平成13年  3月 定例会(第1回) − 03月07日−02号

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◆11番(杉本敏宏議員) 私は、日本共産党議員団を代表して提案された議案について総括質疑を行います。
 最初に、少し時間をいただきますが、アメリカの原子力潜水艦が実習船「えひめ丸」に衝突して沈没させた事件で、被害に遭われた方々に心からお見舞いを述べるとともに、無法な米軍の行動に強く抗議するものであります。また、この問題で国民の命と安全を守ることを第一にしなければならない森首相が、第一報を受けた後も2時間近くかけゴルフを続けていたということに大きな憤りを感ずるものであります。
 それでは、質疑に移ります。まず、最初の質問は議案第1号平成13年度上越市一般会計予算についてであります。幾つかの項目がありますが、よろしくお願いします。
 国、地方合わせて666兆円の借金というのは大変な事態であります。この借金を減らし、財政を立て直さなければならないということは論をまちません。しかし、この借金の責任、これは国の放漫な財政運営にあると言えます。公共事業に650兆円をつぎ込むという対米公約を実行するために、100億円の釣り堀と言われるような福井港に代表される船の来ない港湾建設や、あるいは沈没寸前の関西空港、大赤字の東京湾横断道路などなど、むだな大型公共事業、こうした事業が国の財政を食いつぶし、借金漬けにしてきたと言えます。その上最近明らかになったことで、また多くの国民の方が怒っている問題に機密費の問題があります。上越市の1年分の交付税額に匹敵する72億円もの機密費が領収書もなしに使われ、そこに不正がはびこってきたということであります。一方で、このように財政を浪費しておきながら、財政難を理由に借金による公共事業を地方自治体に押しつけ、地方財政の悪化の大きな原因の一つをつくってきたのではないでしょうか。この地方債は、後年度交付税に算入するとしておりますが、その地方交付税特別会計自体が大赤字で借金を重ねている状態です。地方交付税特会が3年連続して赤字になった場合、所得税、法人税など三税からの繰り入れ率を増加させるというのが地方交付税法の規定でありますけれども、こうした措置をする責任が政府にあるにもかかわらず、政府はここ数年にわたってこの繰り入れ率の変更を怠っており、そのツケを地方に借金を背負わせる、すなわち今回の臨時財政対策債という赤字地方債の発行を許可するということで切り抜けようとしているわけであります。地方から見てこうした国のやり方はとても許すことはできないと思います。また、このように主には政府に責任がある地方交付税特会の悪化を地方自治体に押しつけ、住民に負担を強いるというのは、地方分権が叫ばれる今日、全く逆立ちしたやり方と言わなければなりません。日ごろ地方分権を強調し、地方から国を変えると豪語している市長が、このような国の最悪の施策に追随して、赤字地方債を5億7,000万円も発行するというのは全く理解できません。国は、後年度地方交付税で100%補てんすると言いますが、先ほど述べましたように交付税特会自身が赤字ですから、その保証は全くないと言わざるを得ません。この点では先ほど、午前中の議論だと思いますが、市長自身が交付税の先行きも怪しいというふうに発言をされております。こうした状況を見れば、赤字地方債の発行は見合わせるべきではないか、このように思いますが、市長の考えをお聞かせいただきたいと思います。
 二つ目でありますが、さきの裏山遺跡に続いて、今度は山麓線の工事にかかわって、和田地区の稲荷で吹上遺跡が発掘されました。この遺跡は、現地説明会の資料でも、今後上越地域における弥生時代の社会、文化を考えていく上で貴重な遺跡であると言われております。北東に続く台地に遺跡が連続していることも示唆されております。もちろん提案理由の説明で述べられているように、全容解明は必要なことであります。しかし、全容解明をした後にこの遺跡を破壊してしまうのでは、上越地域の先人の足跡、文化財を失うことになります。裏山遺跡の二の舞を演じてはならないと思います。道路をかさ上げしてでも残さなければならないのではないでしょうか。全容解明と言いながら保存について触れておられないのはなぜでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
 最初の赤字地方債の件でも述べましたが、国の財政が大赤字の現在、大型公共事業を縮小し、財政にゆとりを持たせる必要があります。こんな時期に北陸新幹線をフル規格で整備することが決まりました。フル規格、フル規格と言われておりますが、建設工事費が格安なミニ新幹線でも十分なはずであります。新幹線整備は、国の財源ですべて行うわけではありません。地方の負担がついて回りますが、上越市の負担はどのくらいになるのでしょうか。
 四つ目ですが、今日本の農家を苦しめているものに減反という生産調整があります。米余りと言われておりますけれども、その原因は減反面積での収量に匹敵する米の輸入にあります。これを抑えなければ減反はふえ続け、農業収入が減少して、日本農業は衰退せざるを得ません。減反の縮小こそが地方から国に声を大にして上げていかなければならない問題ではないでしょうか。そうしてこそ地域住民の生活を守るということであり、地方から国へということになります。しかるに、上越市の農業施策はこうした減反を当然の前提としているように見えますが、その理由は何でしょうか、お答えをいただきたいと思います。
 13年度予算に関連しての五つ目でありますが、上越市発足30周年記念として58という盛りだくさんの事業が計画されております。先ほども議論がありましたが、このうち3分の2の39の事業が10月までの7カ月間に行われます。平均しますと、毎月5〜6の事業がメジロ押しであります。1週間に一つから多いときには二つ、三つという事業が集中するわけでありますが、また58のうち32が私の数えたところではイベントであります。これらの大部分は、職員の皆さん方にしてみますと、通常業務の上に上乗せして実行されます。先ほどの質疑の中では、代替休暇をとるという話がございましたけれども、今の状況では本当にそういう休暇がとれるかどうか自身が非常に危ぶまれる状況ではないでしょうか。昨年の6月議会だと思いますが、時間外勤務についての議論がありましたが、上司の命令しないものは残業ではないという、そういう認識でおられるわけでありますので、この問題は非常に大きな問題をはらんでいると言わざるを得ません。残業や休日出勤など職員の負担にならないのかどうか、この点でお答えをいただきたいと思います。
 大きな2番目の質問は、議案第5号下水道事業特別会計、議案第55号下水道条例の一部改正及び議案第46号農業集落排水条例の一部改正についてであります。いずれも使用料を9.3%という大幅な値上げをするというものであります。こうした使用料の値上げが市民生活に大きな負担を強いることは間違いありません。景気回復の最良の手段が個人消費を上向かせることだと言われておりますけれども、このような大きな値上げ、逆に消費を冷え込ませることになるのではないでしょうか。先ほどの議論では、下水道会計の市債については、将来的には使用料の値上げで賄っていくような答弁があったかと思いますが、そうすることになりますと、ますます市民の生活を圧迫するということになるわけであります。下水道会計に限らず上越市の場合は、国保会計にしても、そのほかの特別会計にしても、一般会計からの繰り入れが少ないというのが一つの特徴であります。その理由として普及率が低いとか、加入者が少ないとか、そういうことが理由で、一般会計からの繰り入れには限度があるという考えがあると聞いております。しかし、国保であれば社会保障をどうするか、それに対する公費の負担はどうあるべきかという観点からの繰り入れがあってもいいのではないかと思いますし、下水道であれば市民の衛生環境をどう維持していくか、そのためにどれだけの公費負担が必要であり、繰り入れが可能か、こういう観点からの議論もあってしかるべきではないかと思うのであります。今回の9.3%という大幅な値上げでありますが、この値上げを抑えるためにあらゆる方策を考え、講じるべきであったのではないかと思いますが、どのような方策を考え、講じられたのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
 農業集落排水事業の使用料も同じ9.3%の引き上げでありますが、農業集落排水事業は、下水道事業とは別の独立した会計であります。下水道事業に連動させる必要はないのではないでしょうか。経理状況から見ますと、今のところ農業集落排水事業には値上げをする必要はないように見えます。なぜそれにもかかわらず値上げをするのか、その必要性についてお答えをいただきたいと思います。
 大きな三つ目の質問は、議案第21号上越市議会政務調査費の交付に関する条例の制定についてであります。昨年地方自治法が改正され、これまで議員の調査活動を補助してきた市政調査費などが政務調査費として法定化され、長または議員発議によって条例を制定しなければ交付できなくなったのであります。交付の対象としては議員個人、会派または議員と会派双方が可能とされ、それも条例で制定するということになっております。上越市議会でも全国市議会議長会の条例案が示された昨年秋ごろから、各派代表者会議等でこの問題が議論されてまいりました。この全国市議会議長会の条例案は三つございまして、一つは議員個人に全額支給するというもの、もう一つは会派に全額支給するというもの、三つ目の案は議員と会派双方に交付するという、そういう内容の三つの案が示されました。上越市議会の議論の中では、いろいろ議論があったようでありますが、私が聞いているところでは、最終的には条例の発議は長にお願いをする、交付の対象は議員個人に全額というふうにまとまったというふうに聞いております。また、額については報酬等審議会に年額60万円という諮問をしましたが、現状どおりの年額30万円とする答申が出されたのは、皆さん御承知のとおりであります。本議会に提案された条例案では、交付の対象を議員と会派に交付とされております。議会側が議員に全額交付としているにもかかわらず、議員と会派に交付という条例を提案された理由は一体何でありましょうか、理由をお聞かせいただきたいと思います。
 また、議員と会派への交付額は、これも条例で決めるべき内容でありますが、今回の条例案ではそれぞれ月額1万2,500円と提案されました。これは、何を基準として決められたのでしょうか。議会では、議員にのみ交付ということで協議がなっていたわけでありますから、議員と会派に交付とした場合の交付割合について、たしか成案は得ていないというふうに聞いております。これまでの市政調査費は、全額会派への補助でしたが、その使い方は会派によって大きく異なっております。ちなみに、我が党議員団は上越民報など議会活動を市民の皆さんに広報する、そういう広報活動などに大部分の費用を使っているということをお話しさせていただきたいと思います。市長におかれましては、議員と会派に対し折半して交付するとされた基準を、何を基準にしてそういうふうにされたかお示しいただきたいと思います。

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◆11番(杉本敏宏議員) わかりました。
 今議長から話がありましたので、ちょっと誤認がありましたので、訂正させていただきます。
 第4の質問は、議案第22号謙信公アカデミー条例の制定、第23号上越学生寮奨学金貸付・研究支援費交付条例の制定及び第30号上越市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正についてであります。この謙信公アカデミー条例案は、その第1条で「明日の上越を担う人づくりについての基本理念を定め、及び市の責務を明らかにするとともに、人づくりに関する施策の基本となる事項を定め」と規定しております。このような内容であれば、何も条例ではなく、例えば人づくり宣言というような形の宣言などでもよいのではないでしょうか。条例とした理由をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、上越学生寮奨学金貸付・研究支援費交付条例では、配付された資料によりますと、奨学金の貸し付け、研究支援費の交付決定は従来の奨学金貸付審査委員会ではなく、謙信公アカデミー評議会が審査を行い、教育委員会が決定するとなっております。従来の奨学金貸付審査委員会では、何か不都合があるのでしょうか。ちなみに、従来の奨学金貸付審査委員会の委員の報酬は、職務1回5,100円でありますが、謙信公アカデミー評議会の評議員の報酬は、今回提案されております議案第30号の特別職の報酬等の項に載っておりますが、職務1回3万円であります。この奨学金の貸し付けという同じ職務に対して、一方では1回5,000円程度、また他方では1回3万円という、こういうことになるわけでありますけれども、これはいかがなものかと思うわけであります。条例案第7条によれば、謙信公アカデミー評議会は、謙信公アカデミーの運営に関する基本的事項及び重要事項を調査審議するために設置されるものであります。奨学金の貸し付け等の審査が謙信公アカデミーの運営に関する基本的事項及び重要事項の調査、審議に該当するということで、この仕事も評議会の職務になっているんではないかと思いますが、本当にそういうことなのかどうか非常に疑問であります。奨学金貸し付け等の決定を謙信公アカデミー評議会が行うのはなぜなのか、お答えをいただきたいと思います。
 上越学生寮奨学金貸付・研究支援費交付条例の第3条を見ますと、奨学生の資格を定めております。その(3)では、東京都及びその近郊に所在する大学もしくは大学院に在学している者と交付の対象を限定しているのであります。しかし、その後で出てまいります研究生の資格要件にはこの要件がございません。なぜ上越学生寮の奨学生についてだけこのような限定がついているのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。先ほども述べましたが、上越市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正によりますと、謙信公アカデミー評議会評議員の報酬は1回3万円となっております。報酬としては大変高額ではないでしょうか。高い報酬を支払うわけでありますから、それなりの仕事をしてもらわなければなりません。先ほども述べましたが、従来の奨学金貸付審査委員会の委員の報酬は1回5,100円です。同じような審査をするものであります。報酬を1回3万円とした根拠をお聞きしたいと思います。
 最後の質問は、議案第53号上越市営住宅条例の一部改正についてであります。昨年県営住宅の駐車場が有料化されました。県営住宅や市営住宅には所得の少ない方々がたくさん入居されておられますことから、この県営住宅の有料化について多くの疑問の声が上がっておりました。今回の上越市営住宅の駐車場有料化の理由は、県が有料化したときの理由と全く同じ理由であります。地方分権が叫ばれる今日でありますが、何もこうした理由まで県に倣う必要はないのではないでしょうか。今回の有料化は、地方分権の理念に逆行するのではないかと思いますが、市長の考えをお聞かせください。
 駐車場の使用者の資格として、みずから使用するための駐車場を必要としていることとされております。しかし、駐車場を必要とするのは、みずから使用するためだけではありません。自分自身は、免許証を持っていなかったり自動車を持っていなくても、来客などのために駐車場を持っていたり、あるいは借りたりしている人たちは別に市営住宅、県営住宅の入居者でなくても世の中にはたくさんおられると思います。そういう社会の状況の中で、この市営住宅あるいは県営住宅に入っているがために、みずから車を持たない人たちが駐車場確保できないということになるとしたら、それは逆の意味で行政の公平を損なうことになるのではないでしょうか。この規定は市営住宅の入居者で、私が今述べたような目的で、駐車場を確保したいというふうに考えている人たちを初めから全く排除していることになります。車は持っていないが、駐車場は必要という人はなぜ対象にならないのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
