平成10年  6月 定例会(第2回) − 06月16日−02号

P.86 
◆1番(杉本敏宏君) 私は、さきに通告してあります2点について一般質問をさせていただきます。
 日本経済が危機に向かい始めたのは昨年4月、政府が消費税を3%から5%に引き上げると決定してからだというふうに報道したのは、4月3日付のイギリスの新聞ガーディアンでありました。こうした見解は、今や国内の各種世論調査にもあらわれているように、多くの国民の実感としているところでもあります。
 しかし宮越市長は、今議会の提案理由の要旨の冒頭で、我が国経済はアジア地域の通貨、金融市場の混乱、昨年来の金融機関の経営破綻、そして雇用の先行き不安等を背景に、家計や企業の景況感の厳しさが個人消費や設備投資等に影響を及ぼし、景気は極めて深刻な状況になっておりますと、国民感情と離れた、全く別の方向に原因を求められているようであります。
 これまでの私の一般質問でも、たびたび引用させていただいてまいりましたけれども、国民金融公庫の発表しております上越市内の商況調査、これを見ましても、景気低迷、売り上げ不振の原因として消費税増税が指摘されておりますけれども、こうした世間一般の見方と比較して、宮越市長の見解は少しずれているのではないかというふうに思います。
 それで、消費税5%への増税が今日の不況の主要な原因だということは多くの方々の一致した見方になっているわけでありますけれども、市長はどのような御見解をお持ちか、まず最初にお示しいただきたいと思うわけであります。
 「国民の消費と中小企業の経営が日本経済の二つの柱だ」というのは政府の公式見解であります。この二つが消費税増税、医療保険の改悪、所得税減税廃止による9兆円の負担増によって全く疲弊し、冷え切っているのが現状であります。これは、国全体がそうなっていると同時に、この上越市においてもこの影響が大きくあらわれているということが言えます。
 こうしたことから、政府税調専門委員の神野直彦東大教授さえ、「景気刺激効果を期待するのであれば消費税をダウンするしかない」と述べておりますし、4月24日付の東京新聞は、「消費拡大には消費にかけた税を下げるのが筋であることは素人でもわかる」とさえ言っております。「週刊エコノミスト」6月2日号で、大阪大学の八田辰尾教授は、「今すぐ消費税率を下げることが景気回復と財政再建を両立させる道だ」と書いておりますし、「実業の日本」という月刊誌6月号では、第一勧業総合研究所の専務理事が、「景気を本当に考えるならば消費税率引き下げによる減税を断行すべきだ」と述べております。
 所得税減税などですと所得税を納税している人にしか恩恵がなく、また先行きの不安から預金に回る可能性が大きいのですが、消費税減税は毎日の買い物のたびに減税になり、すべての国民に恩恵があり、消費の拡大に直接つながるからであります。
 私は議員になりまして今回が9回目の定例議会でありますけれども、毎回一般質問をさせていただいてまいりました。そのうち3回消費税について市長の姿勢をただしてまいりましたが、市長の答弁で一貫しているのは、消費税を是とする立場から、国の財源問題にもかかわることでありますので軽々に論じるべきものではない、このように言っておられるわけであります。時事通信社が行いました5月の調査、6割もの国民が、消費税は少なくとも3%に戻してほしいと望んでいるというふうに言っておりますが、こうした今日、改めて消費税に対する市長のお考えを承りたいと思います。
 また、政府に対して消費税を3%に戻すように要求すべきではないかと思うのですが、市長の見解をお示しいただきたいと思います。
 政府が3月に決めた30兆円の銀行支援、これについてアメリカ政府はどういうふうに言ったかといいますと、「資本主義に逆行する自民党の失政だ」というふうに批判したそうであります。これは3月15日付の日本経済新聞に載っているわけであります。政府の経済政策、景気対策は風が吹けば桶屋がもうかる式で、大企業や大銀行、大手ゼネコンを優遇すれば下請、孫請と仕事が回っていくはずだ、そうすれば景気は回復するだろうというような考えに立っているように見えます。
 我が党は、こうした、だろう、だろう、はずだ、はずだ、そういう政治ではなく、今最も困難に直面している中小零細企業の方々の懐を直接温める政策が必要だと考えております。自民党政治の経済対策、景気対策に倣って、多くの地方自治体でも、その地域の中で大手と言われる企業に仕事を出せば、それが下請、孫請と順次仕事が回っていくはずだという、そういう政策がとられておりますが、先日の樋口議員の総括質疑に対する市長の答弁を聞いておりますと、上越市の景気対策もまたそのような方策であるように聞き取れるのであります。景気対策は、地元の中小零細企業の懐を直接温めるように、すなわち中小零細企業への直接発注する機会をふやすべきであるというふうに考えますが、市長のお考えはどうでしょうか。
 今多くの事業者の方々から仕事がないという声が寄せられております。特に中小の方々の声は深刻であります。ここに本当に仕事を回す必要があるのではないでしょうか。私は3月議会で、公共工事の発注に関する問題を取り上げましたが、それは工事をいかに中小あるいは零細の業者に発注するかという観点からのものでありました。市長は私の質問に、共同企業体の一員として参加しているB、Cランクの業者が2ランクも3ランクも上の特AもしくはAランク対象工事に携わっていると述べておりましたけれども、こういう共同企業体というような形ではなく、直接下位ランクの業者に発注するということについては慎重に避けておられたと思います。
