○石平春彦議長 11番、杉本敏宏議員。

     〔杉 本 敏 宏 議 員 登 壇〕

◆11番(杉本敏宏議員) 私は、日本共産党議員団を代表いたしまして、今議会に提出されております請願第3号について、賛成の立場から討論を行います。

 最初にお話しさせていただきますが、私どもは合併に対する賛成、反対の問題と住民投票を行うかどうかという問題は、全く別の問題であるというふうに考えております。そうした立場から、以下賛成の討論をさせていただきたいと思います。

 この請願を提出された市民の皆さんが、この請願に対する思いを次のように語っておられます。皆さんも御承知のように、今回の合併はみずからが決める自主自立の地方自治体をつくるためであり、その基本は住民参加であります。この基本に基づくならば市民に最終判断を問う場があって当然です。しかし、現状はそのように進んでおりません。このままでは、市民全体の意向も聞かずに合併になってしまいます。この状況を憂い、私たちは住民投票を願う請願を提出いたしました、このように述べておられるわけでありますけれども、私がもし議員ではなく一市民であったとしたら、この請願を提出された方々と同じような思いに多分駆られたと思うわけであります。そして、私はこうした市民の思いをぜひとも実現すべきであると思いますし、そこにこそ議会の果たす重要な役割があるのではないか、このようにも思うわけであります。市政の最重要課題である市町村合併について、今回はこの請願を通常の総務常任委員会ではなく、新たに特別委員会を設置して審議を行いました。それほど重要な案件であるというのが議員皆さん方の認識であると思いますが、そうであればあるほど市民に最終判断を問う場を設けるべきではないでしょうか。

 11月に出されました地方制度調査会の最終答申では、その第1、基礎自治体のあり方、その中の1、地方分権時代の基礎自治体の構築の中で次のように強調しております。地方分権改革が目指すべき分権型社会においては、地域において自己決定と自己責任の原則が実現されるという観点から、団体自治ばかりでなく住民自治が重視されなければならない。先日の一般質問でも述べたところでありますけれども、地制調の答申でも住民自治の重視を強調しているわけであります。

 また、同じ答申の中で、市町村をめぐる状況という項目では、今後基礎自治体は一層厳しさを増す環境、住民ニーズの多様化の中で、住民との協働のもとに質的にも高度化し、量的にも増大する事務を適切かつ効率的に処理することが求められていると述べておりまして、住民との協働ということを強調しているわけであります。この住民との協働という言葉は、ただ単に地制調の答申だけではなく我が上越市においてもたびたび使われている言葉ではないでしょうか。住民との協働ということを片方で言いながら、住民の意思表示の場を設けないというのは、全く理に反することになると思うわけであります。

 地制調の答申では、こうした住民との協働ということを強調した上で、特に住民に対して合併による新しいまちづくりの可能性等合併に関するさまざまな具体的な情報を提供することが必要であり、住民自身が地域の基本的な課題として合併について真剣に考えることが重要であるとも述べております。すなわち、情報提供を通じて住民自身が合併について真剣に考えることの重要性を述べているわけでありまして、当然のことながら真剣に考えた結果、それを表明する場を設けることも当たり前のことではないでしょうか。百年の大計であり、市政の最重要課題であり、特別に大事な問題として議論をしてまいりましたこの市町村合併、これを推進するためには、当然のことながら住民の最終判断を求めるのが当然と思うわけであります。

 地制調の答申の中では、さらに3、合併特例法期限到来後における分権の担い手としての基礎自治体という項目において次のように述べております。なお、現行の合併特例法においても合併の是非を含めた合併に関するさまざまな協議を行う場である合併協議会の設置について、ここで述べているのは法定協の設置の問題でありますけれども、一定の場合に市町村長の請求などによって住民投票を行うこととされている。このような場合と同様、都道府県知事が勧告した場合にも一定の場合には議会に付議するか、あるいは住民投票を行うこととする制度を設けることを検討する必要がある、このようにも述べております。すなわち、地制調の答申では法定協の設置について述べているわけでありますけれども、当然同様のことがこの最終判断を行う場で住民の投票による意思表示、これが求められても当然ではないでしょうか。