 最後の最後になりますが、駐車場の有料化によって使用料収入が計上されております。予算書によりますと、81万9,000円が見込まれているようでありますが、この使い道としては、管理運営費の財源として計上もされております。しかし、管理運営費の経費の内訳を見てみますと、その内容は従来と変わっておりません。新たに徴収した使用料で、駐車場のために何か新しい施策をするということであればまだしも、何も変わったことがないということでは、これはただ料金を徴収されただけということになってしまうのではないでしょうか。有料化に伴う収入を何に使うのか、お示しいただきたいと思います。
 以上であります。

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◎宮越馨市長 順を追ってお答え申し上げます。
 初めに、臨時財政対策債の発行についてお答え申し上げます。臨時財政対策債につきましては、山岸議員の御質問にもお答えする中でも御説明いたしましたが、繰り返して申し上げますと、平成6年度以降地方財政の通常収支の不足に対して交付税特別会計で借り入れを行い、交付税総額を増額するなどの方法で補てんしてきたところでありますが、平成13年度から平成15年度の3年間に限ってこれまでの方式を変更し、その一部を臨時財政対策債に切りかえることとされたのであります。私は、地方からの国づくり、地方主権の確立をみずからの政策の基本に据え、真に自立した自治体行政を実現するため、よりよい方途を模索しながら、この間数々の改革を実践してまいりました。こうした中で、地方分権時代に即した国と地方の役割分担や、それに見合った財源配分等のあり方についても、現場行政を踏まえた新たな観点から国に対してさまざまな提言を行ってきたところでございます。しかし、例えば地方自治体が必要な行政水準を確保していくための財源の一つである地方交付税を見ても、残念ながら抜本的な改善策が講じられるに至っていないのが現状であります。このような状況の中にあっても、現行制度の枠組みの中で市民生活の向上のために必要なさまざまな行政課題を着実に実行していくことが、現場行政を預かる私に課せられた責務であります。このため臨時財政対策債を発行するか否かは制度上、各自治体の判断にゆだねられておりますが、景気の低迷や減税などにより、各種行政サービスの維持に必要な財源が極めて限られたものとなっている中で、また平成13年度の経済情勢も依然として予断を許さない状況にあることをも踏まえ、中長期的な視点に立って計画的なまちづくりや、各種行政課題を着実に進めていくための必要財源として活用することとしたところであります。十分御理解いただけるものと存じます。なお、この臨時財政対策債につきましては現行制度上、その償還費の100%が交付税措置されることとなっておりますので、将来の財政運営にも大きな負担は残さないものと考えております。といって、私もこういった措置については喜んで受け入れているものではありません。これは、国民ひとしく666兆の借金をしてしまったということに対して、決してこれは借財だけを取り上げて議論すべきものではないと思います。これは、それまでに景気対策とか、あるいは社会資本整備とか、いろんな各般の行政需要を賄うために、必要やむなく発行してきた長期債務でありますから、これは正面からその評価をしながら結果的に借金が、長期債務が残っている。こういうことを両方見ないと、こればっかり見ていると、さっきの議論のような話になってしまって、やっぱり何をされてきたか  今日すぐれた先進国と言われる、社会が相当整ってきたことも間違いないし、豊かな生活、暮らしもでき上がったということも、この借金の666兆のほとんどがそういうところに使われているということを、これは間違えてもそういうことを見ないように、しないようにしていかなきゃならんと、こう私どもは思っておりますが、今後将来に向けて、さらにこのトレンドがずっと伸びていっていいかというと、それはいかがなものかということは私ども地方における立場においても、このような財政運営については国、地方ともに真剣に取り組んでいくということで、ますます地方分権社会の真髄をこれから発揮させていかなきゃならんということでありますが、一方財政需要、杉本議員もよくおっしゃいます福祉とか、いろんなところにああしろ、こうしろという話になりますと、必ずそれは財源に負担がかかってきます。じゃ、そこはどうするねという話がいろんな形で新しい新規需要が出てきておるのでありますから、その選択の話になります。ですから、このことを議論するときは必ず、じゃ将来はどうするんだといったら、サービスの低下につながりますよということを覚悟するという覚悟の問題なんです、これは。ですから、その覚悟をいつするか、もうそろそろしなきゃならん、そういうターニングポイントが実は来ているということは、これは一般的にも当然わかることでありまして、そういう中で私ども上越市はまだまだポテンシャルが高いという、そういうことでJプランをもとに、新しい力強いまちを整備していこうという、こういうトレンドを描き得る範囲内で、そのことを対応していかなきゃならんということであります。このような臨時財政対策債においても決して喜んで発行するわけではありませんが、当面いろんな各般の需要をしっかりととらまえながら、まさに新世紀に入った、そのきっかけとしてまた新たなスタートをして、今進めております基幹的なインフラ整備等々をしっかりとつくり上げる中で、さらに30年後人口も社会的増を中心としていいまちをつくっていこうと、こういうことを理念にしておるわけでありますから、これはそれなりに使い道もきちっとあると。そして、それを将来償還する力もあるわけでありますから、これはそういうことを視野に入れながら、しっかりと財政運営をしていくという、そういう中でこのような臨時財政対策債も発行しようということにしたわけでありますから、その辺のところを御理解を賜りたいと、こう思っております。
 次に、吹上遺跡の保存に触れていない点についてお答え申し上げますが、吹上遺跡は弥生時代中期の玉づくり遺跡と推定され、上越地方では弥生時代における最も古い玉づくり遺跡として注目を集めました。昨年暮れに2回行った現地での遺跡公開では、上越市はもとより長野県や富山県から約300人の見学者が訪れ、その関心の高さが示されました。私は、この遺跡の概要について職員から報告を受けた際、直ちにその重要性を認識し、保存を視野に入れた対応をとるよう指示いたしました。その後文化庁の御指導もいただき、遺跡の調査については、道路の法線部分という限られた範囲では、遺跡そのものの評価をすることが困難なため、周辺に調査を拡大し、遺跡の全容を解明することが先決であると判断いたしました。当然のことながら吹上遺跡の全容解明には施行者を初め、関係機関の御理解と御協力が不可欠であります。幸い施行者の新潟県上越土木事務所から御配慮いただき、現在工事が中断されております。また、文化庁や新潟県教育委員会からも支援の快諾を得ているところであります。このようなことから、まず遺跡の調査に全力を尽くし、遺跡の内容が解明されていく段階で、施行者を初め関係機関との調整を図って、保存について前向きに対応してまいる所存であります。いずれにいたしましても、悠久の歴史を持つ上越市の貴重な文化遺産の一つとして将来に託す方策を探っていきたいと、このように考えています。
 次に、北陸新幹線のフル規格整備に伴う上越市の負担はどのくらいかとの御質問でありますが、御案内のとおり昨年12月18日の政府・与党整備新幹線検討委員会において、北陸新幹線長野−富山間をフル規格化し、今後おおむね12年強後の完成を目指すとする方針が決定され、これを受けて12月24日に平成13年度予算政府案として、北陸新幹線長野−富山間に340億円の事業費配分が決定されたところであります。私がリーダーシップをとり、地域一丸となって心血を注いでまいりましたこれまでの運動によって、不透明であった上越以西について明確な方向性が示されたのであって、まことに喜びにたえません。
 さて、そこでお尋ねの当市の負担についてでありますが、整備新幹線の建設に係る費用負担については、全国新幹線鉄道整備法及び政令により国が3分の2を、都道府県が3分の1を負担することになっており、都道府県は新幹線の建設により利益を受ける市町村に対して、利益の限度において一部を負担させることができることになっております。これにより当市は、新潟県から上越市内における駅、その他の地域の便益に密接に関連する鉄道施設の建設に関する工事に係る地域負担の10%に相当する額、すなわちトンネルを除く市街地に当たる部分の工事費の30分の1に相当する額の負担を求められており、現在着工している長野−上越間においては、新井市境から事業認可区間の終点である県道後谷黒田脇野田停車場線までの2.9キロメートルが当市の負担の対象となっております。平成10年3月12日に長野−上越間の工事実施計画が認可され、上越市内では中心線測量や地質調査に続いて、現在新井市境から矢代川間の道水路との交差計画協議、用地測量も進められているところであり、これらの工事費に対しては、今議会に補正予算として提案しております12年度の建設費負担金333万円を含め、平成10年度以降407万円を負担してまいりました。平成13年度からは、新井市境から矢代川間において用地買収が行われることを初め、上新バイパスをまたぐ高架橋の工事も始まることになっており、新年度では当市内で見込まれております工事費9億円に対して、当市としても新潟県が負担する3分の1の10%に当たる3,000万円を建設負担金として予算計上し、本格化する工事に対応してまいりたいと、こう考えております。
 なお、今後の当市の負担金でありますが、当市内の工事のうち現在事業認可を受けておりますのは、長野−上越間(その1)工事として、軌道や電気設備、駅舎整備などを除く用地補償費を含む高架橋などの土木関係の事業であり、工事費は2,193億円が見込まれております。この認可工事費に対する鉄道建設公団の試算によりますと、当市内の工事費は152億7,000万円となり、長野−上越間(その1)工事の当市負担分は5億900万円が見込まれます。これ単年度ではありません、この工事全体の話でありますから。10年かかれば5,090万ずつということであります、1年間。これは、単純にいきませんけど、全体で5億900万という試算です。しかし、このほかの長野−上越間(その2)工事、あるいは上越−糸魚川間の工事はまだ工事実施計画認可前であり、平成9年当時の運輸省試算で長野−上越間は3,200億円、上越−糸魚川間は2,200億円と示されているものの、当市内の対象工事についてはいまだ明らかになっていないところであり、今後の工事実施計画認可を受けた段階でまた皆さんに御報告をしたいと、こう思っております。
 また、関連して申し上げますと、当市が負担する建設費の財源は起債充当率90%で、うち50%が交付税算入されますので、結果的に市負担額のうちの45%が交付税として措置されることになりますし、したがって45%になりますから、55分の1ぐらいですか、簡単に言うと。そのほか当市には駅舎を初めとする鉄道施設の固定資産税が納入されますので、将来的には負担額を回収できるものと考えております。試算の数字がありますが、ちょっと今手に持っておりませんが、これはそう遠くない期間で固定資産税が入りまして、私どもが持ち出した負担額は回収できるという、このことを忘れないでください。ですから、私はそういうことを運動のときからわかっておりまして、この運動を積極的に進めてきたという一つの要因でもあります。現在、新幹線新駅の周辺整備について調査検討を進めておりますが、新幹線新駅の設置と駅周辺整備が行われることなどによって、当市における高速交通ネットワークの完成による利便性や、地域の新たな発展などに多大な効果がもたらされるものであり、今後も早期完成を目指して積極的に建設促進運動を展開してまいりたいと考えておりますし、駅ができ、まちができますと、そこからまた固定資産税が上がってきます。だから、好循環でいくんです、これは。だから、新幹線は要るんです。だから、まちが動くんです。だから、今大事なことをやろうということで、そういう長期ビジョンで全体を経営するという、こういう視点がまさにそこにないと、ただそこだけを見るとけしからんという話になりがちでありますが、とんでもない話でありますから、あらかじめ申し上げておきます。いや、杉本議員がそうおっしゃるという話じゃありませんよ。まことに頭脳明晰で御理解いただける方でありますから、そんなことは間違ってもないと思いますが、たまたま間違える人がいますから、あえて申し上げておきます。
 次に、減反を前提として諸施策を考えているようだが、その理由は何かについてお答え申し上げます。御案内のとおり、いわゆる減反政策は、食生活の多様化が進む中で米の消費減退などから、既に30年余り続いてきており、また近年においては米価が大幅に下落するなど、稲作中心の当市農業にとって極めて厳しい状況が続いております。こうした中、昨年3月に農都市条例を制定し、自給率の目標を7割以上と掲げ、去る2月19日には10年後を見通した基本計画について答申をいただいたところであります。今後は、この基本計画に基づいて各種の施策を講ずることとしておりますが、御案内のとおり3割を超す生産調整の水田活用としてJAでは、農都市条例の理念に基づき、大豆生産拡大800プランを立ち上げ、大豆の本作化と自給率アップに取り組んでおり、市では生産調整に係る国や県の補助事業等も活用しつつ、これを強力に支援しているところであります。また、平成13年度の緊急拡大分の取り組みについても、良質かつニーズに合った大豆生産に集団的にシフトするよう国及び県の補助事業を活用し、推進することといたしております。さらに、地域内自給率の向上を目指し、大豆以外の園芸作物等の本格的な生産にも積極的に取り組み、水田を有効活用することを促進するため、新たに汎用水田積極活用支援事業を実施することといたしました。このように厳しい農業情勢の中にあって、積極的に食料自給率の向上につながる施策を実施していることを御理解をいただきたいと思います。なお、私はこうした状況の中において、生産調整における適地適産を進めることに加え、市町村が明確な自給率の目標を掲げ、その実現に向けての取り組みに対し、目標の達成度合いなど客観的な指標に応じ、統合補助金のような形で支援していただけないかと、県市長会を通じて国に要望しているところであります。今後ともこうした施策、提言を初め、国や県の制度も最大限に活用しながら、農都市の住民にふさわしい健康的な食生活の普及を含め、自給率の目標達成に向けて、基本計画に基づき各般の施策を着実に実施してまいりたいと考えております。
 次に、盛りだくさんの30周年記念事業は、職員の負担増にならないかということでありますが、先ほども古澤議員にもお答え申し上げたとおり、ことしは上越市にとりまして、発足30周年の節目の年であるとともに、21世紀の幕あけの年でもあることから、本年を当市の新たなスタートラインと位置づけ、さらなる飛躍へのきっかけづくりと、将来像を描いていく上での弾みとしていくために、多くの皆さんの参加を得ながら数々の記念事業を実施してまいりますので、ここのところは従来の周年事業とは根本的に違うということを御理解を賜りたい思います。事業内容等は、既に配付した資料でもごらんのとおり多岐にわたっております。これらの事業の実施に当たっては、町内会や商店街等地域、各団体との連携を図る一方、事業によってはボランティアも募り、多くの方々から事業運営に参加、協力をいただきながら推進してまいりたいと考えております。