 先日の樋口議員の総括質疑への答弁では、仕事の内容によってできないものにさせるわけにはいかないんですよというような、さらに後退した印象を受ける発言もされておられます。市内の中小零細企業に仕事を発注する上で、特に公共工事を発注する場合に、それらの事業が工事等級に対応する格付業者に適正に発注されているかどうか、すなわち例えばCランクの事業がA、B、C、D各ランクの業者にどのように配分されているのか、こういうことについてすべてのランクについてお示しをいただきたいと思うのであります。
 さて、二つ目の質問でありますが、去る5月29日付の毎日新聞、「陸上自衛隊幹部学校直江津港視察を中止、後方支援の指摘直後」というふうに報じております。これが、その新聞の切り抜きでありますけれども、この新聞記事の中では、このように述べております。ガイドライン関連法案は、これは4月でありますが、先月28日に閣議決定され、今国会に提出されている。日本周辺で武力紛争などが起きた場合、日本は自衛隊だけでなく、自治体や民間が米軍に対して後方支援を行う。自治体は港湾や病院などの施設提供を国から要請されれば原則として協力する義務があるとされ、朝鮮半島で紛争が起これば、新潟など日本海側の都市は最前線となる懸念があるというふうに、この記事では述べております。
 その後、先日6月11日に、同じ毎日新聞でありますけれども、新たな記事が載りました。「自治体の米軍協力義務、港湾、空港に限定」という見出しであります。この中で、自治体に対して港湾を利用させてほしいというようなことで国から協力の要請があった場合には、これを断ることができないというようなことが言われているわけであります。今、国会にかけられております周辺事態法や、あるいはそれに関連する諸法規の案文の中には、国が地方自治体に対して協力を求めることができるというような表現になっておりますけれども、私どもの考え方では、この協力を求めることができるという規定を持つほかの法律との関連から見て、強制義務はないというふうに我が党は考えておりますけれども、これに反して政府の方の国会での答弁は、条文はそういうふうになっているけれども、これは強制義務があるんだというような答弁になっております。これは、非常に危険なことではないかなというふうに思うわけでありますけれども、それでお聞きしたいわけでありますけれども、今このように国会で審議されております周辺事態法を初めとした諸法規、これが国内での新ガイドラインの発動であるわけでありますが、これに対する市長の認識はいかがなものであるかという点であります。
 それから、今ほどお話ししましたように、陸上自衛隊の幹部学校ということではありますが、ここの人たちが学校としての視察は中止いたしましたけれども、この記事の中にも出てまいりますが、幹部学校の教務課長が港湾事務所を訪れて、港の概要などをまとめた資料を受け取った後、港内の写真を撮影して帰っていったというふうにまで報道されております。まさにこの記事で述べられているように、今審議されているガイドラインの周辺事態法の先取り的というふうに見ることができると思うわけでありますけれども、その点に関して宮越市長はこういった動きに、私はかなり危険な兆候ではないかなというふうに思うわけでありますが、どのようにお考えになっているのか、お答えをいただきたいと思います。

P.89 
◎市長(宮越馨君) まず、第1点目の景気対策に関連することでありますが、まず私に答えを求める前提として、市長の見解はということで承っておりますから、市長と、いわゆる政治家宮越馨という個人と違うということを、まずきちっと整理した上でお聞き取りいただきたいと思います。
 それは、よく一般論として混同してしまうという場面もないとは言えません。そこはまた議論になるところがありますから。一般論として、私は公的なこのような立場で、私個人といっても、なかなかそれは個人として通用しないと思うんですね。だから、個人と断ったとしても、それは市長として言ったことになると。ですから私は今答えますが、歯切れが悪いとか、恐らくそういう話になることを予測できますもので、あらかじめ申し上げておきます。ですから、逆にプライベートの場で市長と言っても、それは個人だと、こういう両方の場合があるんですね。だから、一般論のときにこういった公的な場面においては市長宮越馨となると、これは個人も公的な市長も不可分一体であるということで、その辺のところの言葉の整理をしておいてもらわんと、後にまた明らかにしますけれども、訴訟の場面でそういう事態が今行われておりますから、だからそういうことに統一性を欠くとややこしいことになりますから、あえて私はそのことを申し上げて、お答えを申し上げたいと思います。
 今回の不況の主要な原因は消費税の増税ではないかというお尋ねでありますが、新聞報道等によれば関係者の見方には多少のずれがあるものの、景気は昨年春を境として後退局面に入ったとの判断で、おおむね一致しているんではないかなと思っています。このたびの不況は、消費税の引き上げや特別減税の打ち切りなどが一つのきっかけになったと言われておりますが、その後の金融機関の経営破綻や雇用情勢の悪化、さらにはアジア経済の崩壊など、さまざまな要素が重なり合った、いわゆる複合的な不況であると言われております。これまでの経済情勢を見るとき、私はバブル崩壊後の日本経済の脆弱な側面がここに来て露呈したものと考えてもおります。
