1996年6月議会

一般質問議事録

1.北陸新幹線の着工と信越本線の存続問題について
最初の質問
最初の答弁
再質問
再答弁

【杉本敏宏】
 おはようございます。一般質問に当たって、まず最初に一言述べさせていただきます。
 私は、このたびの市議選で初めて当選させていただきました。この6月議会が初議会になりますけれども、最初に一つ要望させていただきたいと思います。それは議会に提出された理事者側からの説明資料の不十分さについてであります。初日の総括質疑で我が党の樋口良子議員が指摘しましたし、建設常任委員会での多機能型施設についての質疑や総務常任委員会でのOA化推進についての質疑等も不十分な資料が原因となっているのではなかったでしょうか。民間会社では、事業展開を図る場合、その目的、全体計画とその中での当該事業の位置づけ、個別の具体的な計画、費用の詳細、費用に対するメリットなどを報告し、承認をお願いします。この上越市の庁内でも、部下から上司へは当然このようなことが行われていると思いますけれども、なぜそれが議会に対して行われないのか不思議でなりません。議会に承認をお願いしたいのであれば、このような当然のことを最小限やっていただきたい。現状程度の議会資料では、庁内でももしかするとあの程度の不十分な資料で事業が進められているのではないかと思われても仕方がないのではないでしょうか。9月議会からは議論できるだけのきちんとした資料を提出していただくことをまずお願いいたしまして、一般質問に入らせていただきます。

【市川文一議長】
 杉本議員、今発言を許しましたが、基本的に通告制であることを認識してください。

【杉本敏宏】
 はい、わかりました。
 まず最初に、北陸新幹線の着工と信越本線の存続問題について質問します。
 日本共産党は、新幹線など交通機関の近代化は社会発展の方向として積極的な対応をしてきました。同時に、新幹線の実現とともに在来線の経営をJRから分離せず、公共交通機関としてJRの路線として存続させるべきという立場から一貫して新幹線の実現と信越本線の存続を主張し、とりわけ信越本線についてはその複線化の実現を掲げてきました。新幹線も在来線もというのは上越地域住民の皆さんの願いであります。今この問題を考えるとき、信越本線の経営分離か新幹線かという二者択一ではなく、我が党が主張してきましたように信越本線をJRとして存続した上で新幹線もという立場に立つことが必要ではないでしょうか。

 並行在来線の経営分離というのは、1990年の運輸省と自民党との申し合わせ事項であり、国会でも議決されておらず、法制化もされておりません。したがって、だれもこの申し合わせに拘束される必要がないわけでありますが、またこの経営分離の考え方は公共交通機関としてのJRの責任をないがしろにするものでもあります。

 5月9日の連立与党整備新幹線検討委員会で、新潟県知事は「長野−直江津間を並行在来線とすることは認められない。現行スキーム以上の地域負担は困難」と発言したと報道されております。これは信越本線をJRとして存続した上で新幹線もという立場に近く、在来線の経営を安定させるという点から見て、また地域住民の願いから見て評価できる立場であります。これに対して、長野県などは新幹線の実現のために在来線の経営分離を受け入れるというもので、信越線の経営分離か新幹線かという二者択一の考えに陥ってしまっているものであります。
 マスコミ等で報道されております市長の発言は、新幹線の実現のために在来線の経営分離はやむなしという二者択一のように見えます。市長の立場はこの二者択一の立場なのか、それとも信越本線をJRとして存続した上で新幹線もという両方とも実現するそういう立場なのか、まず明確にお答えいただきたい。

 この区間は名立たる豪雪地帯です。したがって、雪害対策など維持管理費が多額になることが予想されます。この面からもJRとしての存続が必要ではないでしょうか。また、北陸新幹線は東海道新幹線の災害時の代替路線との考えもあります。上越地域防災計画でも指摘され、我が党が昨年2月22日に市長に申し入れた震災対策についての申し入れでも指摘しましたように、この地域は地震の巣であります。したがって、北陸新幹線の代替路線としても信越本線はJRとしての存続が必要ではないでしょうか。JRの経営下で複線化など拡充を図ることをJRに要求すべきではないでしょうか。長野以北の信越本線をJRの路線として存続させるために上越市としてどのように取り組まれているのか、市長の考えを具体的にお答えください。

 JRから第三セクターなどへの並行在来線の施設の委譲は、これまで無償譲渡から長野−軽井沢間では有償譲渡とされました。そのために高崎−長野間では地元負担が1,100億円という試算もあります。JRから分離された並行在来線が第三セクターなどとして生き残るためには採算性が問題になります。採算がとれなければ廃止するか、関連地方自治体の財政負担をふやしていくかの二者択一を迫られることになります。したがって、JRからの経営分離を容認することは三セクなどの新会社の経営、採算などの見通しがなければできません。市長は、どのような経営、採算見通しを持っておられるのか、示していただきたい。

 直江津駅の改修に伴う直江津駅前整備計画の予算が昨年12月議会での補正予算で大幅減額になりました。それがことしの平成8年度予算でも復活しておりませんが、この事業の見通しをお示しいただきたいと思います。

