2000年9月定例議会
一般質問議事録


2000年9月11日〜27日

 議会報告目次   9月議会   一般質問通告   一般質問原稿 

目次

■最初の質問
■最初の答弁
■再質問
■再答弁

◆11番(杉本敏宏議員)

 通告に基づいて一般質問を行います。

 昨年の7月、分権一括法が成立、施行されました。その中に、市町村の合併の特例に関する法律、いわゆる合併特例法の改定も含まれております。地方自治体数は1889年、明治22年の大合併でそれまで7万あった自治体が1万6,000弱になり、昭和30年前後の大合併で約1万の自治体が4,000を割るところまで減少し、その後のさまざまな合併により、現在3,200ほどに減少しております。それをさらに1,000程度にまで減らそうというのが今言われている平成の大合併のねらいとも言われております。前2回の大合併が国主導で行われたのと同様に、今回の合併もまた自治省の強力な指導のもとで進められているのが特徴です。自治省の指導のもとで新潟県もまた強力な指導を展開しようとしております。これらの動きに合わせて、上越地域でも幾つかの動きがあります。中でも、上越市と牧、清里、三和の3村が合併に向けて話し合う事務局レベルの勉強会が1月28日上越市内で開かれたことが報道されましたが、その後の動きについての報道は見られません。概して合併に慎重な首長が多い中で、合併推進論者と見受けられる宮越市長に市町村合併についての見解を伺いたいと思います。

 憲法の地方自治の原則、それを具現化した地方自治法で明記された地方自治の本旨からすれば、地方分権は大いに推進しなければなりません。我が党は、地方自治は平和、国民主権などとともに、日本国憲法の重要な特徴と考え、将来にわたって拡充していく必要を強調しております。地方自治体は、国の出先機関ではありません。機関委任事務などの廃止は当然です。分権一括法では、自治体の仕事を法定受託事務、自治事務などに区分けしましたが、十分ではありませんでした。その上、税源移譲が行われなかったことが大きな問題となっております。本来地方分権と市町村合併とは全く別の問題です。しかし、今いろんなところで地方分権の受け皿としての市町村合併ということが言われています。市長も地方分権を推進するためには、市町村合併が必要と考えているのかどうかお聞きしたいと思います。

 99年10月17日、昨年でありますが、10月17日付の朝日新聞によりますと、合併特例法の施行にあわせ、自治省は地方交付税の算定方法を見直し、人口が4,000人未満の町村への配分を削減していると報道されています。これは、権限と財源を地方にという地方分権に逆行するやり方であります。この記事では、全国町村会の前会長である群馬県上野村の黒澤丈夫村長は、きめ細やかな対応のために補正、これは中小自治体に厚く配分するという中身でありますけれども、こういう補正が必要と言い続けてきた自治省がなぜ急に変わったのか。一方では、政府は合併促進のための財政優遇措置を打ち出しており、あめとむちの両面から合併を進めるのがねらいとしか思えないと批判している。このように報道されておりますが、この批判は当然のことであります。どんな小さな市町村でも、十分な行政運営ができるように権限と財源を地方に移譲するのが地方分権の真のあり方ではないかと考えますが、市長の考えをお聞かせください。

 例えば、自治省が国として作成する合併推進のための指針を作成するために設けました市町村合併研究会というのがありますが、ここの報告書は、地方分権の推進について次のように言っております。「地方分権の推進は、いよいよ実行の段階を迎えている。自己決定、自己責任の原則のもと、住民に身近なサービスの提供は地域の責任ある選択により決定されるべく個々の市町村が自立することが求められる。そのためには、政策を立案し、それを議会、住民にわかりやすく提示しつつ、理解を求めることができる能力やみずから選択し、推進していく事業を裏づける税財政基盤など、市町村の行財政基盤の充実が喫緊の課題となっている」と地方分権そのものについて述べておりますが、これは全く正しい指摘であります。この指摘からも明らかなように、地方分権と市町村合併とは本来別の問題であります。にもかかわらず、地方分権のためには市町村合併をと結びつけるのは、余りにも短絡的ではないでしょうか。市長の考えをお示しください。

 広域で処理しなければならない仕事がふえてきております。市町村合併研究会報告書、先ほど示したものでありますが、ここでも「市町村合併の広域化に当たっては、市町村の枠組みの変更を伴う市町村合併という方策によるほか、一部事務組合や広域連合などのような市町村の枠組みの変更を伴わない広域行政に関する諸制度を活用して、事務の共同処理を図ることも考えられる」と述べております。そして、「実際一部事務組合などによる事務の共同処理は、既に幅広く行われ、一定の成果が上げられてきたところである」と有効性が強調されております。ごみ処理問題などでは、広域行政組合などが活用されていますし、ことし4月から始まった介護保険でも広域連合が各地につくられております。平成11年8月6日に自治省から出された市町村の合併の推進についての指針などで、合併を通じて実現すべき目標に掲げられているさまざまな施策は、実際既に広域行政組織で十分実現されているものであります。したがって、広域行政ではなくなぜ合併をしなければならないのか、市長の考えをお聞きしたいと思います。