 したがいまして、消費税の引き上げが不況の原因の一つであるということは否定するものではありませんが、今日の情勢は単にそれが主要な原因であるとするような状況ではないと、こう認識をしております。また、いわゆる社会の構造的変化、こういったものも、見えないところでこのような原因ともなっているんではないかなというふうに私自身は分析をしてもおります。
 次に、消費税に対する考え方はという御質問でありますが、消費税は御案内のとおり、高齢化社会、少子化社会が進行する中で、さまざまな行政サービスに必要な財源として、社会の構成員が広く税負担を分かち合う必要があるといった、そういう必要性からつくられたわけであります。また、勤労世代に過度に負担が偏らないよう、税負担の平準化と直間比率の是正を図る必要があるという観点からでもあったわけであります。さらには、地方分権、地域福祉の充実などの観点から、地方の税源となる地方消費税を創設するという形の中で、そういう観点に立って、これまでの国会において検討、議論されて決定されたものであるわけであります。
 したがって、消費税は負担の逆進性等の解決すべき問題点もあるとされていることは承知しておりますが、将来にわたって我が国の税制全体を考えるとき、こうした課税制度をあえて否定するものではないと、こう考えております。
 続いて、消費税を3%に戻すように政府に要求すべきではないかというようなことでありますが、税率改正等は国会で慎重に議論を重ね、税制全体の見直しを行う中で決定されたことでありますので、これは尊重したいと、こう考えております。
 なお、消費税率の引き下げも景気対策の一つの方法であるとは思いますが、今はむしろ今議会にも提案いたしましたように、とるべき対策を的確に実施し、景気対策に取り組んでいくことが重要であると考えております。
 次に、上越市の景気対策が中小企業の経営を直接温める施策になっているかとのお尋ねでありますが、これにつきましては先般樋口議員の総括質疑においてもお答えしたとおり、地元の事業者を重視するという私の基本姿勢はいささかも変わっていないところであり、今回の景気対策に当たってもこの考えを踏襲しながら進めてまいりたいと考えております。
 なお、先日の新聞報道によれば、県内市町村は景気対策などのために県内市町村全体で総額292億円の補正を予定しておりますが、そのうち6月補正規模は221億円と伺っております。そういう中で、当市の景気対策の規模は何と20億600万円にも及んでいるわけでありますから、全体の1割近い規模で補正をしているということはおわかりかと思います。極めて適切な措置であると考えております。したがいまして、地元の中小企業の皆さんにも十分この効果が行き渡るものと強く確信をいたしておるところであります。
 次に、工事等級に対応する格付業者に発注されているかとのことでありますが、私は格付業者への発注は、個別工事等級の状況によって判断すべきではなく、あくまでも発注工事全体の中でどれだけの割合がおのおののランク業者へ発注されたかによって判断されるべきものであると考えております。このことは、さきの3月議会でもお答えしたとおりであります。しかし、せっかくの再度の御質問でありますので、個別工事等級ごとの平成8年度分の土木、建築工事の状況についてお答え申し上げます。
 契約課が締結しました1件100万円以上の単体発注工事の総件数は243件であります。このうち、特Aランク工事は3件で、3件すべてが特Aランク業者へ発注、Aランク工事では39件のうち43.6%の17件をAランク業者へ、Bランク工事では29件のうち41.4%の12件をBランク業者へ、Cランク工事では87件のうち5.7%の5件をCランク業者へ、Dランク工事では85件のうち18.8%の16件をDランク業者へそれぞれ発注をしております。
 この結果を見ますと、上位工事等級に若干偏った傾向にありますが、工事の発注に当たっては地域性重視を基本にいたしまして、さらに施工能力、技術力、工事の規模や内容などを総合的に検討し、業者を指名しております。ですから、指名と発注とはまた違うんですね。また、下位ランク業者の上位工事への指名も当然行い、入札参加機会の拡大を図っておりますことを申し添えさせていただきます。
 なお、景気低迷の状況を踏まえ、早期発注や効率的執行の範囲内で可能な限り分割発注するなど、今後とも中小企業の受注機会の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、新ガイドラインについての御質問でございますが、いわゆる新ガイドラインは昨年9月に防衛協力小委員会で策定され、日米安全保障協議委員会で了承された新たな日米防衛協力のための指針であり、冷戦終結後の国際情勢に対応し、より効果的で信頼性のある日米協力を行うための基礎を構築し、日米両国の役割並びに協力及び調整のあり方について一般的な大枠と方向性が示されているものであります。この新ガイドラインは、日米同盟関係の基本的な枠組みは変更せず、日本が行う行為については憲法が定める範囲内で、専守防衛、非核三原則の基本方針に従って実施することが前提とされております。
 また、日米両国の行為は、紛争の平和的解決と主権平等を含む国際法上の基本原則、そして国連憲章などに合致するものとして、両国政府に対しそれぞれの国の判断により具体的な政策や措置に適切に反映されることを期待しているものであります。
 新ガイドラインにつきましては、我が国の平和と安全に関する国防上の問題であり、また重要な外交政策であると認識しておりますので、地方自治体の首長としてコメントする立場ではないと考えております。