 また、個別の実行委員会や関係団体が実施主体となって進めていくものも26事業あり、既に幾つかの事業では、広報活動や当日の役割分担などを含めた具体的な準備に入っているところであります。このように事業は市民等の参加、協力を得て行ってまいりますので、職員への一時的な負担増はあっても過度なものにはならないと、こう考えておりますので、御安心いただけるかと思います。このたびの記念事業は、たびたび申し上げておりますように、21世紀のまちづくりに向けた意義あるものにしたいということから、職員にとってもまた経験を積み、勉強の機会としてとらえ、その成果を評価し合うという目標もあります。そのために職員全員がこの節目の年を強く意識し、事業に取り組んでいくことが必要であります。しかしながら、そのことが結果として過労へと結びつくことのないように、またなってはならないと思いますので、日常の勤務状況にも気を配りながら、人事配置や応援体制についても十分に配慮して取り組んでいきたいと、このように思います。
 次に、下水道使用料の改定についてお答え申し上げます。下水道は、居住環境の改善とともに、私たちの生活に潤いと安らぎをもたらす川、池、海といった水環境の水質保全に資するなど、人が自然と調和して生きる上で不可欠な都市基盤施設であります。当市においても、市民要望の高い下水道事業を快適で潤いのある都市環境を守るため、重要課題の一つとして積極的にこれまでも推進してきたところでありますし、これからも積極的に推進していきたいと、こう思っております。この極めて重要な下水道事業を推進していくためには、市民の皆さんから御負担いただく費用に受益者負担金と下水道使用料があります。受益者負担金については、下水道整備により特定の地域が環境改善の利益を受けることから、その利益を受ける限度において、建設費の一部として土地所有者から負担していただくものであり、また下水道使用料については下水道管や下水道センター(処理施設)の維持管理費及び建設時の公債費に充てるためのものであります。下水道の維持管理には多額の費用がかかることから、その財源確保につきましては国、県、市町村や有識者の代表で構成されております下水道財政研究委員会の提言の中でも雨水の方は公費負担、汚水は私費という大原則の負担原則が提起されて、具体的に維持管理費及び資本費を対象とした適正な使用料単価を設定することが望ましいとされておりまして、私どももそういった趣旨を踏まえてやっております。今後も当市における下水道使用料の算定に当たっては、同委員会の提言の趣旨を踏まえて、維持管理費及び資本費については基本的に使用料で賄っていきたいと、こう考えておるところであります。先ほど申し上げたとおりであります。しかしながら、維持管理費や資本費の全額を使用料で賄うことは、利用者にとって大変高額な負担となるため、今回の料金改定でも維持管理費を全額使用料で賄い、資本費、公債費でありますが、うち約50%を利用者から負担いただくこととし、平均9.3%の使用料の値上げをさせていただくことにいたしたわけであります。これは、突然今回出てきたものではございません。大体これまでは3年ごとに改定をお願いしていただいております。ちなみに、前回は平成10年から12年の間に10%、それから平成7年から9年の間に10.1%、今回はこの3年間で、一応見通しでは13年から15年ということで9.3%、10%を切る、この配慮をさせていただいたことをぜひ御理解を賜りたいと思います。そして、資本費の不足額につきましては一般会計から繰り入れを行うとともに、特別会計でも資本費平準化債を借り入れで補てんすることといたしました。
 値上げを抑える方策はなかったのかとお尋ねでございますが、一般会計からの繰り入れにつきましては、特別会計としての独立性及び普及率も30%台であることから、利用が限定的な事業に対して、市民の税金である一般会計からの過度の繰り入れは適切ではないと考えております。しかしながら、使用料の大幅な値上げを避けるためにも今までの実績を踏まえ、現在のところ同額程度の繰り入れを見込むものであります。今後の一般会計の繰り入れについては、維持管理費及び資本費のすべてを使用料算定の対象とする基本原則を踏まえつつ、普及率や下水道事業特別会計などの状況を考慮しながら対応してまいりたいと考えています。つまり30%台でありますが、まだ普及率は十分でありません。将来100%とか、高まったときは使用料がどんどん入ってきますから、そういうときは使用料に振りかえて、しばらくは一般会計で適当な、そう多くの繰り入れをできないという事情もありますから、そこは値上げとのバランス感覚の中で、適切に繰り入れを行いながら、将来は使用料に徐々に転換していくという、こういうことで先ほど私が申し上げたように、基本的には使用料で維持管理費等については賄うという大原則を、そのような方向で進んでいこうと思っていますので、過度な税負担によらないということで基本にしていきたいと、こう思っております。
 次に、農業集落排水の料金を連動して値上げをする必要があるのかという御質問でありますが、農業集落排水事業は農村地域における農業用用排水路の水質保全による機能維持及び生活環境の改善を目的として下水道事業同様、重要課題の一つとして推進し、20世紀末までに計画どおり全13地区で事業着手したことは御案内のとおりであります。この事業を推進していくため、下水道事業と同様に受益者負担金と施設使用料を市民の皆さんから御負担いただいております。お尋ねの施設使用料につきましては、下水道事業同様に施設維持費等の御負担をいただくもので、その料金設定に当たりましては、下水道も農業集落排水も同様の行政サービスであること、維持管理経費等について両者に大きな差異がないことを考慮し、地域によって格差をつけず、同一の使用料としているものであります。いずれにいたしましても、下水道並びに農業集落排水の整備や維持管理には多額の財源を必要といたしますが、従来にも増して経営基盤の強化や維持管理の効率化に努めながら運営してまいる所存でありますので、御理解を賜りたいと思います。
 次に、議会の政務調査費の御質問でございますが、まず交付の対象を議員と会派とした理由についてでありますが、地方自治法の改正によって議会の活性化を図るため、議会あるいはその構成員である議員がみずからの政務調査能力の充実が必要不可欠であるとして、会派または議員に対して活動経費の一部を助成し、またその使途の透明性を確保するため、それぞれの自治体が条例でこれを定めることになりました。そこで、交付対象を議員と会派にした理由ということでありますが、まず議員のみを交付対象とした場合、議員一人一人の活動と責任の所在が明確になるという長所があり、また会派のみを交付対象とした場合には政務調査が共同で行われることから、その相乗効果が期待でき、あわせて共通経費に当たる部分が縮減されるという効率、効果の観点からの長所があります。もとより議員の皆さんの政務調査活動は、個人として行われているもの、また主義、主張や政策を一にした会派が力を合わせて活動されている部分もありますので、両者の長所を生かすため、会派及び議員のいずれにも交付することといたしたところであります。なお、このことは市民にとっては、議員の皆さん方の活動の状況が情報公開等を通じて理解することができ、議会の活性化にもつながるものと考えております。
 次に、議員と会派の交付額は何を基準としたのかについてでありますが、議員1人当たりの政務調査費の額については、市民からの批判を招くことのないように、第三者機関としての特別職報酬等審議会に諮り、審議会からは現行の市政調査研究費の額を踏まえ、議員1人当たり年額30万円とすることが適当であるとの答申をいただいたところであります。なお、この額を会派と議員個人に分けるに当たっては、今ほども申し上げましたとおり、それぞれの長所に優劣がないため、それぞれの長所がありますから、そこを優劣をつけるということはまた難しいということで、どちらに比重を置いても合理性がなくなるので、半額ずつといたしたところであります。
 次に、謙信公アカデミー条例について、人材育成の基本理念を定めるのであれば、条例でなくてもよいのではないかというお尋ねでありますが、この条例の提案に当たり、提案理由でも申し上げましたが、人づくりは人類発展の礎であり、そしてまちづくりの基本は人づくりであります。また、21世紀のまちづくりの主役は市民一人一人であるとの認識に立って、人づくりに関する総合的、体系的な施策を策定し、実施していかなければならないものと考えているところであります。この条例は、第1条の目的で「基本理念を定め及び市の責務を明らかにするとともに、人づくりに関する施策の基本となる事項を定めて施策を推進することにより」と表現したように、施策の推進を目指すものであります。また、第2条の定義においても、謙信公アカデミーが「基本となる事項にのっとり実施される事業並びに実施機関の総称」と規定いたしました。このようなことから、本条例は人づくりの施策をまとめ、体系的に位置づけ、整理したものであり、単なる宣言等にとどまらず、市が責任を持って積極的に推進する決意を示す意味で条例といたした次第であります。
 次に、奨学金貸し付け等の決定を従来の奨学金貸付審査委員会でなく、謙信公アカデミー評議会が行うのはなぜかとのお尋ねでありますが、先ほど山岸議員にもお答え申し上げましたとおり、謙信公アカデミーの基本理念を具体化する主要な一つの手法として、上越学生寮奨学金貸付・研究支援費交付制度を設けることといたしました。これは、昨年財団法人上越学生寮が解散し、上越地域出身学生等の学業支援に活用してほしいと寄せられた2億円の資金をもとに、あすの上越を担う人づくりに努めるものであります。したがいまして、経済的理由で就学困難な方に対して教育の機会均等を図るために貸し付ける既存の奨学金貸付制度とは大きくその性質を異にしており、従来の奨学金貸付審査委員会での審議にはなじまないものであります。また、アカデミー評議会は謙信公アカデミーの運営に関する基本的事項及び重要事項を調査、審議するために設置するものであり、人づくりの中核事業となる本制度の審査はその重要な役割の一つとなるものと考えております。
 続きまして、奨学生の資格を東京都及びその近郊に限定している理由は何かとのお尋ねでありますが、財団法人上越学生寮につきましては、平成11年度末をもって95年の輝かしい歴史の幕を閉じ、住まいの提供から奨学金へと姿を変えるものの、関係者からは長年の伝統に培われた学生寮の精神を残したいとの強い意向が寄せられております。かつての上越学生寮寮則では、寮生の資格を新制大学で上越寮から通学可能な学校に在学していることとされていたことから、どうしてもこのような東京及びその近郊に限定をつけてほしいとの寄附者としての強い要請がありましたので、その要請にこたえる形で地域限定をするものであります。
 次に、評議会評議員の報酬1回3万円とした根拠は何かとの御質問でありますが、先ほど申し上げたとおり、条例第7条で評議会を置くことといたしました。その評議会を組織する評議員の選任に当たっては大学教授、一部上場企業の役員クラス等のほか、旧上越学生寮関係者の中からも就任していただきたいと考えております。このたびの評議員には、評議会に出席して意見を述べ、審議していただくと同時に、人材育成に関する情報収集、調査のほか、今後謙信公アカデミーで取り組むべき施策の検討や、上越学生寮奨学金貸し付け及び研究支援費交付対象者の審査に当たっていただきたいと考えております。特にこの研究支援費交付の審査に当たっては、すぐれた研究者を選ぶ必要から、レポートなどの事前審査にも十分な時間をかけていただくことを想定しております。こうしたことから、報酬額の決定に当たっては、市で従来から設置している委員会などと比較検討いたしましたが、行政監理委員会では委員報酬を5万5,000円としており、市の重要課題について専門知識を生かして市長に提言するという重要な役割を担い、大学教授や弁護士などを構成メンバーとしております。同じように重要な役割を果たしていただく評議員報酬として3万円に限定したものであり、決して高くはないものと考えております。
 次に、市営住宅条例の一部改正に関連する質問でありますが、まず県営住宅に連動して有料化するのは、地方分権の理念に逆行するものではないかということについてお答え申し上げますが、従来の公営住宅の家賃は、入居者の住居部分とその団地の共同部分を除くすべての地代相当額を家賃算定の対象としておりましたが、公営住宅法の法律の改正によって、平成10年4月から入居者の住居部分とその建築面積部分の敷地のみを対象として、家賃の中に駐車場に対する対価は含まれないこととなったのであります。このことにより、家賃は最高に下がった方で月額4万6,800円が2万4,100円下がって2万2,700円になりました。ですから、半分以下になりました。全体の平均では、月額2万500円が5,000円下がって1万5,500円になったものであります。ですから、家賃そのものはもう法律改正で下がりました。これは、それまでの家賃の中に含まれていた駐車場スペースの料金を家賃と分けたためであります。このことから駐車場につきましては集会所や公園同様、共同施設として位置づけられましたので、その共同施設である駐車場を特定の個人が独占的に使用する場合は、使用しない入居者との公平性を欠くことになるため、使用する入居者から使用料を徴収しようとするものであって、何ら不思議ではないわけであります。本来、家賃の算定方法を変更した平成10年4月から駐車料金を徴収すべきところでありましたが、全体の動きを見ながら、自主的判断をしながら、今回実施しようというものでありますから地方分権、まさに地でいくような形で個々に判断をして実態を勘案しまして、今回実施しようとしたのであります。したがいまして、必ずしも県営住宅に連動してということではありません。法律が変わったということであります。新潟県においても同様の理由によって、平成13年度から有料化することとしておるようであります。当市におきましては、県営、市営の混在団地が7団地もあることから、バランスを欠かないという配慮も使用料の額につきましても、結果的に県と同様の算定をいたした方がむしろ公平であるということで、地方分権云々ということは全く当たらないということで御理解を賜りたいと思います。
 なお、自動車税が免除されている身体障害者の方につきましては、当市は独自に全額免除し、また収入が少なく、家賃の減免を受けておられる方につきましても、その減免と同率を免除することといたしておりますので、御安心いただきたいと思いますし、そのことを申し添えさせていただきます。ヒューマン都市を目指しておりますから、そういったことにもきめ細かい配慮をさせていただいたつもりでございます。
 次に、車は持っていないが、駐車場は必要という人は対象にならないのかという御質問でありますが、駐車場が公営住宅入居者の共同の福祉のために必要な共同施設の一つであることから、入居者または同居者のみが使用資格を有することは当然のことであります。仮に同居していない親戚等が使用することも可能とした場合、共同施設の位置づけである公営住宅入居者の共同の福祉のために必要な施設という概念に反すると思われますので、さよう御承知おきいただきたいと思います。ちなみに、各団地において来客用として数台分の駐車スペースを確保することは可能としておりますので、このことについては入居者の皆さんの希望を聞きながら割り振りをしていきたいと考えております。
 次に、有料化に伴う収入を何に使うのかという御質問でありますが、駐車場料金の使途につきましては、原則として今後の整備費や修理費等に充当することを優先いたします。しかし、既に整備済みのところとこれから整備するところもあり、年度ごとに平均化されるものではないことから、必ずしも整備費や修繕費のみに充当するものではないことを御理解をいただきたいと思います。
 以上です。

P.161 
◆11番(杉本敏宏議員) 答弁をいただきましたが、幾つか再質問をさせていただきます。
