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2006年6月議会

一般質問議事録

1.成果主義賃金と行政サービスについて
最初の質問
最初の答弁
再質問
再答弁
再質問
再答弁

【杉本敏宏】
 三つの質問をします。
 最初は、「成果主義賃金と行政サービスについて」という問題です。

 90年代のはじめごろからだと思いますが、この成果主義賃金というものが、民間企業に取り入れられ始めました。一時は、非常に賛美する論調がマスコミ等で流行ったわけでありますけれども、長年経過してきてほころびが見えてきたといいますか、最近は批判をする論調がふえてきております。世論が変わってきたということだと思うわけですが、そういう時期に、今、この成果主義賃金を行政にどんどん取り入れていこうという、そういう動きが強まっているわけであります。世の中で「おかしいんではないか」と言われ始めている時期に取り入れるということでありますから、どういう立場でどうやって展開していくのか、ということが非常に大事になると思います。

 失敗の例として非常に有名なのが富士通です。富士通はこの成果主義賃金をいち早く取り入れた大企業の一つですが、これが今「失敗」というふうにいわれていて、内部でこれを見てきた労働者が、その生々しい実態を本にして最近出しております。
 そういうことでありますが、何が失敗の原因というか、この成果主義賃金にはどんな弊害があるのか、ということがそこでいろいろいわれております。たくさんあるんですけれども、一番の弊害は何かっていうと、「ほとんど差がない人間の仕事を、無理に無理を重ねて点数化して差をつけ、その点数を根拠にして給料を下げる」。上げるんではないんです。「給料を下げる」。ここにこのことがすべて言い尽くされている、というふうにいわれているわけです。
 「勝ち組」とか「負け組」とかという言葉がはやりましたけれども、はやっておりますけれども、まさにこの成果主義賃金というのは企業の中で少数の「勝ち組」をつくるために大量の「負け組」をつくるという、そういう制度です。
 この制度を行政に取り入れようとしているわけでありますけれども、行政は皆さんもご承知のように、今までの行政はチームで仕事をしてくるのが常だったと思います。そしてまた、集団で仕事をするからこそ、そこで大きな成果もあげてきたわけですが、成果主義賃金というのはチームで仕事をするのを極端に嫌います。チームで成果をあげたらそのチームの中にいるメンバーに差をつけられなくなってしまうからです。
 こういう問題を持った成果主義賃金を、チームでの取組を最重視するこの行政に、行政サービスの中に取り入れる、どういう問題が起きてくるか、私は「見えているなあ」と思うんですが、この点で市長に、この見解を伺いたいと思います。

 行政サービスは、職員が集団で取り組んでこそ実効があがるのではないかと思うが、市長の考えはどうか。職員個々の成果を求める成果主義賃金は、職員がチームで取り組む業務を阻害しないか。この二点についてお聞きいたします。

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【木浦市長】
 最初に、成果主義賃金と行政サービスについてのお尋ねにお答えします。
 行政サービスは、職員が集団で取り組んでこそ実効があがるのではないか、とのご質問と、職員個々の成果を求める成果主義賃金は、職員がチームで取り組む業務を阻害しないか、とのご質問は関連がありますので、合わせてお答えいたします。

 ご質問の成果主義賃金については、過日、一部の民問企業でノルマ達成のために強引な手法を用いるなど、行き過ぎた成果主義が行われていたことが報道され、様々な議論を呼んでいるところであります。

 地方公務員の給与は、「均衡の原則」に基づき国家公務員に準じることが基本とされ、昨年8月の人事院勧告では、公務においても、厳しい財政事情の下、民間と同様に給与の年功的上昇を抑制し、職務・職責と実績を十分反映し得る給与システムの構築が求められておりますことは、既にご案内のとおりであります。
 当市では、このような公務員を取り巻く社会情勢の変化をいち早く捉え、平成15年度から目標管理手法を取り入れた新たな人事考課制度を試行してまいったところであり、昨年度から管理職については、評価結果を勤勉手当に反映しております。
 この目標管理による新たな制度は、年度当初に私の基本的な方針を示した上で、総合計画や新たな市民ニーズ等を踏まえた各部局及び各課の組織目標を設定し、その組織目標と個々の職員の目標を連動させた制度であり、職員個人の評価は、すなわち組織目標への貢献度を評価するものであります。したがって、一部の民間企業で行われているという、従業員に個別にノルマを課し、競い合わせ、その結果を評価し賃金に反映させるといった制度とは全く異なるものであり、ご質問の、職員がチームで取り組む業務を阻害し、行政サービスの低下を招くといつたことはないものと考えております。
 もとより、安定した質の高い行政サービスを提供するためには、市民ニーズを的確に捉え、組織として期待される成果を上げるため、職員が一丸となつて取り組むことが何よりも大切であります。そして、行政サービスの担い手である職員一人ひとりには、市民が満足できる政策を考え、実現する能力と意欲が求められることは、論を侯たないものと考えており、私も、行政サービスは、職員が組織的に取り組んでこそ実効があがるものと考えております。

