平成11年 12月 定例会(第4回) − 12月09日−03号

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◆1番(杉本敏宏君) おはようございます。一般質問をさせていただきますが、二つの問題について質問いたします。
 最初の質問は、開院を3カ月後に控えた上越地域医療センター病院の準備の状況についてであります。6月28日の厚生常任委員協議会で、センター病院の概要を明らかにした資料が配付されました。また、9月議会で開業する3月1日からの1カ月間の補正予算が提案され、可決されました。6月に示された厚生省による譲渡前の建物の整備も終わりつつあります。開院を3カ月後に控え、幾つかの質問をしたいと思います。
 一つ目は、標榜科目に必要な医師は充足したかということであります。これまでの私の質問などにも答えられて、市長は国立高田病院の医療機能を維持すると明言してこられました。医師の確保が医療機能を維持する前提条件になると思います。院長候補については、既に公表されておりますが、標榜科目は内科、外科、整形外科です。その診療に必要な医師が充足したのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
 二つ目でありますが、国立高田病院からの職員の引き継ぎについてであります。国立病院の譲渡の条件の一つに職員の引き継ぎの問題があります。御承知のように50%以上の職員を引き継げば、無償譲渡(移譲)になりますが、現在どういう状況か、無償譲渡の展望は開けたのかどうか、お示しをいただきたいと思います。
 三つ目は、結核病棟の存続についてであります。9月議会での質疑に、市長も結核病棟を存続したいと言明されました。県の意向も存続というふうに聞いております。しかし、厚生省は1県1施設という考えのようですから、若干の困難があるようにも見えます。結核病棟の帰趨は、病院経営にも大きな影響を及ぼす問題でもありますし、現在入院されたり、また通院されている患者さんにとっては死活の問題でもあります。結核病棟の存続はどうなったか、現状と展望をお聞きしたいと思います。
 第2の質問は、中小企業対策についてであります。ここでは、零細企業も含めて中小企業と呼んでおきます。中小企業は、日本経済の主役であります。地域で見れば、中小企業は地域経済の主役だということになります。その中小企業が長期の不況の中で危機にさらされているわけでありますから、行政が今こそ手を差し伸べるべきだと思います。ちなみに、平成10年度の工業統計調査によりますと、上越市の全産業502社のうち、10人未満の企業が342社、比率で68.2%に上っております。私は、この中小企業対策については、議員になって以来、例えば96年の9月議会を皮切りに、数回にわたって取り上げてまいりました。これは、先ほども述べましたように、中小企業は地域経済の主役でありますから、ここが活性化しない限り地域経済の活性化はあり得ないと考えるからであります。そして、施策の重点を大きいところが伸びればその波及効果で中小も潤うというようなやり方から脱却して、中小企業を直接対象とした施策の提起も行って、そしてその実施も求めてまいりました。今まさに、中小企業に対して、地域経済の主役にふさわしい対策を講じる必要があるのではないでしょうか。直接業者の懐を暖めるような施策、業界団体を通じてではなくて、業者の生の声を聞いて経営相談にも乗れるような施策が求められていると思います。以下、4点にわたって質問をいたします。
 一つ目としては、現在の中小企業を取り巻く経済状況をどのように把握しておられるか、市長の考えをお聞きしたいと思います。日本経済全体としては、政府の景気対策にもかかわらず、この景気対策自身が私は方向が少し間違っているんではないかと思いますけれども、その政府の景気対策にもかかわらず、なかなか回復の兆しが見えない状況です。県内では、御承知のように新潟中央銀行が破綻しましたし、レック三和の倒産などもありました。そのほかにもたくさんこういう問題が起きております。そして、その影響はこの上越地域にも及んできているんではないでしょうか。市内でも最近衣料品のしにせが閉店することになりましたし、繊維関連の倒産も起きております。けさの新聞によりますと、長野工務店が再び不渡りを出したというようなことも報道されております。また、高田の本町通りなどの空き店舗も減る傾向にはありません。国民生活金融公庫の7月から9月までの商況調査によりますと、昨年の7月から9月期と比較して売り上げが減少したというのが71.3%にも上っております。昨年同期、一昨年と昨年の間でやはり売り上げが減少したというのが74.1%ございましたから、2年連続で7割以上の企業が売り上げが減少しているという、こういう状況であります。こうした状況を見ると、まだまだこの上越地域、上越市も含めて不況の真っただ中というのが実態ではないかと思いますが、市長の見解を伺いたいと思います。
