2001年3月定例議会
一般質問原稿


2001年3月22日

目次
1.市町村合併について
2.除雪予算を抜本的に増額することについて

 先に通告しました2点について、質問します。

1.市町村合併について

 最初の質問は、市町村合併についてであります。
 私は、昨年の9月議会でも、この問題を取り上げ、市長と議論をしました。今年になって、2月に「新潟県市町村合併促進要綱」が発表され、上越市・牧村・清里村・三和村の「市町村合併に関する勉強会調査報告書」「市町村合併に関する提案」も公表されました。
 9月議会での議論の上に立って、国や県の合併推進政策に対する見解や上越市の取り組み、市町村合併に対する市長の見解をお聞きしたいと思います。

(1)国が大型公共事業や「機密費」にみられるようなムダ使いをした結果増大した財政赤字を、「交付税削減」という形で地方自治体に押し付けるのは、不当とは思わないか。

 総括質疑でも指摘しましたが、国地方合わせて666兆円といわれる財政赤字の責任は、国の放漫な財政運営にあります。
 公共事業に650兆円を注ぎ込むという対米公約を実行するために、どんどん進めたむだな大型公共事業が国の財政を食いつぶし、借金漬けにしてきました。銀行救済のために70兆円もの大金をつぎ込んだり、上越市の1年分の交付税に匹敵する70億円以上の「機密費」が領収書もなしに使われたり、まさに財政の浪費そのものであります。その一方で、財政難を理由に借金による公共事業を地方自治体に押し付けてきたことが、地方財政悪化の大きな原因の一つにもなっています。

 地方交付税法第1条「この法律は、地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能をそこなわずに、その財源の均衡化を図り、及び地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによつて、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」

 旧自治省主導の市町村合併の主要な動機は、「地方交付税を減らす」ことにあるといわれております。地方交付税は本来、地方自治体の固有の財源であります。国がムダ使いをした結果増大した財政赤字を、「交付税削減」という形で地方自治体に押し付けるのは、不当とは思いませんか。市長の考えをお聞かせください。

(2)なぜ県の合併パターンではなく1市3村なのか。

 旧自治省の優等生といわれる新潟県が2月に「新潟県市町村合併促進要綱」を発表しました。長野県ではこうしたパターンを作成していないと言いますし、富山県でも発表されていないと言われています。新潟県の要綱は、全県を21のパターンに分けて合併を推進しようというものです。日本共産党はこのように上からパターンを示して、枠をはめるやり方には賛成できません。
 一方上越市は、牧村、清里村、三和村と勉強会を持ってきました。そして1月末に、「市町村合併に関する勉強会調査報告書」「市町村合併に関する提案」も公表されました。この「市町村合併に関する提案」では、1市3村の「任意協議会」を提案していますが、なぜ県の合併パターンではなく1市3村なのでしょうか。その理由をお聞きしたいと思います。

(3)平成17年度末がタイムリミットということの根拠は何か。

 「平成17年度末までに合併しないと」と、よく言われます。その根拠になっているのは、どうも合併特例法の期限にあるようです。確かに現在の合併特例法は、平成18年3月31日が期限です。しかし、この特例法は、昭和40年に5年間の時限立法として制定されました。その後8回更新されてきましたが、その都度「合併がし易くなるような」改定が加えられてきました。現法も旧自治相の合併推進策に沿って合併優遇策が施されて5年間延長されたものです。この法の性格と経歴からして、17年度末に廃止されることは考えられません。また、合併条件が今よりも悪くなることも考えられません。それどころか、今よりももっと有利な合併条件に改定されることすら予想されるのであります。
 平成17年度末というタイムリミットは存在しません。市長は、どのように考えておられるのでしょうか。

(4)1市3村の合併により、議員一人当たりの人口が4800人ほどとなり、牧村、清里村では議員が出せなくなるのではないか。

人口 定数 一人
上越市 133,724 30 4,457
牧村 3,126 14 233
清里村 3,315 14 237
三和村 6,477 18 360
合計 146,642 30 4,888

 1市3村の合併により、人口は14万6千余人になります。地方自治法第91条の規定により、「人口五万以上十五万未満の市」の議員定数の上限は「三十六人」です。40人の議員を削減できるというものです。
 日本共産党は、議員は地域代表ではなく、行政全体を視野に入れて活動すべきものであり、全住民の代表であると考えております。しかしながら地域住民の中では、「おらが地域の代表」という意識が強いのも現実であります。合併後の定数を現在と同じ30人としますと議員一人当たりの人口はおおよそ4800人(36人でも約4100人)で、牧村、清里村の人口の1.5倍であり、全村結束しても1人の議員も出せないということになります。現在それぞれ14人の議員が行政をチェックしていることを考えると、住民自治の大幅な後退といえます。
 合併により、こういう状態が生じることについて市長はどのように考えておられるのでしょうか。