 議案第1号の平成13年度上越市一般会計予算にだけかかわる問題ではないと思いますが、けさほどからの議論の中でも市債の返済の問題で、後年度地方交付税で補てんされるという話がたびたび出てまいりました。一般的には、地方交付税で補てんされる率が高ければ高いほど優良地方債だというふうな言い方がされているようでありますけれども、これは以前から私が市長ともいろいろ議論をしてきたところでありますけれども、高ければ高いほど優良だというふうにはならないのではないかというのが私の主張でありました。今回のこの赤字地方債、後年度100%地方交付税で補てんされるからということがかなり強調されております。しかし、これはこれまでの議論を蒸し返すことになるかとも思いますけれども、一応お話をさせていただきたいと思いますが、私は以前この問題で例として持ち出したのは、息子さんが親から仕送りを受けていると、そのときに例えば車を買いたいんだけども、父ちゃんちょっと金融通してくれないかというような話に例えてお話ししたことがあると思うんです。そのときにお父さんは、いいよと、じゃあおまえ借金して買えと、その借金の返済の半分ぐらい面倒見てやるよというのが後年度交付税措置というのと非常に似ていると思うんです。ただし、おい、息子よと、その返済分の半分は見てやるけれども、それは今まで送っていた仕送りの中に全部含まれているよと、これからも仕送りの総額はふやさないよというふうに言っているのと同じ議論ではないかというふうな話をさせていただいたことがあります。御承知のように、交付税というのは基準財政需要額とか基準財政収入額とか、あるいは現在の市の収入支出、歳入歳出等を勘案して自治省が一定の式に当てはめて計算されて出てくるわけであります。交付税に算入することにしたからといって、その分をどっと上に上積みしてくれる制度にはなっていないと思うんです。そういう中で、こういうふうなことでどんどん、どんどん後年度負担ということになっていきますと、まさに借金を後ろへただ追いやるというようなことにしかならないのではないか。特に赤字地方債100%ということでありますから、これはそういう点では非常に大きな問題を持っているのではないかというふうに思うわけであります。市長は、喜んで発行しているわけではないというふうに言われましたから、それはそれとして喜んで発行されては困るわけでありますけれども、そういう後年度の交付税算入ということの中身をよく吟味していただいて、こういう制度を使う必要があるのではないか、このように思うわけです。
 それで、交付税特会は先ほども最初の質問でも言いましたけれども、大幅な赤字であります。それで、そこが赤字なために今の合併論議も一つはあるわけです。地方交付税を減らしたい、交付額を減らしたいというのが、自治省がこの合併の旗振りをしている大きな要因にもなっておりますけれども、そういう状況でこれから先交付税をどんどん、どんどん減らしたいというふうに言っているときに、交付税で後で面倒を見てもらえるから、安心だというふうなことでやっていけるのだろうかということになると思うわけであります。私自身は、今の自治省のそういうやり方には大きな疑問を持っておりますが、どうも見ておりますと、市長は余りそういうところには疑問を感じられずにやっておられるように見えますので、改めてその辺の先行きの問題について御答弁いただければありがたいと思います。
 和田地区の吹上遺跡については、保存の方向で前向きに検討していくと、指示もしているという話でありました。ぜひその方向で進めていただきたいと思います。それこそ破壊されてしまっては、まさに裏山遺跡の二の舞になってしまいますから、そういうことがないように関係機関とも十分協議していただいて、現地で保存できるような方策をぜひとも考えていただきたいと思いますが、この保存を指示されたということの中身をもう少しお話いただければというふうに思います。
 減反の問題については、いろいろ答弁されましたけれども、やはり出てきます中身は大豆の転作をどうこうとかということであって、今の30%を超える減反を減らそうという方策はどうもないようであります。国の方策だから、仕方がないんだということであると、これは地方分権ということとまたどうなのかなということにもなりますが、私はやはりこういった問題、もっと減反の面積そのものを減らす工夫、努力、こういったものを国にも大いに声を上げていく必要があるだろうと思いますし、市としてイニシアチブもとっていく必要があるんではないか、そのように思いますけれども、改めて市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 下水道事業と、それから農集の件でありますけれども、基本的には使用料で賄うんだという話でありました。それで、下水道事業の会計を見てみますと、平成12年度の繰入金は10億5,676万円でありました。13年度の繰入金は、予算書では10億3,081万円となっておりまして、2,595万円実は減少しているんであります。いろいろと対策を考え、方策をとられたにもかかわらず、繰入金がこのようにおおよそ2,600万円ばか減少するというのは、ちょっと逆をいっているんではないかなというふうに思います。ちなみに、農集の方ですが、これはもっと大変でありまして、12年度の繰入金は3億154万円でありましたが、13年度の繰入金は9,857万円です。2億297万円実は繰入金が減少しております。これは、いろいろと繰り入れをするには計算式等々があって、そう単純にいかないというのは承知しておりますけれども、これだけ大きく繰入金が減ったり何かしますと、どうも先ほどの答弁だけでは簡単に納得するわけにはいかないということになります。それから、3年ごとに見直しをしてきて、これまで10%ぐらいで来たけれども、今回は9.3で10を割ったということをおっしゃいました。逆に言いますと、これから先また3年ごとにこの程度ずつの値上げがずっと見込まれるのかなということにもなるわけですが、もしそういう見通しのお話ができるのであればお話をいただければと思います。
 議会の政務調査費の問題ですが、私はこれは基本は議会の方の側が議員に全額でいいじゃないかというふうに言っているのに、なぜ市長の方の提案が議員と会派というふうになって出てきたのかということが非常に不可解であります。実際に交付を受けて、それを使用する議会の側の意向と市長の方の提案がこんなに大きくずれるというのは、どうしてなのかなと非常に不思議でなりません。先ほどの答弁の中でおやと思ったのがあるんですが、私は全国市議会議長会の条例案が三つ示されたというお話をしました。議員と会派双方に交付することが可能となった、それ一本ではないんです。ですから、三つの方法があって、そのうち議会としては議員に全額の方がいいんではないかというふうなことで意見がまとまったわけですから、条例の提案はそういう方向で本来あってしかるべきではないのかなというふうに思います。改めて、そういう議会の意向とは異なった提案をされた理由をお聞きしたいと思います。
 もう一つ、謙信公アカデミー条例にかかわっての奨学金の交付の問題でありますが、資格を東京都及びその近郊に限定したのは、寄附者の方の意向ということでもありますから、これはわからないことではありません。しかし、研究者の資格の方にはこの要件がないということを先ほども言いましたけれども、同じ原資を使いながら、奨学生と研究生でなぜこういう差がまた出てくるのかなという疑問が一方ではあるわけです。その辺でお答えをいただければと思いますし、報酬の1回3万円という問題でありますが、ほかの行政監理委員会なんかと比べて、あれは5万幾らだから、それよりは安いんだみたいな話がありましたけれども、ただいずれにしてもこの金額が事前に論文というか、何かそういうものを見てというような話がありましたけれども、そういうことがあったにしても、ある場合には重要事項の審査だとか調査のほかに、奨学金の貸し付けを決めるためだけにお集まりいただく場合だって生じてくるんだろうと思うんです。そうした場合でも職務1回になるわけで、そうするとやはり先ほども言いました、既存の審議会なんかとかなり格差ができてしまうのではないのかなというふうに思うわけであります。その点で改めて市長のお考えをお聞きしたいと思います。
 最後の公営住宅の駐車場の問題でありますが、私がお聞きしたのは、その理由から何から県が有料化したときの理由と全く同じで、そこには上越市の独自性というか、そういうものも何もないように見えます。それでは、地方分権の理念に逆行するんではないかというふうにお聞きしたわけですが、そうじゃないということでありました。しかし、その疑問というのはどうも払拭できない状況であります。特定の個人が公共の土地を独占するのはいかがなものかというふうなお話がありました。しかし、そういうことで駐車場を区割りをしてお金を取って貸与するということなわけですが、逆に言いますと、それなら車を持っていない人であっても、お金を払って貸してくれというふうに言うことに何も問題はないんではないのかなと。有料化の方のところで言われた独占することはいかがなものかということと、どうもつじつまが合わないような感じがいたします。その点でもう一度御答弁をいただきたいと思います。
 以上です。

P.163 
◎宮越馨市長 お答え申し上げます。
 これは、市債発行したときの交付税補てんされるから、いいじゃないかということを特別に私は強調しているわけじゃないんです。だから、喜んで発行するということではないということで、それでおわかりいただけると思いますが、私も僣越ながら中央官庁財政当局におりましたから、国の財政運営に直接つかさどった者として、常に国家的な視点で財政の健全化ということについては、大変恐縮でありますが、皆さん方よりもそのことについては真剣に取り組んできましたし、その受けとめ方についても人一倍強いものがあると、こう私は思っていますもんで、単に一自治体の財政運営の話ではないということは承知の上で申し上げておりますし、この交付税特会についても予算査定をした覚えがあります。ですから、当時とかなり財政事情は変わったなということで感じておる面もありますが、昭和40年代から50年代、20年間ぐらい直接国家財政に携わってきた中において、地方交付税の扱いについても常に議論があって、健全財政運営にこれ努めなきゃならんということを警鐘を鳴らし続けてきたのがかつての大蔵省であったわけです。これが財務省においても恐らくそういう形で警鐘を鳴らしていると思います。しかしながら、こういったものはいろんな政治的な観点とか、あるいは国会等の全体の中で国民の需要とか、社会の経済の状況とか等々いろんなことがあって、今日こうせざるを得なかったという面があって、666兆という長期債務がたまってしまったということであって、喜んで発行して、ためて万歳という人はだれ一人私はいないと思います、基本的には。そして、その発行してしまったものに対してみんな憂いているんです。国家の先行きまで心配しているんです。そういう中に交付税で補てんされるから、ばんばんだと、さあ、どんどんまた借金しようと、こんなばかげたことをだれ一人と首長は私は考えていないと思いますし、皆さん方も恐らくそうだと思います。ですから、改めて私の考え方を聞くほどでもないということだと思いますし、厳しい考え方を常に感じて、この財政運営に努めていることについては、本日いろんな面で申し上げているわけでありますから、改めて認識といったって同じことを申し上げるわけでありまして、極力そういう借金体制はよくないんでありますから、そういうことについてはだれも異論がないわけでありますから、そういうことで御認識いただければよろしいかと思います。認識が甘いと言われることはとんでもないと、こう私は思います。私こそ厳しく見ているということをこの際ついでに申し上げておきます。
 それから、吹上遺跡の保存の指示の中身でありますが、これは保存を視野に入れて対応してくれよ、こういう指示をしたということを私は申し上げたんです。別に保存をするなんてまだ言っていないじゃありませんか、だってわからないんだから。だから、その調査に対して文化庁とか県の協力を得ながら、それを全容を解明した上でどうするかということでありますから、別に私が保存の指示をしたということで、ツルの一声で指示というような話じゃありませんから、誤解を招かないようにお願いしたいと思います。
 それから、減反の考え方、これこそ私が申し上げております3割減反を今後ずっと我慢をし続けていくのかといったら、これはもう限界が来ているということで私どもは農都市条例をつくったのは、そういう背景からなんです。いつまでもこういう補助金とか、農民負担とか、いろんな手間暇かけていい圃場をつくっていることではありますけど、よく見たら、3分の1はつくらない圃場を整備しているんです。こんなばかげたことに投資をしていいのかいと、財政事情からしてもそんなゆとりはないだろうということを私は憂いて、いつまでもこんなことを続けていたら、抜本的な農業とか農村そのものが崩壊してしまうじゃないかということで、私は農都市ということに帰結したわけでありますが、こういうものをどう改革するということになると、対症療法ではいけないと。基礎療法、つまり戦略的にどうこれに対応するかということに思いをはせてやっていかいないと、いつまでたったって悪循環だよということで私は強く訴えているものを、せっかくですから、申し上げますが、自給率4割、ここが一番がんだと、これを上げるためにどうすればいいかということに手をつけないと、幾らつくったって買う人はいないと。安いから輸入すると、あるいは将来の地球人口がどんどんふえていく中で、あと10年もたたないうちに食料危機に陥るという、今の61億の人口の食料を、あと1割ぐらいふえても賄えるというぐらいの力しかないというんですよ、地球は。しかし、50年、100年後、今の60億が90億、あるいは100億になるというんです。地球に66億まで養う力しかないと言いながら、それをはるかに超えるという、あと10年たったら超えちゃうんです。そのときに我が国の食料を6割依存して、1,200万町歩を外国の方々に生産してもらっている体制が安定して推移しますか、ここなんですよ。するはずがないじゃありませんか。ですから、今のうちからそういう自給体制を確立していくということが大事であるという、そういうところに目を向けていかないと、この減反の問題も解決しませんよということで私は国内自給率、大豆が3%ぐらいしかないものについて、それでもこの地域では大豆がつくれるだろうと、こういうことでJAさんとも協力し、農業生産者とも協力しながら、大豆の本作800プランを立ち上げたんです。ですから、米の減反は確かにすぐには回復しないかもしれませんが、他の農産物をつくるということで金かけてつくった優良農地を活用する方法を考えていけば、減反はされるけど、土地は利用されていると、減反というのは米の減反ですよ。だから、他の農作物をつくれば、それでも次善の策として食料の自給率も高まってくるということで、そういう戦略を講じていかなければならない。同時に、米の消費も拡大しなきゃならんと。消費構造を変えるということです、これは。ですから、私は昨年から学校給食の回数も週3日を2週に1回ふやして3.5回にさせていただきました。しかし、問題はあるんです。ことしから私は改善しようと、また教育委員会の方へお願いしておりますが、上越市の市民の子供たちが上越市の農民がつくったおいしいコシヒカリ食べていないんですよ。おかしいじゃありませんか。そういうところを直せということで、私は全量を13年度から農民が汗してつくったおいしいコシヒカリを自分たちの子弟に食べていただこうじゃないかと、こういう運動をするんです。そうすると、おいしい、おいしいと食べるんですよ。その成分は、母乳の成分とほぼ同じでありますから、健康食品としてまさにこれはすばらしい食料が米なんです。御飯なんです。こういう消費改善、消費者の考えを変え、そして子供のときから御飯に親しむという環境をつくるという、だから麦缶式にも切りかえていくんです。そんな何か一人一人の飯ごう炊さんみたいなの私食べましたけど、こんつらまずいもの食べられるかと、こう思って私も試食しました。あれは、私は試食して麦缶炊きにしなきゃならんという決断をしたんです。やっぱり現場に行ってよかった、こう思っています。しかも、冷めたびしゃっとしたまずいような米を食べて、米の消費拡大になりますか。冗談じゃありません。ですから、そういった目先のところから改革できるところもあるじゃありませんか。それを私は13年度からやるんです。教育委員会にお願いしてあります。そして、野菜はどうだ。野菜の自給率、つまり学校給食で自分たちのお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんがつくった野菜を何%使っていますかと調べましたら、たった5%しか使っていないんです。95%は、上越市以外からつくられたものを移入して食べているんです。だったら野菜もつくったらいいじゃないかと、こういうことですよ。こういうことで私はこれからはもう建物の中で野菜工場で野菜をつくれるという、そういう時代に入りました。ですから、雪が降ろうと雨が降ろうと関係なく、野菜もつくれるんです。あるいはハウスも改良されてきていますから、そういうことにも意を用いていけば土地が有効に活用されて、食料自給率が上がって、減反も結果的に緩和されると。それこそ地方分権じゃありませんか。まさに我々がやるんですよ。地方分権社会大歓迎なんです。知恵と工夫さえあればいろんなことができます。いろんなことをやっているから、かなり財政的に厳しい中においても上越市は元気が出ているという、こういうことを周辺の方々から高い評価を得ているじゃありませんか。これは、知恵と工夫なんですよ。ということで、減反の思いと考え方の一端だけです。時間がありませんから、この程度にさせていただきますが、そういうことで対応していきたいと、こう思っています。