 二つ目の質問は、技術相談や経営相談、契約や市場開拓などの援助体制も整えるべきではないかという問題であります。私は、以前から無担保無保証人の市独自の融資制度をつくってほしいというような政策提起も行ってまいりました。この間、上越市の融資制度に関しましては、枠が増額されたり、各種の条件が緩和されたりしてまいりました。これはこれとして、今後も大いに進めていく必要があると思います。2カ月ほど前だと思いますが、東京都の墨田区の取り組みがテレビで紹介されました。墨田区のことについては、私もこの議場で96年の9月議会などで何回か紹介してきたところであります。今回の放映の内容は、区の幹部が区内の中小企業のために、首都圏の取引先を訪問して受注要請をしたという、そういう内容の放映でありました。この取り組みは、さきの11月2日に行われました衆議院本会議の代表質問で、我が党の不破委員長が取り上げて、政治が中小企業のために何をやれるかを見る上で、国政でも大いに参考になると言って、政府に対して検討を迫ったものでもあります。
 この墨田区での区の職員が出向いての発注の要請でありますが、昨年の10月からことしの3月にかけて、部課を問わず71人の幹部職員が区内中小企業への発注元である首都圏の取引先408の企業を訪問して、発注の要請を行いました。そして、実際に68件の発注があったというふうに言われております。もう一つ、中小企業対策の先進例として、東大阪市の例を紹介したいと思います。東大阪市というのは、関西の代表的な中小企業のまちであります。ここの長尾市長というのは、我が日本共産党の党員であります。この市では、ことしの10月12日から実効ある中小企業対策を目的として、3万を超える市内全事業所の実態調査を始めました。この調査は、市が調査表を事前に送付し、約580人の課長級以上の職員が直接事業所を訪問して、聞き取りと調査表の回収を行うというもので、今年度は小売業と製造業の約1万5,000の事業所を対象に調査し、来年1月下旬に中間報告をまとめ、2000年度予算に反映させるという計画だそうです。2000年度には、残りの1万7,000の事業所を対象に、この調査を継続すると言っておりますが、実施本部長の長尾市長を先頭に訪問調査を行っており、事業所からは大変歓迎されているというふうに聞いております。
 二つの先進的な事例を紹介しましたが、私は今こそこういう施策が必要なのではないかというふうに思います。実効ある対策を立てるためには、まずその実態を知ることから始めなければなりません。私は、以前にもこのような悉皆調査をするべきではないかとただしたことがありますけれども、そのとき市長は地回りをせよと言うのかというような反応をされました。改めて市長の見解をお聞きしたいと思います。
 三つ目の質問は、大型店の出店、これを抑えるべきではないかと、こういう問題であります。さきにもお話ししました国民生活金融公庫の7〜9商況調査によりますと、売り上げ減少の理由として来客数の減少が37.6%、競合の激化が22.4%、これを理由として挙げております。合わせて60.0%になります。商況調査ですから、商店が中心でありますが、ここで6割もの方々が来客数の減少、競合の激化、こういうことを理由に挙げておられるわけであります。この金融公庫の商況調査、一番最後の方に業者の生の声、聞き取りをした声がそのまま載っておりますので、幾つか紹介させていただきますが、「昨年あたりから競合する地元大型店が、利益率を目に見えて落とした強力な販促を実施しており、それに対する有効な策を打ち出せずにいることが一番の問題かもしれない。消費者が生活防衛意識を強め、限られたパイがさらに縮小していく中、ますます競争が激しくなっていることを実感させられる」。別の方は、「大型店の安売りについていけません」、率直にこのように語っておられます。以前にも指摘したことがありますが、ここ上越は全国的な不況の上に、このように大型店進出による影響が色濃くあらわれているところであります。地域経済活性化のためには、先ほど述べましたようなきめ細かな中小企業対策が必要ですが、さらにもうこれ以上の大型店の出店を抑えるべきではないか、このように考えるところであります。市長の考えをお聞かせください。