 いずれにいたしましても、私は、常々職員に対して、ただ漫然と仕事をするのではなく、どうしたら市民の満足度を高めることができるかということを強く意識して、目標をもって業務に取り組むよう指導しているところでありますし、また、その取組みや成果を適切に評価することにより、職務に対する意欲や達成感の向上につながり、組織の活性化や行政サービスの向上などにも結びつくと考えておりますので、今後とも意を用いて職員の指導にあたつてまいります。

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【杉本敏宏】
 最初の、一番の「成果主義賃金」の問題に移りますが、市長は、「行き過ぎたところが、民間企業にね、いろいろ問題起きているところがあるようだ」とおっしゃいました。
 私はわが党が出しております「赤旗」新聞の日曜版ですが、これは5月21日付の新聞です。「ノルマ、ノルマ、ノルマ」とこう書いてあって、三井住友銀行の話が一面を飾って、中にもこういう記事があるんです。この三井住友銀行は、この成果主義賃金を取り入れていましてですね、何をやったかというと、ノルマであおって結局、受注を取れないもんだから、立替払いを職員がして成果をあがったように見せかける、こういうことをやったわけですね。その結果、それは銀行法に違反するということで「業務停止」になったという、こういう事件です。これが一企業の行きすぎた成果主義賃金の適用なのかというと、そうではなくて、成果主義賃金というものの本質、だと思うんです。
 要するに「成果があがらなければ、給料は下がりますよ」ということですから、「成果が上がれば上げますよ」という制度じゃなくて、「あがらなければ下げますよ」というのが本質ですから、ですから「成果をあげる」ということが至上命題になりますよね。ですから私は、そういうふうなやり方が根底に横たわっている成果主義賃金というのは、行政運営、行政執行のやり方とは相容れない部分があるんではないかというふうに見ているんです。その点でもう一度お聞きしたいと思います。

 それから、「目標管理をしているんだ」というようなお話がありました。
 それてですね、たとえば、部長課長のところは飛ばしてもう少し、係長から下の方々にこれを適用したということを考えましてね、例えば5人でチームをつくって仕事をすると。この成果主義賃金からいえばこの5人の方に点数をつけて差をつけなければならん、同じ点数を付けたらこの制度が成り立たないですから。
 5人でチームをつくって一緒に仕事をしている人に、5人でやったから成果が上がったのに、だけれども点数を付けなければならんのですね。これができるかどうかということです。
 そんなことをやったらチームで仕事をするということそのものが、成り立たなくなってしまうでしょ。5人の内のAさんに成果をとられないようにAさんが上げようとしていた成果を「おれが何としても取っておれの方がAよりも上になろう」というBさんがあらわれてきたら困っちゃうわけです。こういう制度が、この成果主義賃金の本質ですから、それを皆さん方が「やる」っていった場合に、どのように、実際、現実の問題としてやるのかという、そこをお聞きしたい、と思うんです。いかがでしょうか。

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【木浦市長】
 一点目の項目の「成果主義賃金と行政サービスについて」の再度のご質問でございますが、先ほど答弁で述べた通りでございます。−−−ちょっとすいません。−−−(資料を取りに自席へ)

 それぞれのポイントについて議員がご指摘されたことは、まさにそのような、成果を求めすぎますと、そのような結果に陥ることも、これも事実ではないかと思っております。
 そういう意味で、そうならないような仕組みということが、きわめて大事でございますし、答弁でも申し上げましたとおり、ただ漫然とですね、仕事をしているということでもこれまた市民の皆さんから公務員バッシングということで、人件費その他のことが指摘されている通りでございますので、一率にそのままということで、この間公務員制度の議論があったときにも、そのことが議論されて所でございます。

