99年6月定例議会一般質問

目次

杉本敏宏議員の最初の質問
宮越馨市長の最初の答弁
杉本議員の再質問
宮越市長の再答弁
杉本議員の最後の発言

〇議長(新保清司君)

 休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続けます。
 1番、杉本敏宏議員。

       〔杉本敏宏君登壇〕

〇1番(杉本敏宏君)

 私は、ISO14001を取得した上越市での環境対策について、7点にわたって質問をさせていただきます。
 上越市は、昨年ISO14001の認証を取得しました。環境部の設置を初め、環境対策にもさまざまな形で取り組んでおられます。1997年の12月1日に公表されました環境方針を見ますと、その基本理念では、「みどりの生活快適都市の実現に向けて、人・環境・まちづくりを基本としつつ、すべての人々が持続的に快適な生活を営むために、地球環境問題の改善に取り組むことが21世紀の普遍的な最重要課題であることを認識します。」と述べてあります。また、それに続く基本方針では、「地球環境問題の解決を図るとともに、上越市の水と緑を守り、次世代に向けてこの美しいまちをはぐくみ、継承していくため、継続的な環境の保全・改善に取り組みます。」と宣言しております。このような環境方針が内外に公表され、環境問題に対する取り組みが報道されておりますので、ISOを取得した上越市は、環境問題に取り組んでいるという認識が広まっております。私は、ISOの問題については、何度か委員会の質疑などでもお話をしておりますけれども、このISO14001というのは、企業の場合で考えますと、生産に当たっての環境管理システムの構築ということが主な目的であります。そこから類推しますと、行政がこの認証を取得するということの目的も、管理システムの構築にあるというふうに考えられるわけでありますけれども、今日広く市民、また市内外に広まっていることからいたしますと、ISOの取得と、それから環境対策ということとが何か直結しているような形で話が出されることがたくさんあります。きようは、私の考え方は考え方として、一般的に広まっているそういう観点から幾つかの質問をさせていただきたいと思います。

 まず第1点は、農薬の空中散布についての考え方についてであります。農業全体を見ますと、無農薬ということが強調されております。農業における農薬の使用が環境問題の―つとして浮かび上がってきているわけであります。こうした農薬使用の問題の中でも、農薬の空中散布の問題、散布された農薬が農地以外にも広く飛び散ることから、環境を広範囲に汚染することなどの問題点が以前から指摘されておりました。農薬の空中散布による環境問題に対処するために、散布を取りやめたり、回数を減らしたり、散布の場所を限定するなどの措置がさまざまな形でとられてきております。しかし、いまだ広く行われていることも事実であります。上越市内でも散布回数を減らすなどの措置がとられてきておりますが、いまだ継続して行われております。
 そうしたことから、市民の方々の中からは、環境先進という上越市でなぜという声が寄せられております。私は、これは当然の疑問だと思うのであります。空中散布については、農家の方々の老齢化などもあって、省力化のためにやむを得ないという考え方もあると言われております。ある程度の農薬を使わなければ農業が成り立たない状況もあるというふうにも言われております。また、農薬空中散布は市が直接行っていることではなくて、農協などが行われていることだという問題もあります。しかし、先ほど読み上げましたような環境方針を公表している上越市において、いまだにこの農薬散布が行われているということが一体何を意味するのか、環境方針の立場からすれば、やめさせるべきではないかと思いますけれども、市長の考え方をお聞きしたいと思います。

 第2の質問は、除草剤の使用についての現状と対策についてであります。除草剤が先ほどの農薬と同じように、人体や環境に悪影響を及ばしているということは、以前から指摘されております。重要な環境問題の一つであります。以前公園などで除草剤の使用をされているということがこの議会でも取り上げられたことがありましたが、上越市自身が除草剤を除草のために使用しないということは、これは当然のことであります。今の時期、若葉、新緑の時期でありますが、それなのに市内を見渡してみますと、企業の敷地の中やあるいは路傍などで、市内の少なくないところで除草剤によると思われる赤茶けた枯れ草が見られます。他の市町村では、こうした除草剤の使用を不問にされることがあったとしても、ISOを取得し、環境方針を制定している上越市内での除草剤の使用は許されないのではないでしようか。市内の官公署や企業を含め、上越市内でどのような除草剤がどれくらいどのように使用されているのか、現状を把握しておられたらそれをお示しいただきたいと思います。またそして、それに対してどのような対策をとられているか、実施しておられるか、このことについてお聞かせいただきたいと思います。

