平成12年  6月 定例会(第3回) − 06月08日−02号

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◆11番(杉本敏宏君) 私は二つの点について一般質問を行います。
 まず最初の質問は、旧中央病院跡地に市民いこいの家を建設してはどうかということについてであります。4年前の6月議会、私が議員になって最初の議会ですが、私は中央病院跡地の利用について前の年の12月議会とその年の3月議会に行われました樋口議員の質問を受ける形で、市長の見解をただしました。また、2年前の9月議会では、当時の国立高田病院の存続問題との関連で、市長の考えをお聞きしました。いずれも福祉施設に活用するというのが市長の答弁であったかと思います。
 そこで、旧中央病院の跡地でありますが、これは上越市土地開発公社が新潟県から取得し、そのうちの南半分は郵政省に売却され、高田郵便局として利用されることが決まっているようであります。また、今議会に提出された資料によりますと、この郵便局の周辺の道路も整備されるようであります。残された北半分については、いまだ具体的な利用計画が提示されておりません。これまでの市長の言明どおり、福祉施設に活用されるのかどうか。利用計画を改めてお示しいただきたいと思います。
 次に、春日山の下にあります春日山荘でありますが、これはお年寄りに大変好評であると聞いております。催し物やいろいろな教室などが開かれておりますけれども、希望者が大変多くて、前の年に受講した人は2年連続で受講するのは遠慮してもらいたいというふうに言われたということも聞いております。盛況だからこういうことになっているのかなと思うわけでありますが、こうしたことから利用者の方々からは、もう一つこうした施設が欲しいという声が上がっております。満杯状態の春日山荘の利用を緩和するためにも、新たな施設建設が必要ではないかと思います。その際には、旧中央病院の跡地に建設するのが最適ではないかと考えますが、市長の考えをお聞かせください。
 いこいの家については、我が党の亡くなりました高橋実議員が長い間建設を主張してまいりました。それが直江津地区で市民いこいの家として建設されましたけれども、この施設も大変好評であります。そうしたことから、高田の方の住民の皆さん方から、こうした施設を高田の方にもつくってほしいという、こういう要望が出されております。市としてこうした声にこたえるべきではないかと思いますが、この点でも市長のお考えを示していただきたいと思います。
 また、最初に述べましたが、旧中央病院跡地を福祉施設に活用するというのがこれまでの市長の答弁でございました。今こそこの市長答弁を実行に移すべきではないかと思いますが、市長はどう考えておられるでしょうか。
 大きな二つ目の質問でありますが、市の職員のサービス残業をなくすことについてであります。
 まず最初に、市として市職員の残業状況をどのように把握しておられるのか、お答えをいただきたいと思います。民間経営では、例えばタイムカードなどで状況を把握するようにしております。中には、タイムカードを押してから残業しているという事例もあるようですが、一応は把握されているわけです。労働基準法第32条は、「使用者は労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない」と定め、その第2項で「使用者は1週間の各日については、労働者に休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはならない」としています。時間外労働をさせる場合には、民間経営の場合ですが、三六協定に基づく規制がありますから、この協定時間を超過しないように管理しているわけであります。実際に市の職員の残業時間は、どのくらいになっているのでしょうか。一月当たり、あるいは年間で職員1人当たり何時間でしょうか。また、最も多い職員は何時間になっているのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
 昨年、財界系のシンクタンクであります社会経済生産性本部というところが、試算を発表いたしました。サービス残業を廃止すれば、全国的な規模でありますが、90万人の雇用を拡大でき、残業そのものをゼロにすれば170万人の雇用を創出できるという試算であります。今こうしたことから、財界も含めてサービス残業を根絶するという取り組みを行わなければならないという意識が芽生えているようであります。さて、そのサービス残業というのは何を指すかということでありますが、これはいろんな理屈をつけて労働基準法32条の規定を超えて労働をさせておきながら、37条に規定された残業代を払わない残業のことであります。昨年の国会で当時の亡くなられた小渕首相ですら、サービス残業は犯罪行為であると認めざるを得ませんでした。ちなみに、この労働基準法32条及び37条に違反いたしますと、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金というふうに、同法の119条で規定されております。私は、ことしの3月議会の総務常任委員会で、市職員の残業問題を取り上げました。その際、答弁の中で課長が命令しないものは残業ではないかのような答弁がありましたが、こうした残業も含めて残業代が支払われない残業はすべてサービス残業ということであります。市長は、残業についてどのように考えておられるか。とりわけサービス残業についてどのような考えを持っておられるのか、考えをお示しいただきたいと思います。
 以前にも、3年ほど、4年前になるかと思いますが、総務常任委員会で残業が多いことが問題になりました。それを受けてと思いますが、一定の手が打たれたようであります。その結果、残業手当、予算書でいいますと時間外労働手当でありますが、これが大幅に減少しました。しかし、考えてみますと、あのとき私たちが求めたのは手当の減少ではなくて、残業そのものを減らすことを求めていたのだと思います。残業手当を減らすことと、残業そのものを減らすこととは全く別のことだと思います。残業代を減らすことはある意味では簡単です。先ほども言いましたけれども、いろいろな口実を設けて、例えば課ごとに定めた金額を超えた場合にはそれ以上はもう手当を払わないとか、そういう理由をつけて払わなければいいわけであります。払わなければ残業代はふえません。しかし、残業そのものを減らすのは容易なことではありません。ましてや、残業代を支払わないサービス残業は当局にとってはどんなにふやしても苦にはなりません、手当を払わないで済むわけですから。こういうことでありますから、残業そのもの、あるいはサービス残業を減らすとなると、それこそ一大事であります。市民の皆さんから、市役所は夜遅くまで明かりがついて不夜城のようだと評される状況がございます。また、土曜日でも日曜日でもいつでも職員が出勤して仕事をしておられるようであります。支払った残業手当は減っても、残業そのものは減っていないのではないでしょうか。先ほども述べましたが、課長が命令しないものは残業ではないとの言明があることからも、サービス残業があることは明らかであります。残業手当を減らすことと、残業そのものを減らすこととは別のことと思いますが、市長はどのように考えておられるか、お考えをお聞かせください。