 昨今の市町村合併の論議は、行政の効率化という視点からのみ論じられております。しかし、市町村を構成するのは住民であり、住民こそ主人公です。住民がいかにして行政に、また政策立案に参画できるかという住民参加、住民自治という観点からの接近が必要です。現在の市町村合併論議には、このことがすっぽり抜け落ちております。さきに示しました市町村合併研究会報告書でも、市町村と地域社会との関係について見れば、例えば人口が少ない小規模町村においては、市町村の区域と地域社会との区域とがほぼ重なり合っており、一人一人の顔が見える中でのぬくもりのある行政が展開されているとされ、そうした行政が市町村合併により実施できなくなるのではないかと懸念する声がしばしば聞かれる。あるいは市町村の規模の拡大により、行政との距離が遠くなるのではないかとの懸念が生じる場合があると述べているほどであります。住民参加という点からは、広域よりも狭域、狭い地域の方が効率的ではないかと思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。

 何度も取り上げますが、市町村合併研究会の報告書でありますが、この中では何よりも市町村合併は関係する市町村が決定していく問題であり、その決断は地元住民の考え方を十分踏まえて行われるべきであると述べているのは、これは当然のことであります。後に改めて見解をお聞きいたしますが、平成11年12月の全国町村長大会における緊急決議、あるいは本年7月に全国町村会が行った緊急要望でも、市町村合併について地域住民の意思を十分に尊重することを求めています。地方自治は、住民自治が基本であり、市町村合併に当たっては、住民意思を尊重すべきだと思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。

 住民の意思を尊重する上で、行政がやらなければならないことがあります。市町村合併研究会の報告書は、市町村が議会や住民に対して十分な情報提供を行うとともに、市町村はみずからの地域の現状及びあるべき姿について、その内容を住民にわかりやすく示すことが重要であると述べております。市町村合併は、住民にとってみれば、自分たちの住む自治体の形をどうするかということでありますから、住民が自主的に判断できるように、市町村合併についてのメリット、デメリットを含めたさまざまな情報を住民に提供すべきであります。市長にその考えがおありかどうかお示しいただきたいと思います。

 先ほども申し上げましたが、住民こそ主人公であります。地方自治体の主人公は、決して首長や議会ではありません。その主人公である住民が意思を決定するためには、先ほど述べましたような十分な情報提供のもとで住民の意思を集約する機会が与えられなければなりません。その住民の意思を集約するために、住民投票を実施するべきではないかと思いますが、市長の考えをお聞きしたいと思います。

 最初にも述べましたが、1月29日のマスコミで上越市と牧、清里、三和の3村が合併に向けて話し合う事務局レベルの勉強会が1月28日上越市内で開かれたことが報道されました。その中では、勉強会は今後1カ月置きに開かれるとされ、市長は話し合いの立ち上げまでは難しいが、火がついたら早いもの、21世紀に入ったらすぐに動けるようなスケジュールにしたいと述べたと書かれております。その後報道はされておりませんが、7月末までに実務担当者の会議である作業グループ会議が6回ほど、課長、係長レベルの会議が7回ほど開かれて、1市3村の事務上の比較が行われ、これらの結果を踏まえて助役が参加する第4回目の会議が7月17日に開かれていると言われております。これまで述べてきましたように、市町村合併については、住民の意思が十分反映されなければなりません。そのためには、積極的な情報公開が必要ですが、これまでの他の地域での合併協議では、協議が住民に秘密裏に行われ、協議内容が住民に全く知らされず、ある日突然合併協議会設立というパターンが多いようであります。開かれた市政を標榜する上越市です。これまでの勉強会でどのような協議が、議論が行われてきたのか明らかにしていただきたいと思います。

 さきにも述べましたが、市町村合併は住民にとっては自分たちの住む自治体の形をどうするかという重大な問題です。住民が自主的に判断できるように、市町村合併についてのメリット、デメリットを含めたさまざまな情報を住民に提供すべきであります。それでこそ開かれた市政ではないでしょうか。これまで3村と協議してきた内容を、そして今後の協議についてもその内容を公表すべきと思いますが、市長にその考えがあるかどうかお尋ねいたします。

 1月の報道では、21世紀に入ったらすぐ動けるようなスケジュールと言われておりますが、これは年内に一定の方向性を出すということになります。実際にそれが可能なのかどうか、現状どこまで進んでいるのか、明らかにしていただきたいと思います。

