2001年3月定例議会
総括質疑原稿


2001年3月7日

目次

1.議案第1号平成13年度上越市一般会計予算について
 (1)臨時財政対策債、いわゆる赤字地方債の発行は見合わせるべきではないのか。
 (2)和田地区の吹上遣跡について、全容解明するとあるが、保存について触れていないのはなぜか。
 (3)北陸新幹線のフル規格整備に伴う上越市の負担はどのくらいか。
 (4)減反を前提として諸施策を考えておられるようだが、その理由は何か。
 (5)盛り沢山の30周年記念事業は、職員の負担増にならないか。

2.議案第5号下水道事業特別会計、議案第55号下水道条例の一部改正及び議案第46号農業集落排水条例の一部改正について
 (1)値上げを抑える方策はなかったのか。
 (2)独立の会計である農業集落排水の料金を連動して値上げする必要はあるのか。

3.議案第21号上越市議会政務調査費の交付に関する条例の制定について
 (1)交付の対象を議員と会派とした理由は何か。
 (2)議員と会派の交付額は何を基準としたのか。

4.議案第22号謙信公アカデミー条例の制定、第23号上越学生寮奨学金貸付・研究支援費交付条例の制定及び第30号上越市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について
 (1)人材育成の基本理念を定めるのであれば、条例でなくともよいのではないか。
 (2)奨学金貸付等の決定を従来の奨学金貸付審査委員会でなく、謙信公アカデミー評議会が行うのはなぜか。
 (3)奨学生の資格を東京都及びその近郊に限定しているのは理由は何か。
 (4)評議会評議員の報酬1回3万円とした根拠は何か。

5.議案第53号上越市営住宅条例の一部改正について
 (1)県営住宅に連動して有料化するというのは、地方分権の理念に逆行するのではないか。
 (2)車は持っていないが、駐車場は必要という人は対象にならないのか。
 (3)有料化に伴い収入を何に使うのか。

 私は、日本共産党議員団を代表して、提案された議案について総括質疑を行います。

 最初に、アメリカの原子力潜水艦が、実習船「えひめ丸」に衝突し沈没させた事件で、被害に遭われた方々に心からお見舞いを述べるとともに、無法な米軍の行動に強く抗議するものであります。また、この問題で、国民の生命と安全を守ることを第一に考えなければならない森首相が、第一報を受けたあとも2時間近くも賭けゴルフを続けていたということに大きな憤りを感ずるものであります。

1.議案第1号平成13年度上越市一般会計予算について

 まず最初の質問は、議案第1号平成13年度上越市一般会計予算についてであります。

(1)臨時財政対策債、いわゆる赤字地方債の発行は見合わせるべきではないのか。

 国・地方合わせて666兆円の借金というのは、たいへんな事態であります。この借金を減らし、財政を立て直さなければならないということは論を待ちません。しかしこの借金の責任は、国の放漫な財政運営にあります。
 公共事業に650兆円を注ぎ込むという対米公約を実行するために、「100億円の釣堀」といわれる福井港に代表される船のこない港湾建設、沈没寸前の関西空港、大赤字の東京湾横断道路等々、むだな大型公共事業が国の財政を食いつぶし、借金漬けにしてきました。その上最近明らかになり多くの国民が怒っている問題に「機密費」の問題があります。上越市の1年分の交付税に匹敵する72億円もの「機密費」が、領収書もなしに使われ、そこに不正がはびこっていたというものです。一方でこのように財政を浪費しておきながら、財政難を理由に借金による公共事業を地方自治体に押し付けてきたことが、地方財政悪化の大きな原因の一つになっています。
 この地方債は、後年度交付税に参入するとしておりますが、その地方交付税特別会計事態が、大赤字で借金を重ねている状態です。地方交付税特会が3年連続して赤字になった場合、所得税・法人税など3税からの繰入率を増加させるというのが地方交付税法の規定であり、措置する責任が政府にあります。にもかかわらず、政府は数年にわたって繰入率の変更を怠っており、そのツケを、地方に借金を背負わせる、すなわち臨時財政対策債という赤字地方債の発行を許可することで切り抜けようとしているのであります。地方から見てこうした国のやり方は、とても許すことができません。
 また、このように主には政府に責任がある地方交付税特会の悪化を、地方自治体に押し付け、住民に負担を強いるというのは、地方分権が叫ばれる今日、まったく逆立ちしたやり方だといわねばなりません。日ごろ、「地方分権」を強調し、「地方から国を変える」と豪語している市長が、このような国の最悪の施策に追随して、赤字地方債を5億7千万円も発行するというのは、まったく理解できません。国は、「後年度地方交付税で100%補てんする」といいますが、先ほど述べましたように交付税特会自身が赤字ですから、その保証は全くないといわざるを得ません。
 こうした状況をみれば、赤字地方債の発行は見合わせるべきではないないでしょうか。市長の考えをお聞かせください。