 ことしの3月でありますが、最高裁で過労自殺をめぐる判決がありました。大手広告代理店電通の社員が、月8日の深夜残業などの果てにうつ病になり自殺したという事件の判決であります。96年3月に行われました一審の判決は、長時間労働と自殺との因果関係を認定した上で、社員の長時間労働や健康悪化を知りながら、労働時間を軽減させる具体策をとらなかった会社の責任を全面的に認めました。しかし、二審判決が社員の性格や家族の対応を理由に賠償額を減額したため、改めて会社側の責任が問われていたのであります。それに関して最高裁は、両親に責任を転嫁し、みずからの責任を逃れようとする電通側の言い分を次のように批判をしております。「使用者は、業務の遂行に伴う疲労や心理的負担等が過度に蓄積して、労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負う」というふうに明確に判示をしているわけであります。さらに、社員の性格などを理由に、過労の責任を労働者本人に押しつけようとした電通側の言い分を退け、二審を破棄し高裁に審議のやり直しを命じました。この判決は、過労自殺についてのものでありますが、疲労の蓄積や健康を害さない責任を企業に求めたことは大きな意味を持っていると思います。これは民間企業での件でありますが、市役所で言えば、市当局の責任を求めたということになるわけであります。それは、日本の多くの職場では本人の責任ということを口実に、無償のサービス残業が常態化しているからであります。能力の欠如というのが、どこでもサービス残業をさせる口実になっています。上越市でも、無償残業については本人の責任ということが言われておりました。市職員の健康を維持することは、さきの判例からも市当局の責務であります。市長の考えをお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。

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◎市長(宮越馨君) お答えを申し上げます。
 最初に、旧中央病院跡地北側の利用計画についてでございますが、御案内のとおりこの土地は中央病院の移転計画に伴い、新潟県から当市に対して一括購入してほしいとの強い要請を受けたことから、平成10年9月に上越市土地開発公社において取得したものであります。この跡地は、当市のシンボルとも言える高田公園に近接しているとともに、中心商業地を結ぶ大手町通りや上越大通りに面していることなどから、今後のまちづくりを進めていく上で、貴重な公共空間を創出していくための重要な種地であります。そのため、その有効利用につきましては、これまでも総合的な観点から検討を重ねてきたところであります。この間、跡地の一部を利用して高田郵便局の移転新築が決定され、平成13年9月の完成に向けて現在工事が進められていることは御承知のとおりであります。新しい局舎は、周囲の景観や雰囲気にマッチした、市民の皆さんが利用しやすい施設になるよう計画されていると伺っておりますが、市としてもこれらにあわせて周囲の道路整備を進めるとともに、大手町交差点に面する角地は高田公園の入り口にふさわしい空間としてミニ公園として整備をしたいと考えております。御質問の北側部分については、これまで旧北病棟の再利用についても検討し、市民を初め議会の代表の皆さんを含めてですね、調査検討委員会を設置して多角的に検討を加えていただいた経緯がございます。多額のリニューアル費用を要するとの結論を得たことは先刻御案内のとおりでありまして、平成10年8月福祉施設への転用を図っていこうと、こう思っていたわけでありますが、残念ながらそれを断念をせざるを得なく、取り壊して更地として今日に至ったわけでありまして、その上で将来の需要に対処することにしたところであります。当該跡地は、当市が都市機能の形成、充実を図っていく上で、また都市としての表情を形づくっていく上でも貴重な空間であります。新しい高田郵便局が間もなくその姿をあらわすところでありますし、また跡地北側に残された上越広域伝染病院組合の病舎が本年度中に除却される予定となっておりますので、その部分も含めて当市の将来構想を踏まえ、広くまちづくりの観点から跡地の有効利用を図るべく市民の皆さんや専門家の意見もお聞きしながら、引き続き研究、検討し、具体案をまとめていきたいと、このように考えています。
 次に、満杯状態の春日山荘の利用を緩和するためにも、市民いこいの家が必要ではないかという御質問でございますが、老人福祉センター春日山荘は、昭和50年5月に社会福祉法人上越市社会福祉協議会により設置され、管理運営が行われております。この春日山荘は、60歳以上の高齢者の皆さんに健康増進や教養の向上及びレクリエーション等の機会を総合的に提供し、健康で生きがいのある生活と高齢者参画の推進を図っていくことを目的にいたしております。春日山荘は、老人会やグループ等で活用され、年間約5万人前後の皆さんが利用されております。平成11年度の自主事業では、囲碁、将棋、社交ダンスなどの10の趣味の教室が開催されまして、717人の登録者を数えております。最近の傾向として、社交ダンス教室の人気が高く、年々希望者が増加しているため、利用者の一部の方にはダンスに適した他の施設を紹介するなど、適宜対応されているというふうに伺っております。しかし、手芸や謡曲などの他の教室には、受講生の余裕もあるとのことであります。したがいまして、春日山荘の運営全体としては、差し当たり他に施設を新たに設置してまで対応しなければならない緊急的な状況にないことを申し添えさせていただきます。
 次に、高田地区にもいこいの家をという声にこたえるべきではないかということでありますが、御案内のとおり、市民いこいの家は、平成6年10月石橋1丁目地内にオープンして以来、子供からお年寄りまで大勢の市民の皆さんから御利用いただき、この間平成11年度末までの6年間に約32万人の入館者を数え、1日当たり190人が利用されております。改めて申し上げるまでもなく、市民いこいの家は入浴を初め、会合や趣味活動など幅広く皆さんから御利用いただき、心身のリフレッシュと健康増進を図られ、文字どおり市民の憩いの広場として親しまれております。市内には、市設置の類似施設として、昨年4月オープンいたしましたくわどり湯ったり村と平成元年11月開設の上越リゾートセンターくるみ家族園があり、両施設で昨年1年間に約18万人の方が利用されております。また、このほか市内には、先ほど申し上げました市社会福祉協議会が運営する老人福祉センター春日山荘のほか、国の保養施設1カ所、民間経営の施設2カ所がそれぞれ営業され、さらに周辺市町村には昨今の温泉ブームを反映して官民の保養施設が次々と建設されており、その数が30近くにも達しております。このことは議員も御承知のとおりであると思います。こうした状況を踏まえつつ、加えて現下の厳しい財政環境を考慮いたしますと、高田地区に市民いこいの家を建設することは、現時点では必ずしも行政がすぐに対応すべき課題ではないものと判断しているところであり、御理解をいただきたいと思います。