 自治省は、平成11年8月6日付の市町村合併の推進についての指針で、市町村の合併の推進についての要綱を平成12年度中のできるだけ早い時期に策定することを都道府県に指示しています。大部分の都道府県でこの要綱が作成されましたが、いつもはイの一番に作成する新潟県でいまだ作成されておりません。今年末までに作成し、自治省に提出する方針と言われ、この策定に資するために県が市町村の意見を聞くヒアリングが8月末までに行われたと聞いております。市長は、このヒアリングでどのような回答を県にしたのでしょうか。明らかにしていただきたい。

 98年4月、平成10年の4月でありますが、このときに出されました地方制度調査会の答申は、市町村の合併は地域のあり方にかかわることであり、地域の将来やアイデンティティー、住民の生活に大きな影響を及ぼす事柄であることから、その推進に当たっては、市町村及び住民が自主的に判断することが重要であると要求しています。地方自治の原則という点から見て、重要な指摘であります。これと同じ観点から、全国町村会は再三にわたって国に要望しております。最近では、平成11年12月に全国町村長大会で、市町村合併に関する緊急決議がなされ、それぞれの町村は歴史的な経緯、文化、風土や地理的条件等が異なっており、市町村合併は将来にわたる地域のあり方や住民生活に大きな影響を及ぼす事柄であるので、市町村合併について地域住民の意思を十分に尊重することを求めています。また、本年7月には市町村合併に関する緊急要望が決議され、そこでは市町村合併は自主的に行われるべきものであり、地域の実情を無視した性急な合併は絶対に行うべきではない。国においては、市町村合併を進めるに当たって、地域住民の意思を十分尊重し、真に自主的なものとなるよう強く要望すると述べております。このような全国町村会の緊急決議、緊急要望は、極めて当然のことを主張しているわけでありますけれども、これについての市長の考えをお聞かせいただきたいと思います。

 以上、市町村合併の問題について幾つかの質問を行いましたけれども、ぜひとも御回答いただきますようお願い申し上げます。

◎宮越馨市長

 それでは、順を追ってお答え申し上げますが、市町村合併について地方分権を推進するために市町村合併が必要かということでありますが、地方分権が既に実行の段階に入っておることは御案内のとおりだと思います。自己決定、自己責任、自己負担を原則とする地方主権のもとで、我が国の地方自治体にとってまさに市民主義に根差した自治体経営が求められているわけであります。杉本議員は、どんな小さな市町村でも十分な行政運営ができるよう権限と財源を地方に移譲するのが地方分権の真のあり方ではないかとおっしゃっておりますが、自治体経営の基本はやはり財政基盤を確立することが必須条件であるということであります。その財政基盤については、既に国、地方合わせた債務が平成12年度末には645兆円もの巨額な水準に達しているわけであります。まさにそういった視点から財政破綻とも言える状況の中で、従来の中央集権型行政システムを維持していくことは極めて困難であり、限界となっていると言っても過言ではないと思います。行財政運営の構造改革が待ったなしの段階を迎えているのが現下の状況判断ではないかと思います。私は、この財政環境から脱却しつつ、住民、自治体が自主、自立のまちづくりを進めていく上で、市町村合併が最も有効な方法、手法であり、広く議論を深めていくことが極めて重要であると考えております。

 したがって、理念はどんな小さな市町村でも十分な行政運営ができるよう権限と財源を地方に移譲するのが地方分権の真のあり方ではないかということは、考えとしては否定はしませんが、これは先立つものがということが抜けておりますから、こういったものを抜きにしてそういうことはあり得ないということが特に今日の国あるいは地方全体を通しての状況であるというふうに、そこの認識を違っていますと、これは土俵が違うわけでありますから、まずもってそういったところを申し上げておきます。

 また、地方分権と市町村合併とは本来別のものではないかとのお尋ねでありますが、地方分権の推進によって、国と地方自治体の関係において、上下・主従から、対等・協力という新たな枠組みが樹立され、住民に最も身近な市町村には、地域の総合的な行政主体として自立性を発揮しながら、分権型社会における新しい役割を担うことができるような体質の強化が求められているのであります。その地方分権の成果を十分に生かすために、個々の市町村が自立することが求められ、市町村合併による行財政基盤の強化が必要となってきたのであります。さらに、合併せずとも広域行政で対応できるのではないかとのお尋ねでありますが、御案内のとおり上越地域におきましても、消防、救急、ごみ処理、し尿処理などの事務の共同処理が進められており、成果を上げているところであります。しかしながら、こうした事務の共同処理方式による場合には、ややもすると住民と行政との間の距離が遠くなることによって、責任の所在が不明確となりがちであります。また、関係団体との連絡調整に相当程度の時間や労力を要するために、迅速、的確な意思決定を行うことができず、事業実施などに支障を来す場合が見受けられます。これらを踏まえますと、総合的な行政主体として人材を確保し、かつ地域の課題を包括的に解決する観点からは、市町村合併によって意思決定、事業実施など単一の団体が行うことがより効果的であると考えられているのであります。