 3番目の質問は、ダイオキシンの発生物質の―つである塩ビの分別収集についてであります。ダイオキシンによる環境汚染が人体に多大な影響を及ぼすことは、べトナム戦争でのアメリカによる枯れ葉剤の例を見るまでもありません。最近はまた、マスコミでも報道されておりますが、ダイオキシンに汚染された肉の輸入の問題で大きな問題になっております。今日ごみ焼却による日本のダイオキシンの発生汚染、これは世界でも最悪の状態になっていると言われております。大気、母乳のダイオキシンによる汚染は、世界最高だと。例えば日本でのダイオキシンの発生量は、年間5.2キログラムというふうに言われております。ちなみにオランダでは2.8グラム、けたが3けた違います。ドイツは4グラム、全国規模での話だそうです。こういうふうに言われております。いかに日本が多いかということでありますが、こうしたことから、ごみ焼却場周辺では煙や灰、悪臭などの被害が発生し、がんの発生率や新生児死亡率が高いというデー夕も報告されております。最近では、生殖ホルモン撹乱物質としての害も指摘されているわけであります。
 御承知のように、ダイオキシン類は有機塩素を含むプラスチック類の燃焼によって発生すると言われております。それでダイオキシン対策のためには、ごみの総量を減らすと同時に、ダイオキシン発生の元凶と言われる塩化ビニール類など、有機塩素を含む物質、またもう一つダイオキシン発生に大きな影響を持つベンゼン環を持っている発泡スチロールなど、こういうプラスチック類を燃やさないようにしなければなりません。既に、上越市でもごみの分別収集が行われております。発生源でダイオキシンを発生させないようにするためには、有機塩素含有物を燃焼室に混入しないようにしなければなりません。そのためにはごみの収集から処理までのすべての工程で、塩ビ製品など有機塩素含有物を分別する必要があるのではないでしようか。環境先進都市を目指す上越市として、ダイオキシンの発生物質の一つである塩ビの分別収集について、どのように考えておられるか、市長の考えをお示しください。

 第4の質問は、小規模廃棄物処理施設、焼却施設の現状と今後の対策についてであります。上越市内を回ってみますと、小規模の焼却施設がまだまだ稼働している状況があります。民間企業にも見受けられますし、廃棄物処理業者の施設もあります.先ほど言いました日本のダイオキシンの年間発生量5.2キログラムには、産業廃棄物の処理による発生量は含まれていないというふうにも言われておりますが、このような施設から発生している有害物質は、ほとんど調査把握されていないのが現状だとも言われております。それで、市内のこのような焼却施設を見ておりますと、煙の色やにおいなどから見て、さきに述べた有機塩素含有物を分別せずに焼却していると思われる例も見受けられます。また、私たちの飲み水を供給している城山浄水場のごく近くにも焼却施設を備えた民間の処理施設がありますし、住宅地の中やまた住宅地の近くで黒煙を上げている煙突も見受けられます。環境問題を重視している上越市として、このような小規模焼却施設の現状をどのように把握しておられるのでしようか。そして、どのように対処しておられるのでしようか、対策をお示しいただきたいと思います。

 5番目は、大型廃棄物を含む違法投棄対策についてであります。先日、春日山での電気製品など大型廃棄物の回収が行われたことが報道されました。この地区は、上越市の重要な観光施設であります。大型廃棄物を含む違法投棄は、春日山だけに限ったものではありません。先日地すべりが発生した県道横畑高田線の沿線には、正規の処理場も存在しますが、不法投棄もたくさん見られ、全体として西部丘陵地帯の各所にこういう不法投棄が散在している状況だと思います。先ほども答弁の中でありましたけれども、既にパトロール員を配置するなどして、こうした対策をとられているとは思いますけれども、問題の重要性から見て、これまでの対策で十分なのかどうか、さらに強化する必要があるのではないか、この点についてのお考えをお示しいただきたいと思います。