 四つ目の質問は、新潟県の高校再編計画が職業系の学科を廃止しようとしていることについてであります。工業高校、商業高校、農業高校などの職業系の高校や普通高校に併設された職業系の学科が、地域の中小企業や地場産業の発展に大きな役割を果たしてきたと言えます。上越市内を見ましても、これらの高校や学科の卒業生の方々が各所で活躍しておられます。このことを見ただけでも、この職業系の学科の果たす役割の重要性は明らかではないでしょうか。ところが、新潟県は去る10月高校再編計画というものを策定して発表いたしました。そして、その最初の実施として来年4月からの直江津高校の商業科が廃止になります。近隣では、吉川高校の醸造科の廃止が大問題になりまして、今町を挙げて存続運動が行われております。県の計画は、全体として職業系の学科、高校を切り捨てて、普通高校にシフトしていく方針のようでありますが、この再編計画は今見ましたように地域の実情を考慮していない、余りにも無謀なもので、市町村長を先頭にした反対運動が起きるのも、私は当然だと思います。今後の中小企業の振興、地場産業の発展を考えたとき、こうした職業系の学科や高校を切り捨てていくということは、全くマイナスになるのではないでしょうか。市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。

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◎市長(宮越馨君) それでは、順を追ってお答え申し上げます。
 まず、第1点目の上越地域医療センター病院の準備状況などについてでありますが、まず標榜科目に必要な医師は充足したのかとの御質問でありますが、既に御案内のとおり、よりよい医療を行うためのかなめとなる医師の確保はどの医療機関においても厳しい状況にあります。このような中にあって、上越地域医療センター病院では、医師確保のために新病院院長候補の笠原自治医科大学教授を中心に、自治医科大並びに上越医師会とともに全力を傾けて、その対応に取り組んでまいったわけであります。この結果、医師の確保につきましては、現在ある程度めどが立ちつつあるという状況であり、開院の3月1日までには充足できるものと確信をいたしております。しかし、医師国家試験の合格発表が例年5月ということから、大学医学部の人事異動が通常6月に実施されており、上越地域医療センター病院開院の3月1日に合わせた人事異動は特例の異動となるものであります。このため、医師確保については、ある程度めどが立ちつつあるとはいうものの、大学人事という点を考慮に入れまして、現時点で確定的なことを申し上げかねるということを御理解いただきたいと思います。
 次に、国立高田病院からの職員の引き継ぎについてでありますが、国が10月に実施しました国立高田病院職員の意向調査の結果、上越地域医療センター病院に引き続き勤務を希望された職員は、現国立高田病院職員の3分の2以上に上っております。これは、私がかねてから掲げてまいりました保健・医療・福祉が連携したゾーン構想を現国立高田病院の職員の皆さんが高く評価され、多くの方がこのゾーン構想の中核施設としての新病院への大きな期待を継続勤務の希望理由として挙げられた結果とお聞きいたしております。これらの方々について、上越医師会では大半の方を採用される予定と聞いており、私が常々申し上げてまいりました医療継続のためのスタッフ確保がなされたものと喜んでおるところであります。また、この結果国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律による病院職員の2分の1以上を引き受ける場合の無償での資産譲渡のめども立ったところであります。
 最後に、結核病棟の存続についてでありますが、このことについては9月議会でもお答えいたしましたとおり、県より地域医療計画の実現を図るべく、新病院での結核病床の継続設置について私に強い要請があり、医の倫理、人道的見地から継続について前向きに考えるべきとの結論を出したところであります。そして、現在来年3月1日の新病院開院との整合を図るべく、県との間で病棟の設置方法、運営等について協議を進めておりますことを申し添えてさせていただきます。
 次に、中小企業対策についてでありますが、現在の中小企業を取り巻く経済状況についてでありますが、11月16日に経済企画庁が発表しました月例経済報告によれば、景気は外需の下支えで、生産主導の改善が続く方向性がうかがえるものの、個人消費の足踏み状態が続いたことや公共事業の低調などから、緩やかな改善が続いているとして、10月の判断を基本的に踏襲しております。当市の景気については、去る10月に市内企業1,473社を対象に実施しました景気動向調査によれば、全産業の売上高について前年同期比の平均増減率を見ますと、ことしの10〜12月期見込みではマイナス1.9%と、横ばいとなりましたが、昨年の7〜9期のマイナス7.2%を底として、毎期マイナス幅の減少が続いており、いまだ水面下の状況にあるものの、売上高の下げどまり感は着実に広がっております。しかしながら、建設業や個人消費に力強さが欠けており、いましばらく不安定感の強い状況が続くものと認識をいたしております。
