もあろうかと思います。
 そのような状況がある場合には、時間外勤務命令が必要な業務であるかどうか、業務の内容を十分把握し、緊急を要する業務であれば時間外勤務を命令し、そうでなければ帰宅するよう指導するなど担当課長に徹底しているところであります。
 また、一方で職員に、職場に長くいることが仕事をしていることであり、高い評価を得られるという時間外勤務に対する認識がいまだにあるとすれば、意識改革をしていかなきゃなりません。現在、上越市では成果を重視した人事考課制度を導入しており、長時間の時間外勤務は、一定の成果を上げるために他の人より時間がかかるというマイナスの評価を受ける形になっております。
 いずれにいたしましても、現場責任者としての課長には、組織の管理者として計画的かつ迅速に仕事を進めていく責任があるため、科学的業務遂行システム、P・D・C・Aのマネジメントサイクルを実行し、職員の業務量や進行状況を把握して、合理的に、柔軟に事務処理を徹底するよう、さらに指導してまいりたいと考えております。
 次に、厚生労働省が始業・終業時間を確認する具体的方法について例示しているが、市としてどのような方法をとっているのかとお尋ねでございますが、具体的例示は、厚生労働省が、全国的に労働時間の把握に係る自己申告制の不適切な運用があり、そのために時間外勤務手当の未払いや過重な長時間労働が生じている現状にかんがみ、労働時間の適切な管理のために使用者が講ずべき措置を具体的に明らかにしたものであります。すなわち、「使用者みずから、あるいは労働時間管理を行う者が直接始業時刻や終業時刻を確認すること」並びに「タイムカードやICカード等の客観的な記録と、残業命令書など使用者が労働者の労働時間を算出するために有している記録とを突合することにより確認すること」であります。
 既にお答えいたしましたように、上越市では自己申告、事後承認による追認という不適切な運用を一切排除し、現場責任者としての課長が仕事の緊急性や進捗状況などを十分把握した上で、直接、事前の命令と実績の確認による厳格な管理を徹底しており、まさしく厚生労働省が示した基準に合致したものとなっております。
 なお、始業時刻管理については毎朝、課長が出勤を確認しており、直接出先に向かう場合でも事前に届け出るなど、厳正な対処をしていることを申し添えます。
 市の事務事業は、現場の責任者である課長がP・D・C・Aのマネジメントサイクルに基づく科学的事務管理システムにより部下職員を管理監督して進めておりますが、さらに事務事業の効率化を図るとともに職員の労働時間の適正管理に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、職場単位ごとの割り増し賃金の予算枠や時間外労働の目安時間の設定などは、労働時間の適正な把握を阻害する措置と思うがどうかということでありますが、時間外勤務手当の予算額は、各課の人員増減、業務量、前年度実績などを総合的に勘案して査定したものであります。また、年度当初には各課に対し、時間外勤務時間の目標を示しておりますが、これは、単なる上限時間の提示というものではなく、限られた財源を有効に活用するため、予算管理、執行はもとより、効率的な事務事業遂行の観点から、事務内容や時間外勤務の必要性を厳格に管理、把握していくことも念頭に置いて行っているものであります。
 また、人員配置の面からは、これまでも、複雑多様化する行政需要に迅速かつ的確にこたえられるように、土木、建築、保健婦などの専門職員の採用を主体に必要な人員を確保するとともに、臨時職員や特採職員の効率的な配置など、積極的なワークシェアリングも推進してきております。
 あわせてノー残業デーの設定やフレックスタイム制の導入、週休日の振りかえによる休日確保など、職員の健康管理の観点からも広範に対応してきたことは、先ほども申し上げたとおりであります。さらに、このような努力にもかかわらず、年度途中、目標時間数を超過しそうな状況となった場合は事前の協議を十分行い、部門内で時間数の調整を図り、それでも対応できない場合には予算の調整を図るなどきめ細かく対応しております。
 このように、目標時間数の設定については、柔軟に対応しておりますので、議員が言われるような労働時間の適正な把握を阻害する措置では決してありませんし、むしろ、事務事業の効率化をいかに図っていくかという職員の目標設定に有効な手段であり、職員自身もこれまで積み重ねてきた努力により、事務処理能力が高まり、随分資質が向上しておりますので、こうした状況においても適正な事務処理を推進していくことが十分可能であると確信をいたしております。
 いずれにいたしましても、時間外勤務を含めて勤務時間全体の中でいかに合理的に仕事をしていくかについて、引き続き指導してまいりますが、ワークシェアリングなどによる柔軟な人事管理、P・D・C・Aのマネジメントサイクルに基づく科学的事務管理などを総合的に活用して、「安・近・短」行政を実現するためなお一層努力してまいりたいと、こう思っておりますので、よろしくお願いします。


◆11番(杉本敏宏議員)