 次に、平成10年3月議会における答弁等を受けて、この旧中央病院の跡地に福祉施設を整備すべきではないかということでありますが、その後平成10年8月に旧北病棟の福祉施設への再利用を断念せざるを得なかったことなども踏まえて、検討を重ねてきたところであります。福祉施設のみに限定するということではなく、広くまちづくりの観点から、今後とも総合的に検討したいと考えていることは、今ほど申し上げたとおりであります。
 なお、上越市保健医療福祉総合拠点施設整備構想に基づきまして、上越地域医療センター病院を核とした保健・医療・福祉の総合拠点施設を整備するための検討も現在重ねておりまして、旧中央病院の跡地の利用と直接その場所を一にしておりませんけれども、総合的な福祉施設整備の考えの基本を、その辺のところを中心にしていきたいと、こう考えていることを申し添えておきます。
 次に、市職員のサービス残業をなくすことについてお答えしますが、御質問にお答えする前に、まずサービス残業の概念についてでございます。サービス残業をはっきりと認定されていらっしゃるわけでありますが、私どもはサービス残業とは職員の労務管理の実質的責任者である課長の命令があるにもかかわらず、実際の時間外労働に対する手当の支払いを受けない残業のことをいうものであると理解をしております。したがって、単に職場に残っている時間のすべてに対し、時間外勤務手当が支給されないことをもってサービス残業と断定するのは、いささか短絡的であると考えておりますので、このような前提のもとで、以下御質問にお答え申し上げます。
 まず、市職員の残業状況をどのように把握しているかということでありますが、従前の時間外勤務はややもすると自己申告、事後承諾による追認という不適切な事例が認められていたことから、現在はこれらを一切排除し、現場責任者としての課長が仕事の緊急性や進捗状況などを十分把握した上で、事前の命令と実績の確認により、厳格に管理しているところであります。こうして行われている時間外勤務が、毎月各課から実績として報告され、それに基づき手当を支給していることは御案内のとおりであります。時間外勤務時間数でありますが、年間の時間数と管理職を除く対象職員1人当たりの月平均時間を申し上げますと、平成7年度では18万7,783時間、月平均17.6時間であったのをピークに、平成8年度17万4,462時間、月16.1時間、平成9年度では11万9,230時間、月平均で10.9時間、平成10年度には11万4,919時間、月平均で10.5時間と毎年減少しております。平成11年度では10万9,745時間で、1人当たり月9.9時間となっております。この要因は、この間複雑多様化する行政需要に迅速かつ的確にこたえられるように、土木、建築、保健婦などの専門職員を毎年確実に増員するとともに、臨時職員や特採職員を効率よく配置するなど、適正なワークシェアリングを行ってきた結果によるものだと考えております。
 次に、サービス残業についてどう考えているかとのことでありますが、冒頭に申し上げましたように、時間外勤務の原則は、現場責任者の課長の命令に基づき勤務をした場合はきちんと手当を支払い、一方職員は命令がなくて手当の支払いのない労働はしないということであると考えています。しかしながら、日常的な事務処理の過程において、これらのルールによらず、自発的に仕事の整理をしたり当日処理を予定していた事務のおくれを取り戻すために居残る場合もあろうかと思います。市役所の事務、業務は、現場の責任者である課長がそれぞれの担当についてプラン、計画であります、ドゥ、実施であります、チェック、点検であります、アクション、見直しでありますが、PDCAを繰り返しながらマネジメントシステム、PDCAマネジメントサイクルに基づく科学的事務管理システムによって部下職員を管理監督して進めております。したがって、職員の執務については、各課長が責任を持って管理しているため、命令のない居残り残業は市役所全体としてどのくらいの時間数になるのかは残念ながら把握しておりませんが、命令があるにもかかわらず手当が支払われないような時間外勤務はあり得ないと考えております。もちろん時間外勤務命令がないまま、職員が仕事をしているという状況があってよいとは決して考えておりませんし、またもし仮にそのような状況がある場合には、時間外勤務命令をする必要があるかどうかを十分把握して、漏れのないように担当課長に対して指導を徹底しているところであります。おっしゃるように、居残っている時間すべてに対して手当を支払うことになると、合理的な事務改善をしたり、事務処理の迅速化を図るなどの積極的な意識を損なうことになるおそれがあります。このことについては、上越市行政改革・地方分権推進委員会からも、成果を上げた職員や努力した職員が報われるよう、成果、能力、責任に応じた給与制度への転換を図るべく、去る5月26日に御提言をいただいたところであります。時間外勤務の縮減については、就任以来努力を続けてまいりました。先ほども申し上げましたように、新たな行政需要による業務量の増加には、人件費の抑制に配慮しつつも、必要な正職員の増員のほか、特採職員、臨時職員を含めた総定員管理を進めており、現時点ではほぼ適正に近い職員配置がなされているものと考えております。
 また、日常的な運用については、食事をしないで午後8時半には帰宅するよう指導したり、毎週水曜日をノー残業デーとし、緊急の用務がある場合を除き定時に退庁するよう徹底するとともに、あらかじめ夜の会議が予定されている場合などは、出勤時間をおくらせて時間外勤務をしないフレックスタイムの導入、土曜日、日曜日のやむを得ない勤務については、週休日の振りかえにより休日を確保するなど、広範に対応してきたところであります。なお、私は以前職員との対話集会の折に、大蔵省当時の予算編成の経験や公務員としての理念の一端を吐露いたしました。私は、地方自治体と国では取り扱い業務の性質が異なることも十分承知しておりますので、これはあくまで公僕としての職員の意識高揚に働きかけるための体験談として取り上げたものであり、おっしゃるような職員にサービス残業を求めたものではありませんし、同席した職員にもそのように理解をしていただけたものと思っております。