 このような状況に対処するため、国の6兆7,000億円を上回る平成11年度第2次補正予算による中小企業対策等を活用し、本定例会に総額26億9,000万円の景気対策事業を提案するとともに、市内中小企業の資金需要に円滑に対応するため、12月末で取り扱い期間の切れる上越市景気対策特別資金については、来年1月から1年間の延長を決定したところであります。景気の先行きは、予断を許さない依然として厳しい状況であることから、市内中小企業を取り巻く経済状況の一日も早い自律的な回復に向けて、国等の施策動向を的確にとらえ、今後とも引き続き市としてとり得る適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
 次に、中小企業に対する援助体制の整備についてでございますが、まず融資制度の拡充については、これまでもその時々の経済状況を見きわめながら、政策、目的に応じ、景気対策特別資金を初めとした制度資金の貸付利率の引き下げや貸付条件の緩和に努めるとともに、中小企業金融相談室を設置し、経営基盤の弱い中小企業の支援に意を用いてまいったところであります。
 次に、技術相談、経営相談、契約や市場開拓などの援助体制の整備についてでありますが、技術相談については県の出先機関であります新潟県工業技術総合研究所上越技術支援センターにおいて、専門技術スタッフによる指導を重点に、依頼試験や技術開発に関する情報提供が実施されているほか、経営相談については上越商工会議所の中小企業相談所において、専門の経営指導員により中小企業への会社経営全般にわたる相談業務並びに経営指導が実施されており、この取り組みを市では支援しております。また、契約や市場開拓などについては、他地域の中小企業とのネットワークを構築し、新規市場開拓と新分野進出の可能性を探るため、市内中小企業を中心として、産・学・官の連携により、上越地場産業ネットワーク交流会が組織されておりまして、市ではこの取り組みを支援しております。この交流会では、積極的に他地域へ出かけることにより、商談会や工場見学などを通じて、新たなビジネスチャンスを開拓する事業にも取り組んでおります。
 さらに、市では平成9年度にいわゆるベンチャー支援として低利の融資制度と補助制度を設けましたが、これは中小企業の新製品、新サービス等の研究開発とその新規市場の開拓にも御利用いただいております。また、国では今臨時国会を中小企業国会と位置づけ、都道府県別に都道府県支援センターを設置するほか、全国300カ所にローカル支援センターを設置し、中小企業やベンチャー企業の経営、財務管理、技術開発に対する相談業務を強化する支援策を打ち出すこととしておりますので、上越商工会議所と連携し、このローカル支援センターの誘致を図ってまいりたいと考えております。
 次に、地域経済の活性化のために、これ以上の大型店の出店を抑えるべきではないかということでありますが、当市の大規模小売店舗、店舗面積が500平米以上のことを指すんでありますが、平成11年12月1日現在で38店、店舗面積が16万4,250平米で、大型店の店舗面積の占有率は65.5%となっております。このような中、ここ数年大型店同士での競合が顕在化し、大型店の撤退が数多く見られる状況になっております。大型店の出店については、以前議員の御質問でもお答えいたしましたように、当市の規模から見てこれ以上の大型店の必要性について考えていかなければならないと、こう思っております。平成12年6月1日には、現在の大規模小売店舗法にかわり、大規模小売店舗立地法が施行される予定でありますが、この法律により、国が定める共通のルールに従って、地方自治体が個別のケースごとに地域の実情に応じた運用を行い得るようになることとなっております。
 中小小売業者に対する支援について、市では従来から融資制度の充実や商店街イベントに対する助成などを実施してまいりましたが、昨年度中心市街地活性化法の施行を受けて、いち早く市街地の整備改善と商業の活性化を一体的に推進することを目的に、高田地区と直江津地区の2カ所で中心市街地活性化基本計画を策定いたしました。現在本基本計画を踏まえて、上越商工会議所を中心にTMO構想の策定を進めておりますが、今後はTMO計画に基づいた空き店舗対策事業やイベント事業などを積極的に支援してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、大型店と既存商店街がそれぞれ特徴を出し合い、不足する部分を補い合いながら、共存共栄の方策を探っていくことが最も重要ではないかと感じております。このような観点から、今後とも上越商工会議所など関係機関と協議しながら、当市商業の発展に向け、効果的、効率的な施策の推進に努めてまいる決意であります。
 次に、県の高校再編計画で職業系の学科が廃止されようとしているが、中小企業振興、地場産業対策上問題ではないかということでありますが、新潟県教育委員会がことし7月にまとめました「今後の本県高校整備の方向について」によると、社会一般の高学歴化の中で、高校卒業後直ちに就職する生徒は今春、平成11年3月でありますが、およそ22.7%であり、10年前の平成元年の46.9%と比較いたしますと大幅に減少しております。将来大学などでさらに勉強したいと希望する生徒が増加していること、また中学校を卒業する新潟県の生徒数は平成19年の春には今春に比べておよそ6,500人、40人学級に換算しまして、160学級相当が減少する見込みであることから、全県的視野に立って学校、学級を再編整備する必要があるとしております。
