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1996年6月議会

一般質問議事録

2.上綱子の産業廃棄物処理場問題について
最初の質問
最初の答弁
再質問
再答弁

【杉本敏宏】
 次に、上綱子の産業廃棄物処理場問題について質問いたします。
 我が党は、いかなる産廃施設も認めないという立場ではありません。真に公害を発生せず、環境と地域住民の生活を破壊しない施設であれば、建設を認めるのにやぶさかではありません。しかし、その場合にももうけ本位の民間施設としてではなく、行政がその責任で設置していくべきであると考えております。

 今回上綱子に建設が予定されております処理施設は、汚水の排水もなく、無害、安全と言われており、5月29日の環境保全対策特別委員会でも、安全と言われているのに何を心配しているのかという趣旨の質問もありました。業者は、最終処分場より出る汚水は一切外に漏らさない計画であることなどを挙げて、上越保健所より同意書は必要ないということで、お墨つきをいただいたということで下流地域の住民の同意を得ずに計画を進めております。
 議長さんからお許しをいただいてパネルを掲示させていただきますが、(資料を提示)ここにこの処理施設のメーカーである住友重機械工業から入手しました技術資料があります。この産廃施設に使う「ロータリーキルン式焼却炉による産業廃棄物の焼却技術」という資料です。この中の煙突から排煙される部分の水銀に関するところを拡大したものがこれであります。この技術資料では、システムの特徴として「キルンの排ガス温度を1,100度から1,300度程度の高温で焼却する」「2次燃焼室におけるガス温度を950度から1,300度C以上で2秒以上保つ」として、このことでダイオキシン等の有害物質の発生を未然に防止できるとしております。
 ところが、5月23日に新市会議員の施設視察というのが行われました。私も参加しましたが、このときに訪問した第2クリーンセンター、ここではダイオキシンの発生を抑えるために900度Cに下げて焼却しているという説明がありました。住友重機の装置は燃焼温度が1,300度C程度で可能であるため、焼却可能な廃棄物の範囲が広く、完全燃焼できることをうたい文句にしていますが、これではダイオキシンの発生が心配されるわけであります。

 また、この技術資料には重金属の挙動図が添付されております。この中の水銀を見ます。これがこの図でありますけれども、ロータリーキルンに投入された水銀の1.2%がスラグとして取り出され、7.2%が排ガスとして煙突から排出されます。そして、残りの92%は苛性ソーダによるガス洗浄によってスクラバーの排水中に放出されますが、このスクラバー排出液は排ガス冷却用噴霧液として炉に戻し使用することにより排水処理が不要になる、これがこの装置のうたい文句でもありますけれども、こういうふうに言われております。したがって、排水中に含まれた水銀が再び燃焼炉の中から煙突のところへその7.2%が排出される。これが順次繰り返されて、最終的にはほぼ全量近くが大気中に放出されるということになります。
 この処理施設は煙が出ないということも特徴としておりますが、煙が出ないのではなくて煙が見えないだけであり、焼却残渣は未燃分ゼロ%と言っておりますように、低沸点のものは気化して煙突から出ていきますし、燃えるものは酸化されてCO*やSO*、NO*など見えない煙となって大気中にすべて放出されるわけです。北西または北風に乗ってこの見えない煙は綱子川に沿って流れ、調整池ダムのある後谷や南葉高原方面に拡散していくことになります。飲み水が大変危ない、こういうことになるわけであります。以上はこの資料から読み取れるほんの一部の事実であります。
 上越地方では、これまでも関川の水銀汚染など水銀被害が住民生活に深刻な影響を与えてきました。もうこれ以上の水銀被害や大気汚染被害を食いとめなければなりません。この施設が本当に業者が言っているように無害、安全なのかどうか、市長の見解をお示しいただきたいと思います。

 また、排水がない、汚水となるものは一切川に流さない、先ほど説明したとおりでありますけれども、これを特徴としておりますが、この施設には最終処分場の下に500トンの雨水の貯水槽が設置されます。
 1時間当たり10ミリの雨、今どきよく降る雨でありますけれども、これが降り続くとしますとこの集水面積、すなわち埋立地の面積は1.7ヘクタールでありますから、1時間当たり170トンの雨が降ることになります。そうしますと、500トンの貯水槽というのは空の状態から約3時間で満杯になり、そしてこの調整池は埋立地の周辺に降った雨水を防災上安全な水量になるまで調節して下流に放流する施設というふうに説明されておりますから、満杯になった後の最終処分場から集められた水は綱子川に放流されるということになります。
 このように汚水となるものは一切川に流さないという業者の説明とは裏腹に、汚水が綱子川に放流される可能性が大変大きいわけであります。最終処分場より出る汚水は一切外に漏らさないので、同意書は必要ないという上越保健所の回答は全く論外の指導ではなかったでしょうか。
 6月12日、私も参加しましたが、谷浜地区町内会長協議会が新潟県に対して、「地元同意なしで計画を許可しないように」という要望を行いました。この要望に対し、県の貴船環境生活部長は、「専門家の委員会での検討を待って、地元同意が必要かどうか判断したい。社会通念上からしても、住民理解の上に立って進めるべきもの」と答え、地元同意不要を撤回しております。
 この県の新しい姿勢にも見られますように、業者の言い分、提出資料をうのみにするのではなく、それが本当に住民に対して安全なのかどうか、どのような影響を及ぼすのか、行政として当然調査をしておく必要があるのではないでしょうか。そこで、上越市としてこの件に関してどのような影響調査をしたのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