 それから下水道、この使用料については過去を振り返って10%、11.1%ということを申し上げました。これも初めのころは、そういう使用料を極端に上げると過度な負担になるということで、徐々に改善していかざるを得ないということでありますし、また他市との比較においても多少配慮しながらやっていくということでありますから、大体上越市は下水道が普及しておりますところの中庸近くにありますし、今度若干そんなに高い方ではありませんけど、少し動きます。しかし、まだほかのところもまた値上げするということも聞いていますから、大体中庸のところを推移しているということで9.3%で押さえさせていただきましたが、今後将来どうかというお尋ねでありますが、これは間違いなく上がっていきます。はっきり私は申し上げます。今は、一般会計から繰り入れ10億という話がありました。これは、また細かいことについては委員会で御質問してほしいと思いますが、これは建設する場合の関係と、あるいは維持管理する場合とトータルで幾らという話が積み上がってまいりますから、今回の値上げの話で少なくともストレートに連動するという話もちろんありますが、そうでないところもありますから、非常に技術的なところでありますから、これは後ほど御質問してください。ということで、使用料は必ず上がります。それは、今の一般会計から繰り入れということを先ほど来から申し上げてありますように、基本原則は使用料で賄うということにするということで方向は進んでおりますから、これは私は甘いことは言いません。そういうつもりで、そしてまさにこれは激変緩和的に徐々にということで、普及とともにこういった料金の設定について慎重に配慮しながら、過度な負担に陥らないような形で進めていきたいと、このように思っています。勘違いしないでほしいんでありますが、下水道を整備することによって何が変わるかと、環境が変わるんです。地球環境に負荷を与えなくなるんです。そして、みずからの生活環境がよくなるんです。だから、金ばかり議論していると、大事なことを失っちゃうんです。大事なことが先にあるんです。だから、それに対する見合いの負担をするという、先ほど税の負担の原則ありましたね、受益の負担ですよ。これが使用料に反映していくんです。ですから、これは今後のことはそういう観点で御理解をいただければありがたいと思います。
 それから、政務調査費については半々にということで先ほど申し上げたとおりでありまして、それぞれの長所があります。私にどうかと言われても、あるいは議会から要望があったから、じゃはいはいということであってもいい場合と、そうでなくたっていい場合があるんじゃないのと。これこそ皆さん方が御自身にお使いになるんですから、私どもが提案させていただいた条例についてけしからんかったら、修正してください。私は、何にもそのことに抵抗ありません。どちらでも結構です。ただ、私は提案責任者として両方の長所を生かすという形を取り入れるのが一番いいだろうと。それで、会派だったのをいきなり全部個人という、二足飛びというか、ぼんといくというのはいかがなものかという、これはごく政治的な判断でもありませんけど、それぞれ長所があるということは、足して2で割るしかないじゃありませんか。長所プラス長所割る2だったら2分の1、半々になるじゃないですか。そのとおりですよ。それ以上の理由はありません。これは、議員の皆さん方御自身でひとつ御審議いただいて、私はこだわらないということは、提案者としては責任を持ってそのようにさせていただきましたが、皆さんの御審議を尊重して御審議をお願いしたいと、こういうふうに思います。
 それから、1回3万円の委員手当、これについては先ほど来申し上げておりますし、何でこうかという感じがしますけど、いろいろあるんです、2万円とか3万円とか。例えば3万円というのは、まちづくりコーディネーターの謝金は3万円になっていますし、大学教授等には2万円とか、それから予防接種云々という場合は2万円とか、情報公開・個人情報保護審査会は2万円とか、それから先ほど申し上げましたような行政監理委員会は5万5,000円と、診療所医師については11万円ということで、非常勤特別職の報酬等については、いろんなことがあります。ただし、この謙信公アカデミー、上越学生寮の流れをくんで一つ従来と違うのは、奨学金を交付するということばかりじゃなくて、研究者に対して交付するんです。奨学金は貸付金、回収するという、交付するという。交付というのは慎重にやらんきゃだめですよ、やりっ放しですから。それがほんとに、先ほど来申し上げているように、我が上越市の発展のために、あるいはまた我が国の発展のために資するような人材になり得るかという見抜く力、私はたまに見抜く力をちょっとミステークする場合もありますが、そういうことになってはならないという、こういう戒めということではありませんが、とんでもないことでつまらんこういうことになるケースもありますから、そういうことないように、やっぱり手当はそれ相応の手当を用意して、慎重に人選をしていただくということが適当ではないかなと、そう思っております。
 それから、公営住宅、これは県と同じから、地方分権がなっていないと、これまたどういう、ちょっと意味不明なんです。私どもは、一つは外形的に見ても同じ団地を形成して、片一方は県営住宅、片一方は市営住宅のときに、県がやったからとか、市がやったからというんじゃなくて、それは法律が変わったんですから、当然やるときは一緒にやるべきでありますが、たまたま前後はあっても県が安くて市が高い、むしろ市が安くて県が高いというのはいかがなもんでしょうか。公平、公正原則からいったら、子供でもわかっちゃうようなことは私どもできませんから、それは地方分権じゃないという、そういう言い方されるところがちょっとわからんもんで、またもしよかったら再質問して、もう一回チャンスありますから、よろしくお願いします。
 以上です。

P.167 
◎宮越馨市長 教育長の方がよく知ってるんです。

P.167 
◎斉藤弘教育長 研究者が地域限定されていないのはなぜかという御質問だったかと思いますが、条例の第16条にはこう述べてあります。研究する内容が先駆的かつ独創的なものであること。その人材は、広く全国にというか、その活動、研究の場は全国にかかわらず国際的な活躍もぜひしてほしいと、そういう立場で研究者を選びたいということでございまして、そういう立場から交付ということになっております。また、地域限定も上越地区には違いないんですけども、活動の場は東京及び近郊にこだわらないということでございます。ちょっと趣旨をつかみにくいかもしれませんが、この交付される方にいろんな条件をつけないで、広い立場で研究していただきたいということで設けられたものでございます。もし御理解いただけませんでしたら、後ほどまた申し上げたいと思います。


平成13年  3月 定例会(第1回) − 03月21日−03号

P.188 
◆11番(杉本敏宏議員) 私は、さきに通告いたしました2点について質問いたします。
 最初の質問は、市町村合併についてであります。ことしの2月だと思いますが、新潟県の市町村合併促進要綱が発表されました。この促進要綱を作成するに当たって昨年の8月に県が各市町村の長に対してヒアリングを行いましたが、そのことを受けて私は昨年の9月議会でこの市町村合併の問題を取り上げ、市長とも議論したところであります。その後ことし上越市、牧村、清里村、三和村の市町村合併に関する勉強会がありましたけれども、そこから報告書が出され、市町村合併に関する提案も公表されました。9月議会での議論の上に立って、国や県の合併推進政策に対する見解、また上越市の取り組み、市町村合併に対する市長の見解をお聞きしたいと思います。
 総括質疑でも指摘いたしましたが、国、地方合わせて666兆円という財政赤字の責任は、挙げて国の放漫な財政運営にあります。公共事業に650兆円をつぎ込むという対米公約を実現するために、どんどん進めたむだな大型公共事業が国の財政を食いつぶし、借金漬けにしてまいりました。銀行救済のために70兆円もの大金をつぎ込んだり、上越市の1年分の交付税に匹敵する70億円以上の機密費が領収書もなく使われたり、まさに財政の浪費そのものであります。その一方で、財政難を理由に借金による公共事業を地方自治体に押しつけてきたことが地方財政悪化の大きな原因の一つにもなっております。
 旧自治省、今は総務省になっておりますけれども、ここが主導して進めてまいりました市町村合併の主要な動機は、地方交付税を減らすことにあると言われております。地方交付税は、本来地方自治体の固有の財源でありまして、国がむだ遣いをした結果、増大した財政赤字を交付税削減という形で地方自治体に押しつけるのは、全く不当なことであると思います。市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 旧自治省の優等生と言われる新潟県が新潟県市町村合併促進要綱を発表しましたが、長野県ではこうしたパターンを作成していないと言われておりますし、富山県でも発表されていないと聞いております。新潟県の要綱は、全県を21のパターンに分けて合併を推進しようというものであります。私たち日本共産党は、このように上からパターンを示して枠をはめるような合併のやり方には賛成できません。一方、上越市は牧村、清里村、三和村と勉強会を持ってまいりました。そして、1月末に市町村合併に関する勉強会調査報告書、市町村合併に関する提案を公表したわけであります。この市町村合併に関する提案では、1市3村の任意協議会を提案しておりますが、なぜ県の合併パターンではなく1市3村なのか、その理由をお聞きしたいと思います。
 三つ目でありますが、「平成17年度までに合併しないと」ということがよく言われております。その根拠になっているのは、どうも合併特例法の期限にあるようでありますが、確かに現在の合併特例法は平成18年3月31日が期限であります。しかし、この特例法は昭和40年に5年間の時限立法として制定されました。その後数回の更新をされ、その都度合併がしやすくなるような改定が加えられてまいりました。現在の特例法も旧自治省の合併推進策に沿って、合併優遇策が施されて5年間延長されたものであります。この法の性格とこれまでの経歴からして、17年度末に廃止されることは考えられません。また、合併条件が今よりも悪くなることも考えられません。それどころか、今よりももっと有利な合併条件に改定されることすら予想されるのであります。平成17年度末というタイムリミットは、存在しないというふうに思いますが、市長はその点どのように考えておられるでしょうか。
 1市3村の合併により人口は14万六千余人になります。地方自治法の第91条の規定により、人口5万人以上15万人未満の市の議員定数の上限は36人でありますが、40人の議員を削減できるということになるわけであります。日本共産党は、議員は地域代表ではなく、行政全体を視野に入れて活動すべきものであり、全住民の代表であるというふうに考えております。しかしながら、地域住民の中ではおらが地域の代表という意識が強いのも現実であります。合併後の定数を例えば現在と同じ30人といたしますと、議員1人当たりの人口はおおよそ4,800人になります。上限の36人としましても4,100人であります。牧村の人口は3,126人、清里村は3,315人でありますから、この人口の1.5倍程度ということになります。これでは、これらの二つの村では、全村結束しても1人の議員も出せないということになるわけであります。現在それぞれの村では、14人の議員が行政をチェックしていることを考えると、住民自治の大幅な後退と言えるのではないでしょうか。合併によりこういう状態が生まれることについて、市長はどのように考えておられるのでしょうか。
 市町村合併の効果として職員の削減が目玉商品のように強調されております。実際県の合併促進要綱、その中の資料編によりますと、全県で現在2万3,140人いる市町村職員が合併により1万7,786人になり、5,354人減らせるとしております。しかし、どの部門でこの職員が減るかといいますと民生、これが断トツで2,442人、続いて総務の1,034人、さらに教育が830人となっております。そして、逆にふえるのは土木で201人ふえるというのが県の試算であります。この傾向は、1市3村の合併でも例外ではありません。現在数と自治省の定員管理診断表をもとに試算した職員数との比較によれば、全体で226人減るということになりますが、やはり1位が民生で85人、2位が総務の70人、そして教育の42人となっております。民生部門の職員減は、保育所の統廃合、福祉施設の統合や外部委託により実現することになります。
 実際市町村合併に関する勉強会の調査報告書によりますと、この中に行政制度のサービスの比較というのがありますが、その29ページを見ますと、認可保育園について合併の効果と課題ということが掲げられております。そこでは、「園児数の実態を考慮の上、通園区域の変更や統廃合の検討」とされております。また、この調査報告書35ページでは、「牧村においては診療所、深山荘、ふるさと村も村営であり、職員を配置している」とありますけれども、続けて「課題としては、自治体が行うべきもの、民間が行うべきものとの役割分担を進め、スリムな自治体組織の構築が課題である」とされております。総務部門の減少は、役場の統合により窓口職員が減少することによります。当面、吸収合併された旧村に出張所などが置かれるでしょうけれども、近い将来廃止されることは目に見えております。このように職員を減少するというのは、行政の効率化というふうに言われておりますけれども、住民サイドから見れば住民サービスの切り捨て、低下そのものではないでしょうか。こうしたことによって、この職員減少を実現するということになっていると思いますが、市長の見解を伺います。
 次に、平成6年から11年度の平均の財政力指数を見ますと、上越市が0.74、牧村0.119、清里村0.146、三和村0.267となっておりまして、他の3村は上越市に比べて大幅に低いのがわかります。3村の皆さん方には大変失礼な言い方になるかとも思いますけれども、結果として財政力の強い上越市が財政力の弱い三つの村を救済するために合併するということになるのではないでしょうか、市長の見解をお示しいただきたいと思います。