 六つ目の問題は、ISOの観点から見た林道開削についてであります。今ほども述べました上越市の西部丘陵地帯、ここには広大な森林が広がっております.この地域は、自然環境が豊かなだけではなく、上杉謙信公の時代の出城やとりでの跡など、文化的遺産も豊富に残されている地域であります。この西部丘陵地帯にその間を縫うように林道が開削されておりますし、現在も工事が進められている林道やこれから着手する計画もあると聞いております。これらの林道は、林業振興や森林の保守管理のために必要ということで計画され、建設されてきたと思います.そこには環境保護や環境保全という考えは今までは入る余地はなかったのではないかと思います。そして、そのことが環境保護団体などとの間で摩擦を生じる主要な原因にもなっていたと思います。
 実際全国的に見ますと、自然保護に携わっている人たちの中から、こうした林道開削に疑問の声が上がっているのであります。上越市は、ISO14001の認証を取得し、環境方針を公表しております。環境方針の基本方針、先ほども読み上げましたが、「地球環境問題の解決を図るとともに、上越市の水と緑を守り、次世代に向けてこの美しいまちをはぐくみ、継承していくために継続的な環境の保全・改善に取り組みます。」と述べております。こうした観点でこの林道問題にも取り組む基盤ができたというふうに言うことができます。そこで、こうした環境保護の観点から見たときに、現状の林道建設に問題はないだろうかということであります。市長の見解を伺いたいのであります。

 最後の質問は、南葉山の山頂に展望台をつくることについての考え方であります。今月6日に南葉山の山開きが行われ、その際に山頂に展望台をつくるための石を運び上げたということが報道されました。その報道内容から見ますと、これは民間の人たちが勝手にやったということではなく、どうも行政主導でやられたもののように思われます。上越市は、何度も申しますが、ISO14001の認証を取得し、環境方針を公表しております。この環境方針で言っていることと、山頂に展望台を建設することとどう整合するのでしようか。今登山者、登山者というのは自然をそのあるがままの形で楽しみ、親しみたいと願い、その自然を後世に引き継ぎたいと願っている人が多いのでありますけれども、私もそういうふうに思っておりますが、この登山者の間でいろんな環境問題が議論されております。山の中の空き缶や空き袋などのごみを拾い集め、下界にこれをおろすという清掃登山、1970年代の初めごろから始まりまして、継続して現在でも行われております。私も70年代の初めから十数年にわたって妙高山の清掃登山などに携わってまいりましたけれども、こうした中から環境の問題、自然保護の問題が他の分野にも広がっていって、現在の環境問題の基礎を築いた活動の一つでもありました。こうした清掃登山のような問題やあるいは現在も身近な環境問題に対する問題として、酸性雨による森林破壊の問題、あるいは極端な例といいますか、議論でありますけれども、私自身はこれからお話しする議論には賛同できない面もあるわけですけれども、どういうのかといいますと、自然を守るためには登山者の入山を禁止し、または制限するべきだという、こういう議論すらあります。また、最近のホットな議論としては、登山中の人間の排せつ物の処理の問題があります。その実践として、山小屋のし尿を担ぎおろすとか、自分で出したものは自分で―人―人が持ち帰るとか、ちり紙だとか、そういう問題ではないです。こういうことが実際に行われておりますし、マスコミでも報道されていることですから、御承知かと思います。
 登山者というのは、元来保守的でありまして、自然を守るという点では極端に保守的とも言えるわけでありますけれども、そういう中でさえこの環境保全の認識がここまで進んできているのであります。先進的に環境行政を推進する上越市で、南葉山の山頂に人工の建造物である展望台をつくろうということ、私の考えからしますと、大変理解に苦しむ話であります。新聞報道を見ますと、持ち上げた石に失礼ですが、宮越馨などと大書されている石がのっかっておりました。こういうものを見ますと、まことに失礼ではありますけれども、あの吉野川の十番堰を何が何でもつくろうとしたり、また藤前干潟を埋め立てようとしたりしている人たちと余り変わらないのではないかなというふうにも思いますが、杞憂であれば幸いです。今までは、観光開発だとか、林業振興だとか、こういうことで堂々と自然を破壊する施策が行われてきたと言えます。しかし、我が上越市は世界に先駆けてISO14001の認証を取得したまちであります。今まで当たり前と思い、普通にやっていたことでも、環境保護の観点から、また先ほども述べました環境方針を実行、実践するという立場から見ますと、それはやってはならないことであったり、再検討する必要があるのではないでしようか。言っていることとやることが違うということがないようにお願いすると同時に、南葉山の山頂に展望台をつくることについての考え方、とりわけ環境方針との整合性についてお示しいただきたいと思います。
 以上です。