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【宮越市長】
 次に、産業廃棄物処理場問題についてでありますが、まず産業廃棄物処理施設については廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく施設の設置許可は県知事の権限であり、県においては産業廃棄物の適正処理を推進し、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に資するために新潟県産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理に関する指導要綱を定め、事前協議制によって計画に対する慎重な審査と事業者への指導を行っておるわけであります。
 このたびの施設計画については、事業者から去る3月12日、上越保健所へ事前協議書が提出され、現在審査が進められてると伺っております。県の指導要綱による構造基準に基づいて、例えば中間処理施設については自重、積載荷重、その他の荷重、地震力及び温度応力に対して構造耐力上安全であること。焼却施設については、排ガスにより生活環境保全上の支障が生じないものとするために必要な排ガス処理施設が設けられていること。また、最終処分場については地盤の滑りを防止し、または最終処分場に設けられる設備の沈下を防止する必要がある場合においては、適当な地すべり防止工または沈下防止工が設けられていること等の観点から本格的な審査が行われ、安全性等についての県としての判断が示されるものと考えております。

 次に、関係地域住民への影響調査についてでありますが、新潟県環境影響評価要綱では埋立地の面積が5ヘクタール以上または埋立地の容積が25万平方メートル以上の最終処分場について環境アセスメントを義務づけられておりますが、今回の計画は埋立地の面積が約1.5ヘクタール、埋立地の容積が24万9,890立方メートルであるため、この対象にはならないと言われております。
 また、現行の環境影響評価制度は、基本的には事業者がみずからの責任と負担において影響調査を行うものでありますが、市としても住民への影響についての問題であることから、現地確認等により可能な限りいろんな面からの影響について検討を行っております。
 いずれにいたしましても、関係地域住民への影響については、県の責任において指導要綱による事前協議書の審査の段階で生活環境保全上の支障について十分検討されるものと考えます。市といたしましても、これまでも慎重かつ厳正な審査を上越保健所に要請しておりますが、同要綱に基づく意見聴取に際しては、計画の不透明感がぬぐえないこと、計画地の一部が水道水源保護地域に隣接していること、あるいは地すべりを誘発する可能性が高いこと等、市民の皆さんが不安に感じてることを十分に考慮し、あわせて上越保健所の審査内容についても可能な限り検討を加える等、極めて慎重な対応に努めていきたいと、このように考えております。

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【杉本敏宏】
 時間が少なくなりましたので、産廃施設の問題に限ってだけ再質問をさせていただきます。

 この産廃施設は、ゴルフ場建設の問題が持ち上がった最中から動きが見られておりまして、水と緑を守る会、それから私ども日本共産党が協力してずっと監視を続けてまいりました。94年の4月には、上綱子地内の搬入道路に当たるところの入り口にプレハブが建てられ、そこに電話が引かれてこの問題が浮上してきたわけでありますけれども、そういう中で土地の動きなどについても調べてまいりましたが、問題の土地は91年12月に株式会社竹内工務店に所有権が移転しておりますけれども、その一部の土地に対して94年11月には有限会社利根環境開発への所有権移転請求権の仮登記がなされ、現在上越クリーン環境開発所有の土地に株式会社日本環境保全を債務者とする前橋信用金庫の根抵当権が設定されております。このように表面に出ております竹内工務店ではありますけれども、実際にはこの日本環境保全などのこういうところが実際に進める企業ではないかということがだんだん明らかになってきているわけでありますが、市長の方としてそういうところの調査をされておられるかどうか、一言御回答をいただきたいと思います。

 それから、5月の19日に谷浜地区町内会長協議会が主催しまして現地学習会が行われました。私も参加して現地を見てまいりましたが、現地の状況というのは行かれておられるから御承知だと思いますが、(資料を提示)おおよそこのような形になっております。赤い線は搬入道路の予定の路線でありますけれども、この路線に沿ってその黒い線が、これが赤道でありますけれども、これに沿って境界のくいが既に連続して打たれております。それで、測量が行われている様子が明白だと思うんでありますけれども、こういう境界地の区分けをするときに両者の立ち会いというのが通常行われるわけでありますけれども、この業者が赤いくいを打ったときに上越市が立ち会いをされているのかどうか、市長の見解をお示しいただきたいと思います。