 市町村が合併しますと、普通交付税は大幅に減少します。さきの2月県議会で県が示しておりますけれども、新潟県の試算である21のパターンになりますと、全県で約15%普通交付税が減少するというふうに言われております。ここに、先ほども申しましたように、旧自治省が合併を推進する真のねらいがあるわけであります。しかし、交付税が減るのをそのままにしておいてはだれも好んで合併をしません。そこで、考え出されたのが10年間据え置き、その後の5年間の激変緩和措置というものであります。実は、この合併特例法が改定される以前もこの据置期間、激変緩和措置はあったのですが、この期間が10年に延長されたものであります。1市3村の調査報告書42ページには、11年度に合併した場合の普通交付税の試算が載っております。それによりますと、12年度から21年度までの10年間は約100億円と試算をしておりますが、15年後の平成27年度以降は全県平均15%よりもはるかに大きく、約34%減の66億3,457万円になることが示されております。これは、上越市の交付税額は1市3村の交付税額の総計の中では61%を占めておりますから、15年後の交付税額というのは、現在の上越市の交付税額の予想にわずかに上乗せした程度になってしまうわけであります。ちなみに、平成11年度の上越市の交付税は76億8,000万円余りでありました。合併して最初の10年間はいいものの、16年後、4年を1期として数えますと、4期後には大変な財政難が待ち受けていることになります。普通交付税は、合併15年後に特例措置が廃止されますと、1市3村の現在の交付税合計額の3分の2程度、すなわち現在の上越市の交付税程度になってしまいますけれども、これで果たして財政運営がうまく進むのかどうか、市長のお考えをお聞きしたいと思います。
 今回の合併特例法の改定の目玉の一つは、合併特例債による財政支援であります。支援の全体の95%がこれに当たるというふうに言われておりますが、これは市町村建設計画に基づいて行う事業に要する経費について、合併後11年間地方債をもって財源とすることができるというものでありまして、財政支援といっても建設事業に借金を認めるというにすぎません。1市3村が合併した場合、総額283億円と見積もられておりまして、このうち188億円が後年度交付税で措置されると言われております。この後年度交付税措置の問題は、さきの総括質疑でも議論したところでありますけれども、それはさておきまして、今でさえ一般会計だけでも500億円近くの市債残高がありまして、3村の地方債も合併するとこれに加わります。その上、財政支援だからといってこの合併特例債を発行していったら、財政が急激に悪化することは火を見るよりも明らかであります。さらに、この特例債の返済がピークに差しかかるころになりますと、先ほども言いましたように交付税はどんどん減らされてまいります。市町村固有の財源である交付税の大部分が借金返済の財源とされてしまうことになります。これで果たして現在の借金も含め、将来交付税が減っても返済することができるのでしょうか、市長の見解をお示しください。
 市町村合併についての質問の最後でありますが、このように見てきますと、住民の側から見ると、市町村合併には何のメリットもないだけではなく、デメリットばかりが押しかぶされてくるように見えます。しかし、上越市のように大型の公共事業がメジロ押しの行政にとってみますと、財政規模が大きくなることは大変魅力であります。普通交付税も上越市単独では70億円程度ですが、合併すれば10年間は100億円程度になります。また、何よりも283億円もの合併特例債を発行することができるわけであります。今後5年間で土地開発公社から大量の土地を取得することになっておりますが、その費用やその上に建設される上物に要する費用、これを捻出するためにはどうしても合併が必要だと言えるかもしれません。1市3村の合併は、上越市にとって大型公共事業を進めるための財源確保が目的ではないのでしょうか。市長の見解をお聞きしたいと思います。
 2番目の質問は、除雪予算を抜本的に増額することについてであります。新井市や板倉町、また妙高高原町など雪の多いところから上越市にこの冬やってこられた方々が一様に、上越市の除雪は悪いというふうにおっしゃっておられます。「降った雪は、おらとこの方がいっぱいだけど、道路の雪は上越の方がいっぱいだ」と、こういうふうにも言っておりますし、「おれたちの方は、道路の雪は真っすぐぴっと切ってあるけれども、上越市はだらだらだらっと、こういう除雪しかしていない」、こういうことも言っておられました。ことしの冬は、15年ぶりの大雪と言われており、職員を初め業者の皆さんも一生懸命やっておられますが、こうしたことが言われる原因は一体何でしょうか。
 2月に除雪費の補てんのために、特別交付税を増額してほしいということで総務省に交渉に行ってまいりました。そのときに明らかになったことでありますが、普通交付税に算入した除雪費を使い切っていないところには、特別交付税は出せないということでありました。上越市、新井市、板倉町、清里村、牧村、三和村、この上越市周辺の2市1町3村の除雪経費をそれで調べてみました。まず、11年度の実績でありますが、上越市の除雪経費は3億758万円、大変多いように見えますが、お隣の新井市は3億2,550万円であります。板倉町が7,756万、清里村6,885万、牧村7,952万、三和村3,909万円であります。12年度の2月5日現在の見込額、これは県が特別交付税を申請するために市町村から聴取して、総務省にかけ合うための資料でありますが、それを見ますと、上越市が3億8,513万円、新井市が何と4億9,020万円、板倉町8,660万、清里村が7,365万、牧村が1億438万円、三和村は4,571万円です。上越市は、11年度に比べて25%増しでありますから、健闘しているように見えるわけであります。
 そこで、少し角度を変えて見てみますと、住民1人当たり除雪費を幾ら使っているか比較をしてみました。11年度実績で比較しますと上越市は2,298円、新井市はけたが違います、1万1,503円、板倉町が9,827円、清里村はさらに多くて2万940円、牧村は2万5,219円、三和村は雪が少ないのでしょうか、少し少ないですが、それでも上越市の2倍以上の5,989円であります。牧村や清里村の10分の1程度しか住民1人当たりで見ますと使っていないわけでありますから、上越市の除雪の予算がないというのは、ある意味では当然だと言うことができます。道路除雪だけに限ってみますと、除雪路線1キロメートル当たり幾ら使っているか、上越市は38万円であります。多いと思われるかとも思いますが、お隣の新井市は1キロメートル当たり158万円使って除雪をしております。これは、ことしの12年度ではなくて、11年度の平年の年であります。板倉町が93万円、清里村は137万円、牧村が112万円、三和村が、これがちょっと少ないですが、36万円です。このように新井市の4分の1、牧や清里の3分の1程度であります。これでは除雪が悪いのは当たり前ではないでしょうか。除雪費を抜本的に増額する必要があるのではないかと思うのであります。
 さらに、もう一つ別の角度からお話をさせていただきますが、雪寒地域の地方交付税には除雪費用が算入されております。もちろん地方交付税というのは、先ほども言いましたが、地方自治体の一般財源ですし、色がついてくるわけではありません。しかし、この地方交付税、11年度実績で見ますと、上越市には何と6億9,862万円交付されているのであります。新井市が2億3,254万円、板倉町が1億616万、清里6,610万円、牧村5,083万、三和村6,595万円であります。国から手当てされた除雪費分の交付税を全額除雪費用に使わなくても、これは交付税の性格上違法でも何でもありません。しかし、新井市や清里、牧村などは、この交付税分では足りなくて、一般財源からプラスをして除雪をしておられます。それに比べますと、上越市は国から交付された約7億円の44%しか除雪にお金を回していないということになります。これは、いかがなものかと思うのであります。財源がないわけではありません。最低国から手当てされた交付税を全額除雪に回しただけでも、現在の予算額を2倍以上に引き上げることができるわけであります。抜本的に除雪予算をふやす必要があると思うのですが、市長の考えをお示しいただきたいと思います。
 以上です。

P.192 
◎宮越馨市長 順を追ってお答え申し上げますが、市町村合併については、正直言いまして、細かいところの技術論的なものも大事ではありますけど、高い大所高所から理念的なものがしっかりと根づいていないと、議論はかみ合っていかないものだと思います。今日置かれている日本の現状、こういったことを踏まえて、すべて国が悪いという言い方はいかがなものかということは当然でありますけど、国、地方、国民ひとしく何とかこの国を、21世紀も力強い国家にして持続して発展させていこうという、こういう考え方があるわけでありますから、そういう中で特に財政事情等については大変厳しいものがあるということ、これはもう論をまたないわけであります。そして、それが666兆という数字だけ踊っているような感じしますが、実は666兆は全くすべてむだなような使い方をして残った借金があるからという、こういう暴論はこれ決してやってはならないと、こう思います。今日いろんな社会資本整備とかインフラ整備、あるいは生活基盤整備等々、基盤整備が相当進んできたことも事実でありますし、そしてまた福祉、環境、教育等々、そういったソフト的な基盤整備もかなり進んできているわけでありますから、それらの集大成として収支バランスが多少崩れて、借り入れという形になっておりますが、これも大局的に考えますと、国民資産を一部借りているということが他の国と違った特徴ではないかなと、こう私は思っています。したがって、国民に対する債務を持っているわけでありまして、何も外国に借金を依存している体質ではないわけでありますし、我が国は世界でも冠たる債権国の一番トップの国であるわけでありますから、その辺のところの大所高所、このことを押さえながら議論していかないと、いい方向性に発展していかない問題ではないかなと、こう私は思っていますから、個々についても御心配されることは、これは当然であります。こういったことを少し時間をかけながら議論していくことがむしろ大事なことではありますけど、すべてこういったところからしっぽをつかんで全体を振り回すというような、こういうことではないということを共通認識の上に立って、今後合併論議を深めていきたいと、こう思っております。
 最初に、市町村合併についてでございますが、まず今ほどちょっと触れましたが、国がむだ遣いをした結果、増大した財政赤字を交付税削減という形で地方自治体に押しつけるのは不当とは思わないかということでありますが、総括質疑でも議員にお答えいたしましたとおり、私は地方からの国づくり、地方主権の確立を基本理念として、地方分権時代に即した国と地方の役割分担や、それに見合った財源配分についても、国に対しさまざまな提言を行ってきたところであり、真に自立した自治体を目指し、数々の改革を実践してまいったわけでありまして、御案内のとおり私どもは行政改革では全国一という高い評価を得ているわけでありますから、何をか言わんやというような感じしますけど、ついこういったいいことは横に置いて、つまらんことだけほじくって議論するという、そういう世相が実は一つあることでありますが、そういうことをぜひ議論するときは、私どもの全体像の評価を、高い評価をいただいていながら、頑張っているんだよということを認識した上で議論していかないと、市政混乱、今杉本議員の直接の話を私申し上げているんではありませんけど、市民に間違った情報を伝えることによって混乱を生じるということは、大変不幸なことだと私は思います。そういった意味で、私どもは真摯にこの改革に取り組んでいるわけでありますから、こういったことを認識された上でいろんな議論を進めていきたいと、こう私は思っております。
 したがって、あくまでも自己決定・自己責任・自己負担の原則、これが21世紀型の一つのありようだと思います。そして、地方分権社会の構築というか、それをつくっていこうという基本原則は、基本理念はまさにここにあると、こう私は思っています。都合が悪くなったら人のせいという、そういう風潮はややあるような感じしますけど、そうではないということをみずからの姿勢に問いかけてみたら、やっぱり自分にも責任があるんだと、自分にもそのような負担というものもあるんだということをしっかりと身につけていかないと、社会が混乱してしまうということではなかろうかと、こう思います。まさにそれが真の地方主権社会の構築を目指していく基本でありますし、その研究、検討に当たっては、当然この合併においてはメリット、デメリットもあるというわけでありますから、多面的、多角的に行う必要があるということは当然であります。しかしながら、議員はためにする議論として、交付税削減という一面のみをとらえているんではないかなと私は思っています。あえて、市町村合併を国の財政赤字とリンクした交付税の削減に結びつけて質問されているようであることは強く感じております。
 市町村合併につきましては、私は国や地方自治体を取り巻く財政構造改革の必要性が急速に高まっている中で、住民と自治体が自主、自立のまちづくりを進めていく上で最も有効な手法の一つとして考えているということは、これまでも繰り返し説明してきたところであります。
 合併後の自治体におきましては、先日も早津議員の御質問にお答え申し上げましたとおり、財政基盤の拡充が図られ、行政サービスの維持、向上、そして総合的なまちづくりの展開と人材の育成が期待されますし、行政組織のスリム化と効率的な自治体経営が実現されるのであります。その結果として、自治体規模に応じた適正な交付税が措置されることとなるものと思っております。もとより国の財政赤字は、国土の基盤整備を図るために必要な公共事業を進めた結果として生じたものでありまして、地方も国とともに考え、また責任を分担していかなきゃならないものでありますので、国の財政赤字を地方に押しつけることは、不当と思わないかというような御質問でありますけど、どう答えようが答えのしようがないというのが率直なところでありまして、冒頭理念を申し上げたとおりであります。
 次に、なぜ県のパターンではなく、1市3村かという質問でありますが、去る2月13日に県が公表した市町村合併促進要綱では、市町村や住民が市町村合併を具体的に検討する際の参考、目安となる組み合わせとして21の合併パターンが示されたわけであります。これは、あくまでも地域における合併議論を喚起するためのたたき台であり、必ずしも提示されたパターンどおりに進めなきゃならないものではありませんし、合併については枠組みを含め、当然住民の意思、市町村の自主性によって判断されるべきものであります。住民が歴史的なコミュニティーを守りつつ、自分たちのまちのアイデンティティーを確立していこうという住民自治と、行政サービスを行う機能的な行政自治の両方の調和を図りながら、バランス感覚の中でおのおのの市町村が自主的に進め、判断していくべきであると考えております。
 お尋ねの1市3村の組み合わせにつきましては、住民の日常生活圏、経済圏、さまざまな交流圏などの結びつきが極めて強い間柄であること等を考慮し、まず身近なところから話し合おうということで、当市に隣接する牧村、清里村、三和村による市町村合併に関する勉強会を、県の合併パターンが提示される1年も前に発足させたものであります。
 また、既に御承知のように、先月27日の首長サミットにおいて、名立町も1市3村の勉強会に参加することが決まったわけであります。今後任意の合併協議会にもスケジュールが合えば参加することになりましたとおり、合併についての論議は、決して1市3村に限定した枠組みで進めているものではありませんし、さらに上越地域は頸北、東頸城、新井、頸南、糸魚川地域といったエリアによる重層的な構造となっており、現在それぞれの地域において合併に向けた勉強会が具体化していることからも、各市町村における考え方や方向性などの推移を見ながら、枠組みなどについては自然体で柔軟に対応してまいりたいと考えておりますことは、先日も早津議員にもお答えしたとおりでございます。
 次に、平成17年3月31日をタイムリミットということの根拠は何かとの御質問でありますが、これまで私は合併特例法の期限である平成17年3月31日が合併のタイムリミットであるとは申し上げておりませんし、合併特例法があるから合併を推進するという考えでもありません。むしろ市町村合併の問題については、合併特例法がある、なしにかかわらず、21世紀の新しい行政の枠組みを大所高所から論議すべき性格のものであり、合併特例法の期限を絶対的なものととらえる必要は全くないと考えております。しかし、全国的に合併論議が高まりつつある今日、合併特例法が大きなインセンティブを与えているということも事実でありますことから、次善の策というか、そういう考えの受けとめ方として、この特例措置を生かしていくような形をとることが一つの重要な選択肢であることも間違いないものと考えております。