 このようなことから、専門学校の整備については、生徒が通学できる範囲に質の高い充実した専門教育を提供できる適正規模の専門学校を配置することとなっており、御案内のとおり新潟県教育委員会は平成12年度の直江津高校の商業学科の募集を停止いたしました。上越市といたしましては、市内には高田商業高校があること、中学校卒業生徒は今後も減少する傾向にあること及び保護者のニーズなどを踏まえ、やむを得ない措置と考えております。なお、中小企業や地場産業の振興上必要な専門性が求められる人材については、新潟県立上越テクノスクールや当市の上越人材ハイスクールによっても確保されており、今のところ御心配に当たらないものと、このように受けとめております。
 以上です。

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◆1番(杉本敏宏君) 再質問させていただきます。
 センター病院の問題については、準備が進められているということでありますが、今おられる患者さんが病院の場合一番中心の問題でありますから、そういう方々が不便をこうむることのないような万全の対策をとっていただきたいというふうに思います。
 それから、中小企業対策でありますけれども、政府の経済見通しをお示しになって、月例報告を示されて、回復基調のようなことを言われましたけれども、業者の方々の実感というのはやはりそうではないんじゃないかなというふうに思います。私が後段で、業者の方のところに直接伺って話を聞くという東大阪の例などをお話ししましたのは、まさにそこに眼目があるわけです。そういう政府が発表される指標だとか、そういうものに頼るのではなくて、1件1件の業者の方々がどういうふうに今の状況を感じて、どこに助けを求めているのか、これをきちっと掌握することが対策のまず第一ではないか、このように思うんです。そういうことで、皆さん方の実感とは政府の報告そのものがずれているというのが皆さんよく言われる中身でありますけれども、そのことも踏まえてもう一度その辺は市内の業者の方の感覚と比べて、ここの経済状況はどうなのかという観点から御答弁いただければと思います。
 ちなみに、先ほど紹介しました国民生活金融公庫の商況調査によりますと、資金繰りが苦しくなったという企業が昨年の10月〜12月期が37.2、ことしになって1〜3月期が34.2、4〜6が30.1、7〜9が30.4であります。これだけ見ると、昨年の10〜12月から下がってきているから、よくなったのかなというふうな判断をされる方もあるかもしれませんけれども、3割を超えているわけです。3割を超える企業の方々が、資金繰りが前年同期と比べて苦しくなったというふうに訴えておられるわけです。ですから、ここが実態なんだろうと思うわけです。
 それから、借り入れが困難になった企業というのも16.7、12.7、12.0、14.3、一たん下がったんでありますけれども、ここへ来てまた14.3、2.3%ほどふえております。いろんな金融機関の問題が出て、先日も国会でこの貸し渋りの問題が指摘されておりましたけれども、銀行の中小企業への貸し出し残高が大幅に減るという、こういう状況が指摘されておりましたけれども、この上越ではその銀行の貸し出し残高というところまでは私も調べてありませんけれども、業者の方々の借り入れの実感からすると、まだ15%近くの人たちが借り入れが前年度よりも困難になったというふうに言われているわけですから、この年末から来年の年度末にかけて経営を維持していく上では相当厳しい状況があるんではないかと、このように思うわけです。それで、そういった実態について市として、また市長としてどのように把握し、考えておられるのか、改めて御答弁をいただきたいと思います。
 中小企業への支援の問題でありますけれども、先ほど墨田区の例と、それから東大阪の例を紹介させていただきました。その中の墨田区の例では、これも96年の9月議会で紹介させていただきましたけれども、すみだ中小企業センターというのがあります。立派な建物がありますが、建物だけが立派なわけではありません。先ほどお話ししましたような市場開拓をやっているのはここがやっているわけであります。このセンターの中では、市場開拓を初めとして技術相談、それから経営相談、融資相談も行っています。そしてまた、それらの事業の中の一つに、下請相談というのがあります。これは、専門の職員が取引のあっせんや巡回訪問指導なども行うという、こういう内容です。本当に自分の区内にある業者の方々の営業、経営、ここに踏み込んだ相談を行政が直接行っているというのが特徴です。今ほど市長の方から御答弁ありましたけれども、いずれも商工会議所を通してとか、そこに支援をしているとかという、こういう中身であります。行政が直接手を下して支援をしているということから見ると、少し距離があるのではないかというふうに感じます。
