平成14年3月定例会
第1回 3月19日

◆11番(杉本敏宏議員)

 おはようございます。一番最初の一般質問ですが、私の質問は3点ありますけれども、いずれも市町村合併にかかわる問題であります。

 今、国が主導で市町村合併が進められてきております。振り返ってみますと、かつて自治省と言われていたわけでありますけれども、そこは一村一品運動というような運動を提唱いたしまして、それぞれの市町村がそれぞれの場所で自立できるような施策をするよう求めておりましたけれども、そういう立場を180度転換して、現在では合併することによって生き残れと言わんばかりのやり方をしているわけであります。そうしたことから、全国的に合併問題についての、市町村合併についての議論が行われているわけでありますが、過日新聞発表された総務省の集計などによりましても、かなりのところでこういう議論が行われているようであります。しかし、その大部分は職員などを中心とした勉強会というのが実際でありまして、法定協に至ったところはわずかでありますし、任意協に至ってもまだ数十という段階であります。国が目指しております3,200の自治体を1,000にまでとりあえず減らそうというところまではまだまだはるかに及ばない、そういう状況であるというふうにも言うことができると思います。私は、そういう動きを見ながら、今のこの上越地域に起きております市町村合併のさまざまな問題について、市民の皆さん方とお話をしていると出されてくる疑問などについても触れながら質問をさせていただきたいと思います。

 まず第1は、市町村合併における負担とサービスについてであります。例えば新潟県の市町村合併促進要綱では、「市町村合併による行財政能力の向上は、住民にとってサービスの選択の幅を広げ、現在のサービス水準を確保しながら、より高い水準のサービスを安定的に受けられることにつながります」というふうに述べておりますし、また昨年1月29日に発表されました4市町村の勉強会の市町村合併に関する提案の中でも、4番の合併の効果、その中の行政サービスの維持、向上というところには、「市町村合併による行政コストの削減は新たな財源を得ることと同様の効果があり、それにより厳しい財政状況のもと拡大する財政需要に対応しながら、行政サービスの水準の維持、向上を図ることができる」というふうに述べております。また、12月の初めに開かれました任意合併協議会においては、これも新聞報道されておりますけれども、「高いサービスを検討」というふうな大きな見出しが出されておりまして、その中にはサービスは高い方に合わせる行政サービスの比較検討などを申し合わせたというふうに述べられております。市町村合併ではどこでも負担とサービスということが問題になるわけでありますが、その際合併を進める側、中でも行政の方の側からは、サービスが向上するということがどこでも言われているわけであります。確かに負担は低い方に、サービスは高い方に合わせるということになれば、だれもそれで嫌だというわけにはならないわけであります。しかし、問題は本当にこうしたことが、負担は低い方に、サービスは高い方に、負担は低い方にというのを外したとしても、こういう方針が本当に実現できるかどうかがまず一番大きな問題だと思うわけであります。この点で市長は、こうした任意協の方針、上越市として実行できるかどうか、まずどのようにお考えか、お聞きしたいと思うわけであります。

 私がこういうふうなことを言いますのは、合併するんだから上越市の責任ではないというふうに言われる可能性もないことはないというふうに思ってお聞きしているわけでありますけれども、合併には御承知のように新設合併と編入合併の二つがあります。この地域の状況から見ますと、これはどう見ても新設合併ということにはならず、編入合併ということになるのは当たり前ではないかというふうに思うわけです。編入合併であれ、新設合併であれ、どちらの合併の形態にしましても、この地域の実情からして上越市が合併の中心都市になるというのは間違いのないことでありまして、そうしたことから合併後の新しい市にとってみましても、当上越市が非常に大きな責任を持っているというのは当たり前のことではないかと思うわけであります。そうした意味からも、任意合併協議会でのこうした議論、とりわけサービスを高い方に合わせるというようなことがこのとおり実行できるかどうか、市長の見解を伺いたいわけであります。

 次に、市町村合併で地方交付税はどう変わるかという問題であります。国が市町村合併を推進している理由の一つは、何といいましても地方交付税を削減するというところにあります。財政危機、国の借金が多額になっている等々のことが言われているわけでありますけれども、この地方交付税、地方に回すお金を減らすということ、ここに今回の市町村合併の推進の大きな理由の一つがあるというのは紛れもない事実であります。端的に言えば、市町村合併をしないと交付税が減るのではなく、地方交付税を削減するために合併をするわけでありますから、合併をすればするほど交付税が減るというのが今回の合併の姿ではないでしょうか。

