2001年9月定例議会
総 括 質 疑 原 稿



 私は日本共産党議員団を代表して、先に通告しました4点について総括質疑を行います。

1.報告第8号〜第10号 専決処分した事件の承認について

@地方自治法のどの規定に基づいて、専決処分したのか。

 最初の質問は、専決処分についてであります。
 地方自治法は、長の専決処分ついて、第179条、180条でその要件を明確に規定しています。

第百七十九条  普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条但書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会を招集する暇がないと認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。
 ○2  議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
 ○3  前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
第百八十条  普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる。
 ○2  前項の規定により専決処分をしたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に報告しなければならない

 昨今、この要件を緩和しようという動きがありますが、それはさておき、今回の専決処分は、地方自治法のどの規定に基づいて行ったものか、明確に答弁をいただきたい。

7月23日付けで2件――19日に議員懇談会
7月30日付けで1件――30日に厚生常任委員協議会

2.議案第82号 平成12年度上越市一般会計歳入歳出決算認定について

@歳入歳出差引は17億円余の黒字だが、42億円もの市債を発行しているので、実質赤字ではないか。

 上越市の一般会計を市民の家計にたとえると、次のようになる。

 546万円の収入があって529万円使ったので、17万円余ったということだ。しかし、考えてみたら、464万円もの借金があったのに、元金34万円返しただけで、新たに42万円借金したので、結局借金は7万円増えて471万円になった。
 546万円の収入も親父の稼ぎ―市税だが―は、187万円しかなく、前の年よりも4万円も減っていて、奥さんや子供の収入を加えても足りない分を、両親から79万円も仕送りしてもらって―地方交付税だが―、何とかやりくりしている。その両親も生活が厳しいので仕送りを減らすぞと言ってきている。
 よくよく見たら、別会計で500万円も使っていて、そっちの借金が692万円もある。まあ、一般家庭ならば、火の車を通り越して破産寸前というところだ。

 市民からは、「上越市は17億円も黒字で、財政が豊かですね」といわれる。歳入歳出差引17億円の黒字というのは、実態を表していないのではないか。実態は、42億円借金したので17億円余ったということで、実質赤字ではないか。

A市債は7億円余ふえて471億余円(特別会計も合わせると1163億円)にもなったが、返済できるのか。

 一般会計の市債残高は、7億円増えて471億円になった。これに特別会計の市債残高も合わせると1163億円にもなる。471億円というのは一般会計546億円の実に85%にあたる。
 借金がここまで増えてくると誰だって心配になるではないか。この借金、本当に返せるのか。

一般会計市債残高
年度 億円
2000(~12) 471.6
1999(~11) 463.9
1998(~10) 448.2
1997(~9) 435.8
1996(~8) 427.4
1995(~7) 413.2
1994(~6) 401.4
1993(~5) 397.4
1992(~4) 356.7
1991(~3) 362.9
1990(~2) 356.6
1989(~1) 343.5
1988(63) 327.9

B公債費は51億円であるが、その内元金は34億円であり、42億円もの市債を発行したら市債残高は膨れるばかりではないか。

 公債費は51億円でいっぱい返したように見えるが、その内元金は34億円である。元金34億円しか返さないのに42億円も借金したら、借金残高は膨れるばかりではないか。少しでも借金の額を減らそうとすれば、返す以上には借りないということにするべきだ。
 平成5年度まではおおよそ350億円程度で推移してきたが、宮越市長に替わって毎年10億円と急激に増えてきた。

C債務負担行為の年度末現在高が、前年度末の60億円から114億円へと2倍に増えているが、後年度の負担増が懸念されないか。

 債務負担行為の年度末残高が急増しているのもここ2〜3年の特徴だ。債務負担行為は、事業費を数年にわたって分割して支出する。特に前年度末の60億円から114億円へと2倍に増えているが、後年度の負担増が懸念されないか。

D景気低迷が続いている中で、商工費が当初予算比で14億5千万円、前年度決算比でも7億2千万円も減少しているが、効果的な対策が取れたのか。

 景気低迷が続いている中で、商工費が当初予算比で14億5千万円、前年度決算比でも7億2千万円も減少している。景気対策をしているというが、効果的な対策が取れていないのではないか。
 なぜこんなに余ってしまうのか。それは借りたくても借りられないからだ。銀行への預託という制度に問題がある。銀行の思惑でふるいにかけられてしまう。いわゆる貸し渋りである。預託ではなく、市が直接貸し出す制度にすべきだ。

3.議案第95号 平成13年度上越市一般会計補正予算について

@市町村合併は、本当に行財政基盤の強化をはかる有効な手段か。

 「提案理由の要旨」で「行財政基盤の強化を図りつつ、分権時代にふさわしい室の高い行政サービスを安定的に提供していく上で、市町村合併は有効な手法の一つであると考えております。」と述べ、「任意の合併協議会を今年10月に設置することで正式に合意した」として、協議会設置のための補正予算が提案されている。