 また、残業をなくすことが雇用機会の創出につながることは、私も当然承知しているところであります。財団法人社会経済生産性本部が平成11年5月に中間報告した推計によれば、いわゆる所定外労働時間としての残業時間をゼロにした場合、今お話しのありましたようにおおよそ170万人の雇用が新たに生み出されるとのことでありますが、類似の調査を含め、これらはあくまで労働時間の短縮と雇用機会の創出効果に関する議論材料の提供といった趣旨から行われたものであり、実際このような施策が行われた場合の問題点や実証的な分析は今後の課題とされています。しかしながら、私は、既にそれ以前からその政策的な必要性について十分理解しておりましたので、平成10年度の半ば以降、中高年の失業者や新規学卒者、いわゆる就職浪人などを対象に、保育士など特別採用職員、72人の採用を実施しているところであります。このことは、職員の健康管理面にも配慮しつつ、残業時間の短縮を含む公務、職場におけるワークシェアリングの活用、拡大と厳しい雇用情勢下での新たな雇用創出という二つの課題を同時に解決できる有効な政策として、各方面から高い評価をいただいていることは既に御案内のとおりかと思います。
 3点目の残業手当を減らすことと残業そのものを減らすことは別のことではないかとのお尋ねでありますが、適正職員配置を前提とした上で、時間外勤務の縮減を図ることは労使双方見解の一致するところであり、そのため目標を立て、それに向け双方が努力することも合理的であると考えております。したがって、単に手当の削減のみを目標とした時間外勤務の縮減はあり得ませんが、結果としてそのことが時間外勤務の縮減につながることは当然あり得るものと考えています。
 先ほども申し上げましたとおり、専門職員の確保、臨時職員の増員などによる効果により、平成7年度をピークにして時間外勤務が毎年徐々に確実に減少している実態からも御理解いただけるものと存じます。この減少した背景には、職員の資質の向上というものも見逃せないと思っています。特に平成6年ころから新しい取り組みを進めてまいりました。そして、平成7年が災害もあったわけでありますが、体制は新しい施策の展開ということで、職員も驚天動地ではないかもしれませんが、今までの手法を大きく変えましたから、新しい市政を根本的にどうあるかということを見据えながら職員に叱咤激励、あるいはまた御協力を仰いできて大変難儀をしたときがありました。このときは、従来の事務事業の執行のあり方と大きく変えましたから、恐らく戸惑いもあったり、あるいはまた新しい政策をのみ込んで向かっていくという、そういう仕事そのものを改善しましたから、恐らく結果的に時間外としてしわ寄せが出てきたなということを私は知りつつも、それを乗り越えていかなきゃならんという、こういう時期が、議会でも議論いただいたことを覚えておりますが、そういうときは確かに時間がふえます。しかし、その後職員の努力によって質も高まって、能力も高まったことによって、処理能力が高まったことが時間外を縮減へと向けていったということが私は一番、それが一番大きいことではないかなと思いますし、次に今私が申し上げたようなスタッフの確保、その場所、その場所、あるいはその時々の行政ニーズに対応したような人材配置、人材確保と、こういったものをあわせ行ってきたということが、総体的に時間外労働を減少に至らしめているという、こういうことではないかなと、こう分析しております。改めて職員のこれまでの努力に対して心から感謝を申し上げたいと、こう思っております。そのことがすべて市民サービスの向上につながっていくわけでありますから、市民もそのことを御理解をいただけているんではないかなと、こんなふうに思っております。
 4点目の市職員の健康を維持することも市当局の責務ではないかということでありますが、職員の健康管理は市の責務であることはまさに当然であります。そのために、毎週水曜をノー残業デーとし、週の中日に定時退庁日を設けて、心身をリフレッシュする時間を設けたり、食事をしないで午後8時半に帰宅するよう指導をしたり、またフレックス勤務を導入したのも職員の健康を考えてのことであります。心身が疲労していては決してよい仕事ができるものではない、このような配慮でございます。最近特に社会環境や職場環境の急激な変化に伴って、全国的に新たなストレス要因が増大していると言われております。また、いわゆる過労死がマスコミ報道されるなど、労働者の健康管理は今や社会的に重要な課題になっているわけであります。今後従来型の身体的健康管理に加え、こうした、いわゆるメンタルヘルス対策の充実を重視しながら、職員の健康管理の相談窓口を開設するとともに、適正な人員配置、ワークシェアリングをさらに進め、職員に過重な負担がかからないよう十分配慮していきたいと、このように考えております。
 なお、このような職員の健康管理への配慮や、時間外勤務縮減についての努力は当然のことでありますが、最も重要なことは組織全体が共通の目標のもと、計画的かつ迅速に仕事を進めることであります。一時的な業務増はともかく、継続的な業務増にも対応し得る強固な事務管理、執行システムの構築が不可欠なものであるという認識をいたしております。こうした考えから、その核となるシステムとして、PDCAシステム、いわゆる科学的事務管理システムをいち早く導入したわけであります。このことについて、改めて申し上げますと、職員の仕事の進め方や、管理などの検証をもとに、科学的業務遂行の手引を策定し、これを指針として職員一人一人が担当業務の目標を具体的に設定し、その実施、成果の点検、評価などの取り組みを進めておるところであります。これが完全に徹底するまでには、いましばらく時間が必要であると思いますが、本質的にこのような科学的事務管理の概念に基づく効率的な事務の進め方や、職員意識を醸成し定着させることが重要と考え、既に私はそのことに取り組んでおりますので、単に残業時間のみを取り上げられることは本質論から離れるものと思っております。そして、ひいてはこのことが一連の行政改革の推進と「安・近・短」行政の実現による市民への良質な行政サービスの提供を図る上で、最も確実でかつ普遍的な方途であると確信をいたしているところであります。もちろん、当面する課題への対応として労働時間に対する意識改革も必要であります。すなわち、職員に職場に長くいることが高い評価を得られるという風潮がないか、時間外勤務は臨時または緊急の場合に行うという認識があるか、個人的な事情による収入の確保という意識がないかなど、職員の労働時間に対する意識を改めていく必要があるということに思っております。また、安易に時間外勤務をしない条件を設定することも重要であり、ノー残業デーの増設などについて、今後労使双方協議しながら検討を進めてまいりたいと思っております。
 最後に、職員の資質の向上であります。多様化する行政サービスにおいて真に求められている業務は何かなど、常に業務に対する発想の転換と優先順位を意識させるとともに、セクションごとの専門家を養成する一方、どんな業務にも対応できるマルチプレーヤーとしての職員を育成し、全体としての資質の向上を図っていく必要があると考えております。今後は、このような取り組みを総合的に着実に進めながら、職員の健康管理、適切な人事管理、事務執行体制を確保してまいりたいと、このように考えております。