 そうした点から、まず合併によります算定がえ、特例が設けられているわけでありますが、この問題についてお聞きしたいと思います。御承知のように、平成13年1月に新潟市に黒埼町が編入されました。交付税額が保障されるということでありましたが、私がお聞きしたところによりますと、平成12年度の新潟市に交付された交付税は244億円余りでありました。黒埼町は15億6,000万というふうに言われております。合わせて260億円の地方交付税がこの二つの市と町に交付されていたわけでありますが、平成13年度合併した後の新潟市に交付された地方交付税の総額はおおよそ230億円でありました。29億円12年度よりも減らされたというふうに言われております。明らかなように、黒埼町の15億6,000万円をはるかに超える2倍近い削減がされたわけであります。市町村合併に関する勉強会の資料などには、この合併による効果、推計の中で合併算定がえの特例措置による普通交付税の試算ということが書かれておりまして、表というか、グラフも載っております。そこに書かれている文言はどうなっているかといいますと、「合併年度及びこれに続く10カ年度は、合併しなかった場合の交付税額を全額保障」というふうに書かれております。「さらに、その後の5カ年度はこの特例による措置額を段階的に縮減する」というふうに書かれておりまして、あたかも交付税額がそのまま10年間保障されるかのような書き方がされているわけであります。しかし、これは事実に反しているわけでありまして、間違った記述だと私は思うわけでありますけれども、市長としてこういう合併による算定がえの特例措置をどうとらえておられるのか、お聞きをしたいと思います。

 合併特例債は、地方財政を借金漬けにした地総債の二の舞になるのではないかという心配がなされております。地総債というのは、御承知のように地域総合整備事業債のことでありますが、自治省がこれを大盤振る舞いしたために後年度の交付税措置がされるということで、市町村の方の側でもこの地総債を使っての事業を大幅に進めた結果が今の借金財政、どこの市町村でも陥っている地方債の増加につながったわけであります。今回の合併特例債、上越市、この地域5市町村でもって見ますと365億5,000万円の財政措置がなされるというふうに計算されておりますけれども、そのうち実に93%、340億円は地方債の発行を認めるということだけであります。そして、その地方債の元利償還については後年度交付税措置をするということになっておりまして、その総額はおおよそ246億円になるかと思います。このやり方というのは、今ほど言いました地総債のやり方とまさに全く同じやり方でありますけれども、この340億円の地方債、10カ年間で発行することが認められているわけでありますが、10年で単純に割り算いたしますと、1年間34億円の市債を新たに発行することができるということになるわけであります。しかし、考えてみますと今回の一般会計、14年度の予算の提案の中でも言われておりますけれども、市債の発行を抑えた、抑えたというふうに言われているわけであります。しかし、その額を見ますとおおよそ34億8,620万円でありますから、まさにこれに匹敵する、要は合併によって今年度上越市が市債を発行したのと同じだけの、倍額の市債を発行することができますよというだけのことでしかありません。こうしたことをやれば、市債をせっかく減らそうとしている努力も全く水の泡になってしまうのではないかと思います。この点で市長のお考えをお聞きしたいと思いますし、実はこの合併特例債の借金返済、地方交付税に算入するといっても交付税財源そのものがないわけでありますから、国はこれを補てんする本当の気持ちがあるのかどうかというのが大変心配なところであります。総務省のお役人はどう言っているかといいますと、「合併すると交付税が減りますから、その減った交付税でこの借金返済の財源に回します」というふうな言い方をしているわけです。言い方を変えますと、タコが自分で自分の足を食べているという、こういう図式になるのではないかと思いますが、市長のお考えを伺いたいと思います。

 段階補正の見直しによる交付税の削減ということがこの市町村合併の機動力みたいになっておりますけれども、平成10年から第1次の段階補正の見直しが行われました。この近隣の市町村を調べてみました。東頸城の6町村でありますけれども、平均で2%ぐらいの交付税が減らされたようであります。段階補正の見直しというのは、交付税を減らす、減らす、減らすというふうに言っておりますけれども、その制度上この程度の削減しかできないというのが実態であります。それに比べて、この上越市の今年度の予算でも臨時財政対策債が十数億円発行されることになったわけでありますけれども、こういう地方交付税特会の借金のつけかえによるような、こういう形での交付税の削減の方がはるかに大きな影響力を持っているわけであります。私は、そういう点ではこの段階補正の見直しによる削減というのは余り心配する必要はないんじゃないか、それよりも事業費補正の見直しだとか、留保財源の見直しだとか、そういったことの方の影響の方がはるかに大きいのではないか、大都市にとってはより大きな影響力を持っているのではないか、このように考えておりますが、市長の考えを伺いたいと思います。

