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2004年6月議会
「上越市議会の海外視察の中止を求める請願」に対する
賛成討論議事録

○市川文一議長

 11番、杉本敏宏議員。

     〔杉 本 敏 宏 議 員 登 壇〕

◆11番(杉本敏宏議員)

 日本共産党議員団を代表して、出されております上越市議会の海外視察の中止を求める請願について、賛成討論を行います。

【海外視察に対する日本共産党議員団の態度】

 日本共産党議員団は、これまでも海外視察に対する態度をいろいろな場で明らかにしてまいりましたけれども、まとめた形で公表いたしましたのは、2000年11月6日付で議会に提出いたしました議会活性化についての提案の中であります。
 そこではどういう提案をしたかといいますと、海外視察についてでありますが、海外視察を含め視察は、付託案件の審査、調査のために派遣されるものである。

(1)海外視察を行う場合は、まず視察目的、視察内容を明確にし、その上で視察目的に合った都市、行政機関などを選定することとする。安易に議長会の視察に乗らない。
(2)視察報告書は、費用も含めてインターネットで公開する。
(3)海外視察は、昨今の経済事情にかんがみ、当面自粛する。

 これがおおよそ4年前に議会に提案いたしました中身であります。これをもとにしまして、以下賛成討論を述べていきたいと思います。

【海外視察に対する市民の関心は強い】

 今回のこの海外視察、今回のといいますか、議会の海外視察に対しては、多くの市民の皆さんが大変強い関心を持っておられます。とりわけ今税金の使い方、どのように使うかということに対して、市民の皆さんのみならず、国民全体の中で見る目が大変厳しくなっているというのが実態ではないでしょうか。
 この間、こうした議会の海外視察の中身が知られることになってまいりましたけれども、そうした中でとりわけ最近4年間に14人の議員が総額で698万円の費用を使って海外視察をしているということについて、大変な反響が寄せられてまいりました。
 例えば「まだそんなことをやっているのか」という、こういう電話がございましたし、「市は財政難ではないのか、そういうお金があるんなら、福祉などに使え」という、こういう声も寄せられてまいりました。
 さらに、私が街頭でこうした問題をお話ししたわけでありますけれども、それに対して当市役所に対しても、「街頭で杉本がしゃべっていることは本当か」という問い合わせの電話もあったというふうに言われております。
 そのように市民の皆さん方は、この議会の議員が海外視察をする、税金を使って行うということに対して大変大きな関心を持って見ておられる。そういうときに出されたこの請願でありますから、全くそういう点では時宜を得た請願ではないか、このように思うわけであります。

【長岡市議会での議論】

 昨年の12月でありますけれども、長岡市議会でやはり議員の海外視察をやめるようにという請願が出されました。
 長岡市議会では、総務常任委員会では請願を採択いたしましたけれども、本会議では不採択になったそうであります。
 このことを報道いたしました12月17日付の朝日新聞の記事によりますと、「県内20市議会では96年以降、14市が中止を決めた」「中止を決めた14市議会のうち、理由として7議会が『厳しい財政事情を考慮』、5議会が『効果が薄い』と回答した」、こういうふうに報道しております。
 まさにこれが現在の議員の海外視察をめぐる状況の最新の状況ではないかというふうに思うわけであります。
 ちなみに、現在まで海外視察を行っておりますのは、県内では新潟市、長岡市、新発田市、燕市、栃尾市、それに上越市だけであります。他の都市においては中止をしているという状況であります。

 この長岡の議会の請願の審査の中で出された賛成、反対の議論も、この報道の中に載せられておりますけれども、請願に反対する議論としては、「議員の資質向上は市勢発展に寄与する」「議会全体のレベルアップに必要」「先を見る確かさを養うためにも視察は必要」、こういうことが言われていたそうでありますけれども、これは先ほどの委員会での議論並びに今ほどの反対討論の議論と共通の部分があるのではないかというふうに思います。これに対して、賛成の議論は「議員個人への投資は、私費で行うべきだ」という議論があったというふうに報道をされているのであります。

【今回の請願は何を求めているか】

 さて、今回の請願は何を求めているか。これは、最後の2行に書かれておりますけれども、「平成16年度の海外視察予算を執行しないこと」、これが第1でありまして、二つ目は「平成17年度以降、議員の海外視察を当初予算に組まないこと」、これが二つ目であります。
 要はこの請願に賛成するかどうか、反対するかどうかというのは、この二つの事項に賛成なのか、反対なのかということが問われているわけであります。こうした点から、私ども日本共産党議員団は、この二つの請願事項の核心部分でありますが、これには全面的に賛成をするということを表明して、この請願に賛成をするものであります。