(2)和田地区の吹上遣跡について、全容解明するとあるが、保存について触れていないのはなぜか。

 先の裏山遺跡に続いて、今度は山麓線の工事に関わって、和田地区の稲荷で吹上遺跡が発掘されました。この遺跡は、現地説明会資料でも、「今後上越地域における弥生時代の社会・文化を考えていくうえで貴重な遺跡である」といわれています。
 北東に続く台地に、遺跡が連続していることも示唆されています。もちろん、全容解明は必要です。しかし、全容解明後、遺跡を破壊してしまうのでは、上越地域の先人の足跡、文化財を失してしまうことになります。裏山遺跡の二の舞を演じてはなりません。道路をかさ上げしてでも残さなければならないのではないでしょうか。
 「全容解明」と言いながら、保存について触れていないのはなぜでしょうか。お答えください。

(3)北陸新幹線のフル規格整備に伴う上越市の負担はどのくらいか。

 最初の赤字地方債の件でも述べましたが、国の財政が大赤字の現在、大型公共事業を縮小し、財政にゆとりを持たせる必要があります。そんな時期に、北陸新幹線をフル規格で整備することが決まりました。「フル、フル」といわれていますが、建設工事費が格安なミニ新幹線でも充分なはずです。
 新幹線整備は、国の財源ですべて行うわけではありません。地方の負担がついて回りますが、上越市の負担はどのくらいになるのでしょうか。

(4)減反を前提として諸施策を考えておられるようだが、その理由は何か。

 今、日本の農家を苦しめているものに、減反という生産調整があります。コメ余りといわれていますが、その原因は、減反面積での収量に匹敵するコメの輸入にあります。これを抑えなければ、減反は増え続け、農業収入が減少して日本農業は衰退せざるを得ません。減反の縮小をこそ、地方から国に声を大にしてあげていかなければならないのではないでしょうか。そうしてこそ、「地域住民の生活を守る」ということであり、「地方から国へ」ということになります。
 しかるに上越市の農業施策は、こうした減反を当然の前提として考えられているように見えますが、その理由は何でしょうか。

(5)盛り沢山の30周年記念事業は、職員の負担増にならないか。

 上越市の発足30周年記念として、58という盛りだくさんの事業が計画されています。このうち、3分の2の39事業が市長選前の10月までの事業です。毎月5から6の事業が目白押しです。また、58の内32がイベントです。
 これらの大部分は、通常業務に上乗せして実行されます。残業や休日出勤など職員の負担増にならないでしょうか。

2.議案第5号下水道事業特別会計、議案第55号下水道条例の一部改正及び議案第46号農業集落排水条例の一部改正について

 2番目の質問は、議案第5号下水道事業特別会計、議案第55号下水道条例の一部改正及び議案第46号農業集落排水条例の一部改正についてであります。
 いずれも使用料を9.3%と、大幅に値上げするというものです。