 しかしながら、今国会に上程されております新ガイドラインの関連法案の一つである周辺事態安全確保法案では、後方地域支援や自治体に対する協力要請の条項もありますので、これらの点について少し触れてみたいと思います。
 後方地域支援とは、周辺事態に際して活動を行っている米軍に対する物品及び役務の提供、便宜の供与、その他の支援措置で、後方地域において国が実施するものとされており、後方地域には我が国の領域がすべて含まれることとなっておりますので、当地域も例外とは言えないと考えております。
 自衛隊が行う後方地域支援の具体的内容につきましては、給水、給油、食事の提供等の補給業務、輸送業務、装備品の修理、整備業務、傷病者に対する治療、衛生器具の提供、通信業務、航空機の離発着、船舶の出入港支援業務、廃棄物の収集・処理などの業務などが明示されております。なお、周辺事態に対する対応措置は自衛隊のほか関係行政機関も行い、また自治体に対する協力要請も関係行政機関が行うこととなっておりますが、具体的な内容については同法案には規定されておりません。この法案につきましては国会審議中であり、詳細については明示されておりませんが、自治体の首長といたしましては、国の協力要請には、私どもの自治体の主体性が尊重されることを期待をしているところでありますし、このことを含め、今後の推移に関心を持っているところであります。
 次に、陸上自衛隊幹部学校の直江津港視察に関連しての御質問でありますが、申し込みから中止までの経過につきましては、新聞報道にありましたとおり、平成10年4月23日付、陸上自衛隊幹部学校長名の文書で新潟県直江津港湾事務所に視察の申し込みがあり、その目的は災害救助に対応する訓練であったことを確認しております。また、中止の経過も報道のとおり、幹部学校の教務課長が港湾事務所を訪れ、口頭で計画を見直したため中止するとの申し出があったことについても確認をいたしております。
 自衛隊の災害救助につきましては、これまで当市も多大な御協力をいただいておりますことは御承知のとおりであります。したがいまして、このたびの直江津港視察計画につきましては特に問題にすべきことではないものと、このように考えております。

P.91 
◆1番(杉本敏宏君) 今ほど答弁をいただきましたが、最初におもしろいことを言われたというか、そのことについて一言私も言ってみたいと思うんですが、例えば橋本総理大臣が国会で答弁をするのに、公的な橋本と私的な橋本とを使い分けて答弁するなどということはあり得ないことなんではないのかな。市長というのは公人でありますから、それもこういう壇上で発言するということになれば、それはおのずから何を話そうが公の立場でしかとらえられないのは当たり前のことではないかと思うわけです。それをあえて私的とか公的とかというようなことを言うこと自体が、まず考え方の点で世間常識から大幅にずれている、そのように思うわけでありますけれども、そのことをまず指摘しておきたいと思います。ですから、今ほど発言された中身というのは、これは私的なということではなくて、すべて公である、公的なものである、当然のことであるわけです。
 それで、消費税の問題でありますけれども、景気対策の問題でありますけれども、私は一番最初に申しましたのは、景気対策を中心に補正予算を組んだというふうに言われている今回の提案理由の冒頭の不況に対する考え方のところで、今ほどの答弁の中では一部認められるようなこともお話しされておりますけれども、消費税の増税という問題について一言も触れられていない。今国民が、そしてまた市民がこの消費税の問題、値上げの3%から5%に上がったというこのことに対して、何とかしてほしいという声をたくさん寄せてきておられるわけですけれども、市としてのこの経済対策の景気対策の原因のところに、この問題が一つも入っていないというのは、これはおかしなことだなということから質問させていただいたわけです。といいますのは、原因の特定を誤りますと、対策も当然違った対策になってしまうだろうというふうに思うからです。的確な原因を突きとめてあれば、それに対する対策も的確な対策がとられるはずだというのが私の考え方であります。そういう点で、消費税の問題がこの不況の原因の中からすっぽりと抜け落ちているということが、後々の対策についてそういう影響がやはり出ているんだなというふうに思います。
 それで、市長は地元の業者には仕事を出しているというふうな言い方をされました。私が質問いたしましたのは、風が吹けばおけ屋がもうかる式でということでもって言ったわけですけれども、別に地元外の業者に仕事を出しているというふうに言っているわけではありません。そういう政府のやり方に倣って、地方自治体でもその地域の大手と言われる企業に仕事を出せばというふうに言ったはずであります。地元の企業なんです、地元の業者なんであります。ただ、その地元の大手に仕事を出せば、それが下請、孫請に回って、そして全体が潤うだろうという、そういうだろうというのは、これはいかがなものかと。直接中小零細の方々に仕事を発注すべきではないのか、そういう機会といいますか、そういう施策こそ今とる必要があるのではないか、こういう観点からお話ししたわけでありますけれども、この地元の業者という市長の言われ方は、さきの総括質疑のときでもそうでありました。地元の中小企業の業者にどう手厚く仕事を回すかという話ではなくて、そういう人たちも、またはこの地域のトップクラスの企業も一まとめにして地域の業者に、地元の業者に出しているという言われ方であります。もちろん、そういう地域のトップクラスの業者に仕事を出すなと言っているわけではありません。そういう人たちにも仕事を出しながら、もっと直接的に、今本当に困っている中小の方々に仕事をもっと回すべきではないか、こういうふうに言っているわけでありますけれども、その辺のところを市長のお考えをもう一度お示しいただきたいと思います。