【そもそも海外視察とは何か】

 そもそも海外視察というのは一体何なのかという問題があると思います。
 中止に反対をする方々の議論の中心は、資質の向上とか、レベルアップとか、こういうことが中心になっているわけでありますから、そういうことがそもそもこの海外視察という議会の行為としてふさわしいのかどうかという問題があると思うわけであります。
 ただ単に海外へ行って勉強してくるというものであれば、それは公費を使って行くのではなくて、私費で自費で行けばいいというふうに私も思います。なぜ公費で見聞を広めてこなければならないのかというところの理由がはっきりしないわけであります。

【派遣の根拠】

 派遣の根拠となるものは、法律の上ではどういうふうに規定されているか。
 これも先ほど紹介しました朝日新聞の記事に載っておりますけれども、「派遣の根拠となる地方自治法第100条が昨年――これは今から見ると一昨年でありますけれども――改正され、派遣には各議会の会議規則に従って議決が必要となった」というふうに報道されています。議会での議決が必要なそういうものに地方自治法が改正されて変わったということでありますから、そういうことを踏まえて、この是非を議論していかなければならないのではないかというふうに思います。

【千歳市議会では】

 先ほどインターネットの話がありましたが、インターネットでこの議員の派遣についてどんな状況になっているか調べてみました。例えば北海道の千歳市議会でありますけれども、「千歳市議会は今年度、これは昨年度でありますけれども、議員の国内視察も本会議に議案として上程し、議決を得る方法へ改めた。これまで議長の許可制で公金を使った視察が行われていたが、地方自治法が改正されたことに伴う議会改革の一環。議員の派遣目的などを明確化し、市民に対する公開性を高める。これまで国内視察については、議長の許可を得て行う手法で運営していた。だが、ここに来て、議員の派遣については根拠規定を持っていないので、これを法制化し、明確にするとの趣旨で地方自治法第100条が改正されたことを重視。議長の許可制から議案として本会議に上程する手法へ改めた。」という、こういうことでありました。

【地方自治法第100条第12項】

 それで、その地方自治法の第100条第12項、御承知のように地方自治法の第100条というのは、100条委員会を設けるなどの強力な権限を議会に与える根拠規定になっている条文でありますが、その第12項に、「議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる」、このようになっております。明らかなように、「議案の審査または当該普通地方公共団体の事務に関する調査のため」というのがこの議員派遣の大前提であります。
 ですから、海外視察に行く、見聞を深めるあるいは知識を得るため、議員の政治家としての資質を高めるために行くのではないんです。法律が求めているのは議案の審査、または今上越市の事務に関して、外国に行ってまで審査しなければならない、そういう理由があるかどうか、これが法律が求めている視察、派遣の第1条件であります。
 この法律の規定に照らして、今我が上越市議会で行っている海外視察、これがどうなのかということが、やはり一番大きな問題ではないでしょうか。

【議員が公費で外国に行く理由は何も無い】

 私は、そういう点から見れば、この請願の中にも書かれておりましたけれども、「今議員が外国にまで行って勉強してこなければならないような、そういう問題はこの上越市の行政の中にはない」というふうに述べておりますけれども、そのとおりであるというふうに思います。
 こういう外国に行って調査をしなければならないような事案が発生した段階で、議会としてだれとだれとだれをどこどこにいつからいつまで何の目的で派遣する、こういうふうに決めればいいわけでありまして、あらかじめ派遣、視察を決めておいて、後から人を決めるというのは、こうした法律の規定からいっても逆の逆立ちした議論ではないかというふうに思うわけであります。

【議会の視察のあり方と請願】

 このように見てまいりますと、議会のこの視察のあり方というのは、改めて法律の規定に基づいて、どういうふうにしていけばいいのかということを考え直してみる必要があるというふうに思うわけであります。そうした点で、今回の請願というのは、そういうチャンスを我が上越市議会に与えてくれたものとして、私は大きく評価をしたいというふうに思うのであります。