 また、住民参加という観点から、狭域の方が効率的ではないかとのお尋ねでありますが、私は市民主義に根差した開かれた市政、ともに歩む市政を基本理念に掲げ、市民参加のまちづくりの手法として直接市民の皆さんから意見を伺うのびやかJトークを初め、各種の委員会、審議会への市民参加などを積極的に図りながら、市政運営に当たってまいりましたことは御承知のとおりであります。たとえ合併により市域が拡大しても、市民参加に基づく開かれた市政運営の基本は変わるものではないんです。また、昨年改正されました合併特例法で住民の意見の反映を担保するため、旧市町村の区域に地域審議会を設置することも可能となりました。このように狭ければ効率的な住民参加ができるといった単純な議論ではなく、住民との協働による行政運営を基本に据え、住民参加の仕組みや仕掛けづくりをしていくことが何よりも大切なことであって、それも可能であるというふうに思っております。

 次に、地方自治は住民自治が基本であり、市町村合併に当たっては、住民意思を尊重すべきではないかとのお尋ねでございますが、市町村合併は地域の将来やアイデンティティー、そして市民の生活に大きな影響を及ぼすことであり、言いかえれば地域の新しいまちづくりであります。市町村合併は住民の意思によって決定されるべきものであることは十分認識いたしているところであり、のびやかJプランにおいても、市民と行政が一体となって自発的なまちづくりを進めること、さらに地方自治権に根差し、市民がみずから行う自前の主体的なまちづくりを目指すことを基本理念に据えておりますことは、御案内のとおりであります。

 したがいまして、市町村合併に当たっては、住民意思を尊重すべきことは至極当然のことでありますし、そのためには地方自治体としては自治の担い手である市民の皆さんが合併の論議を十分行い、判断できるように的確な情報を提供することが大切であると考えております。

 私は、メリット、デメリットのみの短絡的な議論にとどまることなく、地域や行政の置かれている現状、とりわけ国、地方とも厳しい財政環境のもとで、大胆な行財政改革を行わなければならない状況にあり、行政の根幹をなす財政基盤の強化が急務であることなど、大局的な判断が要求され、限られた財源の中で行政のミニマムサービスをどうすれば維持できるかについて市民に説明し、選択を求めていかなければならないと考えております。

 また、住民投票の実施に関するお尋ねでありますが、さきに申し上げましたとおり、合併は住民の意思で行うことは当然のことであり、その意思、意見を問う方法につきましては、住民投票も一つの方法であると考えております。現在内閣総理大臣の諮問機関である地方制度調査会では、住民の一定割合以上の署名で住民投票を実施し、投票結果次第で合併協議会の設置を義務づけるなど、一定の法的拘束力を持つ制度として検討されておりますが、今後それらの動きも注視し、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。

 次に、上越市、牧村、清里村、三和村の1市3村で行っている市町村合併に関する勉強会についてでございますが、この勉強会は本年1月28日に各市村の副市長、助役及び担当課長により発足したもので、上越農業協同組合組合長及び創造行政研究所所長からもオブザーバーとして参加していただいております。これは、自治体の職員として、上越地域の将来を考え、地方分権時代に対応する行政体制の確立に向けて、職員が市町村合併に関する問題や課題、合併の必要性などについて研究を行い、職員自身が理解と認識を深めることを目的としております。現在まで、首長サミットとの合同会議を含め、4回の勉強会を開催しておりますが、各市村の人口、財政、産業、福祉、教育等の各分野にわたる現況調査や行政サービスの比較や課題整理、広域行政組合等が実施した住民や職員に対するアンケート調査結果の分析なども行っているところであります。また、来る10月6日には自治省の担当室長を招き、各市村の職員を対象とした研修会の開催も予定しております。勉強会の成果がまとまった段階では、市民や議会の皆さんに報告し、広く情報提供するとともに、住民アンケートなどを実施したいと考えておりますし、またこの勉強会は1市3村の枠組みにとらわれることなく、広く門戸を開くことをも確認しており、今後とも市町村合併に関する的確な情報の収集、検討など、議論の場を広げていきたいと、このように考えています。なお、勉強会といたしましては、年内に一定の方向性を見出すべく研究、検討を進めていただいているところであります。