 昭和29年から30年にかけて昭和の大合併が行われましたけれども、ここでも私の聞くところによりますと今回と同じような地方交付税で後年度措置するというようなさまざまな形での財政措置がとられたというふうに聞いておりますが、しかしその後国はいろいろな理由をつけて結局財政措置をすると言った中身の半分程度しか措置をしなかったというふうに言われているわけであります。こうした反省、昭和の大合併の検証をした上で今後の合併議論をしていくべきではないかというふうに思いますが、高田市、直江津市の場合はどうだったのか、もしおわかりでしたらお答えをいただきたいと思います。

 市町村合併は市民にとって大変重大な問題でありますので、住民投票をすべきではないかというのが私の最後の質問であります。任意協の中では、周辺の町村長の中から任意協の議論は早過ぎるという声も出ているようでありますけれども、これをどのように受けとめておられるでしょうか。

 また、市民の皆さんの中に入っていろいろお聞きしましても、合併問題はまだまだ成熟しているとは全然思えません。浸透しているということにはなっていないのではないかと思います。この点で市としてはどのように見ておられるのか、お聞きしたいと思います。

 また、こうした市民の関心がいまだ高くなっていない段階で、これを高めるためにどのような方策をとろうとしておられるのか、お答えをいただきたいと思います。

 最後でありますが、合併は、これを決めるのはまさにそこに住む住民自身であります。市町村長や、あるいは議会が決める、最終的には決定権はありますけれども、それは手続上の問題でありまして、本来的には住民が決めるべきものだと思います。そうした住民の意思表示の場として住民投票を実施すべきではないかと考えますが、市長のお考えを伺いたいと思います。

 以上です。

◎木浦正幸市長

 市町村合併についてのお尋ねでありますが、初めに市町村合併における負担とサービスについての御質問にお答えいたします。

 まず、上越市及び周辺市町村で構成する任意合併協議会の構成市町村に動きがありましたので、若干御説明いたします。当協議会には今月1日に板倉町が加入されましたが、去る2月18日には浦川原村村長から、また今月7日には大島村長からも加入の申し出がありました。当協議会は加入については柔軟に対応していくとされておりますことから、これらの自治体も加え、今後ともに将来のまちづくりについて話し合っていかなければならないと考えております。

 さて、当協議会では構成市町村が一緒になった場合、それぞれが行っている行政サービスがどのようになるのか、その調整方針案を作成して住民の皆さんにお示ししていくこととしておりますが、これらの行政サービスは多岐にわたり、事業によっては対象年齢や人数、サービスの内容や従事する職員数などにおいて市町村間の違いもあることや、一つの自治体だけが行っているなどの突出したサービスもあることから、調整に当たっての考え方が事業によって異ならないよう統一性を持たせて検討を行っていくこととし、その基本方針を「原則としてサービスは高い方に合わせる。ただし、行政の効率化、財政の健全化、事業の対象人数等を考慮し、現実的かつ実効性のあるものとする。また、住民サービスの低下や負担など、住民生活に急激な変化をもたらさないよう配慮する」こととしております。

 この基本方針に従い、主に住民に深くかかわりのある健康福祉や生活環境、教育など85項目、216の事業について現在作業を進めておりますが、調整方針案の作成に当たっては事業の必要性や今後のあり方などを含め、課題を整理した上で事業に係る経費や住民負担の変化なども検討しながら財政の健全化や行政の効率化に努め、合併後に財政破綻を招くことのないよう、現実的かつ実効性のある案を作成していかなければならないと考えております。

 このため、負担を低い方に合わせるといったことやサービスを高い方に合わせるといったことが困難な場合もあるかと思われますが、合併によって住民サービスの低下を招いてはならないことから、任意合併協議会の方針に従い、構成市町村が一緒になった場合の住民生活を総体的に維持、向上するよう調整方針案を見出していく必要があると考えております。

 なお、今ほどお答えいたしましたように、構成市町村の現在の事業を比較した場合、同一の事業であってもサービスの内容や料金設定などに違いがあり、事業を統一した場合には負担増をお願いしていかなければならないことも考えられますことから、議員が言われる負担は低い方に、サービスは高い方にではなく、原則としてサービスは高い方に合わせるとし、現在各市町村が行っているサービス水準の維持、向上を図っていくこととしているものであります。

 また、合併の中心都市である上越市としてこのとおり実行できるのかとのことでありますが、サービスの内容によっては財源やそれに従事する職員数などが問題となっていく場合もありますことから、合併後の事業に係る経費の将来推計等を行い、合併後も財政の健全化が図られ、議員が御心配されているようなことがないよう、任意協議会において検討していただくこととなります。

 これら行政サービスの取り扱いについては、この調整方針案を住民にお示しし、御意見をお聞きした後、議会の議決を経て設置される法定協議会においてさらに協議され、合併協定書に盛り込まれることとなりますが、この協定書は新市に引き継がれ、新市が責任を持って履行していくものと考えております。