【委員会の視察と海外視察と】

 さて、議論の中で委員会の視察の問題と海外視察の問題との関係での話もありました。
 上越市議会の会議規則では、第2章の第2節に審査という項目がありますが、この中の第98条で、「常任委員会及び議会運営委員会は、その所管に属する事務について調査しようとするときは、その事項、目的、方法及び期間等をあらかじめ議長に通知しなければならない」。そしてその次の99条で、「委員会は、審査又は調査のため委員を派遣しようとするときは、その日時、場所、目的及び経費等を記載した派遣承認要求書を議長に提出し、あらかじめ承認を得なければならない」というふうに、委員会の委員の派遣、要するに簡単に言えば委員会の国内での視察について規定をしているわけであります。
 これに対して、今問題になっております海外視察については、どこに規定されているかといいますと、これは審査のところではないわけでありまして、第7章の議員の派遣というところに該当するのではないかと思います。第163条では、「法第100条第12項の規定により議員を派遣しようとするときは、議会の議決でこれを決定する。ただし、緊急を要する場合は云々」というのがあります。そして、2項として「前項の規定により、議員の派遣を決定するに当たっては、派遣の目的、場所、期間その他必要な事項を明らかにしなければならない」、こういうふうに規定をされているのであります。

     〔「してるじゃないか」と呼ぶ者あり〕

◆11番(杉本敏宏議員)

 規定をされているのであります。やっていないと言っているのではありません。規定されているのであります。規定されているんでしょう。

     〔何事か呼ぶ者あり〕

◆11番(杉本敏宏議員)

 だから、規定されているんだからいいじゃないですか。こういうふうに規定をされているわけであります。

 ですから、委員会の視察と海外視察というのは、似ているようでありますけれども、ある意味質的に違うというふうに言うことができるのではないでしょうか。ですから、そういった意味からも、この議員の派遣、海外視察というのは非常に重い意味があると言わざるを得ませんし、そうしたことからやはり慎重に検討をする必要があると思うわけであります。

 先ほど北海道の千歳市議会のことについて触れましたけれども、すぐ近くの長岡市議会でありますけれども、長岡市議会のインターネットのホームページを見ますと、こういうふうな行政視察の派遣という項目が出てまいります。そして、その中には海外行政視察という項目、平成15年度でありますけれども、ありまして、「平成15年9月24日議決」というふうに書いてありました。そして、「派遣期間、派遣議員、派遣場所及び目的」ということが掲載されておりましたけれども、なるほどなという感じを受けたわけであります。
 同時に、このホームページでもってもう一つ感じたのは、そのすぐ下に「常任・議会運営委員会行政視察」という項目がありまして、これについても「平成15年9月24日議決」というふうに書かれて公表されております。このように進んだ議会といいますか、この議員の派遣あるいは視察について、進んだところではそのような措置がとられてきているのだなということがわかるのではないかというふうに思います。

【改善のチャンス】

 今ほど横の方から声がかかりましたけれども、我が議会がやっていないということではなくて、さらに一歩進めて、今の法律なり、あるいは社会情勢が求めている状況に我が議会のあり方も変えていく必要があるのではないか。今回の請願は、そういう問題を検討する上で、先ほども言いましたけれども、大変いいチャンスを与えてくれたのではないか、このように思うわけであります。

【資質を高めるのであれば自費で】

 それで、政治家の資質を高める云々という議論もありますけれども、私はそういうことであれば、それが目的であれば、それこそこれは公費で行くのではなくてまさに自費で行く、そして自分自身で自分の資質を磨く、それを議会で生かすということが必要ではないかというふうに思います。
 そして、逆に考えてみますと、海外視察を中止したところについて見ますと、行くことが資質を高めることに役立つということでありますから、それをやめたということは、議会としては、じゃ政治家の資質を高めなくてもいいということを決めたのかということにもなるわけでありますが、決してそんなことはないというふうに思うわけであります。

【あらためて請願が求めていることは】

 最初にも言いましたように、この請願が求めているのは二つの事項であります。
 今年度の海外視察の計上された予算の執行をやめるということ、それから来年度以降はこうした予算を当初予算には組まないということがこの請願の中心の要請でありますけれども、こうしたことを中止をしないということは何を意味するかといえば、どうしてもこれからも公費でなければ、公費でこうした海外視察をやりたい、やらなければならないということの意思表明だというふうにも思うわけであります。

     〔「何言ってるか。個人でも行くんだよ。勝手なこと決めるなよ」と呼ぶ者あり〕

◆11番(杉本敏宏議員)

 いろいろと議論のあるところではありますけれども、請願が求めているところはその二つでありますから、この二つについて我が日本共産党議員団は、先ほども言いましたように議会の中での視察のあり方について一石を投ずる、そういう大きな意味も持っているということも考え合わせ、全面的に賛成をするものであります。

 以上であります。