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〇議長(新保清司君)

 宮越馨市長。

          〔市  長  登  壇〕

〇市長(宮越 馨君)

 お答え申し上げます。
 ISO14OO1を取得した上越市での環境対策についてお答え申し上げますが、当市は昨年2月に国際的な環境マネジメントシステムであるISO14001の認証を取得し、継続的な環境の保全、改善に努めており、去る2月に行われた1年目の定期サーベイランスにおいても、総合評価で向上しているという判定を受けたところであります。このISO14001の認証取得は、上越市役所がみずからの事業活動に伴う環境負荷を低減するものでありますが、環境問題の解決のためには、市民、事業者の協力が不可欠であることから、昨年を環境行動元年と位置づけて、さまざまな環境施策を展開し、さらに今年度も市民啓発等を全市的に推進しているところであります。

 最初に、農薬の空中散布の考え方についてでありますが、当市の農業の約9割は、コシヒカリを中心とした良質米生産が主体であり、高齢化、兼業化など、農村労働構造の変化や低コスト農業の実現に向けて、空中散布は大きな役割を担ってまいりました。現在当市においては、市街地の人口密集地や学校、病院等一部地域を除き、また通勤通学時間帯での作業中断の徹底を図る等、安全に配慮しながら、年2回空中散布を行うとともに、発生予察に基づく病害虫に見合った必要最小限の農薬による防除を実施しております。しかしながら、近年の米余りや健康安全志向に伴って、消費者ニーズは従来のおいしさと品質のよさに加え、農薬、化学肥料等を極力減らし、より安全な農産物を求めております。その一環として、既に出穂期までのいもち病と害虫の同時防除が可能な箱施用剤の実用化試験も行いながら、年1回の空中散布を目指して鋭意努力しているところであります。
 いずれにいたしましても、現段階では空中散布を取りやめることは経済的、労力的な面からも難しい状況にありますので、今後さらに環境保全型農業の一層の推進を図るためにも、空中散布の実施については必要最小限とするよう関係機関一丸となって取り組んでいきたいと考えております。

 次に、除草剤の使用についての現状と対策についてでありますが、ISO14001の認証取得を機に、公園や道路等の市が管理する公共施設では、昨年度から除草剤の使用はいたしておりません。また、建設省が管理する国道や河川敷についても、人力、また機械による除草が行われているところでありますが、新潟県におきましても、ことしから県道管理には原則として除草剤を使用しないという方針が出され、上越土木事務所では除草のための機械を今月中に購入すると伺っております。このことにより、公共の道路関係については、除草剤の使用はすべて廃止されることとなりました。一方、事業所等の民有地では、コストや労力の問題から、除草剤の使用が見受けられますが、除草剤が幅広く販売されている今日、この規制については、現時点では難しいものと考えております。これまでも行き過ぎた除草剤の使用については、自粛を求める等の協力要請も行っておりますが、今後とも節度ある使用を関係者に求めてまいる所存であります。

 次に、塩ビの分別収集についてでありますが、当市では石油化学製品について従前から不燃ごみとして分別収集を行っております。しかし、特にプラスチック類については、可燃ごみに混入される可能性が極めて高いことから、昨年7月から黒いごみ袋を透明または半透明のごみ袋に切りかえていただき、より一層の分別の徹底を図るとともに、10月からは不燃ごみの収集を月2回から毎週1回にふやし、さらに分別が徹底されるよう見直しを行ったところであります。これらの変更に際しては、広報紙や町内会への文書の配布などを通じて、市民への周知に十分意を用いてまいりました。また、農業用塩ビにつきましては、産業廃棄物としての適正な処理を図るため、今年度農業用廃棄物処理推進事業において、積極的に取り組んできたところでありますが、このたび上越市、三和村、清里村、牧村、JA上越、農業用使用済みのプラスチック適正処理推進協議会において、JA上越が有料で回収するシステムが整ったところであります。なお、来年度からは容器包装リサイクル法が完全実施されますので、現在策定を進めているごみ処理総合システムの中で、よりよい分別収集体制の検討を行ってまいりたいと考えております。