 それで、こうしたことが、今ほど243の100万円以上の事業についての発注の状況がお示しになられましたけれども、その中でも言われていますように、特Aの仕事三つは特Aの業者に行っていると、これはそうでしょう。ところが、その中でずっと言われているのを見ていきますと、例えばCランクの事業87のうち、Cランクの業者に出されたのは五つしかない。Dランクの事業85のうち、Dランクの業者に出されたのは16しかない。私はここが問題だと言っているんであります。なぜCの87の仕事が、上越市の規定では5割以上というふうになっているはずであります。87の5割といいますと44になると思うんですが、このCランクの事業がCランクの業者に44以上どうして出ないのか、なぜ五つなのか、ここが問題なんであります。そのことを3月議会でも問題にさせていただいたわけでありますが、今こそこうした状況を、こうした事態を正して、例えばCランクの事業であれば規定通り5割以上Cランクの方々のところに行くようにする、Dランクであれば85件でありますから、43以上Dランクの業者のところに直接発注されるようにする、このことが今本当に求められているのではないか。そういうふうにあの20億円が使われれば、地元の中小の業者の方々はもっとにこにこした顔をされるんだろうと思うわけであります。
 新ガイドラインの問題、直江津港の視察の問題でありますが、後方支援の問題で市長は少し細かな説明をされました。それで、後方支援ということについてどういうふうになっているかといいますと、例えばこれは1986年の国際司法裁判所での判決でありますが、後方支援や武器の援助も武力行使とみなし得るというふうに認定しております。ですから、自衛隊が後方支援という形で米軍に協力するというのは、アメリカ軍の戦争そのものに直接加担したものと同じ扱いを受けるというのが国際司法裁判所での裁判の認定であります。ですから、今周辺事態関連法案で言われているような問題が、直接戦争とは、この地域が巻き込まれるということとは関係ないんだというふうなことにはならないわけであります。
 特に先ほどお示ししました毎日新聞の記事でありますが、私も少し読みましたけれども、例えば朝鮮有事で朝鮮で戦争が起きた場合には、日本海側の港、空港が真っ先にこの前線基地になるということを危惧した記事が載っておりましたけれども、私もまさにそのことを心配しているわけであります。ここは直江津港に今こういう視察が来たわけでありますが、高田には自衛隊の駐屯地がありますし、御承知のように関山には自衛隊の演習場があります。この演習場では、これまで数回にわたって日米共同訓練も行われているわけであります。そういう地域にあるこの直江津港に陸上自衛隊の人たちが、名目は先ほど市長が言われたとおりでありましょう、新聞にもそのように報道されております。しかし、その名目だけを本当に信じていていいのかという問題だと思うんです。今実際に国会では、こういう周辺事態法なるものが協議されているわけでありますから、そのもとでやられたことに対して災害支援のための視察だということを本当にうのみにしていて、それで済むのだろうかということであります。この辺市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

P.93 
◎市長(宮越馨君) よく聞いておいてもらいたいことが何点かありますが、最初に私がちょっと変わったことをおっしゃったということでお話がありましたこと、私が申し上げた趣旨を理解していただきまして、感謝申し上げます。要するにそれが大事なんですね。しかし現実、現に皆さん方も一部の方々がかかわっている裁判で、肩書、そして宮越馨といって肩書の公職をおろして、個人で訴えられると、こういうことが現に行われているから、ここはきちんと整理していかないといけませんよと、こう私は申し上げたことをよく理解いただきまして、本当にありがたく思います。
 次には、消費税について何も触れていないということじゃないんですね。先ほど申し上げた中にありますように、消費税もその一因であると、こう私は申し上げたつもりでありますが、そのように御理解をいただきたいと思っております。
 それから、工事発注については、中小企業のまず概念を整理しておいてほしいと思いますね。これは、受ける感じと、また決め事と多少受け取り方が違うと思いますけれども、一応決め事では資本金1億円以下、従業員数300人以下と、これがいわゆる中小企業の定義ですね。ところが、今おっしゃられておるのはそうじゃなくて、もっと簡単に言うと、概念的に言うともっと零細的な数人とか、10人とか、あるいは20人ぐらいの、そういうことをイメージされているんではないかなと、こう思って私はそのように理解を、無理に考えを変えて聞いておりますが。