 また、法定協議会での協議により、新市において旧市町村の区域ごとに地域審議会を設置できることとされております。この地域審議会は新市の長に意見を述べることができるものであり、その対象として新市の建設計画の執行状況や公共施設の配置、管理運営、また福祉や生活環境等施策の実施状況、さらに当該区域において利害関係のある事務事業などが挙げられることから、行政サービスについても調整方針に基づいて取り扱われるものと考えております。

 次に、市町村合併で地方交付税はどう変わるかとのお尋ねでありますが、まず合併による算定がえをどうとらえているかとの御質問にお答えいたします。御案内のとおり、地方交付税は全国の自治体が標準的な行政サービスを提供していくために必要となる経費に比べ、税収入が不足する場合にその不足額を補てんする方法として制度化されているものであり、普通交付税と特別交付税に区分されております。そして、地方交付税総額の94%が普通交付税として、また6%が特別交付税として配分されることとなっております。普通交付税は、各自治体ごとに一定の方法により計算した財政需要である基準財政需要額が一定の方法で計算した税収等の収入である基準財政収入額を超える額、つまり財源不足額に応じて交付されるものであり、特別交付税は普通交付税では捕捉できない臨時、特別の財政需要、例えば災害や豪雪時の除雪経費など、標準的な計算では算定できない需要に対して交付されるものであります。

 御質問の地方交付税の合併算定がえでありますが、これは普通交付税額の算定の特例として市町村の合併の特例に関する法律、いわゆる合併特例法の第11条に規定されているものであります。この特例措置は、合併後の新しい一つの自治体として通常に算定して求められる算定額、これを一本算定といいますが、この算定額が合併前の旧市町村ごとにそれぞれ算定した額の合算額に比べて交付税の仕組み上少なくなることから、合併後10年間については毎年度合併前の旧市町村の区域ごとにそれぞれ算定し、これを合併算定がえと言いますが、その合算額を合併後の新しい自治体の普通交付税額とすることとされているものであります。また、10年経過後も、さらに5年間は急激に交付税が減ることにより行財政運営に支障を来すことのないように激変緩和措置が講じられることになっており、段階的に一本算定による算定額に近づけていくことになっております。このような普通交付税の経過措置は、合併に伴って期待される行政の効率化などによる行政経費の節減効果が合併後直ちにすべてあらわれるものではないことから、一定の期間、算定の特例を設けて財源の保障を行うこととされているものであります。

 また、合併算定がえによる算定額は、合併した各自治体の合併直前の普通交付税額の合算額を固定的に保障するというものではなく、通常の普通交付税の算定と同様に毎年度人口や道路延長、小学校の学級数などの測定単位をもとに算定することとなるため、各測定単位が変動することや税収の増減が生ずることなどに伴って年度ごとに算定額が異なってくることとなります。

 ちなみに、高田、直江津両市が合併し、上越市が誕生した際の例を申し上げますと、当時と現在とでは若干内容が異なりますが、合併翌年の昭和47年度から昭和51年度までの5年間において、現在は合併特例法の改正により期間が5年間から10年間に延長されておりますが、合併算定がえの措置が講じられ、昭和47年度には一本算定では7億4,028万円のところ、合併算定がえにより9億256万円が、途中は省略いたしますが、昭和51年度には12億7,141万円のところ、16億3,860万円の普通交付税が交付されております。また、合併算定がえ終了後の昭和52年度から昭和57年度までの6年間、激変緩和措置として各年度の特別交付税に合併算定がえ最終年度である昭和51年度における合併算定がえによる普通交付税額と一本算定による普通交付税額との差の25%に当たる9,100万円余りが措置されたところでございます。

 次に、合併特例債は地方財政を借金漬けにした地総債の二の舞になるのではないか、合併特例債の財源は国にないのではないかとの御質問にお答えいたします。合併特例債は、合併後の市町村が市町村建設計画に基づいて行う一定の事業、例えば旧市町村相互間の道路や橋梁等の整備など、合併後の市町村の一体性の速やかな確立を図るための公共的施設の整備、また合併後の市町村内の行政サービスの水準の均衡を図るための公共的施設の整備等々に要する経費について、合併年度及びこれに続く10年度の間に限り充当できることとされており、また合併後の市町村が地域住民の連帯の強化や旧市町村の区域の地域振興等を図るために、基金を造成する場合についても同様に充当できるものであります。そして、この合併特例債の元利償還金の70%については、後年度において普通交付税の基準財政需要額に算入されることとされているものであります。