 そういう意味では先ほど答弁の中で申し上げましたように、年度当初のわたくしの基本的な方針を示した上で、総合計画、あるいは新たな市民ニーズを踏まえた各部局、各課の組織目標をそれぞれ設定してもらい、その組織目標と個々の職員の目標を連動させた制度をつくっていくということでございまして、職員個人の評価はすなわち組織目標への貢献度を評価するもので、ということでございまして、そういった意味で、むしろですね、これまた時間外労働と重なってくるわけでありますが、一人で行う仕事というのがですね、どうしても人員を増加しても、その仕事が個人で行ってますと効率が悪いということもございますので、グループ化ということで、総合事務所で対応させていただいているように、できるだけチームで仕事を行っていこうということで、個人個人であまりにも全てのスペースで業務が行われることを極力チームで行っていくということに、今後は考えていかなければ、時間外労働とかですね、効率性が悪くなるということでもございますので、そういった意味においてチームとして取り組んでいけるような仕事のあり方、ということも検討させているところでございまして、行政の中でこの人事考課制度をつくらせていただいた立場として感じることは、行政の業務を成果が見えてくる部署とですね、そうではない部署とがございましたり、あるいは今の公務員制度ということもございますし、なかなか評価がしづらいというのも事実でございます。そういう中におきまして、議員がご心配されている民間事例の失敗例−−−というふうに議員がそのようにおっしゃっておられましたけれども−−−そういった事例にならないようにしっかりと意を用いていかなければならない、というように思っているところでございます。以上でございます。

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【杉本敏宏】
 今市長が答弁された中身は、チームで仕事を進めていくということを強調されましたですね。私は行政の仕事というのは、まさにそうだと思うんですよ。それをだからさっきも言ったように、みんなで一緒にやってんのに、制度としては一人ひとりみんな点数をつけなきゃならんのですよ。「そんなことできないでしょ」ってことをいっている。点数つけるんならば、チーム全体を評価しなけりゃならない。一人ひとりの職員、個人ではなくて。だって一緒にがんばって成果を上げたわけでしょ。そしたらそうせざるを得ないと思うんだけれど、そういうことをしたらこの成果主義賃金が成り立たなくなるわけだから、そこのところの矛盾をどうされますか、どうされますか。

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【三上雄司総務部長】
 当市が今施行しております目標管理システムの中身にかかる部分でございますので、私の方からお答えをさせていただきます。

 先ほど市長が答弁の中で申し上げましたとおり、当市の目標管理システムは、市民にいかに満足度を高めていただくかということが、究極の目標になるわけでございますけれども、その到達をする具体的な到達目標といいますのは、市の最高計画であります、例えば総合計画等々に位置付けをされてございます。
 その目標を達成するために、本年度、例えば平成18年度は、市としてどういうことを行うことによって目標達成を図るべきかというようなことを、予算の中で、あるいは市長の市政基本方針の中でその年度に示されます。それを受けて各部局がその目標を達成するために、それぞれの切り口で、例えば総務部門はこういう方角から、あるいは都市整備部門、あるいは産業観光部門はまた違った方角から、目標達成のためにどういう手法を使って、あるいはまた、平成18年度はどのレベルまで到達するかということを、それぞれ部局の組織目標として、それぞれの職員に示しながら、力を合わせて取り組もうということになるわけであります。
 そういったことを受けまして各課で、あるいはまたその各課の目標を受けて、各個人がそのためにどういう取り組みをしようかということになるわけであります。

 今ほど議員がご指摘になりましたように、チームで取り組むというのはまさにその通りでございますが、例えばそのチームで取り組みをする中でも、−−−民間企業とちょっとまあ違うというところといいますのは、一つの同じ製品をつくるために、一時間でどれだけの作業能力があるかというようなことではなくて−−−例えば市民の皆さん方に同じ説明をするにもきちんとした説明ができるかどうかというような、そういった部分もございますし、こまごまと申し上げればきりのないことでございますが、そういうものを含めて各職員が管理職と相談をしながら、面談をしながら自分の今年の一年の業務の目標、それから自分でチャレンジをしたい項目というものがあれば、そういったものについてそれぞれ面談の中で、お互いに合意をする形で、どういう目標設定が今年の組織目標を達成する上で適切であるかということを定めているわけで、それを受けて期末に職員が自ら到達度がどうであったかといったことを自己評価をして、その評価が当初の目標に対して妥当・適切であるかという、これも管理職と面談をした上で、定めていくということであります。決して上からの押し付けで、一定のノルマを課してそれに対して到達していたからどう、いなかったからどう、あるいはまた議員がご指摘をされ懸念をしておられるように、賃金を切り下げるために取り入れをしているのではございませんので、その点につきましてはそのようにご理解をいただきたいと思います。
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【杉本敏宏】
 この問題は、今後も見守って、監視をしていきたいと思います。