 また、合併特例法の期限延長についても、現在の国や地方自治体を取り巻く厳しい財政状況や経済環境、社会環境等を考え合わせますと、特例法の延長を想定しながらも合併の論議を行う必要はないものと考えているところであります。どこかで私は発言したと思いますけど、これは一つの最初で最後のという、そんな言い方したと思います。そういうチャンスでもあるんではないかなと、こう受けとめております。つまり、真剣にこういったことも検討していかなきゃならんという気持ちをあらわす意味で、そう申し上げているわけであります。
 次に、1市3村の合併により、議員1人当たりの人口が4,800人ほどとなり、牧村、清里村では議員が出せなくなるのではないかとのお尋ねでございますが、合併した市町村の議会議員の選挙区につきましては、合併直後の特例を除いて一般的には全市域で一つの選挙区となるのが基本であることは大前提でありますし、全市域というか、新たな自治体地域、仮に3村と上越市が合併し、一つの自治体になった場合、どの地区から何人の方が市議会議員選挙に立候補されるかは、全く制約されるものではありません。現在、当市においても市議会議員が地区ごとの人口割で選出されているわけではなく、あたかも市議会議員が限定された地区の利益代表であるかのような考え方は、全く理解ができないものであります。
 次に、合併により職員が削減されるというが、それは支所の廃止や保育園、学校の統合など住民サービスの切り捨てによって実現するのではないかとの御質問でありますが、組織のスリム化については、合併勉強会の報告書でも試算されておりますように、総務や企画などの管理部門の一元化により図られることになります。これは、あくまでも試算であり、おのおのの都市の実情により、必ずしもこのとおりとなるものではありませんが、管理部門の一元化によって、サービス提供や事業の実施を担当する部門に人員を重点配置することが可能となり、行政サービスの質、量がともに向上すると考えておりますし、長期的には効率的な職員配置による行政コストの削減が図られ、市民の負担を増加することなく、拡大する行政需要に対応することも可能となるものと考えております。
 なお、施設の配置などにつきましては、合併が決まっていない現在、議論することは適当ではありませんし、今後勉強会などでさらに検討していくべき課題であると思っております。市町村合併は、繰り返し申し上げますが、将来の人々のための長期戦略として真の地方主権社会を確立し、住民本位の「安・近・短」行政を実現するための最善の手法と考えており、行政サービスが以前よりも低下するかのような杉本議員の御指摘は異を唱えざるを得ないと、こう思っております。
 次に、財政力が強い上越市が財政力の弱い3村を救済するために合併するということにならないかというお尋ねでありますが、まず議員は質問の中で3村に対して救済という言葉をお使いでありますが、これはまことに不穏当、不見識な発言だと思います。御自身もそういったことを配慮されて発言されてはおりますけど、救済という言葉が出た限りはやはり慎重にという感じがいたします。これは、私どもは一切そういうことの感覚はありませんし、ましてやそういうことのような感覚であるならば、住民に対して大変失礼であり、そのようなことは一切ないわけであります。
 合併問題を議論するに当たりましては、さきにも申し上げたとおり、地方分権が実行段階に入り、市町村としては「自己決定・自己責任・自己負担」の原則に基づいて自治体経営を進めていかなきゃならないことを大前提とすべきであります。このような中で、市町村合併は行政運営をより効率的に行い、地方主権確立のために検討していかなければならないものと考えております。
 また、杉本議員はどんな小規模な自治体であっても成り立つように、国が自治体を支えるべきだとのお考えでありますが、少子高齢化が進み、住民の日常生活圏が拡大している中で、なおも今までどおり行政の枠組みだけを維持していく必要があるのかどうか、また維持できるのかどうか、住民の皆さんとともに考えていかなきゃならない事態に差し迫っているのではないかなと、こう思っています。国がそういう小さな自治体を支えるべきだということになれば、江戸時代の天領みたいな直轄統治ということを考えられていらっしゃるのかどうか知りませんけど、そういうことは現実的ではないんではないかなと思います。ただ、いろんな合併の仕方の結果として、県が、県という行政いわば自治体がそういう、私は心配しているのは離島とか、特別に特定されている地域だけでしか形成されない小規模の自治体が生ずることは、物理的にも十分考えられると思います。それをどう見るかということは、これはいろんな見方を、通例の今合併特例法を中心とする合併論議とは違った形で、どうあるかという議論はされてもいくだろうと思いますし、またどういう対応をしていくかということがあり得ることではないかと、こう私は思っています。簡単に特別自治体というようなことかどうか知りませんけど、そういう物理的に不可能なという、簡単に言えば離島の話になりますけど、そういうことは形としてはあるかもしれませんが、その辺のところは難しいところが研究課題としてあるような感じがいたします。その程度にとどめさせていただきます。
 次に、普通交付税についてのお尋ねでありますが、合併特例法では地方交付税の算定の特例もあります。すなわち、合併年度及びこれに続く10カ年度は、合併前の市町村で算定される額の合算額を全額保障し、その後5年間はこれを段階的に減額していき、最終的に15年後には一つの自治体として一本算定するというものであります。私たち自治体が効率化に取り組む一方で、国と地方の役割分担に見合った必要かつ十分な財源手当てを講じることが国の責務でもあります。交付税の額につきましては、合併の範囲が決まらない中で議論することはできませんが、いずれにしても特例期間中は国が十分な財源保障をすることとなっており、特例期間が終了すれば減少することとなります。このようなことにつきましても、今後勉強会の中でその対応策も含めて検討してまいりたいと考えています。
 また、国、地方ともに財政状況が大変厳しい中、財源確保に最大限努めることは私の基本的なスタンスであり、冒頭でも申し述べましたとおり、地方からの国づくり、地方主権の確立を基本理念のもと、現場行政を踏まえた新たな観点から国と地方の役割分担や、それに見合った財源配分について国に対しさまざまな提言を行ってまいりましたし、当然交付税も含めて地方分権にふさわしい税源配分、財源手当てが行われなければならないところであり、そうした意味から、また地方財源の保障をうたった地方交付税法の趣旨から見ましても、議員が言われるような必要以上の心配は無用ではないかなと、こう思っています。そこのところは信頼関係でありますし、だまし討ちということが、これはあってはならないわけでありますから、それは国、地方ともに我が国を形成している行政体でありますから、そこは信頼感の上に立って進んでいかないと、事は進んでいかないというふうに思っています。
 次に、結局は財政規模が大きくなること、すなわち大型公共事業を進めるための財源確保が目的ではないかとの御質問でありますが、財政規模そのものは合併前も合併直後も大きく変わるものではありませんし、合併後はむしろ行政の効率化や組織のスリム化によって小さくなることは、先ほど御説明を申し上げたとおりであります。杉本議員は、まるで他の自治体の財源を当てにして大型公共事業を行うかのような御質問をされておりますが、その真意についてははかりかねるところでありますが、もしもいい考え方の背景として合併自治体が大きくなりますから、財政の効率的執行とか、あるいはまちづくり、地域づくりのために効率的に、集中的に、効果的にという結果として、私が前から申し上げているように、30万都市機能を上越市が担うということからすれば、都市機能を今まででしたら周辺の自治体のエリアに行うべきというようなところは、それは上越市の地域に行うということは、これはあるということは間違いないと思います。むしろその方が、例えば今港とか新幹線とか、いろんな公共インフラ整備、だからここは余り土地開発公社のところと結びつくようなことをちょっと先ほどおっしゃいましたけど、これはもともとそういう理念でまちづくりしておりますから、ですからいみじくも今杉本議員がおっしゃったのは、私どもは今土地開発公社で先行取得をタイミングよく、計画的に土地を取得しているのは、まさに都市機能を形成していこうという、そういうことをつくっていこうという配慮も実はあって、だから対財政規模との比較において、その機能的に周辺の自治体のことも参酌しながらやっているという場合は、こういうケースになりますよということを申し上げているとおり、結果してそういうことになろうと思います。ですから、それは何も実態は変わるもんじゃないんです。ですから、今改めて合併によって大型公共事業が集中的にされるんじゃないかというような御懸念を申されたんでありますが、私どもはそういうことを読み取って、Jプランがまさに上越市を全体のグレーター上越という観点で都市機能を上越市に持とうという、こういう観点でいろんな制度を生かしながらやっているということでありますから、ある意味では杉本議員がおっしゃったことと一致するわけでありますから、大変ある意味で理解をいただいたなという感じを実は持っています。
 ただ、それを合併という手法でそのことを実現しようということは、別に私どもは考えているんじゃなくて、もう既にそういうことがあるなしにかかわらず、上越市が30万都市機能をつくろうということを言っているんですから、全く整合性がまさにぴったりと結果して後追い的な合併が進んだ場合は、そうなっているということですから、私の先見性はすごいなということを感じるだけでありまして、そういう御理解を賜ればありがたいなと、こう思っています。
 次に、除雪予算の増額についての御質問でありますが、快適な日常生活と市民生活の安心、安全を保障し、人、文化、経済の交流推進、地域振興を図っていくためには、交通ネットワークの整備は極めて重要な行政課題の一つであると認識しております。積極的にその整備を推進しておりますことは、御案内のとおりであります。道路交通網の確保は、当然年間を通して万全でなければなりませんが、御質問いただいた冬期間においては、特に十分な対応が必要であることも承知しております。雪対策については従来より各施策を総合的、計画的に推進してきたところでありますが、特に近年、高齢化、少子化、過疎化の進行、情報化の進展や地域における交流、連携の広がりといった新たな地域社会、経済の変化に対応した雪対策が強く求められております。平成13年度における除雪費を含む土木費の予算は、前年度比2.9%増の87億5,000万円を計上したところであり、そのうち雪対策関係事業予算では7億1,000万円であります。その主なものは、市街地の幹線道路の一部29.6キロメートルにわたり布設されている消雪パイプや、高田市街地に14.7キロにわたり整備されている流雪溝の電気料、修繕費、委託料などの維持管理経費や除雪車等の委託料や借上料、克雪のための各種調査委託料、克雪住宅の建築資金を低利で助成する貸付金、また南城町1丁目、2丁目地内の河川水加温消雪パイプ整備、高田公園の地中熱利用融雪施設整備、北城町3丁目の流雪溝整備などであります。
 さらに、総合庁舎東本町線の歩道拡幅や大手町通りの電線共同溝と歩道融雪施設の整備も、冬期の交通確保と除排雪を容易にする事業として着手することにしております。このように雪対策のための各種の事業によって冬期間における市民生活の安心、安全、快適な生活を確保してまいります。
 さて、御質問の除雪予算でありますが、市民生活や産業活動が円滑に行われるよう配慮し、過去の実績に基づき予算措置を行っているところであります。過去5年間の当初予算における除雪車の委託料と借上料の合計額の推移を見ますと、平成8年度から平成12年度までは、2億5,000万円前後で推移しておりましたが、改めて申し上げるまでもなく、予算がないから除雪をしないということはあり得ませんし、必要があれば即対応をいたしております。今冬の15年ぶりの豪雪にも予備費を充用して対応しているところであります。
 御指摘のありました除雪費の他市町村との当初予算や人口1人当たり幾らとか、除雪路線1キロ当たり幾らかとかといったような比較については、それぞれの市町村の地理的条件や気象条件等が異なる中で、その比較をもとに除雪予算が多いか少ないかを判断することは次元の異なることで、全くこれはわからないですね。こんなことを単純に比較すること自身は、どう見ても勉強家の杉本さんが何でこういうことをおっしゃるのかちょっとわかりかねます、これは。そういうことでわかっているからということだと思いますから、あえて言いませんが。
 また、予算計上している除雪費と普通地方交付税に除雪費分として算入されている額を比較して、除雪予算が少ないのではないかとの御指摘でありますが、普通地方交付税の基準財政需要額は、地方公共団体が合理的妥当な水準で行政を行い、また施設を維持するのに必要な財政需要を各行政項目ごとに算定した額の合算額であり、この中に地方交付税法に基づいて定められております積雪級地、当市は2級地でありますが、それに即した除雪費等が積算されているものであります。しかし、これらは普通地方交付税の客観的算定の基礎として使用するだけのものであって、使途を制限されない一般財源たる普通地方交付税の性質からいっても、歳出予算の計上に拘束的性格を有するものではありませんので、普通地方交付税の除雪費分と比較して多い少ないという議論は、またこれも当を得ないと、こういうふうに考えておりますから、そういうことでありますから、こういうことを大きな声で言いますと、何だ、そういうことなら交付税行き過ぎているのかいということになって、減らされるおそれもないとは言えませんから、そういう性格ですから、勘違いしないでほしいと思います。このようなことから、除雪予算が少ない、近隣市町村並みの予算を組むべきとの御指摘でありますが、その指摘は当たらず、除雪予算は必要に応じ、補正、充用等で臨機応変に対応し、的確に確保、執行しているところであります。
 近隣市町村と比較し、上越市の除雪が悪いとの御指摘についてでありますが、今冬のこの集中豪雪の中、除雪はよく頑張ってくれたと思っていますし、特に近隣市町村境の除雪がよくなったという激励とお褒めの言葉もいただいております。きめ細かなパトロールを実施し、降雪状況を的確に把握し、歩道除雪、吹きだまり除雪、団地内の狭隘道路除雪、高田地区の一斉路肩排雪等に迅速に対応いたしました結果と自負しておりますが、いろんな声があるということもただし事実であります。また、雪に対する反応の仕方は千差万別でありますし、全員が全員満足することは絶対ないと私は思います。ただ、満足のいけるように努力するということは、私どもはやらなきゃならない姿勢でありますが、結果してこれはあり得ませんということをむしろはっきりと私申し上げます。ただ、その内容が改善を加えられるものについては、どんどん改善していかなきゃならんと思っていますし、そういう声があるということも十分承知しておりますから、その辺のところは財政的なこととか、あるいは除雪の体制のあり方とか、あるいは民間に委託しておりますから、実際の現場のオペレーターの方々とか、余りぎちぎち言いますと、ある意味ではそういった方々に大変失礼なことにもならんとも限りませんから、全員参加でこういった問題について真剣に取り組んでいくという中で、行政の役割についてはしっかりと取り組んでいくという、そういうことではなかろうかと、こう思っています。ただ、毎年問題点についてはきちっとフォローし、モニター制とか、あるいは各町内の役員等からもいろんな情報をリアルタイムでちょうだいすることにいたす中で、万全を尽くしているということでございます。