(1)値上げを抑える方策はなかったのか。

 こうした使用料の値上げが市民生活に大きな負担を強いることは間違いありません。景気回復の最良の手段が個人消費を上向かせることだといわれています。これでは逆に消費を冷え込ませることになります。
 下水道会計に限らず、国保会計にしても、上越市の場合一般会計からの繰り入れが少ないという特徴があります。その理由として「普及率が低い」とか「加入者が少ない」ので、一般会計からの繰り入れには限度があるという考えがあります。しかし、国保であれば、「社会保障をどうするか、それに対する公費の負担はどうあるべきか」という観点からの繰り入れが必要ですし、下水道であれば、「市民の衛生環境をどう維持していくか、そのためにはどれだけの公費負担が必要か」という観点からの繰り入れが必要です。
 値上げを抑えるために、あらゆる方策を考え、講じるべきです。どのような方策を講じられたのでしょうか。お聞かせください。

(2)独立の会計である農業集落排水の料金を連動して値上げする必要はあるのか。

 農業集落排水使用料も同じ9.3%の引き上げです。農業集落排水事業は独立の会計ですから、下水道事業に連動させる必要はありません。
 経理状況からは値上げの必要はないといえます。なぜ値上げをするのでしょうか。その必要性をお示しください。

下水道事業
 12年度使用料= 7億0433万円
 13年度使用料= 9億0634万円で、2億0211万円の増収。
 12年度繰入金=10億5676万円
 13年度繰入金=10億3081万円で、2595万円の減少
農業集落排水事業
 12年度使用料=4840万円
 13年度使用料=7159万円で、2319万円の増収。
 12年度繰入金=3億0154万円
 13年度繰入金=  9857万円で、2億0297万円の減少

3.議案第21号上越市議会政務調査費の交付に関する条例の制定について

 3つ目の質問は、議案第21号上越市議会政務調査費の交付に関する条例の制定についてであります。

(1)交付の対象を議員と会派とした理由は何か。

 昨年、地方自治法が改定され、これまで議員の調査活動を補助してきた「市政調査費」が、「政務調査費」として法定化され、長又は議員発議によって条例を制定しなければ交付できなくなったのであります。交付の対象としては、議員個人、会派、または議員と会派双方が可能とされ、それも条例で制定することになったのであります。
 上越市議会でも全国市議会議長会の条例案が示された昨秋から、各派代表者会議でこの問題が議論され、条例は長の発議とすることや交付対象を議員個人とすることなどが決められました。また、額については報酬等審議会に年額60万円の諮問をしましたが、現状どおりの年額30万円とする答申が出されたところであります。
 今議会に提案された条例案では、交付の対象を「議員と会派に交付」とされました。議会側が「議員に交付」としているにも関わらず、「議員と会派に交付」とした理由はいったい何でしょうか。

(2)議員と会派の交付額は何を基準としたのか。

 また、議員と会派への交付額は、それぞれ月額で1万2500円と提案されましたが、これは何を基準として決められたのでしょうか。
 議会では、議員にのみ交付ということで協議が成っていましたから、「議員と会派に交付」とした場合の交付割合については成案を得ていません。これまでの「市政調査費」は、全額会派への補助でしたが、その使い方は会派によって大きく異なっております。ちなみにわが党は、『上越民報』の発行など会派としての使い道が大部分を占めております。
 議員と会派に折半して交付するとされた基準をお示しください。

4.議案第22号謙信公アカデミー条例の制定、第23号上越学生寮奨学金貸付・研究支援費交付条例の制定及び第30号上越市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について

 第4の質問は、議案第22号謙信公アカデミー条例の制定、第23号上越学生寮奨学金貸付・研究支援費交付条例の制定及び第30号上越市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正についてであります。

(1)人材育成の基本理念を定めるのであれば、条例でなくともよいのではないか。

 「謙信公アカデミー条例案」は、その第1条で「明日の上越を担う人づくりについての基本理念を定め、及び市の責務を明らかにするとともに、人づくりに関する基本となる事項を定め」と規定しています。このような内容であれば、何も条例でなく、宣言などでもよいのではないでしょうか。条例とした理由をお聞かせください。