(5)合併により職員が削減されるというが、それは支所(現村役場)の廃止、保育園の統合、学校統合など、住民サービスを切り捨てることによって実現するのではないか。

新潟県全体 上越1市3村
現 在 合併後 比 較 現 在 合 併 比 較
議会 312 173 -139 14 10 -4
総務 4,176 3,142 -1,034 256 186 -70
税務 1,352 1,036 -316 62 64 2
民生 6,272 3,832 -2,442 314 229 -85
衛生 1,922 2,124 202 89 95 6
労働 37 55 18 3 2 -1
農水 1,510 772 -738 69 55 -14
商工 583 307 -276 24 20 -4
土木 1,991 2,192 201 142 127 -15
教育 4,983 4,153 -830 270 228 -42
合計 23,140 17,786 -5,354 1,243 1,017 -226

 市町村合併の効果として、「職員の削減」が目玉商品のように強調されております。実際、県の「合併促進要綱・資料編」によりますと、全県で現在2万3140人いる市町村職員が合併により1万7786人に、5354人減らせるとしております。しかし、どの部門で減るかといいますと、民生が2442人でダントツです。続いて総務の1034人、教育の830人となっています。逆に増えるのは土木の201人です。
 この傾向は1市3村の合併でも例外ではありません。現在数と自治省の定員管理診断表をもとに試算した職員数との比較によれば、全体で226人減らすのですが、やはり1位が民生で85人、2位が総務の70人、そして教育の42人となっています。
 民生部門の職員減は、保育所の統廃合、福祉施設の統合や外部委託により実現します。実際、「市町村合併に関する勉強会調査報告書」(調査報告書)に「行政制度サービスの比較」というのがあります。その29ページ、認可保育園についての「合併の効果・課題」では「園児数の実態を考慮の上、通園区域の変更や統廃合の検討」とされております。また調査報告書35ページでは、「牧村においては診療所、深山荘、ふるさと村も村営であり職員を配置している」とありますが、「課題としては、自治体が行うべきもの、民間が行うべきものとの役割分担を進め、スリムな自治体組織の構築が課題である」とされております。
 総務部門の減少は、役場の統合により、窓口職員が減少することによります。当面、吸収合併された旧村に出張所などが置かれるでしょうが、近い将来、廃止されることは目に見えています。
 このように職員を減少するというのは、住民サービスを切り捨て、低下させることによって実現するということではないでしょうか。

(6)財政力が強い上越市が財政力の弱い3村を救済するために合併するということにならないか。

財政力指数
上越市 0.740
牧 村 0.119
清里村 0.146
三和村 0.267

 平成9〜11年度の平均財政力指数を見ますと、上越市に比べ、他の3村は大幅に低いのがわかります。
 3村のみなさんにはたいへん失礼な言い方になりますが、結果として、財政力が強い上越市が財政力の弱い3村を救済するために合併するということになるのではないでしょうか。市長の見解をお示しください。

(7)普通交付税は、合併15年後に特例措置が廃止されると、1市3村の現在の交付税合計額の3分の2程度、すなわち現在の上越市の交付税額程度になるのではないか。

普通交付税
年度 総額 超過
11 上越

清里
三和
合計
76.8
17.0
15.7
16.4
125.9
59.6
12〜21 100.0 33.6
22 96.6 30.3
23 89.9 23.5
24 83.2 16.8
25 76.4 10.1
26 69.7 3.4
27〜 66.3 0.0

 市町村が合併しますと、普通交付税は大幅に減少します。新潟県の試算では21パターンになると、全県で約15%の減少になるとしております。ここに自治省が合併を推進する真の狙いがあります。しかし、交付税が減るのをそのままにしておいては、誰も好んで合併しません。そこで考え出されたのが、「10年間据え置き、その後の5年間の激変緩和措置」というものです。実は、特例法が改定される以前もこの「据え置き期間、激変緩和措置」はあったのですが、10年に延長されたものです。
 調査報告書42ページには、11年度に合併した場合の普通交付税の試算が載っております。それによりますと、12年度から21年度までの10年間は約100億円と試算していますが、15年後の平成27年以降は全県平均15%よりもはるかに大きく約34%減の66億3457万円になることが示されております。上越市の交付税額は1市3村の交付税の61%ですから、15年後の交付税額は現在の額にわずかに上乗せされた程度になってしまいます。ちなみに11年度の上越市の交付税は76億8千万円余でした。
 合併して最初の10年間はいいものの、16年後、4年1期として4期あとにはたいへんな財政難が待ち受けていることになります。
 普通交付税は、合併15年後に特例措置が廃止されると、1市3村の現在の交付税合計額の3分の2程度、すなわち現在の上越市の交付税額程度になるのではないでしょうか。