 墨田区でなぜ下請相談だとか、先ほど紹介しました発注の要請というような仕事ができるかということでありますけれども、これは墨田区自身が区内の約8,000の企業について業者の設備、そしてその設備能力等々、企業そのものの詳細なデータを蓄積しているというところにあります。業者台帳というんだそうですけれども、そういう情報リストがコンピューターに登録されていて、こういう仕事をとってくればこの会社へ仕事をしてもらえるというようなことが、行政がそれを把握している。商工会議所だとかそういうところももちろん把握しているんでしょうけれども、そうではなくて、行政自身がそういう掌握をして、支援体制をとっているというところであります。
 その実態を把握したのは何がきっかけかといいますと、これも以前紹介したと思いますが、1977年、昭和でいいますと52年になります。今からもう相当前になりますけれども、墨田区でもやはり実態調査を行ったわけです。9,300の会社を、企業を対象にして、区の係長職165人が3カ月かけて直接聞き取り調査を行っているんであります。これがもとになって、今のこの業者リストというのができて、そしてそれをもとにしてきめ細かな対策をとっている、こういうことになっています。先ほど紹介しました東大阪の例というのは、聞くところによりますと、この墨田区の例に学んだんだというふうに言っております。日本で初めてとか、最初に何かをやったというのはもちろん大事なことでありますけれども、我々議員も先進地いろいろ視察させていただいています。先進地を視察するというのは、先進地のいいものは取り入れるというところに意味があるわけですから、上越市もこういう先進のところの進んだ経験は大いに取り入れていただきたいと思いますけれども、改めて市長の見解を伺いたいと思います。
 こうした中小企業対策を本格的に進めようということになりますと、体制と予算の問題が出てくると思います。墨田区のところを少し調べてみましたけれども、先ほど言いました中小企業センターだけで年間予算が3億3,000万、常勤職員が10人、非常勤の相談員が18人いるというふうに言っております。合わせて28名でこういう体制をとっている。そのほかに、本庁にいる人も含めると、中小企業対策に携わる職員は全体で80名ほどというふうに言っております。我が上越市は、あそこの企業課、何企業課でしたか、名前が変わるからよく覚えられないんですが、その職員全員を合わせても到底これに及ばない状況だと思います。本当に本格的に中小企業対策を行うということになると、やはりこういう規模になるのかなと。ちなみに、墨田区の人口は約22万ですから、上越市の2倍には少し足りないくらいかなと思います。
 それで、体制はそういうことですが、予算の面でもって見ますと、貸付金を除いた中小企業振興予算、墨田区では99年度で、今年度約20億円、一般会計の2%だというふうに言っております。それで、私上越市の当初予算でこの関係のところを調べてみました。貸付金全部外してみますと6,700万円にしかなりませんでした。総予算の0.13%でしかありません。この面でもこういう先進的な取り組みをしているところと比べると、大幅な拡充が必要なのではないかというふうに思いますけれども、市長のお考えを改めてお聞きしたいと思います。
 上越市の担当部門、先ほどの答弁の中でもベンチャーという言葉がたびたび出てまいりました。ベンチャー企業というのは、どういう比率で中小企業の中にあるのかなということで、上越市の状況も調べたかったんですが、これはなかなかそうはいきません。それで、全国規模で見てみますと、中小企業、零細企業も含めてですが、650万の企業があるそうですけれども、このうちベンチャー企業というふうに一般に言われているのは1万社程度、比率で0.15%だそうです。上越市に当てはめると、650社もしあったとすれば1社程度というような比率になるんだろうと思いますけれども、ここに先ほどの答弁の中でもベンチャーという言葉が盛んに使われましたけれども、私は上越市の施策が中小企業対策といいますか、こういう施策がそういうところにどうもシフトしているんではないのかなという危惧をしているわけです。そちらの方に対策が移行してしまいますと、既存の中小企業、地場産業、こういう人たちのところがややもするとおろそかになってしまうんではないか、こういう心配があるわけでありますけれども、もちろん新たに起業する、会社を起こす、こういう方々に対する対策ももちろん必要でありますけれども、しかし今ある企業や商店、こういうところがこの不況でもって、また大型店の進出などで苦しんでいるわけでありますから、ここにもっと本格的な手を差し伸べる必要があるんではないか。市のこれに関連する組織も、私はそういう点ではそういう方向に既存の企業の対策を十分やれるような体制に切りかえる必要があるのではないかというふうに思いますが、その点も含めて市長の御見解があればお示しください。