 それから、去る6月6日、日本共産党の北陸信越比例事務所と共同で改めてここを視察してまいりました。再度この図でありますが、この赤い搬入道路に沿って樹木が幅約10メーターぐらいにわたって切り開かれております。事実上の工事が始まっているのではないかということで、これは県の谷浜地区町内会長協議会の交渉のときにも行って話をしたんですけれども、業者はこれは測量のための伐採であって工事の事前着工ではないというふうに言っているそうでありますが、現地の状況を見れば測量に必要な以上に伐採されているというのが実態だと思います。
 そういう点で、どうも今のこの状況を見ますと日常的に現地を監視していく必要があるのではないかと思いますけれども、こういう業者の行動に対して上越市としてどのような注意を払っているのか、これをお示しいただきたいと思います。

 それから、5月29日の環境保全対策特別委員会の際に配付された資料がありますが、この3枚目に関係法令の一覧表があります。その中で、建築基準法の項目、この権限は市長というふうになっております。建築基準法の51条、中身を見てみましたら、「都市計画区域内で特殊建築物を建築する場合にその敷地の位置を許可する権限が市長にある」というふうに言われているわけでありますし、それから行政指導としてはこの許可の問題で不許可とする場合には都市計画審議会の議を経ずとも不許可処分を行うことができるというふうにも言われております。
 宮越市長は、これまで谷浜地区町内会長協議会などの陳情などに対しても、例えば4月10日、該当地が地すべり地だと認識しているというようなことが市の方から言われておりますし、5月の10日にはあの開発地の中にある農振法にかかわる土地については農振法の解除をしないというようなことも言われておりますけれども、そこでお聞きしたいのは、この建築基準法の51条によって宮越市長がここの場所にこういう特殊建築物を建てるのは不適当であるというふうに言明されるのがこの問題解決の一つの大きな方法ではないかと思うわけでありますが、その見解をお尋ねしたいと思います。
 以上です。

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【宮越市長】
 この問題は、いずれにしても大変市民の多くの方々も恐らく関心をお持ちで、心配されてる向きもあろうかと思いますし、中でも地元の皆様方は大変な思いで事態の推移を見守っていらっしゃると、このように私は思ってます。したがって、先ほども申し上げましたように、最大限の意を用いて慎重に対応していかなきゃならんということは当然でありますが、そういう中でもまだ正式な手続を進めていない部分が結構あります。

 それから、今の御指摘の建築基準法に基づく私の判断についても、受理はしてありますが、審査中ということで、諸条件がまだはっきりとしないということでありますから、結論めいたことには至っておりませんが、私は今日の今おっしゃられたようなことあるいはまた各方面で、このような心配の向きで陳情あるいはまた反対等の運動があるということよく承知しております。それから、現場の状況を私ども担当から確認せしめている中から、なかなかこれは前向きに許可をするというわけにはいかないという環境にあるなというふうに私は受けとめておることは間違いないと、このように思うわけであります。

 そういう中で、法治国家でありますから、事業者もなかなか法律論で対応するという状況もある中で、今ほどくいを打つというような話、赤道に対応するようなことも出てきております。申し上げておきますが、この赤道の管理する行政体はこれは県でありまして、私ども直接携わるわけにもいかない面もあったり、いわゆる制度の限界点もかいま見る中で、私ども可能な限り不安を引き起こすようなことにならないように細心の注意を払っていくわけであります。そんなこともありまして、今関係機関と相互連絡とれるようなそういう協議会というか、調整会議、そういうものを起こしまして、これは市の行政ばかりでなく、県、この産廃問題についてすべて関係する諸機関が一堂に会しながら協議を進めていくという、そういう手順を踏んでおります。ですから、市とか県とか国とかという縦割りじゃなく、横に一つのテーブルに着いてこの問題を今調整しながら進めていこうということで対応しておりますことを申し添えておきます。

 なお、今森林の伐採等が顕著に目に見えるようなことがあるがいかがかということでありますが、これは伐採届け出書提出が県に対してこの4月にありまして、それは特に法律違反でないということで受理をされております。それをもとに恐らく伐採をされて、測量、地質調査のためにそのような行為があったものと私ども思ってます。しかしながら、私どもはこういったことに対しても、例えば林業事務所に対しては本件に係る各種届け出、申請については迅速に私どもにも連絡するよう申し入れて万全を期していきたいということで、私どもの所管ではないんでありますが、そのような担当にも適宜情報をお互いに交換しながらこの問題については適切に対応していこうというふうなことで対応していることを申し上げておきます。
 以上です。

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