(8)国県の財政措置の大部分は、「地方債」だが、現在の借金も含め、将来交付税が減っても返済できるのか。

 今回の合併特例法の改定の目玉の一つは、「合併特例債による財政支援」です。これは「市町村建設計画に基づいて行う事業に要する経費について、合併後11年間、地方債をもって財源とすることができる」というものです。財政支援といっても「建設事業に借金を認める」というに過ぎません。
 1市3村が合併した場合、総額283億円と見積もられ、この内188億円が交付税措置されます。
 今でさえ一般会計だけで500億円近くの市債残高があり、3村の地方債も加わります。その上、「財政支援だから」と合併特例債を発行したら、財政が急激に悪化することは火を見るよりも明らかです。さらにこの特例債の返済がピークに差し掛かる頃に交付税はどんどん減らされます。市町村固有の財源である交付税の大部分が借金返済の財源とされてしまいます。はたして現在の借金も含め、将来交付税が減っても返済できるのでしょうか。

(9)結局は、「財政規模が大きくなる」こと、すなわち、大型公共事業を進めるための財源確保が目的ではないのか。

 このように見てきますと、住民の側から見ると市町村合併には何のメリットもないだけでなく、デメリットばかりが押しかぶされるようです。
 しかし、上越市のように大型公共事業が目白押しの行政にとって見ますと、財政規模が大きくなることはたいへんな魅力であります。普通交付税も上越市単独では70億円程度ですが、合併すれば10年間は100億円程度になりますし、何よりも283億円もの合併特例債を発行できます。
 今後5年間で土地開発公社から大量の土地を取得することになりますが、その費用やその上に建設される上物に要する費用を捻出するためには、どうしても合併が必要だといえるかもしれません。1市3村の合併は上越市にとって、大型公共事業を進めるための財源確保が目的ではありませんか。市長の見解をお聞きしたいと思います。

2.除雪予算を抜本的に増額することについて

 2番目の質問は、除雪予算を抜本的に増額することについてであります。

(1) 近隣市町村と比較して、上越市の除雪は悪いといわれるが、その原因は、除雪予算が少ないからではないか。
少なくとも近隣市町村並に予算を組むべきではないか。

 新井市や板倉町、妙高高原町などから上越市にやってきた人たちが一様に「上越市の除雪は悪い」といいます。「降った雪はおらとこの方がいっぱいだけど、道路の雪は上越の方がいっぱいだ」ともいっておりました。今年の冬は、15年ぶりの大雪といわれており、職員をはじめ業者の皆さんも一生懸命やっておられました。何が原因なのでしょうか。
 2月に「除雪費の補てんのために特別交付税の増額を」と総務省に交渉に行ってきました。その時に「普通交付税に算入した除雪費を使いきっていないところに特別交付税は出せない」ということが解ったのです。
 上越市、新井市、板倉町、清里村、牧村、三和村の2市1町3村の除雪経費を調べてみました。まず11年度の実績ですが、上越市3億758万円、新井市3億2550万円、板倉町7756万円、清里村6885万円、牧村7952万円、三和村3909万円です。12年度2月5日現在の見込み額で、上越市3億8514万円、新井市4億9020万円、板倉町8660万円、清里村7365万円、牧村1億438万円、三和村4571万円です。上越市は25%増しですから、健闘しているように見えます。
 そこで少し角度を変えて見ます。住民一人当たりいくら使っているか。11年度実績で比較しますと、上越市2298円、新井市11503円、板倉町9827円、清里村20940円、牧村25219円、三和村5989円で、牧村や清里村の10分の1程度、上越市以外で最低の三和村の半分にしかなりません。「予算がない」というのは当然です。
 道路除雪に限ってみますと、除雪路線1q当たり、上越市38万円、新井市158万円、板倉町93万円、清里村137万円、牧村112万円、三和村36万円です。三和村よりもわずかに多いものの、新井市の4分の1、牧や清里の3分の1です。これでは除雪が悪いのは当たり前です。除雪費を抜本的に増額する必要があるのではないでしょうか。
 雪寒地域の地方交付税には、除雪費用が算入されています。もちろん交付税は地方自治体の一般財源ですし、色がついてくるわけではありません。

 地方交付税法第3条2項「国は、交付税の交付に当つては、地方自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」

11年度実績で、上越市6億9862万円、新井市2億3254万円、板倉町1億0616万円、清里村6610万円、牧村5083万円、三和村6595万円です。国から手当てされた除雪費分の交付税を全額除雪に使わなくても、交付税の性格上これは違法でも何でもありません。しかし、新井市、清里、牧などは交付税分では足りなくて持ち出しているのと比べると、上越市が44%しか使っていないというのはいかがなものでしょうか。
 財源がないわけではありません。最低手当てされた交付税を全額除雪に回しただけで、予算額を2倍に引き上げることができるのです。抜本的に除雪予算を増やす必要があると思うのですが、市長の考えをお示しください。