 次に、小規模廃棄物処理施設の現状と今後の対策でありますが、廃棄物焼却炉につきましては、平成9年の廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正により、産業廃棄物である廃プラスチック類については、1日当たり100キログラム以上、その他の廃棄物については1時間当たり20Oキログラム以上の焼却能力のものが規制の対象となり、これらの施設については、燃焼方法や設備の構造及び排ガス中のダイオキシン濃度の基準も定められたところであります。しかし、この焼却能力未満の小型焼却炉につきましては、これらの規制は適用されないことから、中小事業者等に対してプラスチック類は分別し、焼却しないこと等を上越商工会議所や上越市建設業協会、新潟県管工事協会など、関係団体を通じて周知するとともに、パトロールなどにより適正な処理を関係者に求めているところであります。なお、新潟県では昨年11月に新潟県ダイオキシン類対策指針を策定し、その中で産業廃棄物処理業を目的とした小型焼却炉の設置に際しては、法規制対象施設に準じたダイオキシン類の排出抑制対策を行うよう指導するとともに、事業者、県民に対し、ごみの分別、リサイクル及び減量化を徹底すること等により、小型焼却炉による焼却を極力抑制するよう努めることを求めており、今後とも県とも連携を図りながら、ダイオキシン対策に努めていきたいと考えています。

 次に、大型廃棄物を含む違法投棄対策についてでありますが、山間地域などへの不法投棄は、全国的な問題であり、当市においても山麓線以西の西部中山間地域での不法投棄が後を絶たず、中には自動車や冷蔵庫など、良識ある市民の感覚では考えられないようなものまでが不法投棄されております。このためさきの早津議員の質問にもお答えいたしましたが、従来より行っておりました職員によるパトロールに加え、昨年度環境パトロール員制度を創設し、環境問題に対する市民意識の啓発を図るとともに、関係機関との連携による不法投棄の防止活動の強化にも努めてきたところであります。また、市民モラルや市民意識のさらなる向上を図るため、今年度中に制定を予定しております市民ごみ憲章の御審議をいただく過程で議論を深め、不法投棄そのものが完全になくなるような施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 ちょっと前向きな考えを申し上げたいと思いますが、この不法投棄問題については、さいの河原みたいなところがあって、なかなか実効性が上がっていかないということで、今までもボランティア活動とか、今申し上げたような職員あるいはまた環境パトロール員等を駆使して、地域住民の協力をいただきながらやってはいますが、なかなか難しいという問題もありましたもんで、今回緊急雇用対策として、雇用問題について本格的な議論を今中央で行われております。私どもは先取りする中で、特採職員という制度を運用しておりまして、これもなかなか先見性があるということで、高い評価をいただいておりますが、この際こういった不法投棄を一掃するためのスタッフを一定期間中雇用するということも一つのアイデアかなと、こう思って、今担当の方に指示をしておりまして、雇用対策の一環とした中で、こういった環境問題も一体的に取り組んで、撤去については予算を盛って民間業者に委託するという手もありますが、これも委託費がかかりますから、ですからそれならば直接雇用して特採職員、つまり一定期間雇用するという制度を生かしながら、こういう問題についても対応するというのがよろしいんではないかなと、こう思って研究を今始めました。そのことを申し上げておきます。

 次に、ISOの観点から見た林道開削についてでありますが、林道の開削に当たっては、県の認定した上越地域森林計画に基づいて、計画的に整備を推進してきたところであります。近年地球温暖化防止の観点から、二酸化炭素の吸収源や炭素の貯蔵庫である森林を造成、整備するとともに、木材の有効利用等を促進することが求められております。森林は、間伐、保育作業などが適切に行われて初めて治山、治水、二酸化炭素の吸収などの機能が発揮されますので、そのための基盤である林道の整備が不可欠であります。一方、仕事や時間に追われ、心のゆとりを失いつつある現代社会の中で、豊かな森林との触れ合いやゆとりを求めて森林を訪れる人々が年々ふえてきております。私も先日行われた南葉山の山開きに行く多くの市民の皆さんと参加し、南葉山のすばらしいブナ林の中で新緑を満喫してまいったのであります。当市でも、ことしから取り組んでおりますフォレストアメニティーの市民の森や林道の整備に当たっては、周囲の景観と調和したのり面の緑化や間伐材を利用した構造物を設置するなど、自然との調和に配慮したきめ細かな保護工法等を取り入れて林道整備を進めてまいりたいと、こう思っております。