 ちょっと私がすれ違っているなと思っておりますのは発注、つまり発注というのは指名をして入札をして、そして業者が決まった方に発注するわけですね。ですから、ちょっと受け取り方が、何をおっしゃっているのか知りませんが、つまり我々は指名するということは、その実態をごらんいただくと、まことにこれは明快に、チャンスはみんな平等に、公平に行き渡っているものと理解をいただけるものですね、むしろそこがポイントなんですよ。つまりとられるのは結果であって、結果を私どもは、したがって発注するわけです。ですから、そこを取り違えますと意見がかみ合わないんですね。どうも私さっき、何でまたおっしゃるのかなと、何があるかなと思って考えたら、ああそこがずれているんだと。ずれていることが悪いという意味じゃなくて、私どもの感じているのと皆様方の感じ取っているのと違いがそこだなということがわかったもので、あえて申し上げますが、仮にそうだとして、じゃだれが困っているんだというところをはっきりとおっしゃっていただかんと、中小企業と一くくりにされますと、恐らく私どもの上越市内にある建設業界は全部今中小企業に入っていますね。それで、仮にちょっと下げても、ランクでも特A、A、B、C、Dとありますが、どこのところをおっしゃっていらっしゃるのか、そこがはっきりしてもらわないと、数字で説明もなかなかできにくいということで、そのことよりも、我々は公平に指名をしているかというところを見ようとするならば、これはまことに的確に、公平に、公正にやっていますから、そのことを申し上げておきます。
 それから、視察の話で、ガイドラインの話で、直江津港の視察のことをうのみにしているんじゃないかということでありますが、私別に特別うのみにするような話でもないし、確認をしましたといって確認した範疇で申し上げているんでありますから、それ以上でもそれ以下でもないということで、余り憶測を入れないで、そのとおり御理解をいただければと思います。
 以上です。

P.94 
◆1番(杉本敏宏君) 市長が答弁の中で、消費税の問題も原因の一つであるというふうに言われたことについて、私が再質問の中でお話ししたわけではありません。市長もそういうふうに認めておられるようだがというふうに言ったつもりであります。
 何を再質問のところでお話ししたかといいますと、提案理由の要旨にそのことが一つも触れられていないではないか、答弁では原因の一つ、要因の一つというふうな言われ方をしておりますが、それが提案の要旨の中に入っていないではないか。不況の原因を特定する上で主要な要因の一つである、この消費税の問題が入っていないではないか。それでは、違った対策をする可能性があるんではないですか、こういう趣旨の質問といいますか、発言をしたつもりであります。その点では、答弁の中で消費税のことを触れていないなどということは言っていないわけでありますから、その点では市長の方が少し取り違えをされたのではないのかなというふうに思います。それで、そういう点ではなぜ提案理由の要旨の不況の原因の特定の中で、この消費税のシの字も入ってこないのか、ここが私が不思議に思うところであります。そういった点で市長に御見解があれば、お話をいただければと思います。
 それから、時々私も零細というのを抜かして中小企業というふうに言った部分があるかとも思いますけれども、できるだけ気をつけて中小零細というふうに言ってきたつもりであります。中小企業の定義は、先ほど市長が言われたような、これは公にはそういうふうになっておりますけれども、私どもが上越市で物を考える場合には、そういう範疇よりもかなり小規模の方々が多いわけでありますから、例えば先ほどの話で言えばCランクとかDランクとか、こういうランクの方々のところ、言葉で言えば零細企業ということになるんでありましょうけれども、そういう方々のところへどう手厚く仕事を回していくかというか、そういうことが今求められているのではないか、こういう観点であります。ですから、そのところの認識が一致しないと、というようなお話もありましたけれども、私が質問の中身で言っているのは、そういう範疇であるというふうにおとりいただいて、御答弁をいただければと思います。よろしくお願いします。

P.95 
◎市長(宮越馨君) だんだんと話をしていく上で、理解がそれぞれ深まっていっているような感じしますが、消費税の云々という、いわゆる要因ですね。このことについて、確かに提案理由の趣旨には言葉としては出ておりません。これは、提案理由の要旨というのは何が一番ポイントかというと、今日景気が極めて深刻な状態に陥っているから、そういう状況を踏まえて16兆円を上回る総合経済対策を決定したという政府の基本的なスタンスを申し述べ、それは全体的な状況判断でありますから、それを受けて我々自治体においても、そのくくりの中で、傘の下というわけでもないんですけど、総合的な、客観的な判断、あるいは状況判断があることを受けて、我々も主体的にやろうと、こういうことで、以下このようにやりたいということで、我々も地方も一緒にやろうということで、この趣旨が盛られております。で、そのまくら言葉ではないんでありますが、ここにアジアの通貨危機とか、いろんなことを考えております。あるいは景況感が大変厳しいと、あるいは個人消費のということは。つまり結果の現象、状況把握のために、だから補正をするんであるということの説明文ですから、もう一歩さかのぼった、いわゆる個別の政策判断として消費税を上げたか下げたとか、下げろとかということとはちょっと別なんですね、これは。そこをちょっと御理解していただかないと、いろんなことをごちゃまぜにしてやる方法もあるかもしれませんが、我々は今当面直面している厳しい状況をどう打開するか、それに対して対応するがために、具体的に予算措置を講じて、経済対策あるいは景気対策に資することを旨とするということで申し上げているわけでありますから、そこは杉本議員のやり方と私が提案している、いわば手法との多少のニュアンスの違いが、そういうような意見が少しかみ合わないところかなという感じがいたします。