 次に、市町村合併推進のための県のヒアリングに対し上越市はどのように答えたかということでありますが、新潟県では自主的な市町村合併を推進するため、具体的な市町村の合併パターンなどを盛り込んだ市町村合併促進要綱を平成12年度中に策定することとし、市町村長の意見を参考とするためヒアリングを実施しているところであります。しかし、私は市としての機関決定をした意見を述べたものではありませんので、ここにお答えすべきことではないものと思っております。しかし、せっかくの御質問でありますので、私の考え方を申し上げさせていただきます。市町村合併を推進するには、県自体が保有している情報を分析し、望ましい市町村のあり方について県が強力なリーダーシップを発揮するとともに、県の責任のもとで科学的、客観的な合併パターンを策定すべきであると考えております。

 また、私はかねてより当市が実施している副市長制は、合併を推進する新しい手法として極めて有効に機能するものであると提唱してまいりました。すなわち副市長制が権限の分任であることに着目し、旧市町村区域においては、合併市のそれぞれの区域を統括する地区担当の副市長を置き、現場行政の徹底と行政運営の効率性を高め、行政サービスの質の向上を図るとともに、また旧市町村にはそれまでの議会にかわる地域審議会を設置し、それぞれの地区における住民の声の反映を担保しようとするものであります。行政のスリム化を実現するいわゆる全部事務組合的な行政執行体制を確立する中で、同時にこれまでのコミュニティーの存続も図り、住民の意思を十分に尊重しながら、住民が合併について抱いている懸念を払拭することによって、終局的には住民の目指す真の合併が可能となるものと考えているところであります。

 なお、お尋ねの全国町村長大会における緊急決議や全国町村会の緊急要望の内容につきましては、私は承知しておりませんので、コメントもできません。
 以上です。

◆11番(杉本敏宏議員)

 答弁いただきましたが、幾つかの点で再質問をさせていただきたいと思います。

 まず、答弁の全体を聞いて感じたことでありますけれども、市町村合併というか、市町村の中心が住民でありまして、そこのところの住民の要望、意識、そこから出発するということが必要なんだと思うんですけれども、どうもその辺の認識が少し私とは違っているのかなと。行政の方の財政問題とか、効率の問題とか、どうもそういうところから出発されているような印象を受けましたけれども、もちろんそういう効率化も大切なことではありますけれども、やはりいろんな最初の質問でも引用を何度かいたしましたが、自治省の諮問機関での討議の中などでも、住民の意思表示ということが非常に強調されているわけであります。その住んでいる地域が変わってしまう。地域というか、枠組みが変わってしまうということに対して、そこのところのきちっとした説明責任といいますか、そういうことが強調されているわけです。そういう点で、先ほども言いましたけれども、少しそういう方向ではなくて、どうも聞いておりますと、財政とか、あるいはそういったところからの議論が中心になっているのかなというような印象を持ちましたけれども、もしそうじゃないんだということであれば、またお考えを示していただきたいと思います。

 私は、市町村合併と地方分権というのは、別の問題ではないかというふうに最初にお聞きしたわけであります。今の自治省の指針などを見ていましても感ずるんですが、地方分権を進めることがイコール市町村合併であるかのような表現がたびたび出てきます。しかし、その前段の方で言っている地方分権のあり方についての自治省の見解などを見てみますと、どう見てもそれとは直接市町村合併が結びつかない展開がされているんです。そうでありながら、途中からころっと変わって、地方分権の受け皿のためには市町村合併が必要だという議論にすりかわっていく部分があるわけですけれども、今ほどの市長の答弁を聞いておりましても、地方分権を本当に進めていくということがなぜ市町村合併につながるのか、そこのところがいま一つ不明確な感じを受けました。地方分権は、当然進めていかなければなりませんし、私は地方分権の中心は権限と財源を地方に移譲することだというふうに考えております。自治省の報告などでも、基本はそのことが強調されております。財源と権限を地方に移すことが地方分権の中心だというような言われ方がされているわけです。ですから、それでどんな小さな市町村でもそういう形で権限と財源が移譲されればやっていけるはずなわけです。ところが、先ほども言いましたように、人口が4,000人未満の町村からは、国からの税源移譲の一つの形態である交付税を削減するというような逆のやり方が実際にはやられているわけです。ですから、国のやり方そのものが言っていることとやっていることとが違っている。税源移譲と権限を移譲しなければならないのに、権限もろくにおろさない。そして、財源は全く新たにおろさないどころか、逆に召し上げていくという、こういうことになっているわけでして、そういう実態を見ていきますと、ますます地方分権のあり方と市町村合併というのは、本来的にはやはり違うものではないかなと、違うものなんだろうというふうに思うわけですが、改めてその点での市長のお考えをお聞きしたいと思います。