 再質問をしたいと思いますが、そのサービス残業についての考え方でありますけれども、今ほどの答弁にもありましたし、前回も昨年の6月の答弁の中でも同じことが言われたわけでありますが、世の中一般で言われているサービス残業のこの定義といいますか、それから見ますと、相当かけ離れた特殊な定義ではないかなというふうに思うのであります。一般的にはといいますか、今世の中で言われておりますサービス残業というのは、私が最初に述べましたように、課長の命令のない残業等々も含めて残業手当が支払われないものすべてをサービス残業というふうに言っているわけでありますが、上越市では課長の命令のないものはサービス残業ではないと、命令があったけれども払わなかったのだけがサービス残業だというふうに定義しているようでありますが、これは一言世の中の常識から相当かけ離れた定義の仕方だというふうにまず指摘をしておきたいと思います。
 そういう世の中の一般的な考えと違う定義をして、そこから外れていないから適正だというような議論というのは、私はまず成り立たないのではないかなというふうに思うわけであります。
 それで、私もこの質問の中で出しましたが、厚生労働省が出した通達であります。この通達は、その中でも述べておりますように、昨年11月の30日に開かれた中央労働基準審議会の建議を受けて出されたわけでありますけれども、その11月30日の労働基準審議会の建議というのは、どういうことを、当時は労働省でしたけれども、建議したかといいますと、労働時間短縮のための対策についてという報告であります。サービス残業を解消するためにという報告ではないのでありまして、労働時間全体の短縮をどう進めていくかということについての建議でありまして、その中では幾つかのことが言われておりますが、長期休暇や連続休暇の普及の問題とか、年次有給休暇の取得を促進するとか、そういうふうなことも述べられておりまして、その中の一つとしてサービス残業の解消ということが言われているわけであります。全体の流れは、時短をどう進めるかということでありますけれども、その時短を進める上で、大きな障害になっているのがサービス残業であるという位置づけであります。そしてまた、サービス残業についての厚生労働省の4月6日のこの通達でありますけれども、この趣旨は、今ほど市長が答弁の中で言われましたような自己申告制の残業管理に問題があるから、それに対処するためにこの通達が出されたというようなものでは残念ながらありません。表題にありますように、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準であります。労働時間を始業から終業までどのように適正に把握をしていくか、その基準はこうこうこうですよというふうに示した内容でありまして、今ほども言いましたけれども、ちょっと特殊な見方をこの通達に対してされているんではないかなという感じを受けるわけであります。その点でも、世間一般でこの通達を受けとめたのと同じ立場で受けとめていただきたいものだなというふうに思うわけであります。
 上司の命令がないという問題でありますが、これは行政だけではなくて、先ほども述べたかと思いますが、民間企業においてもサービス残業をさせる場合の常套手段であります。そして、自主残業とか居残りというふうに言うわけであります。時間内での仕事が終わらなかったから、自主的にそれを処理するために残ってやったというのがいわゆる自主残業でありますけれども、労働基準法上は、こういうものについても残業として認定するようになっていると思うわけであります。それを命令がないものは残業ではないというふうに切って捨てるようなことでは、そもそも厚生労働省がこの通達で述べておりますような時間管理、就業時間の管理というのは全くできないのではないかなというふうに思います。そんなことで、改めて世間一般常識から見てサービス残業というのはどういうふうに言われているのか、上越市が考えているサービス残業という概念と世間一般の概念との間にどれほど大きなその開きがあるのか、その開きを市として埋めるつもりがあるのかないのか、あくまでも特殊なサービス残業概念に基づいて進めていくつもりなのかどうか、その辺をひとつお聞きしたいと思います。
 具体的な始業・終業時刻の確認、記録の問題も、これは残業時間だけの問題ではもちろんないわけであります。通常勤務についてもきちっとしたそういう労働時間管理、把握が必要であるというのがこの通達の大もとの精神、考え方でありまして、その上でとりわけその時間外の問題については、あいまいなあやふやな問題が出てくる可能性が非常に強いので、より適切に管理把握しなさいという中身だと思うのでありますけれども、その辺で改めてこの通達が述べている時間管理の具体的な方法について、市として取り入れるつもりがあるかないか。もっと平たく言えば、厚生労働省の指導に従う気があるかないかということもあわせてお聞きしたいというふうに思うわけです。
 私は、今回六つの項目に分けて質問をいたしましたけれども、実はこの六つの中身といいますのは、今ほど言いましたこの厚生労働省の通達が使用者にやりなさいというふうに指導している中身を質問として提示したものであります。答弁の全体は、全体のトーンは、私の質問に対してそれを素直に実行するという答弁ではなかったように思いますが、裏を返せば厚生労働省の通達による指導に対しても、同じような理由をつけてお逃げになるのかなというふうにも思いますが、その辺についても御答弁があればお願いしたいと思います。