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【宮越市長】
 順を追ってお答え申し上げますが、杉本議員から多岐にわたっての御質問をいただきました。恐らく答弁の時間を入れますと間違いなく40分を経過してしまうおそれがありますが、今ほど議長がおっしゃったように原則は 40分ということでございますから、この中に時間が足りなかったら、ちょっとオーバーするかもしれませんが、そのところを認識の上お聞き願いたいと思います。
 それから、冒頭委員会の資料不足と、不十分ということを厳しくおっしゃられましたが、私は実は委員会に出ておりませんから審議の細部についてはなかなか酌み取れないわけでありますが、議会は何も新しく始まったわけでなく、過去長い歴史を持ってこういった一つのルールで過ぎてきておりますから、恐らくそういった慣習とかあるいは資料の出し方というものは過去の経験則から出されている面もあろうかと思います。そういう中で、極力これは審議をいただくんでありますから、先般樋口議員にもお答え申し上げましたが、これは資料を十分にするべきは当たり前であります。しかし、その程度においては、これはそれぞれの委員の感じ方が違っていることも間違いないと思いますし、それぞれの能力と言っては大変語弊があるかもしれませんが、経験とかそういった豊富な方々は資料はそんなになくても判断できるという方もいらっしゃいましょうが、杉本議員がおっしゃったことは私は理解をするつもりでありますが、冒頭資料に不備があるというようなことを大上段に構えられて言われますと、いささか今までのじゃあり方について全面的に否定されるのかというようなことにもなりかねないわけでありますから、ここはできれば改善をしてほしいというところについては改善を加えてほしいという、そういう御要望というふうに私は受けとめておきたいと、このように思います。

 順を追ってお答えしますが、最初に北陸新幹線と信越本線に関する御質問にお答え申し上げます。
 整備新幹線についてでありますが、御案内のとおり、昭和63年1月から政府与党の協議機関である整備新幹線建設促進検討委員会で着工に向けての具体的な検討が重ねられ、政府与党の申し合わせにより同年8月に着工優先順位が決まって、続いて平成元年1月には財政措置がそれぞれ決定されてきたわけであります。このうち北陸新幹線高崎−長野間につきましては平成元年6月に高崎−軽井沢間、平成3年8月には軽井沢−長野間の工事実施計画の認可をそれぞれ受け、標準軌新線、いわゆるフル規格による工事が進められることになったわけであります。その後従来の整備計画がすべて維持されることを確認するとした平成6年12月の関係大臣の申し合わせで、3線5区間以外の区間の整備のための新しい基本スキームを引き続き検討し、平成8年中にその成案を得るとされたのを受けて、与党整備新幹線検討委員会では去る4月4日のJR各社に対しヒアリングを開始したわけであります。そして、5月9日には新潟県、長野県など関係5県からのヒアリングが行われた際のそれぞれの主張意見の一部につきましては、今杉本議員が述べられたとおりであります。

 北陸新幹線については、整備計画どおり一日も早い着工を目指して、沿線各県はもとより、上越地域が一丸となってさまざまな運動を展開し、特に長野−上越−糸魚川間のフル規格による工事の着工について熱望しているところでありますし、この優先着工という要望は新潟県の考えと何ら立場の違いはないと、このように受けとめております。
 また、4月4日のJR東日本が北陸新幹線長野−上越−糸魚川間を建設した場合、信越本線長野−直江津間の経営分離が必要になるとの意向を示したとされていることにつきましては、私はもちろん、協議会の会員としても並行在来線についてはあくまでも北陸新幹線長野−上越−糸魚川間のフル規格の着工が決まってからという考え方であることを改めて申し添えておきます。

 一方、信越本線につきましては、沿線地域住民の大切な足でもありまして、また地域経済の発展にとりましてもその果たす役割はまことに大きいことからその継続を要望してまいりますが、しかしながら整備新幹線の優先着工を新スキームに組み入れていただくためには、並行在来線問題をいたずらに議論することは避けなければならないと考えてます。したがって、二者択一の問題であるかどうかということでありますが、これはそういった性格のものではないわけでありまして、在来線は当然存続させなきゃならんという強い考えを持ってることを御認識いただきたいと、このように思っています。

 次に、信越本線の複線化などの拡充策についてのお尋ねでありますが、北陸新幹線が来年秋に長野まで開業となることに伴って、横川−軽井沢間の廃止、そして軽井沢−篠ノ井間の第三セクター化など、信越本線を取り巻く環境はまことに厳しい状況下にあるとはいえ、本線の持つ使命は変わるものではありませんので、沿線市町村、そしてその他関係機関と連携を図りながらあらゆる場面を想定した諸要望の実現に向けて運動を展開してまいりたいと考えてます。

 次に、経営分離を容認するには、新会社の経営、採算の見通しが必要であるとのお尋ねでありますが、再三申し上げておりますようにすべては長野−上越−糸魚川間のフル規格での着工が決定してからのことであり、一方信越本線はこの間も沿線地域住民の大切な足であるとお答えを申し上げておりますので、御理解を賜りたいと思います。

 次に、直江津駅改修が先送りされているが、この事業の見通しはいかがということでございますが、直江津駅周辺は古くから陸、海の交通の要衝として栄え、歴史、文化をはぐくんだまちであり、上越の玄関口として積極的に都市基盤の整備を推進しているところであります。直江津駅改修につきましては、現在都市計画道路直江駅前通り線の駅前広場整備と直江津駅南土地区画整理事業として駅の南北を結ぶ自由通路整備の二つの事業を組み合わせて進めているところであります。
 駅舎の改築に当たりましては、北陸本線、信越本線及び北越北線との交通結節点にふさわしくまちの活性化に寄与し、さらには観光のシンボルとなるような立派な駅舎にしたいと考えております。この事業は、駅前広場、自由通路及び橋上駅整備がセットになっており、現在東日本旅客鉄道株式会社との間で事業実施の協定に向けて積極的に協議を進めているところであります。協定締結後今年度中にも仮駅舎建設に着手し、早期の完了を目指す予定にいたしておりますので、一日も早い時期に完成するよう一層努めてまいりたいと考えております。

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