 それで、私がどんな小さな市町村でもという質問に対して、考え方としてはわかるというようなことを言われました。しかし、先立つものが問題なんだという言い方もされたかと思うんですが、その先立つものというのは、言ってみれば財源と権限の話だと思うんですが、この先立つもの、財源と権限が十分どんな小さな市町村にもおろされてくれば、まさに前提条件が実現するわけでありますから、あとの問題はおのずからやれるようになるというふうにも思うわけです。今問題は、中でもこの財源が小さな市町村におろされていないというところに、逆にそれを干上がらせてどうしても合併しなければならない方向に財政の面から誘導しているところにこそ一番大きな問題があるのではないだろうかというふうに思いますが、その先立つものというふうに言われたのは、多分財源のことを言われているんだろうと思いますが、そういう私が今言ったような形で財源がちゃんとおろされれば、その問題はクリアできる問題だと思うんですが、その点で市長の考えをもう一度お聞きしたいと思います。

 広域行政の問題で、今ほどの答弁では広域行政では幾つかの弊害があるということが言われましたけれども、これは自治省の指針の中に書かれていることをそのままお読みになったようでありますけれども、広域行政の不都合な点として挙げられている部分です。それに対しては、今いろんなところから実際に幾つかの市町村などから異論が出されておりまして、特に今の介護保険にかかわって広域連合を発足させて運営しているようなところから必ずしもそんなことはないと、自治省の批判は当たらないというような反論が出されているわけであります。例えば広域行政だと住民との距離があくとか、決定するのに時間がかかるとかいうようなことが言われましたけれども、実際現在広域行政いろいろやっているわけでありまして、そこでそれでは先ほど言われたような弊害が実際に起こっているのかどうかということにもなるかと思います。それは、そうではないのではないかと。実際に自治省は先ほども言いましたように、全部合併ありきということを言っているわけではないわけです。一方では、広域行政というのがあるわけで、それを十分に活用すべきだということも並べて述べているわけでありますから、これを自治省もある意味では論理の矛盾をしていまして、一方でそういうふうに言っていながら、片方でそれを否定する論拠を挙げておりますから、そういう点ではおかしいことはおかしいんですが、しかしそういうものを大いに活用していく必要があると思うわけです。

 それで、最初の質問でも言いましたけれども、なぜ広域行政ではだめなのか。合併しなければならないのかという点でありますけれども、改めて市長のお考えをお聞きしたいと思います。

 合併が行われますと、旧来の市町村の枠組みがなくなってしまうということから、地域住民の方の中にもとの町や村の名前に対する愛着だとか、そういうものが非常に強くて、それが今の合併推進の障害になっているというふうに言われていますけれども、それを緩和するために、考え出されたのが先ほど市長が言われた地域審議会というやり方なわけです。しかし、この地域審議会というのは、まだ実態が十分明らかになっておりませんが、現在の市町村ですと、それぞれのところで選挙が行われて、議員が選ばれるわけです。しかし、どうも今言われている自治省なんかの研究会なんかの議論を見てみますと、この地域審議会というのは必ずしも選挙で選ばれるわけではないと。また、別のところで先ほど市長は県のヒアリングに対する答えのところで、副市長制を活用するようなことをおっしゃいましたけれども、それに近いようなことも実は自治省の方でも言っておりますが、しかしそれも今までですと、どんな小さな町村長であっても、住民の選挙で選ばれます。しかし、こういう地域審議会やあるいはそこの責任者というのは、どうもそういう選挙で選ばれるのではなくて、どこかでだれかが任命する。こういうことになるようでありまして、そういう点では、これは住民自治、地方自治が一歩形骸化するということになるんではないか、このようにも思われるわけですが、その点で地方自治の本旨ということが言われているわけですけれども、市長はこの点そういう仕組みや仕掛けが整備されるから可能だというふうなことを言われましたけれども、もう一度お考えを伺いたいと思います。

 住民の意思を尊重するべきではないかという質問に、それは当然だという答弁がありました。当たり前だと思うんですが、そして情報提供も行っていくというふうにもおっしゃられましたけれども、住民の立場から見ますと、市町村合併でもって何が一番話題になるか、問題になるかというと、やはりメリット、デメリットなんだろうと思うんです。自分のところの今ある町の役場がなくなったらどうなってしまうのか。あるいは小学校は存続できるのかどうか。中学校はどうなのか。こういったことがどこでも問題になります。昭和30年代の合併では、そういう問題について支所というのがずっと設けられましたけれども、御承知のようにそれが現在残っているのは数えるほどしかありません。何年かの間にそういうふうに整理統合されて、いわゆる効率化が中心になって、整理統合されて、淘汰されていくわけです。例えば小学校や中学校の設置基準などからいいますと、今問題にされているというか、話題に上がっている三和村、牧村、清里村というのは果たして小学校が存続できるのか。中学校が存続できるのかという、こういうことにもなるわけで、住民の目から見れば、財政規模がどうなるこうなるという問題以前に、そういう問題の方がよほど大きなわけです。ですから、そういったところに目がいくわけで、そうしたメリット、デメリットを十分住民の皆さんに情報を提供するというのは、これは当然必要なことだと思います。そういう点で、メリット、デメリットだけではないんだみたいな言い方がありましたけれども、これはぜひもう一度お考えを伺いたいと思います。