 こうした合併に際しての交付税や地方債による国の支援については、私はあえて拒む必要はないと思いますし、活用すべきであると考えております。しかしながら、地方債は必ず返済しなければならないものでありますし、また地方交付税も縮減される方向性が示されていることから、合併特例債についても当然のことながら後年度の財政運営に支障を来すことにならないよう、その発行に当たっては細心の注意を払い、節度ある対応をすべきものと考えております。

 合併特例債の返済を交付税で手当てする財源が国にあるか否かについて私がお答えできるものではありませんが、いずれにいたしましても地方分権が推進され、国と地方の役割分担等が見直される中で、当然地方交付税も含めて地方分権時代にふさわしい税源配分の見直しもなされるべきものであり、私といたしましても市長会等を通じて強く国に働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、段階補正の見直しによる交付税の減少よりも、臨時財政対策債による減少の方が大きいと言われているが、どう思うかとの御質問にお答えいたします。市町村に交付される普通交付税は、人口10万人の自治体を標準団体として設定し、人口の多寡や小中学校の学級数、道路の延長や面積など、各項目ごとに必要な補正を加えて算出する仕組みになっております。こうした中で、各種行政経費には人口規模等に必ずしも比例しない固定的な経費等もあることから、人口10万人を超える団体については人口比例よりも少なく基準財政需要額が算定されるように、一方人口が10万人よりも少ない団体ほど人口比例より多く需要額が算定されるように段階補正が設定されているものであります。

 各自治体が効率的な行政運営に努める中で、国では小規模団体に対する段階補正の割増率が実態に合わなくなってきているとして、この間既に人口4,000人未満の自治体については見直しが行われているところでありますが、平成14年度の交付税制度の改正においては、人口10万人未満の市町村に対する段階補正の割り増し率を平成16年度までの間に段階的に縮小する方向が示されているのであります。

 当市の場合には、人口規模から見てこの改正に伴うマイナスの影響はないものと考えておりますが、県内の市町村が受ける影響は、県の最新の試算では、平成13年度ベースで見た場合、約44億円と見込まれているところであります。

 一方、臨時財政対策債は、交付税特別会計で借り入れを行うことにより、地方交付税を増額交付して地方の財源不足を補てんしてきたこれまでの共同借り入れ方式を変更し、各自治体が直接地方債を発行することにより、財源不足を補てんする方式に切りかえることとされたことに伴い発行することになったものであります。そして、この臨時財政対策債の県内市町村の平成13年度の発行可能総額は実際に発行される額ではなく、上限額でありますけれども、153億円余りとなっているところであり、理論的にこの分だけ交付税が減り、地方債がふえることになるわけであります。

 段階補正の見直しによる影響額が国全体でどの程度になるのか、詳細なデータは示されておりませんが、今ほど申し上げましたとおり県内市町村の状況を見る限りでは、臨時財政対策債に切りかえられたことによる交付税の減少影響の方が大きいものとなっております。

 しかし、今後経済、財政環境が好転するなどにより地方の財源不足が縮小することになれば、それに伴って臨時財政対策債も縮小することになり、すなわち交付税から臨時財政対策債へ切りかえられる額も縮小することになることから、今後の状況の変化によっていずれの影響額が大きくなるかは必ずしも一概に比較することはできないのではないかと考えております。

 なお、臨時財政対策債については、平成13年度から平成15年度までの措置とされているところであり、平成16年度以降の取り扱いについては現時点では不明でありますが、今後国及び地方行財政全体のあり方を踏まえて検討されることになるものと考えております。

 続いて、昭和の大合併の際の国の財政支援の結末はどうだったのかとの御質問でありますが、私といたしましては書物等に記録されていることなどをもとにお答えする以外にはございませんので、あらかじめ御了承願いたいと存じます。昭和の大合併は、基礎的な自治体である市町村に事務の再配分を行うことを前提として、市町村の規模、体制を整備することを目的に昭和28年から31年にかけて3年間の時限法として町村合併促進法を制定して促進されたものであります。

 その社会的な背景には、戦後市町村の責任において処理をしなければならない事務が増加してきている中で、規模の小さな町村では事務を能率的に処理する行政能力、財政上の能力を持っていなかったこと、また交通機関の発達や電信電話の普及、工業の発展等により、住民の生活圏が市町村の区域を超えて拡大してきたことなどにより、市町村が住民に対して合理的、能率的に施策を行っていくためには行政圏を住民の生活圏に合わせることが必要であったとされております。

 こうしたことから、当時国では合併を推進するため財政面の支援を行うこととし、国としては普通交付税について算定がえ、このときは合併後5年間でありますが、により合併しなかったものとして算定される額の合算額を下らないようにする、また、新町村建設計画に基づく事業については地方財政法の規定にかかわらず地方債を財源にできること、新町村建設計画を実施するに当たり必要となる国有財産、国有林野の払い下げの特例を認めること、さらに、国庫補助金については合併町村に対し優先的な取り扱いをすることとするとともに、町村合併を積極的かつ円滑に促進し、合併町村が基盤を拡充、強化するために必要な諸施策、合併に必要な調査、啓発宣伝、庁舎の増改築等々でありますが、を実施するための経費の一部を補助することとされたほか、特別交付税でも必要な支援をすることとされたところであります。