 以上です。


◎宮越馨市長
 私が先ほど答弁したとおりでありますから、その域を超えることはないわけでありますが、せっかくですから、少し私の考えを含めて申し上げたいと思いますが、まず御質問されたこの背景に、何やら私どもの管理されておるこの職場において、サービス残業が横行しているようなそんな感じすら持ってのことかなと、こう思いますけど、ちょっと今私確認しましたら、そういうことはないですよということでありますから、まずそういう先入観的なことでお尋ねされるのはいかがなものかなと、こう私は思います。
 それから、サービス残業の見方というのは、両面あるわけでありますから、私どもは先ほど申し上げたところの考えでおりますし、そうでないと言われればああそうですかということで、それに対して反論する必要もないし、現にそういう例えば重圧な勤労条件が過酷な状況の中で行われた結果、身体を害したりいろんなトラブルがあって、精神的にダメージを受けると、こういうことがサービス残業によって引き起こされているということがあるならば、これはまた話は違うわけでありまして、そういう事態はないわけでありますから、とりたてて労働基準局長通達が出たからなのかもしれませんけど、そういうある種サービス残業的なことはないように警告をというか、そういう注意を促すというこういう意味だったら私は受けとめて今後そういったことに意を用いて対応しますということは先ほど申し上げたとおりでありますから、十分なお答えになっていると思います。
 このサービス残業、この残業問題については、実は以前私申し上げたような気がしますが、私も大蔵省にいたときに、正直いいましてすごい残業ですよ。残業地獄という言葉が適当かどうか知りませんけど、毎日国会待機とかいろんな思いも寄らないこの事態というか、状況が変化しますから、とにかく時間どおり帰ったためしは一回もないです、私は。といって、じゃ残業手当どうかというと、必ずしも残業手当は、当時記憶をたどれば10%か20%ぐらいしか支給されていなかったんじゃないでしょうか。とにかく年間2,000時間も残業するんですから、それこそ大変な思いでやった記憶があります。ですから、私はあるときこういっただらだら超勤はよくないということで、この改善せよというこういった運動にもかかわったことを御紹介申し上げたことがあろうかと思いますが、その後超過勤務手当が特別超勤手当としてこれははっきりと私が運動したことで認めたといって評価をいただいたことがはっきりと覚えておりますし、たしか昭和48年ですか、49年予算に実現しているはずです。今から30年ほど前でありますが、それから急速に残業手当の改善が進められてきておるはずであります。これはまず中央官庁から行い、そして地方の諸官庁にもそういう影響というか改善がされたと思いますから、私はある意味では全国の国家公務員、地方公務員全体の大変な功労者であるということであると私自認しておりますが、その話とサービス残業とイコールではありませんけど、とにかく余りにもひどかったですね、30年前は。とにかく今杉本議員がおっしゃったとおりなんでしょう、恐らく。当時はまさにサービス残業なんでしょう。そのことがどんどん改善されてきて、週休2日制も今日導入されておりますし、時間短縮等もさらに改善されている中で、サービス残業についてもいろんな議論をされるわけでありますが、私も経験者といたしまして、昔の経験を踏まえておりますから、特別こういったものについては敏感に職員に過重な負担をしてはならないし、また時間管理を適正に行えということでやってきたつもりであります。
 その証拠として、私が市長になってからすぐに超過勤務手当がふえたはずです。これはどんどん新しい改革をして、新しい事業を行うということをやりました。ところが職員はそういったことにはなかなか不得手でありましたから、学んだり、対応するに手間暇かかったかと思います。ですから、それは私の命令でありますから、多少時間ふえたらサービス残業どころか手当をちゃんと払えよということでやってきましたから、この就任以来相当残業手当ふえました。ふえて、何年かするうちにやっぱり職員は優秀ですから、そういった能力も備わってきます。そうすると、仕事の仕方が改善されてきます。ですから、同じ仕事を同じようなことをやるにも昔は例えば10時間かかったと。ところが今は6時間でやれるという、こういうことになると、同じ仕事をやるにも時間が短縮されてきています。結果的に、残業のところにしわ寄せがだんだん減ってきているというこういうことがトレンドとして出てきています。ですから、今の毎年のここのところの一、二年の残業手当は、かなり安定してきて少なくなってきています。だから、いっときそういう新しい事業とか新しい改革で新しい仕事の中身が変わるとなれば、当然そこには試行錯誤するという時間が出てきますから、それは足が出ていきますから、といってそこはなしよというふうなことでもしやっていたならば、今と同じように時間外手当も少なかったはずです。ところが、もう御案内のとおりどんとふえました。ふえましたが、つまりそういう実態に合わして残業手当もちゃんと手当てしていますよという証拠が、まさにそういうことでマクロ的に把握していただけるんではないかなと、こう私は思います。
