2008年3月定例議会
 
一般質問議事録
 
3.社会保障制度としての国民健康保険のあり方について
最初の質問
最初の答弁
再質問
再答弁

【杉本敏宏】
 大きな3つ目は、社会保障制度としての国民健康保険のあり方についてでありますが、これは再び市長にお聞きをしたいと思います。

 国民健康保険は相互扶助の制度というふうに言われております。先日も国会である大臣が、「お互いに助け合う相互扶助の制度だ」というふうに言っておられました。しかし、国民健康保険法の第1条には、次のように書かれております。「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」というふうに書いてあるわけです。相互扶助の制度ではなくて社会保障制度だというふうに、法律は第1条で明記しているのでありますが、このことについてどうお考えかお聞きしたいと思います。

 2つ目は、同じく国民健康保険法の中で市町村の責務が書かれておりまして、「市町村は、国民健康保険に関する収入及び支出について、政令の定めるところにより、特別会計を設けなければならない」と定めているわけであります。しかし、国民健康保険を社会保障制度というふうにとらえた場合に、いわゆる「特別会計だから独立採算でなければならない」という、この独立採算制というものと社会保障制度というものが両立するのかどうか。私はなじまないのではないかというふうに思うわけです。独立採算とするとすれば社会保障ということをやめなければならないし、社会保障とすれば独立採算をやめなければならないのではないかと思うんですが、どうお考えかお聞きしたいと思います。

 3つ目、国の責務として、「国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない」というふうに書かれております。そういうことからすると、今の国のやり方は間違っているのではないかというふうに思います。
 国がもっと税金をというか、国保の健全な運営のために補助制度を拡充する必要があると思うわけですけれども、逆に今はその補助制度をどんどん切り崩していく状況にあります。これでは国保の運営が大変になるのは当たり前でありますから、こうしたやり方についてどうお考えになっているかお聞きをしたいと思います。
 以上です。

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【木浦市長】
 次に、社会保障制度としての国民健康保険のあり方についてのお尋ねにお答えいたします。

 まず、「国民健康保険は相互扶助の制度と言われるが、国民健康保険法は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とするとしている社会保障制度ではないのか」との御質問であります。
 我が国の社会保障制度は、戦前、戦後を通じ、さまざまな社会情勢を背景に整備が続けられてきた中で現在に至っております。そうした経過のもと、現在の社会保障制度は、公的扶助、社会福祉、社会保険、児童手当、公衆衛生及び医療、環境政策の6つの部門に分けられるとされております。これらの中で、社会保険は社会保障制度の中核をなし、社会政策の実現手段として最終的には国が責任を持って運営すべきものとされております。そのため社会保険は、第1に強制加入であること、第2に、保険料は経済的能力に応じて負担し、給付は負担した保険料とは必ずしも対応しないという所得再分配の機能を有していること、第3として、事業運営に要する費用の一部について、必要に応じて国が財政負担を負うこととされているところであります。
 国民健康保険も社会保険の一端を構成するものであり、その直接的な事業運営は、国民健康保険法に基づき市町村がそれぞれの区域内の住民を対象として行うこととされております。こうしたことから、国民健康保険は現行の社会保障制度の体系の中で、その運営を保険という方式により加入者の生活の安定を図ることを目的とした相互扶助の制度として位置づけられているものと考えております。

 次に、「国民健康保険法は、市町村は国民健康保険に関する収入及び支出について政令の定めるところにより特別会計を設けなければならないと定めているだけである。国民健康保険を社会保障制度とすると、いわゆる独立採算にはなじまないのではないか」との御質問にお答えいたします。
 特別会計は、特定の収入をもって特定の支出に充てるために一般会計から独立して経理を行うものとされております。今ほども申し上げましたが、社会保障制度の枠組みの中で国民健康保険を初めとする社会保険は、加入者が病気やけがをした場合などに保険方式によって必要な給付を行うものであります。こうしたことから、国民健康保険は特定の収入をもって特定の目的のために支出を行うという独立事業的な性格を有する公営事業として、国民健康保険法により特別会計を設置し、運営するよう義務づけられているものでございます。
 また、国民健康保険の特別会計は、入るを図って出るを制するを基本とする一般会計などの他の会計と異なり、支出額に応じて収入額を確保しなければならないという特色を有しております。そのため、その事業運営に当たっては、中長期的な収支見通しを立て、適宜税率等の検証を行いつつ適切に運営することが求められているものでございます。
 いずれにいたしましても、国民健康保険は、医療給付費の5割を、また保険税の軽減分及び運営事務費等については原則全額を公費負担とする公的保険制度として独立した会計をもって運営されるべきものと考えております。

 次に、「国は国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならないということからすると、今の国のやり方は間違っているのではないか」との御質問にお答えいたします。
 現在の国民健康保険は、経済の低迷や少子高齢化の進行により加入者の構成割合が制度発足当時とは大きく変わり、全国的にその財政運営が一段と厳しい状況に置かれているなど構造的な問題を抱えていることは十分に承知いたしております。
 こうしたことから、全国市長会や国保中央会でこれまでも財政支援の拡充等の要望を繰り返し続けてきているところであり、昨年11 月にも全国会議員及び関係省庁に対し当面の財政措置の拡充及び制度運営の改善等について要望いたしたところでございます。その内容は、「高額医療費共同事業、保険基盤安定制度及び財政安定化支援事業について、実態を考慮し、国の責任において国保関係予算の所要額を確保すること」、「保険税については、新たな後期高齢者支援金分の負担や被保険者の構成の変化により収納率の低下を招くおそれがあることから、国保運営のさらなる支障が懸念されるので、十分な財政措置を講じること」など、全国の市町村が共通して抱えている課題についてでございます。
 先ほども申し上げましたとおり、我が国の社会保障制度がさまざまな社会情勢を背景に歴史を積み重ねて形成されてきた中にあって、国民健康保険は国民生活の安定を図る制度として財政面においても安定的に運営されることが望まれるところでございます。当市といたしましても、引き続き市長会等を通じ、国による財政措置の拡充や制度運営の改善を強く要望してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
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【杉本敏宏】
 時間がなくなりましたので、この問題やめにしまして、最後の問題について市長に伺います。

 憲法25条で、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」ということで社会保障の制度がうたわれているわけです。私は、そういう点からいっても、本来は国保というのは国が一括して全国全部まとめて面倒を見て税金で賄うべきだというふうに思いますが、その点のお考えをお聞きして終わりたいと思います。

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【木浦市長】
 今ほど議員のほうからは、「憲法第25条、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」ということを引用されての御質問でございます。
 先ほど市長の答弁で申し上げましたように、国民健康保険制度は明確に社会保障制度の中に位置づけられているものだということは、私どもも当然のことながら認識しております。ただ、そうした中でその手法として、その手法を保険制度というやり方でやっているということも、またこれ国の国民健康保険法を初めとする法制度の中で決まっているというものでございます。
 そうした中で国庫負担を、窓口で払う一部負担金を除いた額の2分の1を国が負担するということで、これも公的な医療保険としての国の役割ということで制度化されているものでございます。そうした枠の中でのことでございますので、社会保障制度の中の一類型ということで保険制度で運用されているものだということで制度が構築されているものということで私どもは認識しているところでございます。

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