 それから中小零細、いいですよ、私は先ほど申し上げたように、零細と言われる方々にも仕事をやってほしいと、こういうことが肝要であるということについては一致しているわけでありますから。つまり私の気持ちのあらわれというのは、その指名に参加していただくかいただかんか、あるいは指名するかしないかということが私の立場から非常に重要なことなんですね。結果については、それは参加する方々がお互いの技術力とか、いろいろな仕事の段取りとか、今いっぱいあるからやれないとか、技術力がないからできないとかという判断で、それは決められる話でありましたから、そこはむしろ我々が絶対言っちゃならないところでありますから、そこのところをコントロールせよと言われても、これはできっこないはずですね。ですから、我々は機会均等、チャンス、公平、公正、平等という、そういう観点で指名をするということだけをきちんと守っておれば、あとはそれは関係の皆様方が自身の判断で主体的におやりになる。その結果をああだこうだ言われても困っちゃうんですね、私。ということで、その辺のところをぜひ御理解をいただきたいと思います。


平成10年  6月 定例会(第2回) − 06月19日−04号

P.139 
◆1番(杉本敏宏君) 私は、日本共産党議員団を代表して、議案第56号職員の退職手当に関する条例の一部改正についてと、議案第63号上越市企業振興条例の一部改正についてに対し、反対の立場から討論を行います。
 まず、議案第56号職員の退職手当に関する条例の一部改正についてであります。現在の雇用情勢でありますが、9兆円にも上る国民負担増など、政府自民党の失政によって大変な不況のあらしが吹き荒れております。そうした中、御承知のように最近発表された完全失業率が4.1%と約280万人にもなっております。実は、この完全失業率の失業者に加わるのには、月末の1週間全く失業していて、かつ休職をしていなければならないなどたくさんの条件があって、大学受験よりも難しいと言われるほど大変難しく、欧米諸国の統計の何分の1かだと言われているものであります。こうしたことから、今失業すると大変だということが多くの労働者の意識の中にあります。したがって、今回提案されております勧奨退職が、いわゆる肩たたき、すなわち人員整理なのかどうかということが大きな問題になるわけであります。
 雇用確保についての社会の動きを見ますと、かつては50歳定年が一般的でありました。それが、高度成長期の人員の必要性や平均寿命の延び、それに労働組合などの運動もあって、55歳になり、57歳になりと、徐々に高年齢化してきたものであります。そして、最近では定年制を設ける場合は60歳以上というところまで法整備が進んでまいりました。65歳まで延長すべきではないかという議論さえ起きております。こうした雇用と定年制をめぐる動きからして、勧奨退職年齢を45歳まで引き下げるというのは、まさに時代錯誤だと言わざるを得ません。
 提出された説明資料によりますと、第1に、公務においても職員がみずからの能力や適性に応じて主体的に生涯生活設計をすることができるように、早い段階で選択の機会を与えるということが述べられており、総括質疑の答弁でも委員会審議の答弁でも、このことが強調されております。
 そこで、勧奨退職ということでありますが、広辞苑第4版によりますと、勧奨とは「或る事をするようにすすめ励ますこと」というふうになっております。言葉の意味からは、勧奨退職とは退職を勧奨すること、すなわち退職するように勧めること以外の何物でもありません。ここには本人の意思での退職という意味はみじんもないのであります。事実、この条例には「勧奨を受けて退職した者にあっては」という表現が使われており、勧奨退職がみずからの意思で退職したものでないことをあらわしております。
 さて、上越市は、さきに助役5人制と部長の廃止を検討していることがマスコミで報道されました。議会には何も示されておりませんが、市長の意思を直接末端行政に反映させることがねらいだと報道されております。
 また、上越市はISO14000、環境管理システムの認証を取得いたしました。先日の一般質問での答弁で市長自身が述べておられますが、このマネジメントシステムのねらいとするところは、だれがやっても同じことができる管理システムを構築するところにあります。省エネ、省資源、あるいはハイブリッドカー、リサイクルなどの導入は、ISO14000の管理システムからすれば本質的な課題ではありません。ISO14000とは、人事管理システムそのものなのであります。
 さらに、この管理システムの特徴は、トップと末端があればよいというシステムづくりでもあります。中間管理職層不要のシステムと言えます。この管理システムが助役5人制、部長廃止と軌を一にしていることは明らかです。このことが説明の2番目にたった1行、「職員の年齢構成の適正化」とさらりと書かれていることの内容であり、これこそが勧奨年齢引き下げの真の理由ではないでしょうか。
 総括質疑でも委員会審議でも、行政側は肩たたきではない、肩たたきではないと強調しております。しかし、そのように強調すればするほど疑念は深まるのであります。行政側が言うように、肩たたきではないとしましょう、肩たたきではないということは、職員が本人の意思で市職員以外の道に踏み出すということになります。この条例改正に合わせて、45歳から49歳までの再任用制度が設けられます。しかし、本人の意思で退職する者に対し、なぜ再任用の道を残す必要があるのでしょうか。その上、この再任用は1年ごとの更新で、50歳以上には更新しないというものですから、全く不安定な労働条件と言えます。正規職員を退職させ、嘱託にするのではないかという不安はぬぐい去れないものであります。