 以上です。

P.62 
◆11番(杉本敏宏君) 答弁いただきましたが、再質問をさせていただきます。
 中央病院の跡地の問題でありますが、一言で言って以前の答弁から若干後退しているのかなという印象を受けました。病棟が残っている段階で、その病棟を福祉施設に使うということだけの答弁ではなかったように記憶しておりますが、跡地そのものを福祉施設に活用するという答弁だったのではないかというふうに思っておりますが、今ほどの答弁を聞いておりますと、北病棟を福祉施設に使うということで検討していたと、それがだめになったんで、まちづくりの観点から考えていくというふうな言われ方をされました。若干今までの言い方とずれているかなというふうに思います。
 それで、いずれにしても市民の皆さん方から、直江津にあるいこいの家のような施設、旧高田市街にはああいう施設が実はないんです。くるみ家族園とかくわどり湯ったり村というのも出てきましたけれども、高田の市街地の、特にまたお年寄りの方からしてみれば、遠く離れたところにある施設なんです。直江津からはどうかわかりませんけれども、高田からですと交通の便が非常に悪くて、自家用車がないとなかなか行けないようなところになっていまして、そういうことから高田の、特に旧高田の市街地にこういうふうな施設をつくってほしいという要望が出てきているんだろうと思うんです。私は、そういう点でこの旧中央病院の跡地、残された北側半分、高田公園の近くでもありますし、市街地の近くでもありますし、ここにそういうお年寄りの皆さんを中心に一般市民も集えるようなこういういこいの家ができれば、商店街の振興などにも大きな役割を果たすんではないかなというふうにも思います。そういった点で、すぐまだ計画は、具体的な計画がないようでありますので、特にそういうことであればなおさらですが、こういう施設対応をぜひとも考えていくべきではないかというふうに思うわけです。その点で市長の御見解、再度伺いたいと思います。
 二つ目の残業の問題ですけれども、一番最初に市長の方から出されたのが私が一番心配していたことでもありましたけれども、課長が命令をしない残業は残業とは認めないというようなことでありました。今世の中で一番問題になっているのは、そういう居残りというふうな言い方もされましたけれども、本当に居残りという概念なのかどうか、大変問題だと思いますけれども、そういう残業がサービス残業として今社会的に問題になっているんだろうと思うんです。そういう感覚、どうも上越市当局お持ちではないようで、居残りという理由で切って捨てる、ここが大問題なんだろうと思うんです。私も最初の質問でお話ししましたけれども、いろんな理屈をつけて法32条の規定を超えて労働させておきながら、37条の規定の残業代を払わないのをサービス残業というふうに言うというふうに言いましたけれども、まさにそのいろんな理屈の一つの中心がこの居残りだとか、本人の自発的意思でやっている仕事だとか、これがいろんな理屈の上位を占める理屈なんです。要は、先ほどの過労死の問題で、最高裁が判断を下したところをお話ししましたけれども、すべてを労働者本人の責任にしてしまう、そして時間外手当を払わないことを合理化する、これがこのサービス残業のサービス残業たるゆえんだと思うんです。
 そういう点で今ほどの市長の答弁いろいろ言われましたけれども、突き詰めて言うとここに尽きるのではないかというふうに思います。そういう点で、ここのところの管理といいますか、そういう当局側から見ていろんな理屈をつけて残業代を払わないという、こうしたこと、こうしたサービス残業ですね、これはやはりなくしていく必要があるだろうと思います。実際残業の時間、先ほどこのように減ってきたというふうなことを市長数字を挙げて言われましたけれども、市役所の実態がそれじゃその数字のようにあらわれているかというと、私は決してそういうふうには見えないというふうに思います。夜の9時、10時ならいざ知らず、11時、12時ごろでも電気がついておりますし、非常灯がついているんではありません。部屋の仕事をしているところの電気がついておりますし、そういう実態があるわけです。この間、職員の御家族の方にもいろいろお話を伺いましたけれども、本当に帰ってくるのが遅いと、夕食を一緒にするなんていうのは本当に限られている、何で市役所というのはこんなに遅くまで仕事するんですかねという、こういう御意見たくさんの方からいただきました。これがその実態なんだろうと思うんですが、それが今ほどの言われ方からすれば、居残りということになるのか、課長の命令でやっているのかということになると思うんですけれども、いずれにしてもそういう実態があるわけでして、これを解消することが一番のポイントではないかというふうに思うわけです。私も、過労死の問題を持ち出しましたのは、そんなような事態がこの市役所の職員の中から起きてほしくないという思いがありまして、そんなふうにならないようにしていかなければいけないと思うわけです。そういった点で、この過労死の裁判の問題の中で言われているのは、いわゆる先ほどから言っていますサービス残業ですね、これが大きな引き金になっているということです。市長が言われた課長の命令のない、課長が命令したけれども、残業代を払わなかったものだけをサービス残業というというようなことを最初に言われましたけれども、それはこの上越市の市役所の中だけで通用する議論であって、一般社会ではそれでは通用しませんですね。一般的には、一般社会では、特に法律の裁判所などのところではこれはもう厳格でして、残業代を払わない労働は全部サービス残業というふうに認定されているわけです。ですから、私は上越市も少なくともそういう世間常識というか、そういうところにまず合わせてもらって、残業については残業代は払うべきものは払うと、その上でそれを削減する方策を考えるというふうに変えていく必要があるんではないかというふうに思います。そういう点で、改めて市長のお考えを伺いたいと思います。
 以上です。