 住民投票の問題では、それも一つの方法だという話でありました。ただ単に一つの方法だということではなくて、これは合併を進める場合には、ぜひともやっていただきたいと思うんです。高田、直江津の合併のときにも、これが大きな議論になったかと思うんですが、我々の過去の経験から言っても、この住民投票というのは市町村合併ではただ単に一つの方法ということにとどまらず、絶対に必要な方法論の一つではないかというふうに思います。そうした上越市の過去の経験に照らしてみても、これを重視する必要があるのではないかと思いますが、市長の考えをお聞きしたいと思います。

◎宮越馨市長

 10分以内で答えられるだけ答えます。

 まず、合併のあり方についての発するところが違うということでありますが、それは恐らく共産党と私はもちろん違うとこありますから、これは違うということでありますが、あえてそういうことでなく、もっとわかりやすく申し上げますが、先ほども申し上げましたように、自己決定、自己責任、自己負担という地方分権社会をつくらなきゃならんということは、これは単にだれかが言ったからという話じゃなくて、明治以来100年以上続いた地方自治のあり方が中央集権体制が維持できないという大きな歴史の流れ、トレンド、変わってきたからそう言われているんであって、そのことがまた住民も含めてすべての分野で受け入れられる考えであるということで進んできているわけでありますから、ここで異論を挟める必要はないと、こう私は思っています。

 そこで、いろんな小さな自治体でもすべて完結型にできるのが理想かもしれませんが、やっぱり行政サービスとか、そういうものを維持、運営するためには、先立つものが何かと言ったら、税金なんです。税金がなかったらこんなのあり得ないわけです。ですから、そのところが今おかしくなっているんです。ですから、そこのところをきちんと現状を把握しないと、これはミスマッチで過ぎていきますから、その辺のところを現状に合わせた形の認識をして、議論をしてほしいと、こう私は思います。

 それから、もう一点は人口動態だと私は思います。これから少子高齢化が進んでいく中で、例えば上越市を中心とした周辺の町村の高齢化率も4割にも達しているというところを見れば、正直言いまして、25年、30年後どうなっているかと言ったら、これは中学生でも、高校生でも、ちょっと計算すればわかるくらいでありまして、恐らく言われているように今の人口の半分ぐらいになってしまうということが言われております。そういった大きな人口動態、こういったものを視野に入れながら合併のあり方を考えていかなきゃならんということを先般県の方々が見えたときにもそのことを私は申し上げました。これは、ですから私ども自治体の声をというよりも、むしろ大所高所からそういう科学的分析によって合併のあり方を整理していくべきではないですかということを私は指導させていただきました。

 それから、時代が変わって、昔は徒歩、牛馬、そういう時代から、車社会と来て発展して、今やIT社会と、こういうことになっているんです、情報化社会。つまり実際上行政サービスを行うサイズがもっとふえても、広がっても別に何ら行政サービスが変わるものではないということを、これは見落としてはならんと思います。つまり情報化社会、IT国家をつくろうと言っているんですから、政府も。ですから、そういった意味で行政サービスが後ほどメリット、デメリットの話がありますが、これは決して行政サービスを低下させない方法を考えていくことがまず基本であります。そういうことで考えると、今ITという技術を駆使していくならば、サービスを低下しないで合併ということがやや可能性が高まってきたなということが実は時代背景の中にあるということを忘れてはならないと、こう私は思っています。

 そして、常に地方分権とか、合併の話になるときは「三げん」といって、今財源と権限しかおっしゃいませんけど、やはり大事なことは人間なんです。人材なんです。それを運営するその人々が目覚め、自治意識に目覚め、あるいは自治体経営をできるかできないか、職員のスタッフも含めてこういった人材をどう確保するかというところが大事なことであって、金がある、権限があるけど、人がだめだったらそれこそとんでもない自治体経営になってしまうわけでありますから、そういういわば「三げん」の中で一番私は重要なのは、人間だと思っているんです。すなわち人材をどう育成するか。あるいは人材をどう持つかということを考えれば、より広い視野の中で求める方が当然それはいいに決まっているわけでありまして、そこの中に切磋琢磨し、人が育っていくという、こういう環境を小さくなればなるほどこれはできなくなると、これは当たり前の話です。ですから、大海を知らずというところがまさにそういったところであって、人の問題を抜きにはできないだろうというふうに思っております。

