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1997年6月議会

討論の議事録


【杉本敏宏】
 私は、日本共産党議員団を代表して、提案されました議案等の幾つかに対し、反対の立場から討論をいたします。

 まず最初、議案第57号及び議案第68号特別職の職員の給与に関する条例の一部改正についてであります。
 この議案第57号は、提案理由の説明でこうした一連の職員の不始末、すなわち設計書の一部改ざんとその誤った資料による議会への虚偽説明、さらには監査委員からの指摘などで、結果的に議会や市民の皆さんに多大な混乱を招いたことについて、最高責任者である市長として率先してみずからを律して責任をとることといたしましたと述べ、その具体化として、市長の給料の10分の1を2カ月間減額するというものであります。
 私は、一般質問で要旨次のような質問を行いました。「我が党は市長に対し、地方自治法第233条5項の規定に基づいて、差しかえ前と差しかえ後の資料、改ざん前と後の資料を公開することを求めました。この申し入れに対し、6月6日付で資料の公開については市議会に対し誤りを訂正し、再説明をする機会を設けていただくようお願いしてありますが、その際に提出したいと考えていますとの回答がありました。しかし、10日の総務、建設企業合同委員会にはこうした資料の提出はありませんでした。改ざん、差しかえで何が問題かといいますと、それは提出された資料がこれが本当に正しいのかという不信感を醸成したということです。10日に提示された資料について、あれが正しい数値だということをだれが保証してくれるのでしょうか。改ざん前後の資料そのものを見ない限り、私は信用できません。その意味から、そして市長が公印をついた文書で約束したことを守るということからも、関連資料の公開を要求するものです。こうした約束を守るということについての市長の見解をまずお聞きしたいと思います。」という質問でありますが、この質問に対し、資料の公開はありませんでした。
 こうした経過から、本当に改ざんがあったのかどうかさえも確認できないのであります。日本共産党は科学的社会主義を理論的基礎としておりますが、その哲学である弁証法的唯物論は、現実を変革するという立場から、現実に立脚し、明らかになった事実をもとにして物事を判断することを求めています。先ほども述べましたように、今回の改ざんについては、差しかえ前後の資料とともに、改ざん前後の資料も公開されていないために、本当に改ざんがあったのかどうかさえ明らかではありません。したがいまして、我が党議員団は、それがだれに対する処分であっても、根拠を確認できない処分については、同意するわけにはいきません。処分は明確になった、公開された事実に基づいて行うべきであるというのが我が党の処分に対する基本的な立場であります。この立場から、事実が明らかになっていない段階での処分は取り下げるべきであると総務委員会でも主張してきたところであります。
 昨年の9月議会で、変更契約書が差しかえられたとき、それに収入印紙が貼付されていないことを指摘した際に、それは控えという趣旨の説明を受けました。17日の一般質問で、9月議会で配付された資料のうち、上建第11404−2号工法変更承諾について(通知)には、市長の押印がありませんと私が指摘したことに対し、それは控えでしたという趣旨の答弁がありました。こうした経過から見ますと、契約書を初めとするさまざまな文書について、どうも上越市役所には正本と控えという少なくとも2種類が存在するようであります。そして、それが時と場合によって使い分けられているように見えます。これはこれで重大なことであり、別途明らかにされなければなりませんが、今改ざん、改ざんと言われている文書が正本の方なのか、控えの方なのか、資料が公開されていないために、私たちには全くわかりません。何も明らかになっていないのに処分だけ先行するということに我が党は反対であります。
 一般質問でも述べましたし、前段でも言いましたように、改ざんがあったと言われていますが、改ざん前後の資料は公開されていません。今必要なことは、まず事実をすべて明らかにすることであります。そして、その事実に基づいて改ざんの実行者に対する処分、これはこのたび18日になって発表されましたけれども、実行者に対する処分がなされ、その上で上司の監督責任が問われ、さらにその上で市長としての政治的、道義的責任が問われてくるというのが世間一般の考えであると思いますし、我が党もそのように考えております。このようなことから、上から処分を決めてくるというやり方は、行政システムのあり方からしても、問題であると思うわけであります。事実資料が公開されていないのですから、疑惑隠しととられるおそれさえあります。こういうおそれを払拭する意味からも、改めて関連資料の公開を強く求めるものであります。以上の諸点から議案第57号と議案第68号について、我が党は反対の意思表示をするものであります。