 このように地制調の答申は、合併推進の立場からではありますけれども、住民投票が制度化される必要性を述べているわけであります。合併を推進するために住民投票が必要であるとすれば、その逆もまた成り立つのではないかと思うわけであります。

 請願といいますのは、先ほども話がありましたが、憲法で保障された国民の固有の権利であります。憲法は、その第16条におきまして、「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」というふうに規定をしております。そして、この規定を受けた請願法、この請願法の第3条では、「請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない」というふうに述べております。請願は、この請願法にも明らかなように、行政庁のみではなく天皇にまで請願を提出する国民の権利を認めている、そういうものでもあります。そうした点から、今回の出されました請願、重く受けとめ、この採択のために全議員の御賛同をお願いする次第でもあります。

 さて、今度のこの請願の出されたタイミング、私は昨日の特別委員会において、まさにグッドタイミングだというふうに申し述べました。請願書の提案理由の中には、その3番として、市の計画によれば来年5月、6月ごろに合併協定書の締結が予定されているということであり、4月までには上越地域合併協議会の協議内容の具体案が市民の前に提示できると思われますと述べております。まさにそういう時期からすれば、今回の合併の全容が市民の前に明らかになったちょうどそのときにこの住民投票が行われるということになり、まさにグッドタイミングだと思うわけであります。中には廃置分合の議決を前にして遅過ぎるのではないかという議論があるかとも思いますけれども、しかし今見ましたような内容からすれば、まさにベストのタイミングであります。そして、逆に早過ぎるのではないかというような議論があるかもしれませんが、それについても同様の理由から、まさにちょうどいい時期だというふうに言うことができると思います。

 住民投票と議会制民主主義の関係、直接民主主義と間接民主主義の問題について、いろんな議論があるわけでありますけれども、私たち自身はこの問題について全住民が政治に参画する直接民主主義こそが政治の本来の姿ではないだろうか、このように考えているところであります。そして、自治体の規模が大きくなったことから、全住民が参加する、そういう場を設けることが事実上不可能になり、間接民主主義が採用されている、このように理解をしているところであります。実際地方自治法の第94条におきましては、町村は条例で、議会を置かず選挙権を有する者の総会を設けることができるというふうに規定をしておりまして、まさに全町村民が集まっての直接民主主義そのものの議論をすることが地方自治法では規定をされているところであります。都市においてそういうふうな総会を設けることが困難なことから、間接民主主義が採用されている、このことを裏づける規定ではないかというふうに考えておりますが、直接民主主義と間接民主主義とは相互に相反するものではございません。これは、現在の大都市の中においては、相互に補完する関係にあると言わざるを得ないわけであります。

 そして、議会に対して全権が委任されているかのような議論もありますけれども、このことについても私はいささか疑問でありますし、逆の立場でございます。有権者が議員を選挙する際に、その議員のさまざまな主張について賛成、反対の立場から選ぶのでありまして、だからといってその議員にすべてのものを委任したというふうに過信をするというのは、これは議員の、私に言わせれば思い上がりでしかない、このように思うわけであります。議員としましても全権を委任されているわけではありませんから、さまざまな問題、とりわけ特に重要な問題、先ほども述べましたように、市政の百年の大計にかかわるようなこういう重要な問題においては、すべて自分に一任されているなどという立場ではなく、真摯に住民の皆さん方の声を聞く、これこそが議員としての本来の本分ではないでしょうか。

 地方自治法では、第2章の住民という項目で、第11条にありますが、「日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する」というふうに述べておりますし、また第12条では、「日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の条例の制定又は改廃を請求する権利を有する」と述べているところでもあります。そして、第5章では直接請求の権利も認めているわけであります。このように住民の政治に参加する権利、これは非常に重いものがあると言わざるを得ません。

 合併特例法でも法定協議会の設置の是非を問うものではありますが、先ほども述べましたように、住民投票をすることが定められているわけであります。このような住民と議会との法的な関係から見ましても、私は今回の請願をぜひとも採択をし、そして市民の皆さんからの御意見を反映させる必要があるのではないかというふうに考えております。