 大型店の出店の問題、今言いましたように、なかなか商店の皆さん方大変であります。もうこれ以上ということ言われましたので、ぜひその方向で進めていただきたいと思います。
 高校再編計画の問題で、答弁の中でテクノスクールだとかこういうのがあって、そんなに不自由しないみたいな内容のお話がありました。本当にそうなのかなという感じがいたします。高校教育の果たす役割、この地域の経済に果たす役割というのは非常に大きなものがあるだろうと思います。私は、そういう点では、そういった各種技術系の学校があるからいいではないかということで済ますのではなくて、これはこういう学科、高校の存続をぜひとも市長としても県の方に声を大にして働きかけていただきたいというふうに思いますが、その点でも御答弁をいただければと思います。
 以上です。

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◎市長(宮越馨君) 1点目の新病院移行に当たって、何よりも患者さんが不安のないようにということは当然でありますから、そういった視点についてもきめ細かい配意をしながら万全を期していきたいと、こう思います。
 中小企業の問題については、これはなかなか難しい問題でもあろうかと思います。確かに実感といろんなデータとの乖離というのは、それはある程度やむを得ないと思います。数字というのは、全体をまとめ上げた結果として数字出てくるわけでありますから、個々の事業者あるいは中小企業の方々が感ずるのは、その事業所ごとに、あるいは企業ごとに感ずるものでありますから、トータルと乖離するのは当然であります。ですから、マクロとミクロのこのミスマッチというのは、どんな場合でも出てくるわけでありますが、そういう中で今御指摘のような実感というのはどうかということになりますと、やや厳しいということを受けている方々が割と多いだろうというふうに受けとめております。それは、どうしてかというと、私どもがこういった事態も推移していくだろうということで、今ほど悉皆調査みたいな現場で地回りして調べろということでありますが、それに近いようなことで昨年度から私ども市独自で景況調査を始めました。これは、それに近いわけでありまして、先ほどもお答えしましたように1,473社に対して意向調査をやっておりますから、むしろこういった科学的に専門的な調査機関に依頼してやっているという客観性を持って見ておりますから、回って1軒1軒訪問して話を聞いて受ける感じと、またそこでも違いが出てくるわけでありますから、ただ皆様方の仲間の先進地のお話がありましたけど、それも私も時間もあればこれはやることはやぶさかではありませんけど、恐らく聞いたところでじゃ何ができるかということになると、これは大変な問題になるわけでありまして、結局聞いたけど、何もできなかったということで、逆に行政不信を買うというおそれもないことはないと思います。聞いて話が進むんだったら、それはその方がいいでしょう。しかし、実際はそうじゃないと思うんですね、経済というのは。ですから、そういうことでただ聞きゃいいとか、あるいはみんな地回りして、つぶさに調べるだけで終わるんだったらこれは結構な話でありますが、そんなことで事が進まないのが経済の問題であります。
 そういうことで、そもそも私どもが今国のあり方については、自由主義経済社会を標榜してやっているわけでありますから、当然そこにはリスクがあったり、いろんなその変化が出てくるわけでありますから、そのことが実は活性化につながっているということで、この自由主義というのは非常にいいということになっているわけでありますから、おかしくなったらみんな行政の責任だということになったら、これは共産主義みたいな共産国家になってしまうわけでありますから、そんなことは私どもはやれないわけでありまして、あくまでもそういう自主的に、そういう市場原理のもとで経済活動を行うという中で、いろんな景気変動が出ている中でどう対応するかということは、みずからの経営リスク、経営感覚でやっていくことがまず第一であって、その上に立って社会的に公正あるいは平等とか、あるいは弱者救済とかという、そういう観点で税金をもって行政が関与していくという、こういうことでありますから、我々は関与するのはおのずと限界があるわけでありますから、そういう中で、そういった意向を、実態を調査するという、こういった手法においても直接ヒアリングするという方法とそういった専門機関で景気動向を調べるという、こういうことが両方あっても私はいいと思っていますから、我々は今のスタッフなり、今の行政の実態からするならば、従来にもなかったことをあえてやっているわけでありますから、かなり先進しているだろうと。