 ですから、先立つものということを私言っているのは、単に財源的な問題ばかりじゃないんです。もちろん権限もそうでありますが、人間、この人材をどうそろえるか、得るかということが分権社会を築くための一番の大事なところであると思っています。
 そして、財源が湯水のごとく出るようなことではないんです、これ。その一局面、狭いとこだけ見れば、その財源さえ用意すればいいかもしれませんけど、その全国的なこの地方自治の財政を、基盤を確立するために、じゃどこから財源を生み出すのかというところが、ここが抜けているならば、これは頭隠してしり隠さずということになりますから、全体を見て考えていかないと、正しい答えが出ないだろうと、こういうふうに思います。

 それから、広域行政の弊害でありますが、先ほど申し上げたとおり、御案内のとおり弊害幾つもありますけど、我々今抱えている弊害が一つあると思いませんか。クリーンセンターの問題です。これは広域行政から発したものがいつの間にか上越市市長あるいは私宮越馨個人を訴えられていることを見れば、これは広域行政組合が発したものが何で最後私のとこに来るんですか。おかしいじゃありませんか、これは。何で個人だけを訴えるというふうに、そういうふうにすりかえられて、都合の悪いやつをおろしていくという、いい迷惑です、これは。つまり広域行政組合の代表理事というのは、これは市長ということでないわけです。各首長が12市町村長が集まって構成されている理事会が権限を持っていると、このことを知らないで訴えている。だから、後で何か謝りもせずに訴訟を取り下げている。取り下げるときは、ひとつ申しわけなかったというふうに謝ればいいんでありますけど、そんなこともしないで、勝手に下げて、それで最後は私個人を訴えているんじゃないですか。これが一番広域行政の弊害です、これは。だから、そういうことをぬくぬくとやらせているというところにこの広域行政の組織の問題があるわけでありますから、やっぱり責任を持った形の、そういう形をとるということは、何よりも責任と権限、こういうことが明らかにできるようなシステムが一番いいんです。ですから、こういった中二階的な中途半端的なことはなるたけやっても、かえって迷惑ばかりかかって、かえってつまらないコストがかかって、裁判費用というのは大変です、これは。一々職員もあなた毎回毎回裁判に行かなきゃならんという、本当にこれはばかばかしいことをやっているんです。だから、ミステークだったらミステークで謝ると言ってるんじゃないですか、私も。それを裁判までわざわざ行って、こういうことが広域行政の最たるものです、これは。だから、もっとまじめにやってくれと言いたいです。

 それから、住民投票については、これは私は先ほど否定もしませんということは申し上げましたとおりです、これは。やっぱり合併という大きな問題は、ある意味では国をどうするかというか、それに近い話でありますから、当然これは国民投票あるいは住民投票に値するものと私思っておりますが、ただ絶対的に必要かということとなると、私はそうではない面もあろうかと思います。それは、社会情勢が変わってきています。つまり投票までしてやらなきゃならない、そういう困難性をきわめるという場合は、私はあっていいと思いますが、かなり合併の問題については、勉強されてきていますし、あるいは住民意識調査等もやる中でかなりわかってきています。ですから、そういった中で、必要だということが住民の方々が御判断されるという結果になる、そういう環境となったら、それは否定はしませんが、合併問題については必ず住民投票ということではないと、こう私は思っておりますが、ここは余り私はこだわらないというふうに思っております。

 それから、自治省も最近少し合併の手法について考えが変わってきたというふうな話の中で、地域審議会とか、あるいは副市長制の援用という、こういったものは逆に住民自治の形骸化ですか、こういったことにつながっていくんではないかというふうにおっしゃいましたけど、私はこれは仮に地域審議会としても審議会の委員の選び方の問題をきちっとすればいいんではないかなと、こう私は思っています。例えば今既にある教育委員会とか、そういったところについては選び方もきちっとなっておりますように、審議会の設置とそのメンバーの選び方、そこが民主的に住民の意識が反映されておれば、決してそんな大きな問題ではないんではないかなと、こう私は思っています。

 それから、合併については、メリット、デメリット論が常につきまとうわけでありますが、これはやっぱり仕方ないと思います。ですから、これはそういう中で極力デメリットをなくしながら、メリットがあるということで向かう姿勢は正しいと思いますが、デメリットを感ずるからすべてだめという話ではないと、こう私は思っております。ですから、もっと大局的な視点をとらまえながら、こういった議論についてはさらに議論を深めていくということで、きょうは時間がありませんから、ちょっと口早に申し上げましたけど、また再質問等いつか機会で質問していただければお答え申し上げます。