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◎市長(宮越馨君) まず、旧中央病院の跡地の利用について、多少ずれているんじゃないかということをおっしゃいましたけれども、私決してぶれていないと申し上げております。当時は、御案内のとおり北病棟をあれを何とかうまく利用できないかということで、いろんな角度から検討委員会までつくってやってきて、その過程でこれは難しいと、構造的な問題、あるいはまた病院としてつくったものを福祉といえども使いにくいということが結論づけられたわけであります。ですから、あれを県から撤去してもらって買い求めたわけでありますが、あのときもし私どもが利用しようということで建物つきで買っていたとしたら、とんでもないことになったことが後でわかりました。あの後に、あれは水銀ですね、水銀が漏れて地下に浸透しておったのが、あの撤去に、ちょっと数字はわかりませんけれども、数億単位の撤去費がかかったという話聞いております。あれがもし、うっかり、今あの話を聞いてぞっとしましたが、私どもが建物つきで何とかあれをリニューアルして、建物は使うようにして、しかし結果的に使いにくいということになったんでありますけれども、除去した後、ああいった問題が出るとはつゆ知らず、あれをもし買い求めて、何かしようとしたら、それこそ私の首はなかったのではないかなと、こう私は思っておりまして、当時よかったなと思った思いを強くしておりますが、要は、あの建物をどう利用するかということが中心の議論だったんです。それが無理だということで、更地にして私どもが買い求めたことは、リスクマネジメントというか、クライシスマネジメントというのは、私に非常に結果的に作用しておったなということで、その後の更地の場合の考え方についても、市民からいろんな御意見やら聞きまして、現在あのようになっておるわけでありますが、約3分の1北の方はまだ残っておりますけれども、一部については神社側の方はミニパークで利用しようということは、これは当時はなかったんであります。しかし、更地にしてあの空間をどう有効に市民に御理解いただけて喜んでいただけるかということの中で、榊神社ももともともう少し広かったんでありますけれども、道路等でいろいろと割愛されて、いわゆる緑をもとにした空閑地が減ったということで、公園機能としてあそこにミニパークを設置するということにしたわけでありますが、そういう変化はあったことは間違いないんでありますけど、今おっしゃられたようなことは基本的な考え方は変えているつもりでもないし、むしろそれよりも発展的にセンター病院のところに保健・医療・福祉のゾーン整備をしようということで、それの代替的機能という、こういったものも視野に入れながら保健・医療・福祉の充実を図るということで、発展的に土地利用を考えているということを御理解をいただきたいと思います。
 確かにいこいの家みたいなものをあちらこちらにつくれば、これは喜んでいただけることは間違いないんでありますが、なかなか箱物というものについては維持管理等、あるいはまた利用コストベネフィットということを考えますと、おいそれとこういったものはいいとわかっていながらもやれないということでありますし、高田地区においては民間でもそういう施設を経営されているという、こういうことも一応考えていかなきゃならんだろうというふうに思っておりますが、せっかくのことだから、ちょっと私まだここではっきりと言う段階ではないんでありますけれども、例えば高田の駅前を今整備しておりますが、あそこの空間の中に、それと同じことじゃないんですけど、人々が集まって喜べるような、リフレッシュするような、そういう機能を実はそこに入れようかなということを今考えております。ただ、発表する段階でもないし、また財政的なものとか、あるいはPFIという、そういう手法等々ですね、いろんなやり方も考えていけるという、この方途が出てきていますから、いろんな手法があることを踏まえながら、そういういわばリフレッシュするような、あるいは「歩いて暮らせるまちづくり」という建設省の認定を受けた事業を行うに当たって新たな事業が起こり得るという、こういったこともあったりしまして、確かにおっしゃるような機能をこの高田地区に一つあってもいいかなという感じは、これは私は否定するものではないんでありますけれども、高田の駅前の区画整理の中で、どういうものができるかなということを内々今検討しているということだけを申し上げておきます。余り固定的にまた考えないでほしいと思います。
 それから、サービス残業のことについては、残業問題については、実は私は大きな体験をしておるんです。大蔵省、御案内のとおり、まさに不夜城と言われているわけでありまして、もし夜厳しく残業規制して、仕事するなと言ったら、国家予算やらいろんな国策はつくれないということが恐らく間違いないでしょう。ですから、そのこととは別の議論ではあることは承知しておりますが、実は私も大蔵省に組合がありまして、そこに頼まれてそういう幹部に就任して、この残業問題について取り組んだことがあります。今思い起こしますと、あれは昭和49年、47年から8年、このころです。そのころに、たしか朝日新聞の社会面トップに私が取り組んだ「残業だらだら超勤反対」、つまり慢性超勤を打破しようという、この運動を私が率先してやった記事が出ております。ちょっと私の記憶でありますから、載ってたことは間違いないんですが、あります。それは実は私が企画して、いわゆる労働運動として取り組んだ具体的な事例として全国紙に紹介をされております。ですから、当時からこの残業問題については、私なりに非常に強く意識しておりまして、もちろん当時は大蔵省の場合は残業時間は大体あのとき最高で2,000時間やっていますね、年間。もう異常です、これは。その支給率は何と2割もいかないんです。だから、二つの要因あって、慢性超勤を廃止するということと、残業手当をよこせと、この運動をやったわけです。昭和49年ですか、49年の予算に初めて、特別残業手当というのが国家予算の予算書に出ております。これは私が運動した成果として認められて予算化しました。これはいずれ、最初は中央官庁でありましたが、行く行くは全国の行政庁に及んだということでもありまして、残業問題については私の右に出る者ないというほどは言いませんが、これは相当の私は公務員に対して貢献をしたなという自負を持っております。
 ですから、こういう問題については、そういう経験則をしておりますもんで、よく理解しているつもりであります。そういうことで、上越市役所の残業実態を私なりに見ておりますが、今おっしゃったような極端な話は恐らくないと私思っています。例えば管理職が残る場合も電気つけていますから、これは何も非管理職、組合員ばかりではないと、つまり管理職というのは、これは手当が出ていますから、残業手当は要りません。ですから、これはサービス残業という概念に入りませんね。だから、実際上は建物に電気ついていると、遅くなっているなということで御批判を今されておりますが、これは私はむしろそれは管理職が中心となって、中には一般職もいるかもしれませんが、私が先ほど答弁申し上げたような実態が本当のところでありまして、余り現象的に見てそれがすべて一般職の居残りとかサービス残業というふうな決めつけはなされないようにしてほしいと思いますし、毎日家族団らんで食事したことないという、それもやっぱり極端ではないかなと思います。それはよく1,164人の正職員がいて、アルバイト職員入れますと千五百何人いるわけでありますから、全部が全部そういう感じでいるわけではないんでありますから、余り極端なことをおっしゃらずに、もう少し全般を見渡して残業の実態について御議論をいただければありがたいなと、こう思っております。