 また、都道府県に対しても、単独で交付する補助金、負担金については事情の許す限り合併町村のために優先的な取り扱いをすること、道路整備、河川改修等の土木事業を初めとする単独事業についても合併町村に対して優先的に取り扱うこと、国が合併町村に対して優先的に措置することとしていることに関連するものは、都道府県としても合併町村に対し優先的な取り扱いをすることと通達し、支援を求めたのであります。

 当時は、国の財政状況が黒字である一方、地方財政は赤字のどん底と言われる状況であったことも作用し、国、県の財政支援を受けて合併は順調に進み、昭和28年10月に9,500余りもあった町村は、昭和32年4月には3,300余りに減少することとなりました。そして、町村合併促進法が昭和31年9月末をもって失効することを受けて、国は引き続き5カ年の時限法として新市町村建設促進法を制定し、新市町村建設計画の実施を促進するため、国及び都道府県の協力援助措置並びに地方財政法、地方税法、地方交付税法の特例を規定し、全面的な指導と援助を行ったとされているところであります。

 これらの国の財政支援の実施状況につきましては定かな資料等がなく、私としてはお答えできませんが、当時の法律、制度にのっとり適正になされたのではないかと思っております。ちなみに、昭和34年度に直江津市が集会施設整備費の2分の1を、また高田市が重要土木用機械の購入費の2分の1を県から補助を受けたこととなっております。

 個々の合併町村にはそれぞれさまざまな問題があったかと存じますが、国全体としては順調に推移したのではないかと思っておりますし、合併の促進により昭和30年代の急速な社会経済の進展を受けて行政ニーズが増大するとともに、多様化、複雑化していくことに対応できる体制が整えられたことは大きな効果があったとも言われているところであります。

 なお、このたびの合併特例債に対する交付税措置による国の支援が将来にわたり確実に担保されていくかどうかというようなことにつきましては、私は申し述べる立場にはございませんが、国が制度として特例法により定めているところであり、国が責任を持って適正に対処されていくものと考えております。

 次に、市町村合併は市民にとって重大な問題なので、住民投票を実施すべきではないかについてでありますが、まず周辺首長から任意協の論議は急ぎ過ぎとの声も出ているようだが、市長はどう受けとめているかとの御質問についてお答えいたします。市町村合併は住民生活に密接にかかわり、地域の将来に大きな影響を与えるため近隣市町村においても真剣に議論をされておりますが、各市町村にはそれぞれの事情があることから、合併に対する考え方や取り組みについて相違があることも事実であります。

 このため、私はこれまで申し述べてまいりましたように、将来に禍根を残すことのないよう、お互いの事情を考慮しながら、無理に結論を急ぐことなく、十分に議論を行っていくことが大切であると考えております。

 このようなことから、任意合併協議会の事業を行うに当たりましても、議員御承知のとおり、事務局会議、構成市町村担当課長等で構成する幹事会、そして任意合併協議会と十分に論議を重ねる中で取り組んでいるところでありますので、御理解をいただきたいと思います。

 次に、合併問題はいまだ市民に浸透していないのではないかと、市民の関心を高めるためにどうしようとしているのかとの御質問につきましては、双方に関連がありますので、あわせてお答えいたします。合併は、地域の将来のあり方を考えていく上で最も重要な問題であり、合併を考えていく際には近隣市町村との結びつきや歴史、地勢、人口動態、将来的な財政状況や今後の行政のあり方等々、多くの要因を含めて考えていかなければならないと思っております。

 このため、これまでも広報紙や任意合併協議会だより、市のホームページなどで市町村合併に関する勉強会や任意合併協議会の取り組み等をお知らせしてまいりましたが、今後もさらに情報の提供を図り、市民の意見をお聞きしていく必要があると考えております。

 このような中、合併を前提としたものではないにしろ、市民の皆さんから議論いただける任意合併協議会の枠組みも見えてきたことから、今後地域単位などで市民への説明会を行っていく必要があると考えております。

 また、任意合併協議会では、これまで事業内容の検討や準備を進めてまいりましたが、2月に行いました住民アンケート調査の結果概要が間もなくまとまることや、今月23日に厚生南会館で市町村合併を考える住民フォーラムを開催することから、これらの結果を含め住民の皆さんに情報を提供し、意識の高揚を図っていくこととしております。