(2)奨学金貸付等の決定を従来の奨学金貸付審査委員会でなく、謙信公アカデミー評議会が行うのはなぜか。

 上越学生寮奨学金貸付・研究支援費交付条例では、配布された資料によりますと、「奨学金貸付、研究支援費の交付決定は」、従来の奨学金貸付審査委員会でなく、「謙信公アカデミー評議会が審査を行い、教育委員会が決定する」となっています。
 従来の奨学金貸付審査委員会では何か不都合があるのでしょうか。
 ちなみに、従来の奨学金貸付審査委員会の委員の報酬は、職務1回5100円ですが、謙信公アカデミー評議会の評議員の報酬は、職務1回3万円です。同じような職務に対して、こんな高額の報酬は必要ないといえます。
 条例案第7条によれば、謙信公アカデミー評議会は、「謙信公アカデミーの運営に関する基本的事項及び重要事項を調査審議するため」に設置されるものです。奨学金の貸付等の審査が、「謙信公アカデミーの運営に関する基本的事項及び重要事項の調査審議」に該当するのでしょうか。
 奨学金貸付等の決定を謙信公アカデミー評議会が行うのはなぜかお答えください。

(3)奨学生の資格を東京都及びその近郊に限定しているのは理由は何か。

 上越学生寮奨学金貸付・研究支援費交付条例第3条で奨学生の資格を定めていますが、(3)で「東京都及びその近郊に所在する大学もしくは大学院に在学しているもの…」と対象を限定しています。研究生の資格にはこの要件はありません。
 奨学生の資格をこのように限定した理由は何でしょうか。

(4)評議会評議員の報酬1回3万円とした根拠は何か。

 上越市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正によりますと、謙信公アカデミー評議会評議員の報酬は、1回3万円となっております。報酬としては、たいへんな高額です。
 高い報酬を支払うのですから、それなりの仕事をしてもらわなければなりません。先ほども述べましたが、従来の奨学金貸付審査委員会の委員の報酬は、1回5100円ですが、同じような審査をするのであります。
 報酬を1回3万円とした根拠をお聞きしたいと思います。

5.議案第53号上越市営住宅条例の一部改正について

 最後の質問は、議案第53号上越市営住宅条例の一部改正についてであります。

(1)県営住宅に連動して有料化するというのは、地方分権の理念に逆行するのではないか。

 昨年県営住宅の駐車場が有料化されました。県営住宅や市営住宅には、所得の少ない方々が多く入居されていることから、疑問の声があがりました。
 今回の上越市営住宅の駐車場有料化の理由は、県が有料化したときの理由とまったく同じです。地方分権が叫ばれる今日、何も県にならう必要はありません。今回の有料化は、地方分権の理念に逆行するのではないでしょうか。

(2)車は持っていないが、駐車場は必要という人は対象にならないのか。

 駐車場の「使用者の資格」として、「自ら使用するための駐車場を必要としていること」とされています。
 駐車場を必要とするのは、「自ら使用するため」だけではありません。自分自身は免許証を持っていなかったり、自動車を持っていなくても、来客などのために駐車場を持ったいたり、借りたりしている人はたくさんおられます。この規定では、市営住宅入居者でこうした目的で駐車場を確保したい人をはじめから全く排除してしまうことになります。
 車は持っていないが、駐車場は必要という人は対象にならないのでしょうか。

(3)有料化に伴う収入を何に使うのか。

 駐車場の有料化によって使用料収入81万9千円が見込まれています。これは「管理運営費」の財源として計上されています。しかし、管理運営費の経費内訳を見ますと、その内容は従来と変わっていません。新たに徴収した使用料で、駐車場のための何か新たな施策をするのであればまだしも、これではただ料金を徴収されただけということになってしまいます。
 有料化に伴う収入を何に使うのか、お示しください。

 以上であります。