 請願書の提案理由の一番最初には、14市町村合併という日本最多の市町村合併案に対し、住民の最終的な賛否を問うことは、今後幾多の困難が予想されることを考えると当然のことと考えます。これは、今回の合併基本理念にうたわれている自己決定そのものですというふうに述べておりますが、私もまさに同感であります。市民が市政の最重要課題である市町村合併について、その賛否を問う住民投票を求める請願をここに提出されたわけであります。

 今まで述べてまいりましたように、市民の、国民の、また住民の政治に参画する、そういう大切な場であるこの住民投票、これを求める請願に反対するということは、裏を返せば市民の自己決定権、市民参加、住民自治を否定するということになるのではないでしょうか。

 新市における行財政運営指針、法定協議会準備会がことしの6月に発表したものでありますけれども、その2、原則というところに4番として市民の自治意識の醸成というふうに書かれております。市民自身による自主自立のまちづくり、市民と行政との協働が進むよう市民の自治意識を醸成する仕組みを整えます、このようにも述べているのであります。私は、まさに今回の住民投票こそがこの市民の自治意識を醸成する仕組みそのものではないかと考えております。こうしたことからも今回の請願、大賛成であります。

 今度のこの請願の審議に当たりまして、この請願は特別に重要な問題だということがこれまでも言われてまいりました。特別に重要な問題であればあるこそ、この市民の皆さん方の願いをぜひとも実現をさせたいと思うわけであります。

 さて、法定協議会設置の意味でありますが、これまで市民、住民アンケートが行われてまいりました。しかし、御承知のようにその中では合併の賛否を問う項目は、賛否を問うということではなかったはずであります。法定協議会に参加することの是非、任意協議会に参加することの是非、こういうことが問われてきたのではなかったでしょうか。協議をするというのは当然のことであります。法定協議会については、合併特例法第3条1項において、市町村の合併に関する協議を行う協議会というふうに規定をされております。今法定協で幾つかの問題が合意を得ているようでありますけれども、これはだからといって合併が決まったわけではありません。合併の決定は、あくまでも廃置分合の議決によって行われるわけでありまして、そこへ行くまでの間の議論をしている、協議をしているというのが法定協議会の本来のあり方でありますし、またそのように進んでいるはずだと思うわけであります。

 総務省が編さんしておりますQ&A市町村合併ハンドブックによりますと、合併を行うことの是非を含めて合併に関するあらゆる事項の協議を行う組織、これが法定協議会だというふうにも言われております。そしてまた、同じ総務省が出しております逐条解説、市町村合併特例法によりましても、そもそも合併を行うべきか否かの協議もすることが望ましいというふうにも述べております。まさに法定協議会は、合併をするか否かも含めて協議をする場であります。したがって、その協議が進む過程で、市民の中から合併に対する賛否を問う、こういう住民投票の願いが出された場合には、議会としては当然のことながらこれに賛同をし、そういう場を設けるべきではないでしょうか。

 市長は、これまでの議会での一般質問の答弁などで一定程度前向きな姿勢を示してこられました。ただ、いろいろな条件をつけてはおられましたけれども、今議会におきます私の一般質問での答弁では、これまでの前提条件をすべて外して検討する余地があるというような答弁でございました。私は、行政当局においても住民投票の必要性を一層認識を強くされてこられたのだなというふうにあの答弁をお聞きしましたけれども、そういう行政の姿勢に照らしても、この議会において住民投票の請願をぜひとも採択すべきと思うわけであります。

 最後に、この請願書の最後にも述べておりますけれども、上記の理由により現在進められている市町村合併案の賛否を問う住民投票を合併議案採決の前、願わくば次回市議会議員選挙と併せて実施されることを求めます。このことは市民として当然の権利であり、将来の市のあり方を決める権利、すなわち自己決定権を奪うことのないようにお願いいたしたいというふうにこの請願書は締めくくっておりますけれども、まさにこのような願いを奪うことのないようにしていきたいと思うわけであります。

 以上述べまして、本請願に対する賛成討論といたします。