 次に、議案第61号上越市営住宅条例の全部改正についてであります。
 この全部改正は、国が公営住宅法を改悪したことを受けての全面改定であります。国は、将来的には公営住宅を全面的に廃止することを基本方針としております。今回の法改悪では、その一環として、収入超過者、高額所得者の公営住宅からの退去を促進するということを盛り込みました。具体的にはこれらの人たちの家賃を近隣のアパートの家賃にするというものであります。通常民間アパートなどの家賃は、そのアパートの質や立地条件などを基準にして決められております。今度の公営住宅家賃は、入居者の収入が大きなウエートを占めることになります。
 話は別ですが、数年前から山小屋地代訴訟というのが争われております。これは国が売り上げに応じて山小屋の地代を納付せよというふうにしたために、山小屋経営者が異議申し立てをしているものでありますけれども、この例にも見られるように、国は従来収入や売り上げなどとは無関係に決められていた家賃や地代などに対して、収入や売り上げに応じた家賃や地代にかえるというふうに方針を変更してきているのであります。今回の応能応益家賃というのは、このように家賃体系を根本的に改変するものであります。将来こうしたことが広まっていきますと、民間アパートの経営者が公営住宅の家賃体系に準じた家賃に切りかえるという場合も考えられるものであります。そうした場合に、プライバシーの一つである収入をアパート経営者に開陳しなければならないという事態も識者の間では憂慮されております。今回の法改悪はこうした危険性をはらんでいるものでありますが、上越市の今回の市営住宅条例の改定は、こうした国の方針どおりの改定であります。この改定によって、一時的に家賃が低くなる世帯が生じますが、しかしこうした家賃の引き下げは、従来から裁量権の範囲内で可能でありましたし、行政がそれを実施しなかっただけであります。以上の理由により、議案第61号上越市営住宅条例の全部改正については反対をいたします。

 次に、報告第7号専決処分した事件の承認について(上越市国民健康保険税条例の一部改正について)であります。この専決処分は、国保税の上限を52万円から53万円に引き上げるものであります。我が党は、地方自治体には本来国の悪政の防波堤になるという役割があると考えております。この専決処分は、国の法律の改悪を無条件で実施に移しており、こうした悪政の防波堤になるという姿勢は全く見られません。この上限の改定は、法改正にあわせて直ちに行わなければならないというものではなく、事実これまで上限が52万円の法制下におきましても、52万円以下の自治体が存在していることは明らかであります。この国の悪政を直ちに市政に反映させるという政治姿勢が国保運営協議会にも諮らないで、その上全員協議会が開かれている当日の専決処分ということにあらわれているのではないでしょうか。議会を招集するいとまがあったにもかかわらず、招集せずに専決処分したことから、この専決処分の有効性さえ疑問視されると同時に、まさに議会軽視そのものの姿勢と言われても仕方がありません。こうした理由から、この専決処分を認めるわけにはいきません。

 最後でありますが、報告第8号専決処分した事件の承認について(平成8年度上越市一般会計補正予算)についてでありますけれども、この専決処分もその内容から見ますと、緊急性が認められず、今議会に提案しても差し支えないものと考えます。さきの専決処分と同様、全員協議会が開かれている当日の専決処分であり、議会を招集するいとまがあったにもかかわらず、招集せずに専決処分したものであります。こうした理由からこの専決処分を認めるわけにはいきません。
 以上であります。

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