 民間会社では、退職金を割り増しするというのは人員整理など会社都合の場合であり、みずからの意思で退職する自己都合退職には退職金の割り増しはしません。これが民間の常識だと思います。委員会でも発言しましたが、私もこの議員に立候補するに当たり、以前勤めていた民間会社を退職いたしましたけれども、まさに自己都合の退職であります。この勧奨退職制度が成立した上越市で私のような転職をする者があるとすれば、これはまさにこの勧奨に値するということで、割り増しの退職金をいただいて議員に立候補するということになるわけでありますが、こういうことは民間では全く考えられないことであります。
 市は、勧奨退職は肩たたきではないと強調しております。肩たたきというのは、民間会社でいうところの会社都合の退職ということです。肩たたきであれば、退職金を上積みすることは、これは当然とも言える措置ですが、勧奨退職は肩たたきではないと言いながら割り増し退職金を支給するというのは、勧奨退職が肩たたきそのものだからではないでしょうか。この改正案でいう勧奨退職が肩たたきではないとすると、45歳以上には、いわゆる肩たたきは存在しないということになります。45歳以上で自己の都合で退職する職員は、すべて勧奨退職になるからであります。民間では自己の都合で退職する者には、先ほども言いましたように規定の退職金を支払うのみで、上積みをしないということでありますが、肩たたきではないということを強調した結果、民間では上積みすることなど考えられない、自己都合の退職に割増金を支払う制度だということになるわけであります。これは、到底市民の理解を得ることができないのではないでしょうか。退職金として支払う原資は市民の税金であります。その税金の使い道として、このような使い方が一体許されるのでしょうか。
 以上、るる述べましたように、勧奨退職制度のあり方から見ても、上積み退職金の支払い、すなわち税金の使い方という点から見ても到底賛成するわけにはいきません。
 次に、議案第63号上越市企業振興条例の一部改正についてであります。今回の改正は、第一に、これまで製造業、道路貨物運送業、倉庫業、旅館、ソフトウエア業及び情報処理提供サービス業となっていた奨励企業の対象業種に、こん包業、卸売業、自然科学研究所を追加するものであります。
 もともと企業設置奨励金は、新たに上越市に進出してきた企業に対し、その固定資産税に対応する奨励金を交付することによって、固定資産税を減免したのと同様の効果を出すことによって企業進出を促進することを目的に創設されたものと聞いております。宮越市政のもとで新たに旅館などが対象業種に追加され、ホテルセンチュリーイカヤなどにも奨励金が交付されてまいりました。今回また、この対象業種をさらに拡大しようというものであります。
 これまでの企業設置奨励金は、市内の特定企業に対し、固定資産税に第1年度が100分の100、第2年度100分の60、第3年度100分の40の割合を掛けた金額を奨励金として交付するものでありますが、1989年、平成元年度から1996年、平成8年度までの8年間に約10億5,000万円の奨励金が交付されました。この8年間で通算1,000万円以上の交付を受けた企業は12社であります。その12社に対して支払われた交付金は9億円、87%に上っております。さらに、その中の上位5社を見ますと、トップが三菱化学2億5,359万円、2番が信越化学1億2,943万円、3番が三菱電機メテックス1億2,354万円、4番目が住友金属工業8,193万円、5番目がデュオ・セレッソ7,021万円、以下12番までありますけれども、この5社の合計で6億5,000万円、10億5,000万円の63%になっております。このことからもわかるように、この制度がまさに市内の大手企業を優遇する制度だと言わなければなりません。
 私は一般質問で、風が吹けばおけ屋がもうかる式の景気対策では、本当に困っている市内の中小零細業者に仕事が回っていかないことを指摘いたしました。今真に求められているのは、家族経営や、あるいは数人の社員で頑張っている業者の懐が直接温まる、そういう景気対策、そういう施策ではないでしょうか。
 今回新たに固定資産の取得額の合計が10億円以上、または事業開始のために20人以上雇用した企業を特認企業としてさらに優遇し、固定資産税に対し第1年度100分の100、第2年度100分の80、第3年度100分の60、第4年度100分の40、第5年度100分の20を掛けた交付金、合わせて300%に上る固定資産税の事実上の減免を行おうという提案であります。特認企業の条件の第1は、固定資産の取得額の合計が10億円以上というものでありますが、これだけの設備投資をできる企業に事実上の固定資産税の減免をやろうというわけであります。ますます特定企業を優遇する制度に変えられようとしていると言わざるを得ません。また、特認企業の条件の第2は、事業開始のために20人以上雇用した企業ということであります。かつて我が党の議員であった故大滝和司氏が、奨励企業の雇用人員が本当にふえたかどうかの調査をしていたことを思い出しております。氏は、奨励企業の社員数が減少しているのに交付しているようだと話しておりましたが、こうしたことが危惧されるのであります。このような特定企業を優遇する制度に日本共産党は到底賛成することができません。
 以上、議案第56号並びに議案第63号に対しまして、反対の立場からの討論を行いました。