 最後に、南葉山の山頂に展望台をつくることについてでありますが、南葉山は久比岐県立自然公園の特別地域にも指定されており、市街地から車で約30分で登山口まで行ける近距離で、標高949メートルの市内でも高い山で、象徴とする山であるわけであります。緑と景勝に恵まれたすばらしい山であるわけでありまして、これまで県観光施設整備事業や市の単独事業として、開発整備を行ってまいりました。お尋ねの山頂展望台につきましては、昨年6月の議会で近藤議員の一般質問にもお答えいたしましたが、頂上付近における樹林や地形の関係から、登山者が満足できる眺望が期待できないため、高台を設置することが適当と考え、自然環境に配慮し、どんな形でどのような方法でつくるかを検討してきたところであります。このような中、ことしの山開きが行われた今月6日、私も昨年に続き大勢の市民の皆さんとともに、南葉山登山に参加いたしました。その際、山頂に手づくりの展望台を提案し、山開き登山を主催された高田ハイキングクラブや参加された皆さんに礎石運びの協力をお願いいたしました。頚城平野全域から佐渡、北アルプスを見渡すには、七、八メートルの高さが必要であり、試算したところ5〜10キログラムの石で4万6,0OO個の数となるため、ある程度の年数はかかりますが、登山参加者による手づくりの展望台を完成させたいと、こう考えております。
 杉本議員の自然を大切にするという観点から、山は自然のままが一番であるという考えはもちろん否定するわけではありません。本計画は、山頂に構築物を建設するのとは違って、自然環境の破壊にはならないと考えております。山開き、登山を主催されている高田ハイキングクラブの皆さんや当日の参加者からも、展望台の設置を強く望まれておりました。また、当日110人を超える方が登られましたが、半数の方は重い思いをして担ぎ上げていただきましたもんで、そこにそれぞれみんな名前を書いて記念にしていこうと、こういうことを粋な計らいをしたつもりでありますが、批判されることはないだろうという範囲かなと、こう思っております。
 また、自然石を積んで、土をどうするかという話でありますが、これは周辺のところから集めて石で固めるということの中でつくっていくことになるんではないかなと、こう思いますが、今自然そのものがいいということで、私も否定いたしませんが、南葉山の山頂へ行かれておわかりのとおり、既に樹木が一応広場として伐採されております。ですから、その程度は許されるんではないかということで、恐らくどの山へ行っても、ケルンが積まれたり、展望のために多少樹木が伐採されております。常識の範囲内ではないかなと、こう私は思っています。環境方針ときちっとどう整合をとるかと言われるわけでありますが、理念的に自然を破壊しないという観点の中で、このようなことも余りぎくしゃくでなく、楽しみながら、そして頂上に着いたら展望がきくというのが山のだいご味でもありますから、こういったことを実現するということについては、許される範囲ではないかと、こう私は思っております。
 以上です。

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〇議長(新保清司君)

 1番、杉本議員。

          〔杉 本 敏 宏 君 登 壇〕

〇1番(杉本敏宏君)

 一番最後の問題から再質問いたします。
 環境に対する考え方というのは、時代とともに変わるんだと思うんです。例えば登山の問題でもって言いますと、岩登りという分野があります。岩の狭い割れ目にハーケンという鉄の板を打ち込んで、それにカラビナというのをかけて、支点にして使って登るという岩登りというのがあります。私などが20代から3O代にかけてのころは、そのハーケンというのは打ったらそのまま置いてくるというのがいわば常識でした。今はどうかというと、1人で登る場合には、そういうものは使わない。2人、3人で登る場合には、トップが打った場合には、ラストがそれを抜いてくる。これが常識になりつつあります。これが山の今の環境に対する考え方の典型の一つだと思うんです。南葉山の頂上に下から持ち上げた石で、自然石でつくるんだから自然環境の破壊にはならないだろうと、今までの考え方であればそれで、うんそうかなということになったかもしれません。しかし、何度も言っておりますように、上越市は状況が違うわけです。ISO14001認証を取得して、環境方針を公表している、そういうことをやっているところで、そしてまた環境問題では先進的なというふうなことも何度も言われているわけであります。先進的というのは、例えば登山の分野であれば、登山の分野で今一番ホットな議論がされているところよりもさらに進んでいなければ先進的と言えないわけですが、そこでは今お話ししましたように、わずか10センチ足らずの鉄の板を残すか残さないかということが環境の問題として議論されている。私は、そういう観点からすれば、南葉山の山頂に4万6,000個と言われましたか、そういう大量の岩石を持ち上げて構築物をつくるというのは、今の時代には合わないのではないか。以前ならば許されたかもしれない。しかし、これからは違う。今はもうそういう時代ではないということを強調したいのであります。