 さらに、今後のグランドデザインの作成や行政サービス調整方針案の作成に当たっても、検討経過や事業成果を住民にお示ししていくこととしておりますので、一層議論が深まっていくものと考えております。

 次に、合併は首長や議会ではなく、住民が決めるものではないか、そのために住民投票を実施すべきではないかとの御質問にお答えいたします。合併は、住民生活に深くかかわる重要事項でありますことから、全国の自治体の中には合併の是非を問うため住民投票制度を導入している自治体もありますが、市町村合併についての是非を住民に問うに当たっては、合併の形態や合併後の市町村の姿、行政サービスや組織機構の取り扱いなど諸条件を総合的に勘案した上で判断されるべきものであることから、単に一案を示してその判断を仰ぐことはいかがなものかと思っております。

 また、合併は当然相手方となる市町村の存在が前提となるものであることから、複数の市町村の住民生活や上越地域の将来にもかかわる問題を上越市民の住民投票をもってその是非を判断することは果たして適当であるかどうか、疑問を持つところであります。

 したがいまして、議員御指摘のように住民投票は市民参加を推進していく上での一つの有効な方法ではありますが、投票以前の問題として市民に十分な情報を提供し、御意見をお聞きしていくことが重要であり、その上で市民の代表であり、最高の意思決定機関である議会の皆さんと御相談し、合併について判断していかなければならないと考えておるところでございます。

 以上でございます。

◆11番(杉本敏宏議員)

 御答弁に対して幾つかの再質問をしたいと思います。

 サービスの問題でありますけれども、私12月議会で国保税の問題取り上げさせていただきました。標準世帯の試算で、上越市の場合には600万の収入、4人家族でおおよそ50万円の国保税を払わなければならない。一番少ない名立町が31万円ほど。この19万円の差をどうやって埋めるのか、まさにサービスの問題でありますけれども、私はかなり不可能ではないかというふうに思うわけであります、こうした問題。それから、例えば昨年両津の市議会が両津市全域に配布いたしました資料によりますと、中学校は1万2,000人の人口に対して1校の配置というのが文部省の基準だというふうな言い方をしておりまして、そうしたことから、佐渡島内にはある中学校の数が半減する、こんな合併はできないという、そんなビラを出しておりますけれども、この地域でもこうした基準からいきますと、牧村、三和村、清里村合わせて中学校が1校ぐらいのことにならざるを得ない状況であります。これが果たして住民サービスの向上と言えるのかどうか。身近なところにある学校に通える状況からはるか遠くの学校へ行かなければならなくなるというのは、サービスの向上ではなくて、サービスの低下そのものではないかというふうに思います。また、介護の問題で見てみますと、確かに上越市にはヘルパーが115人おりまして、牧村のヘルパーさんは4人、清里村は3人、名立も3人であります。しかし、この人たちが相手にする寝たきりのお年寄り、在宅と入院の方をこの人数でもって割り算いたしますと、上越市は1人のヘルパーさんが8.7人の方の面倒を見なければなりません。牧村は6.5人でありますし、三和村は6.9人であります。もちろん上越市よりも高いところもありますけれども、こういったサービスが本当にそれでは一番サービスが行き届いているであろうと思われる牧村の6.5人に合わせることができるのかどうか、まさにサービスの問題というのはそういうことが問われているのではないかと思うわけです。

 その点で、私はこれはこうした施策というのは、口で言うは易し、行うは難しだろうというふうに思います。実際この間市町村合併が行われた東京のあきる野市、これは秋川市と五日市町が合併したわけでありますけれども、合併協定上は住民サービスは高い方に合わせるということが確認されておりました。確かに、合併後2年間から3年間ぐらいはこの方針が貫かれたようでありますけれども、95年9月1日に合併いたしまして、7年ぐらいになるわけですけれども、この間次々と値上げが計画される、サービスの切り下げが行われて、実態は両方の市の高かった方の負担に合わせられる、サービスは低い方に合わせられるという、こういうことになっているようであります。また、水戸市に吸収合併されました常澄村というのが1992年にありますけれども、当初94人いた職員が95年には49人に半減され、ことしからは8人に縮小されて、支所であったものが出張所に格下げされるというふうになっているそうでありますけれども、まさにサービスの切り下げそのものが合併した後で行われるというのが実際でありまして、言われているのは合併協定の問題も指摘されております。合併協定は、確かに協定ではありますけれども、編入合併にしても新設合併にしても、協定を結んだ市町村が片方がなくなってしまう、合併によって消滅してしまうという問題があります。新しい市でそれを受け継ぐと言われておりますけれども、なくなった相手方に対する責任義務はないというのが実態ではないでしょうか。こうした問題、本当にこのサービス、高い方に合わせていくことができるのかどうか、私は不可能と思います。不可能であれば、やはり初めから不可能ですというふうに正直に言うべきではないかというふうに思いますが、市長のお考え改めてお聞きしたいと思います。