 以上です。


平成12年  6月 定例会(第3回) − 06月12日−03号

P.118 
◆11番(杉本敏宏君) 私は、日本共産党議員団を代表して、幾つかの議案について、反対討論を行います。
 私たちは、すべての議案に対して何でも賛成の立場でも、何でも反対の立場でもありません。市民の役に立つかどうか、むだ遣いではないかどうか、市民負担をふやさないかどうか、国の悪政の防波堤になっているかどうかなどを主な基準にして、賛否の判断をしております。そして、役に立つものには積極的に推進もし、賛成もいたしますが、役に立たないもの、むだな事業については改善の提案をしたりしまして、断固反対をしてきたところであります。また、評価、容認できる部分と反対する部分をそれぞれ明らかにし、その上でどう判断したかを表明すべきものと考えております。今議会に提案されました各議案についても、こうした基準で判断した結果、以下の反対討論を行うものであります。
 まず、議案第73号公有財産の無償貸付けについて、議案第74号上越市市民プラザ整備事業の契約の締結について、議案第55号平成12年度上越市一般会計補正予算について、これらの議案は、土橋の旧ジャスコ跡地を上越市市民プラザとして整備するものであり、関連がありますので一括して述べます。この市民プラザは、PFI方式で整備するというものであります。我が党は、市民プラザを整備するということについて反対するものではありません。PFI方式で整備するということに反対するものであります。このPFIにつきましては、97年度末の通常国会に自民党議員が議員立法として「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律案」いわゆるPFI推進法案を提出して以来、関係省庁、経済団体、ゼネコンなどの業界団体が推進してきました。そして、99年7月23日の参議院本会議で、日本共産党以外の各党の賛成多数で可決、成立したものであります。
 もともと日本版PFIを導入しようとした動機は、これまでの民間活力の導入としてもてはやされてきた三セク、第三セクター方式が、次々と破綻し始めたことにあります。この第三セクターが破綻したところで、このリスクの多くが民間企業にかかってくるために、いかにしてこのリスクを回避するかということで登場したのが日本版PFIと言われております。法に基づく国の基本方針では、リスクの分担の考え方が規定されておりますが、その基本は、民間のリスクを軽減し、国や自治体などの官に押しかぶせるものとなっております。市民プラザの募集要項にありますリスク分担表を見ますと、この基本が貫かれているのが明らかです。法案成立の前日、昨年7月22日の参議院国土・環境委員会では、銀行などが持っている土地を事業地として買い上げ、不良資産処理に便宜を与える条項について、これは関谷国土庁長官も企業会計原則の特例にも当てはまらない脱法的な救済策だと認めておりますし、また提案者の一人であります平田米男公明党衆議院議員は、事業破綻のツケを最後は全部官に負わせる懸念がないわけでもないと述べ、第三セクターの二の舞になる危険を否定できませんでした。私は、こうした国会での議論も踏まえて、総務常任委員会で主にリスクの問題を議論したものであります。行政がリスクをしょい込むということは、市民の税金で後始末をするということであり、反対であります。
 もともと自治体が行う事業というのは、税金を効率よく使うということはあっても、収益を目的とはしておりません。しかし、PFI法第3条の基本理念、その中の第2項では、特定事業は収益性を確保すると述べております。これは、自治体が行う事業の性格を全く変えることになってしまいます。PFIとして行っている事業で収益性を確保しますと、市の他の事業でも当然収益性を確保するということになっていくおそれがあります。それは、市民に税金のほかに負担を強要していくということにもなるわけであります。このような市民負担強化には絶対反対であります。国の基本方針では、PFI事業のもたらす効果として、民間の事業機会を創出するとしております。民間事業者が運営するものに、今回の市民プラザについてでありますが、観光振興センター、喫茶と軽食施設であるにぎわい施設、それに健康づくり支援センターの三つがあります。このうち、にぎわい施設が最も採算性が問題となる施設でありますが、これは委託やテナントで十分やれるものであり、PFIを導入するために取ってつけたものと言わざるを得ません。逆に、PFIであるがゆえに、20年間も収益を保証せねばならないのであります。この三つの施設がなければ、市の直営で確実にやっていけるものでもあります。三つの施設は、先ほど述べました国の方針そのものであると言えます。
 施設の改装などに要する費用の問題があります。見た目では、PFIでは20年間に分散されますから、有利なように見えます。しかし、20年間の債務保証をしているわけでありまして、市が直接改装などの発注をすれば、一時的には歳出が増大しますけれども、これらが市債などで賄われることを考えれば、結果としては同じことになるわけであります。20年間というのは大変長い期間であります。施設の管理にしましても、これまでのやり方ですと毎年入札なり行いまして、毎年契約ということになるわけでありますから、会社も変われば金額も変わります。ところが、PFIでは20年間にわたって同じ会社に同じ金額で仕事を出すということになります。
 この市民プラザ、通常どおりのやり方でもやれるものであります。どこから見てもPFIでやらなければならない理由は一つもありません。6月8日付の朝日新聞によりますと、この市民プラザ事業を受注した熊谷組は、「再建策練り直しへ」という記事が載っておりましたけれども、そういう企業であり、その記事の中身を紹介いたしますと、建設業界最大規模の借入金を抱えて再建中の準大手建設会社、熊谷組の再建策に銀行や建設業界の関心が集まっている。主力の住友銀行は、大手建設会社との提携のほか、企業分割なども含め、広範囲で大胆な再建策の具体的な検討に入った。1997年秋に策定した再建計画は既に破綻に近い。合理化の追加余地は少ないと報道しております。このような会社と、この先20年間もの長期にわたって債務保証を含めた契約をしていいのでしょうか。日本共産党は、とてもこれを認めるわけにはまいりません。
 次に、報告第5号上越市国民健康保険税条例の一部改正についてでありますが、これは課税限度額を、これまでの国保税部分である基礎課税額と介護保険料部分である介護納付金課税額の合計で53万円であったものを、それぞれ53万円、7万円とするもので、課税限度額の大幅引き上げであります。上越市の国保税は、これまでも県内20市の中で最高額であり、払いたくても払えない人が多数おられるわけであります。この改悪によって、この傾向がますます強まることが懸念されます。私たちは、このような限度額の引き上げに賛成することはできません。