 それで、何度も言っておりますように、環境方針との整合性はどうなのかと、環境方針を公表していない、つくっていないんならばいいんです。いいと言ったらおかしいですが、そういう観点を含めて考える必要はないかもしれません。しかし、公表してこれを実践するんですというふうに言っているわけですから、すべての施策、そこに環境問題が生かされなければならないんだろうと思うんです。午前中の議論、答弁の中でもたしかあったと思うんです。環境対策がすべての施策に優先するというような答弁がたしかあったと思います。この問題でも、この南葉山の山頂の石積みの問題でも、この環境対策がやはりすべてに優先すべきことではないだろうか。私は、そういうふうに思います。登山論議をしても何ですが、山の楽しみ方、いろいろあると思います。見えないから見えるようにしようというのも一つのやり方かもしれません。しかし、今のこの環境問題等々から考えれば、見えないんならば見えるところへ行って見ればいいんであろうし、積雪期には非常に展望がよく見えます。私は毎年4月の末から5月の初めにまだ残雪が数メーターあるときにあの南葉山の山頂へ行って、妙高や火打、焼山等々の展望を楽しんでまいりますけれども、何も邪魔するものはありません。どうしてもあの頂上でそういう展望を楽しみたいんであれば、楽しめる時期に行くのが自然環境とマッチしたやり方ではないのかなというふうにも思います。

 いろんな議論があるかと思います。それはおまえさん方の勝手な考え方で、見たい人にはみんな見せるようにするのが行政の仕事の一つだというふうなことがあるかもしれません。しかし、そんなことをしてまでも見たくないという人たちの見る自由といいますか、そういったものはないがしろにされるわけですから、そういった全体の中で、とりわけ私が強調したいのは、この環境方針、そしてISO14001の認証取得、こういったことをやっている上越市でふさわしいのかどうかという議論をもう一度初めからやり直す必要があるのではないか、そのことをお願いしたいと思いますし、ぜひそういった再検討をしていただきたいと思います。市長のお考えをもう一度お聞きしたいと思います。

 林道の問題も似たようなところがありまして、そのほかの問題でも共通するわけですが、最初にも言いました、この環境方針を策定して、そしてこれを公表した上越市という、この重み。そういう重みからすれば、今までは当たり前であったり、それで許されていたことであっても、これからはそうはいかないという問題がたくさんある。これからも出てくるだろうと思います。今回私が提起したのは、そういった中で今までのところ目についたものについてお話をさせていただいたわけでありますけれども、今後生ずるさまざまな行政施策について、市長も答弁で言われたように、環境対策ということを最優先で入れるという、こういう姿勢、こういうやり方、考え方、これをそれこそ徹底してやっていただきたいと思うわけですけれども、その点での市長のお考えがあれば御答弁いただきたいと思います。
 以上です。

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〇議長(新保清司君)

 宮越市長。

          〔市  長  登  壇〕

〇市長(宮越 馨君)