 ただし、今申し上げたように今後の当市の除雪のあり方については、除雪車のオペレーター講習会の開催や、除雪エリアの見直しや、ロータリー除雪車の効率的な活用などを検討し、また町内会や除雪委託業者、関係者の方々と除雪について話し合いをする中で、さらに検討を行っていきたいと、足りないところあるいは十分でないところは、そういう対応で進めていきたいと、こう思っています。いずれにいたしましても、地域における交流、連携の広がりといった新たな社会、経済の変化に的確に対応する雪対策が強く求められており、雪と寒さを克服した安全で活力ある地域づくりを、適正な予算措置のもとで全市民の協力を得ながら、一層強力に推進してまいりたいと思いますが、上越市と周辺の自治体の違いの一つに、私どもは雪センサーというか、雪の降雪状態をリアルタイムで把握しているものを開発して市内満遍なく情報を得ながら、それに的確に対応しているという、こういうことでありますから、周辺恐らくそれは私の認識ではないと思っておりますが、ですから降雪状態を見ながら、結果的にむだな除雪費を使わないという、そういう効率的な除排雪体制を取り組んでいるということでありますし、決して比較論だけで、あるいは感覚論だけで判断されないでほしいと思いますし、また周辺の自治体の主なところは県道、私どもが担うのは市道が多いんです。ですから、県道と市道との比較になると、またこれ違うんです。団地と幹線道路と比較すると団地の方が細かいですから、なかなか除雪がうまく回りませんということは、物理的にこれは仕方ない面があります。それとの比較されちゃうと、これはもう土俵が違いますから、土俵が違うような議論は、これはどうか慎んでほしいなと、こう私思います。とにかくいずれにしても、雪の問題については、これは逃げられない宿命でありますから、今後一層最善の全力を投入して安心、安全なまちづくりのために、少子高齢化社会を迎えての時代でもありますから、万全を期していくことをお誓い申し上げまして、答弁とさせていただきます。

P.199 
◆11番(杉本敏宏議員) 時間がありませんが、一言だけ言いたいと思いますが、地方交付税の問題につきましては、私はこれまでの議論の中でも明らかなように、これが借金返済に回ることについて非常に懸念を表明してきたものであります。そういうことからしましても、今市長が言われたような地方交付税のあり方の中身について、誤解をして話をしているつもりは毛頭ありません。地方交付税の性格を承知した上で、今回の議論をさせていただいたわけであります。その上で見ましても、ですから最初にも断りましたけれども、地方交付税で措置されているからといって、それがということではないというふうにあらかじめ断ってあると思いますが、しかし国が7億近く交付しているというふうに言っている部分の4割ちょっとしか使っていないというのは、やはりいかがなものかというふうに思うわけであります。
 以上です。


平成13年  3月 定例会(第1回) − 03月26日−05号

P.375 
◆11番(杉本敏宏議員) 私は、日本共産党議員団を代表して、請願第2号抜本的な雇用対策、地域経済の充実を求める請願に対する賛成討論並びに請願第3号治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)の制定を支持し、政府に対し意見書の提出を求める請願に対する賛成討論を行います。
 まず、請願第2号でありますが、長引く不況のもとで完全失業者数が毎月300万人を超えております。また、県内高校生の就職内定率は12月末時点で75.1%であり、雇用状況は大変深刻な状態にあります。昨年度の雇用保険法の改正に伴い失業保険の給付期間はこれまでの300日から180日に短縮され、給付見込み数も今年度の108万人から来年度は73万人に削減されようとしております。失業対策費は10年前は失業者1人当たり24万7,000円でありましたが、来年度予算では13万4,000円にまで半減する状況でもあります。
 雇用でも産業でも地域経済を支えているのは中小業者でありますが、深刻な不況のもとで昨年の企業倒産は一昨年の倒産件数を上回って1万9,071件にも上っております。一刻も早い中小業者、地域産業支援施策が求められておりますが、国の中小企業対策費は歳出に占める割合は昨年度と同率でわずか0.40%、2,000億円以下に抑えられております。新潟県の主要産業である農業でも、大幅な減反の上、米価が引き続き下落し、特に銘柄米のコシヒカリまでもが価格が下落し、農業者は大きな打撃を受けております。
 失業を減らし雇用不安の解消を図ること、中小企業・農業支援の抜本策をとることは、暮らしを守り地域経済を回復させる上で今政治が取り組むべき最優先の課題であります。よって、国が地域での安定的雇用の確保、地域経済の振興を進める雇用対策、中小企業・農業支援施策を実施していただくよう求める本請願に対し、全議員の御賛同をお願いして賛成討論といたします。
 続いて、請願第3号についてであります。治安維持法とは、御承知のように1925年に制定された人間の思想を弾圧するための弾圧法です。当時の天皇制政府のもとでも思想信条の自由などの自由と民主主義を求め、戦争に反対し平和を求める人たちの運動は、大正デモクラシーなどを経験する中で大きく成長しつつあり、やがてそれを阻むものが天皇制であり、また農村社会などに広く存在した貧困の根源もまたこの天皇制にあることを見抜き、天皇制を廃止し、主権在民の民主社会の建設を求めるようになったのであります。それが社会民主党の結成などにつながり、1922年7月には日本共産党が創立されたのであります。こうした国民の主権在民を希求する運動の前進は、当時の政府、とりわけアジアへの侵略戦争を準備していた軍部にとって大きな脅威として映り、思想そのものを弾圧する悪法を準備したのであります。治安維持法は後に最高刑が死刑に強化されますが、この改悪に帝国議会でただ一人最後まで反対し続けた労働農民党の代議士山本宣治は、成立の前日に暗殺されたのでありました。
 希代の悪法と言われる治安維持法のもとで、これが制定された1925年から廃止された1945年の終戦までの20年間に日本共産党だけではなく労働農民党や社会大衆党などの政党や党員を初め労働組合、農民組合、宗教団体を初め平和主義者、知識人、文化人、教育者など数十万人の人々が逮捕され、送検された人7万5,681人、拷問による殺害、獄死した人約2,000人という犠牲者を出したのであります。この弾圧による犠牲者は新潟県でも125名に上り、ここ上越でも弾圧の手が広がったのであります。
 幾つかの上越での例をお示ししたいと思います。「ボクガ ハジメテ ベントウヲタベタトキハ ウマカッタ。ミンナモヨロコンデ タベマシタ。ボクガ ベントウヲ タベテイタラ ミンナガ ボクノオサイヲミマシタ。 ソシテ ボクハ センセイノオサイヲ ミタイト オモイマシタ。ソシテ ボクハ『センセイ ツヅリカタ イツマデ ダスンダネ』トイッテ ワザト センセイノ トコロヘ イッテミマシタ。センセイノオサイヲ ミマシタ。オサイハ タマゴデシタ ボクハ タベタクナリマシタ。」
 何とも子供の心情がよく表現されたつづり方ではないでしょうか。1934年高田市立第二尋常小学校の1年生の文章であります。ここに出てくる「センセイ」、そしてこのつづり方を指導した先生が池田和夫先生であります。池田先生は、昭和16年、1941年11月25日に治安維持法違反容疑を受けて検挙され、18年に仮釈放されましたが、1945年3月30日、終戦を目前にして40歳の若さで他界しました。
 第二尋常小学校は、私の母校でもある現在の東本町小学校です。池田先生に習ったという人たちがまだ何人か元気でおられます。これらの人たちとつづり方教育の関係者が1996年に、この本でありますが、「綴り方教育をひらく 池田和夫の世界」という書籍を発行しました。この巻頭で稲村謙一氏は次のように述べております。「そのころは現在と違って、特に農村ではその疲弊はひどく、子供たちから金を集めて文集を出すことなどとてもできなくて、教師が自分のポケットマネーで用紙を買い、夜遅くまで原紙切りをしてつくった。池田さんはしんからの実践家で、黙々と実践を重ねていく人であった。やがて戦争が始まり、生活綴り方事件が起こった。私たちの県では、峰地光重先生が北支済南市の教育専員として赴任することになり、昭和17年4月2日旅券を買って帰る車中から県警保護室に留置され、取り調べを受け、5月4日釈放された。私たち佐々井、妹尾、稲村3名は、4月初めに家宅捜索を受けたが、8月になって特高の示す問題に回答を書いて提出するだけで、すべて終結した。池田さんは私たちより早かったらしい。そして収監され、病のため釈放されたが、昭和20年3月亡くなったと聞いた。私はどうして池田さんが取り調べられねばならなかったのかわからなかった。池田さんの多くの論文や実践記録を見ても、まじめに指導に取り組む姿が見えるだけで、問題とされねばならぬ点を見出せないのである」。池田さんのことを聞いて、改めてこれが不当なものであったことを痛感し、憤りを感じた。池田先生自身は、さきに読んだ子供のつづり方でありますが、その批評に次のように書いておられます。「このほほ笑ましい作品と作者とに、私はたまらない愛情を感じている。豊かに息づく子供の現実の内部性、素直性、顫動する感情的な陰影のままを深くありのままに表現させただけである。つまり、理屈っぽい言い方になったが、子供を素直に育ててきたにすぎないのである」。
 さきにも紹介しました「綴り方教育をひらく」で、この編者であります木下浩氏は背景について次のように述べております。「戦争の拡大は、戦時体制として高度国防国家体制を必至とする。そのためにこの体制が要求する人的条件の育成が教育の課題となる。こうした状況下、日本精神主義、国家主義、戦争へのつづり方教育出現は必然と言えるものであった。これまでの児童尊重主義一派のつづり方を排し、皇道主義、時局的精神のつづり方を激しい口調で唱えている。もはや教育者としての立場を放棄するものであった。この時期、生活つづり方教師たちも多くが方向を変えていった。特高警察は、池田和夫の尋問に当たって、真っ先につづり方教育の同僚を執拗に聞いたという。しかし、特高警察は実態をとらえることができず、池田が取り調べに屈しなかったことを証している。池田はすぐれたつづり方指導の実践者であっただけでなく、人間としての強靱さを持っていた」。治安維持法とその実行部隊である特高警察とは、戦時体制をつくり上げるためにこのようにして人間の尊厳を踏みにじっていったのであります。
 この池田先生事件の8年前、昭和8年、1933年5月17日に当時高田市で発行されていた高田新聞の記者などを弾圧した高田新聞事件というのが起きております。当時高田新聞の記者であった星野力氏は、「書簡五十年」という回想の中で次のように述べております。「私の知る限りでは、上越全体でも20名もやられはしなかったろうと思います。今私が思い出せる名前は、五反田寅二、岡田久弥、梅田彦一郎、佐藤明、桑山、宇賀田、丸山定雄、浅野平、オルグの伊藤勲、それと私が高田署で、直江津署が高橋利雄、池原仙之助、田村糺」。まさに戦争に向けての言論弾圧でありました。
 50年前の高田教会の知られざる事件が、マリア園への弾圧事件でありました。「治安維持法は宗教者にもほしい限りの暴虐を」と現在のマリア園の園長でありますマリオ・カンドウチ神父が証言しておられます。
 第2次世界大戦が激しさを増していったころ、多くの人々が表現できないほどのつらい犠牲を払う結果となりました。1944年、昭和19年の復活祭の次の日曜日、4月9日に7名の男女の信者たちがそれぞれの家から突然に、強引に憲兵に連行され、その直後サウエルボールン神父様も連行されました。サウエルボールン神父様というのは、第3代の神父さんだそうですが、ここの教会の。日本の同盟国ドイツ生まれの方であります。このときに連行された一人で当時の中央病院の事務長だった渡辺和雄氏は、次のように書いております。「神父様が以前英国に留学されたことや、アメリカの知人との文通があることなどから次第に警戒が厳しくなり、神父様のドイツ語の講習会に警察官が変名で潜り込んできたり、早朝憲兵がノックもなくあちこち扉をあけてみたり、伝道婦の方が警察に呼ばれたりするようなことがあり、神父様もやり切れない気持ちでおられました。最後には、昭和19年4月から5月にかけて数名の信者とともに神父様が逮捕されるような事態になりました。主としてキリスト再降臨のことなどに関連してでしたが、終戦間近にイエズス様の裁判のときのように根拠もはっきりしないで治安維持法によりそれぞれ何年かの実刑が宣告されました」。
 この弾圧で連行された当時18歳の少女、金沢美保子さんの覚書は衝撃的な事実を証言しております。この方は後にマリア園の保母になられた方であります。「私が18歳の4月のある日曜日、私たち一家は朝ミサに行くつもりで目覚め、布団をたたんでいました。突然玄関の戸を激しくたたく音、雨がしとしとと降っていました。母が戸をあけると、10人くらいの男が立っていました。1人が「警察の者だ。金沢トキはあなたか。美保子はいるか。2人ともすぐに支度をして同行するように」と言われました。私と母は前後左右を男たちに囲まれるようにして警察に連れていかれました。まさかこれが我が家との1年以上の別れになるとは知るよしもありません。私と母は警察では別々の部屋に入れられました。留置場は細い廊下の突き当たりにあり、そこに担当の係官が待っていた。簡単な身体検査を受け、スリップのひも、もんぺのひも、髪を縛っていたゴムひもまで取られた。」このような証言であります。
 そして、この高田教会はこの神父さんが逮捕されてから1年有余にわたって教会全体が鉄条網で囲まれていたのであります。まさに宗教弾圧、思想の弾圧そのものでありました。
 今三つの事件をお話ししましたが、これに限るものではありません。例えば戦前から戦後に活躍された佐藤策次氏などもこの治安維持法容疑で捜索というか尾行されたりしているという事実も語られております。
 こうして治安維持法による弾圧体制のもとで、権力が国民の声を圧殺し、アジア諸国への侵略戦争を大東亜戦争と称して拡大し、310万人の日本国民と2,000万人余のアジア諸国民の命を奪う惨禍をもたらしたのであります。第2次世界大戦は、共産主義の膨張を防ぐことを目的として結成された三国防共協定の締結国であるイタリア、ドイツ、日本の敗北で終結し、日本はポツダム宣言を受諾して戦後の一歩を歩き出しました。戦後の一連の民主化の中で、治安維持法は反人道的、反民主的で、軍国主義を推進した最大の悪法として廃止され、この法律によって有罪とされた人々は無罪となったのであります。そして、弾圧から解放された多くの人たちが我が日本共産党の再建に結集したり、あるいは社会党の創立に参加したり、また戦後の政治闘争や労働運動の高揚に大きな役割を果たしたのてあります。
 戦争犯罪と人道に反する罪に時効はないとする条約が1970年に発効し、この条約を批准した西欧諸国では、今日もなお戦争犯罪の追及が行われているだけではなく、犠牲者に対して謝罪し、賠償が行われているのであります。また、御承知のようにアメリカやカナダではこの条約を批准しておりませんが、戦争中の日系人の強制収用者に対して謝罪と賠償が行われております。しかし、我が日本では今日に至るもこの悪法によって青春を、また人生そのものを奪われた人たちへの謝罪も賠償も全く行われておりません。本来主権在民、戦争放棄、平和主義を掲げる現在の憲法の精神からすれば、治安維持法による犠牲者は軍国主義に抵抗し、戦争に反対したものとして、治安維持法犠牲者の行為は高く評価されなければならないものであります。
 治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)の制定を求める意見書の提出を求める請願は、既に県内でも新潟市、新津市、村上市、両津市を初めこの近隣でも吉川町、妙高高原町、板倉町など20の市町村で採択されております。我が上越市議会においても全議員の御賛同で本請願を採択されますよう心から訴えまして、請願第3号の賛成討論といたします。ありがとうございました。