 問題は、サービス残業というのは、これは尽きない議論だと思うんです。一人一人の考え方によりますし、やはり管理者の管理能力とか管理者の資質によっても変わりますし、あるいはまた仕事の進め方、ちょっと待ってやればいいのにすぐにやれとなると、その日がオーバータイムになりますね。1日あるいは2日余裕持ってやればオーバータイムなしでやれるという、こういう総合的な事務事業管理のあり方によって残業手当が出る場合も出てきます。
 そういうことをやみくもにやっちゃっていって、とにかくいつも残っていると、居残りかサービス残業かわけわからんということは、最近私も見たことは余りないし、相当改善されてきたなと。特にそのP・D・C・Aシステムを導入したこの三、四年前からは、職員も資質がまだ一段と改善されて事務事業の評価とかあるいは人事考課とか、いろんな多面的に事務事業の支出が低減されるような仕組みをつくり上げてきたことが、結果的にそういうサービス残業みたいなものはなくなっていると私は思います。
 完璧にゼロかというと、それはわかりません。それは見方によって、よく聞けば、いやこれは私はちょっと個人的に不手際あったから少し残って整理しているんですと、あるいはこれからの事業の事務の進め方に備えてちょっと事前に整理しているんですということで、個人的にお残りになっている人もいるでしょう。むしろ私は、余り残ってほしくないんですね。残りますと、例えば電気つけたり、いろんな庁舎管理経費がかかるんです。ですから、早く帰ってほしいんです。だから、仕事が終わったらどんどん帰ってくれというのが私の考えの基本でありますし、ファミリーとか家庭へのサービスも大事でありますから、小さい子供さんいれば早くうち帰って遊んであげてほしいという、こういうスキンシップもまた大事なことだということで私はむしろ進めているくらいです、これは。ですから、ましてやこの時間管理については、管理職は私の意を酌んで、必要なものは残業命令を出して、そうでないときは出さないと。かなり私は数年前とは相当私は意識が変わってきておりますから、しっかり私の理念を受けてやっているんではないかなと、こう私は思います。
 唯一ちょっと冗談に聞いてもらえばいいんですけど、私なんてある意味ではそういうふうに杉本議員おっしゃるならば、私は毎日サービス残業だらけですね。だから、そういう報酬とか賃金体系になっていませんからそうでありますけど、まさにある意味では24時間残業的な考えでおります。ですから、それは私の立場上仕方ないということでありますけど、特別職も同じですね。ですから、そういうこととは若干違いますけど、やっぱり何のためにやっているかと、こういういわば向かう姿勢とかあるいは公僕たるあるべき姿勢とか、あるいはこういった市民のいろんな諸問題を積極的に解決しようということで、身を挺してそれに献身的に取り組むというこの方がむしろ私の場合は特別ですけど、そんな時間管理とか給料のことなんて考えたことがないぐらいで、市長給料ですと言って、何きょう給料日だったのって感じで全くボランティア精神みたいな気持ちでやっておりますよ。そういったことまでサービス残業というようなことは恐らくおっしゃることはないと思いますが、これはやっぱり公務員という特別な職種によって発生する端境の境目のところの見方は、いろんな見方があろうと思いますが、一つのメルクマールとして先ほど私が申し上げたようなその時間管理システムを導入して、現場の責任ある課長を中心として、今職員の健康管理を含めて時間管理、事務管理をやっているということをぜひ御理解を賜ればありがたいなと、こう思っております。
 それから、全体の事務量を消化するために体制として正職員だけで考えてはおりません。ある仕事の性質によって、臨時でやれるものとかあるいは特採職員でやれるものとか、要するにフレックス的な柔軟にやれるものとか、柔軟に対応していますから、これはそういうことを総合的に考えてこの事務事業が行われているということを、ぜひこれ御理解いただかんと、単に正職員ということだけに目を向けていると、全体の事務事業の円滑な推進の評価が変わってくると思いますから、そういった臨時とか特採とかそういうものを総合的に人事管理して経営をしていくということを御認識お願いしたいと思います。
 それから、終業時間のチェック体制については、今ほど申し上げたように、責任ある管理体制のもとで現場の課長がそごのないようにきちっとやっているつもりでありますから、強いて申し上げるならば今後一層せっかくの御質問の趣旨でもありますから、こういったことが顕著にとかあるいはサービス残業というようなこと、サービス残業ということは、まさにその定義するとかしないかというよりも、実態的にそういうことないように努めていくのは当然の責務でありますから、それらに意を用いて今後適正な労務管理あるいは時間管理等について努めていきたいと、こういう思いますんで、よろしくお願いします。