 南葉山のことになりますが、あそこを行かれた方は大体わかると思いますけれども、山頂の面積はこの議場の広さぐらいですか、どうですか、杉本議員さんよく知っていますね、伐採されたところ。三角点があって頂上と。こう見ると何も見えないんです。晴れていると妙高が見えたかなという感じで、この前行ったときはそっちの方曇っていましたもんで見えなかったんでありますが、肝心のというか、日本海とか、米山とか、頚城平野、これが全く見えないということで、最初に行った人は、やれやれ山頂だということでさて見ようかと思ったら何にも見えないという失望感から恐らくそういう声が非常に高まっていたんではないかなと、こう私は去年感じました。近藤議員も登られましたが、いろんな方々から聞く中で、昔から展望台をつくろうという声が実はあったと。ところが、いいアイデアがないということで、それが宙に浮いたという形になっていたもんで、これはだれかが決断する話になるのかもしれませんが、いろいろと考えましたら、今御心配の、要するにとにかく自然環境破壊ということは絶対これはあってはならないんでありますから、杉本議員も山登りよくやっているということは私前から知っておりますが、私も実は山登りでは負けないとは言いませんけど、ハーケン使ってまでやるところではないんであって、アイゼンぐらいは使って冬の山を登ったことがあったり、アルプスの連峰を縦走したりしていますから、素人ではないわけであります。山の汚れとか、そういう自然態様については、人一倍よく私は踏まえているつもりであります。
 ですから、こういった山へ登って天空を見て非常に眺望を眺めるということは、これは無上の喜びとして登山者が感ずるところでありますから、そこはごく人の気持ちの自然なあらわれではないかと思います。だから、そことそういったものをケルン的につくって、台をつくると。この台をつくることについては、まだきちっとした議論していませんから、どの程度の規模にするかということは、これは頂上の空間の広がりとのバランスとか、あるいは台には何人ぐらい上れるスペースをつくればいいかという議論は全くしていないわけでありまして、とりあえずはこういった機会で礎石となる石を運ぼうじゃないかということで、子供さんたちもいましたから、そのうち半分ですから、大体健脚の方中心に私も持っていった荷物以上に重い石を、結構あれ重かったですね、今回くたびれましたよ。だから、あれまた持っておりろというと、何となく釈然としない気持ちが正直あります。そして、自然石を持っていっていますから、もしそういうことをしないと、人工的に何か持っていって、コンクリートでばあっとつくってやっちゃうと、これはいけないと私思っていましたから、自然にあるものをもってやろうということで、今ハーケンのことをおっしゃいましたけど、ハーケンは鉄製です。鋼材みたいなもんですから、これはある意味では自然に優しくないかもしれませんね。こっちは、玉石ですから、ちょっと名前書いたのはけしからんかどうかしれませんが、その程度ならかわいい話じゃないかという話でお許しいただけると思いますが、お寺ヘ行くと、かわら等ふくときはみんな名前書いていると、あれと似たような話だと思います。そういうことで登山者、愛好家の方々が御判断されて、多数の方はその程度だったらいいじゃないかということで決めてもいい話かなと、こう私は思っています。ですから、環境方針をもちろん公表しておりまして、そのこととの整合性ということになりますと、やっぱり環境に配慮した、自然破壊しないという、そういうことに配慮しておればまあまあ許せるんではないかなと、こう私は思っております。

 それから、もちろん林道の話もそうであります。自然にさわるときは、必ずさわる気持ちは環境基本方針に沿った形でやるということでありますが、昨年地球環境都市宣言をさせていただきましたが、あれもすべて今啓発の一環としてやることが一番大きいんでありまして、宣言したからといって、すぐ翌日からすばらしい環境都市だという、こんなことがあるはずがないんでありまして、やっばりそこから実効性を上げていって、そこが先導的役割を行える位置をキープしながらやっていくということであるわけでありますから、何か宣言したからすぐに手のひらかえるようにころっといろいろなことが変わるということは、これはないんでありまして、やっばりそういうことをしなければ相変わらず環境後進都市というふうになってしまっているわけでありますから、そういういろんな仕掛けをするということで環境先進都市を標榜するにふさわしいまちづくりに取り組めて、また実効性が上がっていくんではないかなと、こう私は思っています。
 ですから、私がよく言いますように、環境問題というのは、地球環境の問題は、まず理念づくりから始まって、仕掛けづくりから始まって、いろんな参加をする中で実効性が高まっていくという非常に息の長い、しかもそれも習慣化して、継続している、そういうライフス夕イルまで変わってしまうわけでありますから、これは苦痛感を伴わないような方法で持続的にずっといくということが何よりのコツではないかということを折あるたびに申し上げているわけでありまして、どうか環境方針の理念をしっかりと身につけて対応していることを申し上げて、今後ともまた皆様方の御協力をいただきたいと、こう思うところであります。
 以上です。

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〇議長(新保清司君)

 1番、杉本議員。

          〔杉 本 敏 宏 君 登 壇〕

〇1番(杉本敏宏君)

 時間がないので一言だけ言わさせていただきますが、石に名前を書いたのは大した問題じゃないような言われ方をされましたけれども、そういう認識だからこそ困るんだというふうに言いたいと思います。
 以上です。

〇議長(新保清司君)

 以上で本日の一般質問を終了いたします。
 本日はこれにて散会いたします。

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