 次に、議案第56号平成12年度国民健康保険特別会計補正予算であります。国は、国保税に介護保険料を上乗せしたことから、収納率が低下することを予測し、その対策に乗り出しました。高い国保税を引き下げることが、本来の対策であるべきですが、国の方針は高過ぎる国保税をいかにして取り立てるかということでありまして、その方法として保険証の取り上げという非人道的な、また国民皆保険という制度に反する方策を打ち出したものであります。今回の交付金は、この保険証取り上げを推進するためのものであり、到底賛成することはできません。
 以上、日本共産党を代表しての反対討論を終わらせていただきます。

P.131 
◆11番(杉本敏宏君) 日本共産党議員団を代表して、議案第79号及び80号について質疑を行います。
 まず一つは、市政または市長に対する批判が退職金の減額に値するかどうかという問題であります。我が党は、副市長制の導入に当たって、これは将来的に異なる意見を持つ者を排除する、また逆にイエスマンばかりを優遇する、そういうふうなことになる体制ではないか、こういう指摘をしまして、制度そのものに反対をいたしました。今回の事態というのは、まさにそのようなことが現実に起きているというふうに言わざるを得ません。そうした点で、市政または市長に対する批判、こうしたことが退職金減額に値するかどうか、市長の見解を伺いたいと思います。
 二つ目は、みずからの処分に対しましては10分の1、1カ月というのがありましたけれども、そのときの答弁では、処分の重い軽いではなく、処分したことに意味があるというふうに答弁をしておられるわけであります。しかし、このたびの問題に関して見ますと、この答弁とは全く裏腹に重い、軽いが非常に重要な意味を持っているのではないか、このように見えるわけでありますが、この点みずからの処分との問題で、どのようにお考えになっているのか御答弁をいただきたいと思います。
 以上です。

P.131 
◎市長(宮越馨君) 最初に、市政または市長に対する批判が退職金減額に値するのかとのお尋ねでありますが、先ほど小林林一議員の御質問にもお答えしたように、高畑前副市長の解職は、在職中の自治体職員あるいは組織人としての資質、適格性を著しく欠く発言や行動、市長解職請求活動に呼応して、突然の辞意表明から在職のまま公然とリコール署名を行うなど、一連の行動が大きな市政の混乱を招いた、その非違行為の責任を問うものであります。したがって、今イエスマン、排除云々という論点から全くこれは違うものであります。あろうことか、このような市政執行の重要な責任を放棄した高畑前副市長の言動は、市長と一体となって市政の執行、運営に当たらなければならないみずからの立場と職の重みを全く無視したものであり、本来であれば懲戒免職処分にも値するような容認しがたいものであり、市と市民に対してその責任を果たしたとは言えないものであります。このような状況を踏まえ、条例の規定により退職手当の満額を支給することは極めて不適当であると判断したところでありますが、この際市長として市民の公平、公正かつ客観的な意見を考慮することが必要であると考えましたので、特別職報酬等審議会委員の皆さんを初め、多くの市民からお寄せいただいた御意見を参考に総合的に判断し、また在職中の一定の功績も考慮し、その半額を減額するよう御提案したところであります。そして、このことは議員の皆さんはもとより、広く市民からも十分御理解、御支持をいただけるものと考えております。
 みずからの処分には、処分の重い軽いではなく、処分したことに意味があるとしながら、このような処置をするのはなぜかということでございますが、これまでも全員協議会やさきの総括質疑でもお答えしているように、高畑前副市長のこの間の発言及び行動は、自治体職員として、組織人としての資質、適格性を著しく欠くものであり、特に副市長に在職しておりながら公然と市長解職請求の署名を行うなどは、職員や市民からも強い批判の声が届いている異常な行為であります。しかも、市民の多くから市民を裏切って解職された副市長に退職手当を支給することに疑義を寄せられていることも事実であり、このような中、公平、公正、客観的な意見を求めるために、今ほど申し上げたように特別職報酬等審議会の委員の御意見をいただいたのであります。したがって、多くの市民の声に耳を傾ければ、支給することをちゅうちょするほどですが、一方で特別職の退職手当が功績報償の観点から支給されることから、前副市長の功績を認めることも必要であると判断をしたものであります。いずれにいたしましても、私がみずからに科した減給処分は、市民に対する私の責任を率直にあらわしたものであり、今回のように功績報償の観点から減額することと直接関連するものではありませんし、今ほど採決をいただいたように御理解を、私の減給処分については杉本議員も御理解をいただけていると、このように受けとめております。

P.135 
◆11番(杉本敏宏君) 私は、日本共産党議員団を代表いたしまして、議案第79号及び80号につきまして、反対の立場から討論をさせていただきます。
 総括質疑でも述べましたけれども、副市長制の導入に当たって、これは異なる意見を持つ者を排除し、イエスマンばかりを優遇する、そういう体制をつくっていくものであるということで、制度そのものの導入の際に反対をいたしました。市長は、この副市長制という制度そのものが機能しているという旨の発言をしておられますけれども、先ほど言いましたような翼賛体制をつくるという意味では、そのとおりだと思いますけれども、副市長制という制度そのものが破綻したことは明らかだと思うわけであります。我が党は、助役であれ一般職員であれ、市の施策や市長のやり方について、それが市民要求に合致していないと思った場合、あるいは異なった意見を持った場合に、それを批判し表明する権利はあるというふうに考えております。したがって、そうした批判、行動、これを理由にして退職金を減額するということは認めるわけにはまいりません。解職というのは処分の一つでありますが、既に処分をしている上に、さらに処分をするという形にもなるわけでありまして、これもこうした意味からも認めるわけにはまいりません。市長のこの問題にかかわっての市長自身の処分については、これも質疑並びに委員会審議でも述べましたが、市長自身の処分については、処分の重い軽いではなく、処分したことに意味があるということを言っておられるわけであります。それでは、市の職員に対する処分が皆そういう内容でやられているかというと全くそうではないわけでありまして、今ほどのこの二つの議案に盛られておりますように、職員、部下に対しての処分は大変過酷なものでありますが、一方自分の処分に対しては非常に甘いというやり方が見えるわけであります。我が党は、このような処分のやり方については反対するものであります。
 以上申し述べまして、日本共産党議員団を代表しての反対討論を終わります。