 合併の算定がえの問題ですが、市長の説明は正しいのであります。その年、その年の基準で交付税額が算定されて、別々で算定したものを足し算するという話でありますから、合併前の年の交付税額を全額保障するということではない。これは当然でありますし、私もそのように思っていますし、それが正しいと思います。しかし、先ほども言いましたように、市町村合併に関する勉強会の調査報告書はそうなっておりません。合併しなかった場合の普通交付税額を全額保障というふうに書いてあるんです。これが多くの人たちを惑わす結果にもなるだろうというふうに思いますが、こうした間違った記述は改めるべきでありますし、任意協議会の中でもこういうことはあり得ませんというふうにはっきり言うべきだろうというふうに思います。この点で市長のお考えをお聞きしたいと思います。

 また、段階補正の見直しの問題がありました。この段階補正の見直しというのは、今ほどの算定がえの話にもかかわってきます。これは、合併した後でもそれぞれ個別に計算するわけですが、そのときに段階補正の見直しが行われた状態で計算されて合算されるわけですから、これは合併する前に問題だというだけではなくて、合併した後でもこれが貫かれると大変大きな問題になるというふうに思うわけです。そうした点で、いま一度この問題についてお答えをいただきたいと思います。

 一番最後の問題でありますが、私も住民投票をただやみくもにやれというふうに言ったつもりはありません。もちろんその前段で言いましたように、合併問題がいまだ浸透していないのではないかと思っていますし、また関心を高めるためにいろんなことをしなきゃならないと思っています。そうしたことをやった上で最終的に合併するかどうかを決めるのは住民自身でありますから、住民自身がそういう豊富な材料提供、資料提供のもとで判断できるような状況をつくるべきではないかと思うわけです。そのためには住民投票しかないのではないか、このように思うわけですが、改めて市長のお考えお示しいただきたいと思います。

◎木浦正幸市長

 それでは、再質問にお答えをさせていただきます。

 最初に、負担とサービスの点で御質問がございました。ただいま現在のところ、事務担当者によりまして御指摘の点も含めて、事業ごとに比較検討を行っているところでございます。おっしゃられるように、事業によってはサービスの内容や対象となる人数、賦課状況、料金設定などに違いがあることがあることから、その要因を分析しながら合併した場合の財政状況や住民負担の変化、従事する職員数、事業の将来推計なども含めて検討を行っているところでございます。その結果、現行のサービス水準を維持しながら財政の健全化を図っていくために、関係市町村それぞれの現行の住民の負担額と調整方針案を比較した場合、事業によっては負担増をお願いしなくてはならない場合もあり得るのではないかというふうに思っております。その場合には、住民への急激な変化をもたらさないよう段階的に調整することなどの配慮も必要によって考えていかなければならないのではないかというふうに思っているところでございます。

 続きまして、算定がえの質問がございました。合併後相手がなくなるような話ではなくて、地域住民という地域の主人公が生活していることになっているわけでありますので、合併してもその方々が地域の主人公として生活していけるように、当然この協定を守っていかなければならないというふうに思っておりますし、それが信義であるというふうに思っておりますので、そういう方向で考えていきたいというふうに思っております。

 3番につきましては、段階補正の質問がございました。合併後も影響するのではないかという御質問でございましたが、おっしゃるとおりだというふうに思っております。そういう意味におきましても、私としても大変このことに関心があり、議員御心配のないように、御指摘ございました点にも留意しながらこのことを進めていきたいというふうに思っているところであります。

 それから、最後に住民投票の再度の御質問がございました。先ほど私が申し上げましたとおり、最終的に住民の判断が必要なことは議員御指摘のとおりでございますが、しかしながらこれから任意協議会の中でいろいろと予定されております情報を市民の皆様方に提供しながら合併の議論を展開していっていただいて、そしてそれぞれの意見を拝聴しながら、任意合併協議会を進めながら、法定協議会に進んでいくときに再度またそういういろんな市民からの御意見、アンケートもとらせていただく中で、最終的に議会の皆様方と相談しながらこの合併については進んでまいりたいというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。

◆11番(杉本敏宏議員)

 答弁が漏れたのかなと思うんですけれども、合併算定がえの記述、勉強会の資料間違っている、直す気があるか、任意協で表明するつもりがあるかというふうにお聞きしましたけれども、その点再度お答えいただきたいと思います。

◎木浦正幸市長

 再々質問でございますが、ただいまの現状でよく確認できないでおりますので、後ほどお答えさせていただければというふうに思っておりますが、よろしくお願い申し上げます。