 市町村合併によって行財政基盤は本当に強化されるのだろうか。
 財政的には、市町村民税は合併前も合併後も変わらない。増えるとすれば増税をするということである。上越市だけを見れば確かに今の市民税に合併した町村の住民税が加わるから、192億円から201億円へと多くなったように見える。しかし、その分人口が増えているのであるから、強化されたことにはならない。むしろ、一人当たりの税収で見れば、144,631円から137,996円へと減少するのであって、合併しただけでは税収は増えないのである。

 地方交付税は、本来ならば合併すると減少するのであるが、それでは合併が進まないというので、特例が設けられているのである。その特例も10年後から漸減し15年後には本来の交付税額になるから、大幅に減少することになる。5市町村が合併した場合当面は126億円交付されるが、15年後には、現在の上越市の水準と同程度の70億円に減るから、4町村分の交付税がまるまる減ることになる。財政基盤は一つも強化されない。

 行政基盤はどうか。今全国でキラッと光るような施策を進めている自治体を見ると、人口が数千から数万の自治体だと言われています。5月に高柳町に行って来た。ここは2万人ほどいた町だったが急激な過疎化で2千数百にまで減少したが、行政と町民がまさに一体となって、全町あげてまちづくりに取り組んでいて大変元気な町だ。町民がそこに住んでいて良かったといえるまちづくり、住民の意思を尊重しアイデアを十二分に生かす行政の姿勢等々。よそと合併したらせっかくのまちづくりがダメになってしまうという。
 その後、総務常任委員会の視察で高知市に行った。ここも住民中心のまちづくりが進んでいるところだが、そのやり方は何と高柳町と瓜二つだった。
 8月のはじめには、議運の視察で滋賀県の長浜市に行った。大型店の集中出店で商店街が壊滅的な打撃を受けた町だが、ここでも行政と住民とが一体となった取り組みで、商店街が復活していた。

 憲法は第8章に地方自治を掲げ、第92条からの4つの条項を掲げている。
第92条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。
住民自治の原則 地方自治体のことは、住民の意思に基づいて決定し、住民の参加によって執行する。
団体自治の原則 地方自治体は、方針の決定や執行の全体において、国に対して自主的である。

 住民自治の原則が貫かれている事例であり、真に行政基盤が確立している。自治体の規模の大小ではないのである。長にその意思があり、職員をその方向で教育し、行政に携わらせているかということだけである。そうした努力をなおざりにして、「規模が大きくなれば」というのは、いかがなものか。
 市町村合併では行財政基盤は強化されないのではないか。

A今になって厚生南会館の耐震診断調査を行うのはなぜか。

 高田公園の長期整備計画では、厚生南会館は取り壊すことになっている。いまさら耐震診断調査を行う必要はないのではないか。耐震調査をするということは、今後とも使い続けるということか。耐震診断調査を行うのはどういう理由か。

B一民間企業のためにコンビニの用地を調達する必要があるのか。民間に任せるべきではないか。

 アーバンヴィレッジ第1号地区で、一民間企業であるコンビニの出店のために、用地を調達するというが、こんなことこそ自助努力で行うべきである。
 第1号地区というからには、第2号以下も考えているのだろうが、その都度要望があれば、行政が便宜を図るということにならないか。市内各所で一生懸命に事業展開している一般民間企業との整合性はどうなるのか。

4.議案第83号 平成12年度上越市国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定について

@財政調整基金に2億円積み立てているが、保険料を引き下げて加入者に還元すべきではないか。

 上越市の国保税は新潟県内で一番高い。我々は以前から引き下げを要求している。介護保険の導入が一つのチャンスだった。
 払いたくても払えないでいる滞納者がいっこうに減らない。収納率も伸びていない。不納欠損額は600万円増えて4200万円にもなったし、収入未済額は7000万円も増えて6億8500万円にもなっている。その原因は、保険料が高すぎることにある。介護保険料が上乗せされたからなおさらだ。
 歳入歳出差引で4億3154万円の黒字になって、2億円を財政調整基金に積み立てるというが、いまこそ保険税を引き下げて加入者に還元すべきではないか。

A短期保険証等の発行は、悪質な滞納者に限るべきではないか。

 6月1日現在の新潟県全体での短期保険証の発行数は、3179世帯であるが、このうちの約3分の1、947世帯が上越市である。資格証明書の発行も500通近く出したという。大変な事態である。
 全員が払えるのに払わないという悪質な滞納者ではない。大部分は、収入が少なく払いたくても払えない世帯だ。短期保険証等の発行、とりわけ資格証明書の発行は、悪質な滞納者に限るべきだ。