 今政府の景気動向、見通しのことについて触れたことが気に食わないような感じであるようでありますが、むしろ独自で昨年度からこういう景況調査について取り組んだということについて評価をいただきたいと、こう私は思っています。そういった意味では、先進事例として我々がむしろ教えるというか、先導的な役割を果たしているという、そういう御理解をいただければありがたいと、こう思っております。
 それから、中小企業に対する支援策については、墨田区が行政が相当のスタッフあるいは予算を持ってやっているとおっしゃいますが、これはそれぞれの自治体は全部事情が違いますから、ほかの分野はどうかということをトータルで見ていかないと、正しい評価が得られないだろうと私は思っています。ただ、この1点だけ見れば、そういうことかもしれませんが、しかしそのことについても実は県の方で先ほどもお話し申し上げましたように、工業技術総合研究所で上越にセンターがあります。そこで、同種のようなことについても対応しているということを申し上げたとおりでありまして、何も何もしていないというわけではないんでありまして、役割分担、つまりそういったことについては県の技術センターでやると、そして商工会議所も前に出てやっていく、そこに連携をとってやるということもこれ一つの立派な対応の仕方でありますから、これは何も否定する必要もないし、そういったことを充実していくことについてはやぶさかではないんでありますけど、あたかもそれはいかがなものかということは言われるものではないと、こう思っております。いずれにしても、こういった経済問題については、複合的に絡んでくるわけでありますから、点的なところを取り上げて強烈にそういったことを主張されても、なかなか全体を支配するわけにいかないということであるわけであります。
 しかし、私ども全国にも珍しい取り組みとして御紹介申し上げますが、これは既に相談室を設けて取り組んでおりますシティーワークサポートセンター、これは職業安定所ですか、ハローワークの方々からも、先回その所長さんが全国会議のときに大変すばらしい取り組みを上越市がやっているということを紹介されて、誇りに思っていますという、そういうコメントをいただきました。つまり雇用対策、中小企業に対するいろんな雇用環境の整備あるいは中小企業のある面での相談も含めながら、こういうシティーサポートセンターを立ち上げたということは高い評価をいただいておりますから、まさにこういったことは先進都市にふさわしいそういう取り組みでありますから、恐らくいろんな照会が来ていると思います。そして、先般新聞等にも報道されましたが、相当の実績を上げております。ですから、これこそ今の緊急雇用の対策の具体的な手法として取り組んでいるということを、そういったことも見逃しちゃいけないと私思います。ですから、トータルで雇用とか、あるいは中小企業の経済のあり方について議論し、また対応していくということであります。ということで、予算が多ければすべていいか、少なきゃすべてだめということではないわけですね。いろんな手だてを講じながら、総合的にそのまちが活力があるような、そういう環境をどうつくるかということがまさに自治体経営の心髄であると思っていますんで、そのような視点でこれからも取り組んでいきたいと、こう思っております。
 それから、高校の再編ということで、不自由しないということを私は言ったつもりはないんです。これもやむを得ないという、そういうことを申し上げたわけでありまして、別に不自由しないということはないわけでありますから、くくってそういう表現はなされないでほしいと思いますし、私はむしろ新しい産業構造を構造変化をもたらしていかないと、日本の再生はないというぐらい言われておりますから、そういった基礎教育を学ぶ、そういう教育現場についても何も従来の枠組みにこだわらずに再編をして、活力の出るようなそういう学校再編ということは、むしろ推し進めていってもいいというふうに私は思っています。
 ですから、従来の枠組みから脱却する中で、新しい展開をむしろ講じていった方が今のニーズに合うような教育体制になっていくんではないかなと、こう私は思っていますから、決して県当局も後ろ向きにやっているとは思っておりませんが、私自身は前向きにあるだろうと、こういう期待感を寄せておりますし、またこの高校再編ということについても、私どもが関与するのは小中学校の教育現場のことについては責任を持って対応をしなきゃならん世界でありますが、この高校の領域においても、先般来進めております農業問題との絡みでの学校給食とか、いろんなチャレンジを今それなりに対応しておるつもりであります。ですから、将来の中小企業の育成、振興につながるような教育のあり方についても、これから学ぶ中で提言できるようなことがあれば、これは積極的に私どもは高校の世界は責務の範囲じゃないとはいえ、私どもの大事な子弟を教育するということにおいてはきちっと対応していかなきゃならんなと、こう思っております。